★阿修羅♪ 現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産22 > 532.html
 ★阿修羅♪
次へ 前へ
「景気下振れ懸念」共通認識へ (☆☆☆) [住友ゴールド]
http://www.asyura.com/2003/hasan22/msg/532.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 2 月 25 日 20:08:50:


21、22日の両日パリで開催されていた7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G
7)が終了した。

もともと1月下旬に開催が予定されていたが、スノー米新財務長官の議会での承認が
遅れたため日程が延期され、この日になっていた。その間に、一連の国連によるイ
ラク査察の結果報告があり、独仏が即時開戦に反対の意思を鮮明にしたことから事
態はこう着状態のまま推移、ここにきて米英政権の強行姿勢が強まっているのは、
ご存知のとおりである。

今回のG7は、こうした環境のなか開かれたが、当然のことながら「イラク問題」
が主要テーマとなった。参加各国の共通認識として、イラク開戦による原油高、為
替市場の波乱、消費者マインドへの悪影響など「地政学的リスク(ジオポリティカ
ル・リスク)」について話し合われた。もっとも、現段階で開戦自体が決定してい
るわけではないので、戦費や復興支援の負担については話し合われず、金融経済に
対する各国共通の「不確実性」の存在を認識し、何か事が起きた場合の“心構え”
だけはしておこうというニュアンスで伝えられている。つまり、個別の具体策まで
突っ込んだ議論はなされなかった。

このところのG7は、半ば儀式化しているのではないかとの批評がある。確かにこ
こまで、G7後の共同宣言では、判で押したように「世界経済の底堅さ」が謳わ
れ、その時々の問題国の対応が取り上げられ、それがこのところ毎回日本だった。
とくに世界経済の状況分析については、景気自体が心理的要素も大きいため共同宣
言で先行きに対し「懸念」を示すことを避けたいということもあり、米国株バブル
崩壊後は、宣言では「力強さ」つまり楽観論が謳われても現実には後退という局面
も見られていたのである。それを今回は、一歩踏み込む形で先行きに懸念を示すこ
とになったのだが、それはイラク緊迫をにらみ、そうした“地政学的リスクがある
からこそ”景気が下振れる可能性があるというふうに表現された。いわば、イラク
問題を前面に出すことにより、名実ともに下振れの可能性を認め、その防止に向け
協調へと踏み出したわけだ。総論は楽観、各論で警戒という玉虫色の宣言であっ
た。本音は「先行きに対し懸念」と取るべきだろう。

伝えられるところによると、その対応策の中心は金融政策であるという。つまり市
場の混乱や景気の下振れ懸念を事前の、あるいは即応的な利下げや市場への通貨供
給で乗り切ろうというわけだ。すでに欧州中央銀行(ECB)のドイセンベルク総
裁は、展開次第では利下げを含む金融政策の発動の意向を示したという。先に先進
各国がG7の枠を越えて協調的に緊急利下げに向かい、それが功を奏したのは
「9・11」に際し、NY株式市場が一時的閉鎖から再開された直後だった。各国
が連携してドルの急落と世界的な株式の連鎖安を食い止めるために行動を起こし、
それは成功した。あれから1年半。協調に向けて意思統一の場が、今回のG7とい
うことになった。

心配なのは、にもかかわらず金融政策の発動余地が残されていないことである。

既に約2年前から「量的緩和(金利に下げ余地はないため世の中に出回るお金の量
を増やそうとする政策)」を実施している日本は言うに及ばず、当欄でも過去再三
取り上げてきたが、政策金利を過去2年間で12回も引き下げた結果、米国FRB
(連邦制度理事会)自体の政策発動余地も限られている(現行1.25%)。いよ
いよ正念場到来ということである。ECB(欧州中央銀行)が、早々に利下げの意
思を示したのは、まだ比較的金利水準が高いためだが、それでも2.75%である
から正真正銘「比較の問題」であり絶対水準を考えると余裕があるわけではない。

それではなぜ金融政策が前面に出るのかということだが、メディアが指摘するよう
に各国ともに財政面での余裕の無さが背景にある。日本の国家財政が逼迫している
のは既に周知の事実であるが、ここにきて米国財政も急速にしかも大幅に赤字化
し、また、さらに“赤字化する”ことが確定的になっている。またユーロ圏も、こ
ちらは通貨統合時の条件として財政赤字の上限を決めていることもあり、独仏伊と
いう域内主要国がすでに枠に達し、あるいは突破する見通しとされており財政出動
の余地はやはり限られている。したがって、金融政策というわけだ。

ここで指摘しておきたいのは、すでに米国の例で明らかになりつつあるが、利下げ
が思ったほどに景気浮揚に効果を上げていないという事実である。やはり以前書い
たように、これは通常の景気循環のなかで起きた後退局面ならいざ知らずバブル崩
壊(急激な資産デフレ)によりもたらされた後退であり、金融政策が効かないので
はという分析がある。このあたりはエコノミストを2分するような論議にこの先す
すみそうだが、どうやら過去の歴史を紐解くと金融政策の限界ということになり、
すでに日銀が踏み込んでいるような例を見ない(株を引き取ったりという)政策発
動が、他の先進国でも見られるのではと思う。あるいは、最悪の場合には、各国と
もに「戦時体制」を大義名分に「緊急避難」的措置としてあらゆる制限を解除して
財政政策に猛進する(さらに赤字急増)ということになるのかもしれない。

いまの方向は、短期決着を目指して、それでもイラク開戦ということのように見え
る。こうした世界的な金融・経済環境を考えるとき、やはり金市場の動きは、月初
の値動きで当面お休みとは思えないのである。(2月23日記)


金融・貴金属アナリスト
亀井幸一郎
※本レポートは執筆者の個人的な見解を述べたものであり、実際の投資にあたってはお客様ご自身にてリスクをご判断ください。

 次へ  前へ

国家破産22掲示板へ



フォローアップ:



 

 

 

 

  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。