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雇用・能力開発機構の闇【夕刊フジ特集】
http://www.asyura.com/2003/hasan23/msg/111.html
投稿者 Gaia 日時 2003 年 3 月 04 日 15:53:28:

◇豪華だが、格安とはいえない…スパウザ小田原損失は446億円

 厚生労働省の特殊法人「雇用・能力開発機構」(横浜市)が、雇用保険料から約4498億円もの巨費をぶち込んで建設した全国2070カ所の保養施設などを、1050円、1万500円といった二束三文で次々に売却中だ。昨年の失業率が過去最悪になる中での許し難い暴挙…。特殊法人の深い闇を追った。

 機構側が神奈川県小田原市に、8億数千万円での買い取りを要請している「スパウザ小田原」は建設費455億円と最大の物件だ。売却で生じる損失約446億円は、実に約5万人分の失業保険に相当する。

 「あそこはいいですよ。設備はいいし、料金もそう高くない」とは、50代の自営業者。

 実際、その豪華さは相当なもので、相模湾を見下ろす丘の上にある敷地は、東京ドーム5つ分の約24万平方メートル。地上12階地下1階の本館とコテージがあり、客室数は167室。天然温泉のスパ、ボウリング場、テニスコートなどが併設されたリゾート施設なのだ。

 もっとも、料金が安いかはかなり疑問。宿泊料は平日にスタンダードツイン(1泊2食付き)で、1人1万5000円(休前日は3000円増)。広い部屋やコテージを4人で使った場合、平日で6万2000円、休日前は7万4000円。

 こんな立派な設備を作っておきながら、その収支は赤字続きだ。

 平成13年度の売り上げは約26億円。見かけ上は250万円の黒字だが、機構から運営を委託された「勤労者リフレッシュ事業振興財団」が約2億円の委託費を受け、実質は約2億円の赤字。平成10年のオープンから、累計で国から約9億円の補填を受けている。

 経営状態も悪いうえ、特殊法人改革で、機構が所有する保養施設は譲渡か廃止されることが決定。ようやく、スパウザ側も経費削減や若干の営業活動も始めたという。

 結果、昨年12月の宿泊定員稼働率が85.2%に上昇。同様な民間施設の平均が70%前後だから、かなりの人気で、「今年度は最終的に国の補填なしで黒字になる」(小田原市役所の担当者)。

 ところが、この数字にも裏がある。スパウザには、民間で家賃にあたる料金や償却費に相当する負担がないのだ。

 現在、施設を買い取る方向で検討している小田原市は、運営を委託する民間企業を公募中。入札には、年間4億3000万円以上の“家賃”を収め、市民の健康を増進するといった運営の企画案を出す条件がある。

 それでも、30社以上が入札要項を受け取り、「全国的に有名な会社もあります。市で民間のコンサルタントに依頼し、経営状態を分析したが、採算がとれるとの評価が出ています」(同)。

◇ホントに失業者対策?

 スパウザとは、温泉のスパと楽譜の休符を意味するパウザを組み合わせた造語で、勤労者が長期滞在し、リフレッシュする場所を意味しているという。

 そんなスパウザを、失業者や失業の危機に脅える勤労者が利用しているのか。誰が考えても、利用者の大半は失業の心配がない人たちだろう。

 さらに、大きな問題は民間で普通に経営すれば黒字化も容易とみられる施設で、誰が赤字を垂れ流してきたのかだ。

 機構の理事長や役員の大半は厚生労働省(旧労働省)の天下り。スパウザの運営を委託された財団の理事長も、元事務次官で機構の元理事長だった。失業者の生き血でリフレッシュしているのは、天下り役人なのだ。


◇中野のシンボル〜中野サンプラザ50億円超お買い得

 JR中野駅から徒歩1分の「中野サンプラザ」(東京都中野区)。正式名称が「全国勤労青少年会館」というのは、あまり知られていない。

 アイドルから演歌歌手まで、多数のコンサートが行われる超有名施設。所有する雇用・能力開発機構は、地元の中野区に50億円での売却を持ちかけているが、高給で人数の多い職員の雇用問題がネックとなり、交渉は難航している。

 交渉の窓口となっている中野区企画課の担当者は「若者から年配者まで多くの人が集まる地元のシンボル的存在。将来の街づくりの核になるため、ぜひ、区で所有したい」と話す。

 中野サンプラザは昭和48年、雇用促進事業団(同機構の前身)が約102億円で建設。地上21階地下2階の建物には、2222席の大ホールやホテル、図書館、結婚式場などがあり、年間200万人超が利用する。

 駅前の超一等地にあるため、約1ヘクタールの土地の評価額だけで約140億円。建物+土地で約242億円が、50億円ならお買い得ではある。

◇「条件」がネックに

 だが、機構側は売却に際し、(1)10年間は現施設のまま使用(2)143人の職員を常勤で継続雇用−などの条件を出した。

 これに、中野区の考えは、「国が行革の一環で手放す以上、取得後は徹底的にスリム化を図る必要がある。職員全員の雇用を区で保障するわけにはいかない」。

 両者の考えはすれ違い、1月中をめどとしていた交渉は、3月以降にずれ込みそうな気配だ。

◇サンプラザ職員の年収は800万円!

 中野サンプラザ職員の平均年収は約800万円で、「民間の同様施設と比べると3割程度高く、人数も多い」(業界関係者)。営業収支は約2億円〜約3億5000万円の赤字が続き、毎年国から約4億円の補てんを受けている。区関係者は「実態を知れば知るほど無駄が多い」と切り捨てる。

 超格安物件ながら、財政難の中野区にとって、そんな約50億円の施設は大きな買い物だ。第三セクターを作り、金融機関から借金して買い取ることを想定しているが、「早く返済したい。そのためには、職員の削減や運営改善は不可欠」と断言する。

 区では適正な経営体制として、「従業員数109人、平均給与約680万円」と試算。さらに、「従業員83人なら10年間で10億円以上の負債削減が可能」と、より突っ込んだリストラも視野に入れている。経営合理化のため、ホールやホテルなどの運営は民間に委託する方針だ。

 「委託先の会社が採用試験を行い、必要な人数や給与水準を決めることになる。当然、全員採用というわけにはいかないだろう」(区企画課)

◇中野は、ましなケース

 同機構は「職員の雇用確保は譲れない」と強調。区との間で交渉がまとまらなかった場合、「民間への売却や、更地にして土地のみを売却する可能性もある」という。

 同区は「他者の手に渡ることは避けたい」(企画課)として、今後の交渉で同機構側から譲歩を引き出したい考えだ。

 もっとも、中野サンプラザの場合、まだ買い手が意欲を持っているマシなケースだろう。

 「名古屋サンプラザ」(名古屋市)に至っては、建設費40億円の施設を105万円で叩き売ろうとしたが、交渉先の名古屋市からは「経営する必要が見いだせない」と断られてしまった。民間への売却を模索するが、決まらなかった場合、「解体」の運命にある。

 さらに、札幌や仙台、広島の各サンプラザ(建設総額約143億円)も、交渉は遅々として進んでいない。

 全国の勤労青少年も怒るしかないないのだ。


◇激安越えた、驚き価格!〜立派な施設がたった1050円

 厚生労働省の特殊法人「雇用・能力開発機構」が2770万円を投じて建設した50メートルプールを鹿児島県川内市に、わずか1050円で売却したことが波紋を広げている。埼玉県川越市の体育館も同額で叩き売られた。雇用保険料から出た建設費が、なぜ、タダ同然になってしまったのか。

 「安い買い物? いやぁ、どのくらいの価値があるもなのか、全然、見当もつかなかったからねぇ。1050円といわれれば、そんなもんかなと思いました。こちらにすれば、ありがたい話」と、明るい声で話すのは川内市役所の担当者。

 問題のプールは、機構の前身・旧雇用促進事業団が同市に建設を提案。同市が無償で用地を貸与し、昭和48年に完成した。その後、同市は幼児プールやスライダーも増設。「川内プール」として、地元住民に利用されてきた。

 「近隣に民間のプールもなく、50メートルプールもここしかなく、地域の大会もこのプールで開かれてきました」(同)

 川越市も昨年、機構から「川越勤労体育センター」を1050円で買い取った。

 柔道場、剣道場、弓道場を備えた同施設も、旧事業団が同市に建設を持ち掛け、昭和49年に完成。土地は川越市が無償で貸与し、建設費は1億3700万円。旧事業団は、約2割の2880万円を負担。地元で「川越武道館」として知られ、機構側の買い取り要請に、川越市役所は「10万、20万じゃないだろうと思っていたら、1050円というので驚いた」。

 川内市は、プールのほか、機構が約1億4000万円で同市郊外の自然公園に建設したレストハウスも1万500円で買い取っている。

 こうした施設は、全国にあり、1万500円、10万5000円といった“法外”な値段で次々と売却されている。

 なぜか。

◇採算度外視、これも「福祉」だから

 一つのポイントは、機構(旧事業団)が市町村に建設を持ち掛け、用地も無償貸与されたことがある。しかも、施設の維持管理は、各自治体が行ってきた。

 こうしたなか、特殊法人改革で、施設の売却・廃止が決定。機構の都合で手を引くことに…。

 機構の説明では、用地を更地にして自治体に返すことを前提に施設の不動産鑑定をしたが、その評価額が解体費用を下回るケースが相次いだ。

 それでも、川内市や川越市など自治体側は存続を希望。そこで、評価額が100万円未満は1050円、100万〜1000万円未満を1万500円、1000万〜1億円未満を10万5000円に定めたという。

 「厳密な査定は面倒くせい!」とばかりに、全国一律のドンブリ勘定で叩き売っているのだ。

 なぜ、“公金”で建てた施設に、そんな扱いができるのか。

 機構側に「最初から採算を取るつもりなら、こういうやり方(作り方)になっていません。これは勤労者に対する福祉事業、いわば行政サービスのようなもの」との意識があるからだろう。

 極論すれば「福祉事業で、住民にも恩恵があったんだから、文句を言われる筋合いはない」というわけか。

 だが、最大の問題は失業という勤労者の緊急事態に備え、強制的に集められた資金が数千億円も消えること。それに対する責任感のなさは驚くばかりだ。


◇伊勢志摩はタダ同然!〜いこいの村32箇所の多数が赤字

 「最初は6700万円という提示だったんですわ。それが、10万円5000円まで一気に下がった。施設はまだ使えるし、この額なら買うしかないな、と。何でここまで安くなったのか説明はなかったですがね…」

 苦笑混じりにこう話すのは、三重県大王町の関係者。同町は昨年12月、雇用・能力開発機構から、町内にあるリゾート施設「伊勢志摩いこいの村大王」を購入した。

 同施設は昭和59年4月オープン。真珠の産地として有名な英虞(あご)湾を望む丘の上に、23億6000万円かけて建設された。ホテルや多目的ホール、テニスコートなどを持ち、ピーク時の平成7年度には2万人の宿泊客を集めた。

 だが、不況や近隣に同様の施設ができたことが打撃となり、9年度に赤字転落。10、11年度と1500万円前後の赤字が続き、13年1月以降、営業を停止していた。

 同機構が町に売却話を持ちかけてきたのは、13年秋。赤字垂れ流しの末閉鎖した不良資産に対し、「不動産鑑定士が算定した」(同機構)として、6700万円が提示された。

 これに、町は「金額が大き過ぎるうえ、使い道がない」とバッサリ。逆に、「無償提供をお願いしたい」と要望した。

 「無償では無理」とする同機構と約1年に渡り交渉した結果、再提示された額は10万5000円。一気に、99.8%ダウンという“投げ売り”となった。

 「無償に近い額ですから、昨年8月下旬に提示され、すぐ決断した」(前出の大王町関係者)

 激安で購入したが、町は今、「赤字の出ない使い道」に頭を悩ませている。決まっているのは「採算のとれないホテルは再開しない」ことのみ。「福祉施設への転用などが考えられるが、既にありますし…。いい案はないですかね」(前出の関係者)と、降ってわいた“ハコモノ”を持て余している様子だ。

◇激安で買っても、先は暗い…

 新潟県・佐渡島にある「いこいの村佐渡」の購入を決めた畑野町の悩みはさらに深い。10万5000円という激安ながら、約5000万円の累積赤字を抱える“コブ付き”だからだ。

 建設費や改修費などこれまで約29億円が注ぎ込まれたが、昭和53年のオープン以来、毎年3000万円近い赤字を計上。県と同町が折半で補填してきた。4月以降町の所有になれば、全額が町の負担になってしまう。

 民間ではとても手を出せない物件だが、同町は「観光客が来ることで地域に還元される。町民の交流の場としても利用できる」と説明。ただ、同町幹部の1人は「町も財政は厳しく、『1億円くらい付けてほしい』と言ったんです。機構側は『できません』と苦笑いしていましたが…」と本音を明かす。

 町では3月期補正予算で累積赤字を一掃し、運営を外部に委託するなど体質改善を図る予定だが、決定的な解決策は見いだせないでいる。

 同機構が売却交渉中のリゾート施設「いこいの村」は全国に32カ所。大半は「不便な立地と営業のまずさ」(ホテル関係者)から赤字経営に陥っている。

 ほかに、大都市などにある研修施設「テルサ」(12カ所)も「建設費約75億円の熊本テルサが約5300万円で売却の提示があった」(熊本県)など、“大出血”で売り出されている。

 売却先は土地などを所有する地元自治体。引き受けなければ「解体」となるため、「税金で作ったものを税金で壊すのは忍びない」(中部地方の自治体幹部)と購入の意向を示すところが多い。

 だが、財政難の中、新たな負担が生じることに「国の失敗を押しつけないでほしい」(同)との悲鳴も上がっている。

◇職業体験と学習の場〜仕事館より仕事を!

 殺風景な関西文化学術研究都市の精華・西木津地区(京都府)に、全面ガラス張りの巨大な建物が出現する。8.3ヘクタールの敷地内に地上3階建てで、延べ床面積3万5000平方メートルの「私のしごと館」だ。3月30日のプレオープンに向け、内装工事が進められている。

 大阪市内から約1時間、京都駅から30分を要し、さらにバスで10分。立地が悪いうえ、「しごと館」という名称ながら、労働者を対象にした施設でもない。

 「2月3日から始めた見学会に、10日間で小・中・高校関係者を中心に200団体、約800人にお越しいただいた。前向きな返事を頂いた学校もいくつかあります」

 運営に当たる財団法人・産業雇用安定センターの担当者が説明するように、修学旅行や総合学習の一環として使う職業体験と学習の場なのだ。

 土地、建物、館内設備を合わせた総工費は約581億円。初年度の運営費には約25億円の予算が投じられる。ハコもの事業が批判されるなか、厚生労働省と特殊法人の雇用・能力開発機構が建設した巨大なハコ。

◇開館前から20ン億円の赤字

 元をたどると、平成5年、「働きがいと技能尊重に関する有識者懇談会」が労働省(当時)に出した報告書に行き着く。

 就職が売り手市場だったバブル期は、特定の職業に就かない「フリーター」を生んだ。「安易な離転職は技術・技能の蓄積面で損失が大きい」と危惧していた労働省などは、懇談会が提言した項目の一つ、「あらゆる職業、技能の姿や変遷を展示する施設を設置し、職業選択に関する情報を提供する」に着目。宮沢内閣の景気テコ入れ策だった新社会資本整備構想とも合致し、同年中に用地を買収。同館建設に踏み切った。

 しかし、時は流れ、今やデフレ不況のドン底。収益性のない事業には厳しい目が向けられるが、収入は200円(小学生)から700円(一般)の入館料と、体験料(300円)がすべて。年間40万人の来場見込みで1億5000万円前後。開館前から20ン億円の赤字が確定しているのだ。

 これに対する厚労省の答えは、税金を税金と思わぬ無責任なもの。

 「勤労者福祉施設のように独立採算を想定した施設とは異なり、学校・職業能力開発施設等と同等に公的な目的のために設置したもの。国からも交付金も受ける」

 『スパウザ小田原』などのようなレジャー施設ではない。将来を担う若者のためには、無尽蔵に税金を投入してもいい−という考えだ。

 土壌改良技術者、トレーダー、石切出作業者、葬儀師…。館内には、学生では思いつかない職業まで703種を網羅した職業データベースが備えつけられ、若者に仕事の奥深さを教える。

 ただ現在、社会問題になっているのは、過去最悪の失業率5.5%、331万人の大半を占める中高年の雇用をどうするかのはず。税金の使い方が間違っているのだ。

 館内の無料ゾーンには、ハローワークと結び求人情報を照会するパソコンもあるが、仕事の斡旋はしない。となれば、失業者が同館へ足を運ぶことは少ないだろう。

 「581億円を目先の雇用安定施策に使ってくれ〜」という失業者の怒りが聞こえてくる。


◇9役員中7人が官庁OB〜責任とらぬ天下り官僚

 一体、責任者は誰なんだ! 失業保険の原資となる雇用保険料を約4500億円もつぎ込んだ保養施設などを、建設費用の1%以下という超安値で叩き売り、総額4000億円以上の損失を出そうとしている厚生労働省の特殊法人「雇用・能力開発機構」。機構の最高責任者である理事長には、厚労省の事務次官らが天下っているが、誰も責任を問われていない。

 「役人が自分の食い扶持を守るため、仕事を作っている。役人の失業保険になっているんだ」

 機構の無駄遣いと天下り体質をこう皮肉るのは民主党の仙谷由人氏。

 機構の天下りの実態を調べると、七瀬時雄理事長は、旧労働省の元事務次官で、全役員9人(監事を含む)中7人が官庁からの天下り。内訳は労働省5人、財務省、会計検査院が1人ずつ。

 機構の前身・旧雇用促進事業団を含めると、歴代理事長は7人のうち6人が天下りで、直近の5人は労働事務次官の経験者だ。

 5代目の関英夫氏と6代目の清水博雄氏は理事長退任後、機構が455億円の巨費を投じ、わずか8億数千万円で神奈川県小田原市に売却しようとしている豪華レジャー施設「スパウザ小田原」の運営を委託する「勤労者リフレッシュ事業振興財団」の理事長に天下っている。

 元事務次官は退官時、数千万円の退職金を受領。そして、機構理事長として年収約2000万円以上と数年の在籍後、再び1000万円単位の退職金を受け取る。さらに、1−2度、別の公益法人に天下り、高給と退職金が支給されるというのだから、こんなオイシイ商売はないだろう。

 それなのに、失業者の急増で、雇用保険の財政が窮迫したことを理由に、雇用保険料が値上げされているのだから、勤労者は怒るしかない。

◇官僚は責任とらぬシステムに

 前出の関氏は、スパウザが問題視された際、「リ財団」責任者として、マスコミに直撃されると、「すべて役所が決めたことで、そちらに聞いてくれ」と逃げていた。

 現在、同財団理事長を務める清水氏に対し、夕刊フジが問題点を書面で質問したが、約2週間たった今も返答がない。

 そこで、スパウザに絞って責任者を追跡すると、同施設は昭和63年、労働省がGOサインを出し、建設方針が明らかとなり、平成2年、小田原市での建設が決まった。

 意思決定時の事務次官は、昭和63年当時の小粥義朗氏が退官後、中小企業退職金共済事業団(現勤労者退職金共済機構)に天下った。平成2年の白井晋太郎氏と岡部晃三氏も、それぞれ日本労働研究機構と日本障害者雇用促進協会へ。

 関氏らにすれば「俺が(建設を)決めたわけじゃない」と言いたいのだろうが、裏を返せば、個人に責任が集中しない、巧妙な責任分散システムができているのだ。

 例えば、厚労省の主要な特殊法人と認可法人で独立行政法人となることが決まっている9法人を見た場合、常勤役員55人中の天下り役人は43人で、占有率は78%に達している。

 極論すれば、自分らの失業防止システムを構築すると同時に、天下り先の分散で、特定の個人が現役時代の責任を被らないようにしているとさえみえてしまう。

 しかも、官僚の責任をいくら追及しても、彼らには“魔法”の逃げ口上がある。「認可をするのは大臣」「国会で審議されたもの」と答えれば、“責任”は、きれいに消えてしまうのだ。


◇特別会計が37項目も〜特別会計の闇

 雇用保険料から総額約4500億円もつぎ込んで建設してきた保養施設などを建設費の1%以下という低価格で叩き売っている厚生労働省の特殊法人「雇用・能力開発機構」。結果的に4000億円以上の無駄遣いになるとみられるが、なぜ、機構の浪費は止まらなかったのか。底流には、極めて見えにくい特別会計の闇がある。

 旧労働省時代に起きたKSD事件では、族議員や官僚が「ものづくり大学」に出資する代わりに、KSDが自民党員の党費を肩代わりしていた。さらに、大学の設立準備金が「労働保険特別会計」から公益法人を介し、民間投資に擬装した形で出資されていたことも批判された。

 こうした問題を国会で追及した民主党の仙谷由人氏は、同特別会計の分厚い資料をめくりながら、「これだけの項目があると、それぞれが何に使われるのかなんて普通は分からない」と話す。

 毎年、年末には政府の予算折衝が山場を迎え、予算案が決まれば大まかな内訳や使途が紹介される。ただ、そのほとんどは通常の税収をベースとした一般会計の話だ。

 だが、予算には一般会計のほか、道路整備特別会計のように特定の財源と目的がある特別会計が37項目も存在する。

 昨年、『官僚社会主義 日本を食い物にする自己増殖システム』を出版したジャーナリストの北沢栄氏は「一般会計と特別会計の間は相互に資金が複雑に動くので、単純な足し算にはならない。だが、平成14年度の予算だと、一般会計は約81兆円で、特別会計を合わせた予算の総額は約480兆円になる」と説明。

 見えにくい部分の方が大きいため、北沢氏は特別会計を「国家予算の黒幕」と指摘する。

◇殺された石井議員も追及

 昨年、暴漢に刺殺された民主党の石井紘基衆院議員は、北沢氏に対し、「(特別会計は)官僚の究極の裏帳簿」と糾弾していたという。

 というのも、財務省が一括管理し、世間的に注目される一般会計と違って、特別会計は担当省庁が独断で管理。役所が隠そうとする傾向もあり、暴走のチェックが極めて効きにくく、「無責任体制の温床になる」(北沢氏)ことが多いのだ。

 労働保険特別会計の場合、平成14年度の歳出額は約4兆6217億円、うち約2409億円が機構に投入されている。

 単独で2409億円といえば巨額に見えるが、分厚い予算案をみていると、機構に関する記述などわずか1、2行。事前の知識でもない限り気付きもしない。まして、その内訳など全くうかがいしれない。

 だから、官僚は自らが天下る特殊法人の仕事を増やすため、機構の予算に、455億円をもぐりこませ、「スパウザ小田原」(約8億円で売却予定)を作っても予算の審議段階では誰の目にも止まらないのが実情だ。

 野党の代議士秘書は「担当の役人を呼んで質問しても、彼らは、こちらが突っ込まなければ必要以上のことは決して話さない。反対に予算の末端での使われ方までは中央の役人が知らないこともある。超大物の族議員ならいざ知らず、若手議員など簡単にごまかされてしまう」と嘆く。

 予算が通ってしまえば、すべては後の祭り。

 後で無駄遣いだと批判されようが、マスコミに叩かれようが、官僚は「特別会計も一般会計とともに国会に提出し、予算審議を経た後、議決が行われています」などと答え、責任を投げ出してしまうのだ。


◇保養施設舞台に裏金つくり〜理事長に責任認識なし


 雇用保険料から約4500億円もの大金で建設した保養施設などを100分の1以下の捨て値で売り、4000億円以上の損失を出そうとしている厚生労働省の特殊法人「雇用・能力開発機構」。旧労働省の事務次官が歴代で天下り、その無責任体質が糾弾されているが、自らの選挙出馬資金を集めるため、機構を利用していた理事長までいたことが判明した。開いた口が塞がらない、とはこのことだ。

 昨年5月、機構所有の保養施設「岩手勤労者いこいの村」(岩手県西根町)を舞台に問題のスキャンダルは発覚した。機構が約8億円で建設した同施設は現在、わずか105万円で同町に買い取るよう打診している。

 事の発端は平成9年10月、機構の前身・雇用促進事業団の元理事が「いこいの村」の元支配人に「事業団の有力者が滋賀県知事選に出るので金銭的な協力がほしい」と要請。元支配人らが施設の経理を不正に操作して200万円を捻出した。

 だが、問題の有力者は立候補を断念。200万円はすぐ戻されず、不正発覚後、元理事から施設へと返還された。

 不正経理は現在の支配人が昨年1月、経営改善を図るため、過去の経営状況を調査して発覚。その後、岩手県庁が関係者に事情聴取し、昨年5月、事実を公表する一方、機構にも詳しい調査と説明を求めた。

 結果、昨年10月、機構の七瀬時雄理事長が岩手県の増田寛也県知事に「由々しき行為だった」と陳謝したが、知事が「金の要求は岩手だけだったのか」とも話した。

◇知事選出馬ねらった元労働事務次官

 一体、どういうことなのか。

 一連の事情に詳しい県議会関係者は「知事選に出馬予定だった有力者とは当時の事業団トップ(清水傅雄元理事長)。県の調査に、元支配人は裏金作りを要請されたのは『うちだけではない』と証言した」と衝撃の裏話を明かした。

 ただ、夕刊フジの取材に機構は、元支配人への聴取などから「岩手以外の他の施設に対する同様の要請はなかったと認識している」とコメント。

 滋賀県出身で東大法学部卒の清水氏は旧労働省の事務次官を退官後、旧事業団の理事長に。滋賀県知事選への立候補を表明し、平成10年4月に退職したが、翌5月の会見で「県議会各会派の支持が得られなかった」などと出馬を断念した。

 そんな清水氏は、機構が455億円で建設し、約8億円で小田原市に売却しようとしている「スパウザ小田原」の運営を委託する「勤労者リフレッシュ事業振興財団」の理事長に就任。しかも、旧労働省の不祥事「KSD事件」で注目された「ものつくり大学」を運営する学校法人「国際技能工芸機構」の理事長まで兼務しているのだ。

 KSD事件では、旧労働省の歴代事務次官が元労相・村上正邦被告の仲立ちで、KSD元理事長・古関忠男被告の接待を受けていた。そうしたなかで清水氏は、大学の設立準備財団の理事長となり、旧労働省に補助金増額を働きかけていたことを認めていた。

 つまり、清水氏は公の特殊法人で選挙資金を集めていただけでなく、「ものつくり大学」のため、雇用保険料などから巨額な補助金まで引き出していたわけだ。

 それでも、今だに何食わぬ顔で、自らが深く関与した2カ所の大規模施設の運営責任者として君臨。高給を受け取り続け、再々度の退職金まで得ようとしている。

 清水氏は夕刊フジの質問に対し、岩手の件を「不徳のいたすところ」とし、「理事長在任中の不祥事であるため、監督責任として当時の報酬の一定額を機構に返納した」と答えている。

 いずれにせよ、こんな厚顔無恥な人物が半端な責任しか問われない機構の闇は深い。そして、同様な特殊法人は無数存在する。その闇が晴れる日は来るのだろうか…。

http://www.zakzak.co.jp/tsui-sat/tsuiseki/contents/2002_10-03/030222.html

☆呆れた。。。。実態
これで保険料値上げもないだろう。

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