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深刻化する近畿圏の雇用情勢(大和総研)
http://www.asyura.com/2003/hasan23/msg/541.html
投稿者 中央線 日時 2003 年 3 月 15 日 22:44:02:

四野宮 睦雄 (Mutsuo Shinomiya)

大阪企業調査部

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全国的に雇用情勢が悪化している。失業率では低水準を続ける東海圏でも、就業者数は減少しており、例外ではない。近畿圏では雇用者数は微増だが、常用雇用者数や男性雇用者数の減少等で他地域を上回る状態にあり、主要地域の中では最も厳しい雇用環境に直面している。また、近畿圏は他の地域と比較して、サービス業における雇用拡大で遅れをとっている。今後この分野を中心に雇用創出を図っていく必要があろう。


全国的な雇用情勢の悪化
雇用情勢の悪化が進んでいる。景気が最悪期を脱し、GDPがプラス成長に転じたとはいえ、雇用情勢に大きな改善の兆しは見られない。実質成長率が低く、名目成長率の改善が遅れ、企業の雇用政策も慎重な状態が続いているものと考えられる。
このような全国的な傾向の中でも、特に近畿圏Tの情勢が注目されている。失業率で全国平均を1ポイント以上上回り、主要経済圏の中で、最も高くなっているのである。首都圏を形成する南関東圏、輸出工業基地的な役割を担う東海圏と比較すると、前者より1ポイント以上、後者より2ポイント以上も失業率が高くなっている。かつ他地域との失業率格差が拡大に向かっている。ただ就業者数で見ると、南関東圏では約30万人(1.8%)増加、近畿圏でもわずかながら増加しているのに対し、東海圏では1.6%減少している。このように雇用情勢の悪化は全国的なものであり、近畿圏に限らないことは事実である。

近畿圏の現状、そして今後に向けて
にもかかわらず就業状況をより子細に見ると、近畿圏において他の経済圏と比較して雇用の悪化が深刻化していることは間違いないと思われる。全国的な傾向として、自営業者や家族従業者が強く圧迫されているなか、雇用者数が比較的安定的に推移している点が指摘できる。しかし常用雇用者数は、南関東圏でやや増加、東海圏でも微増となっているのに対し、近畿圏では明白に減少しており、内容的には近畿圏が劣勢となっている。さらに性別で見ると、東海圏における就業者数の減少が主に女性就業者の減少によっており、男性就業者数は比較的安定的に推移しているのに対し、近畿圏では男性の減少に女性の増加が対応するかたちとなっている。南関東圏でもパターン自体は近畿圏と類似しているが、女性就業者数の増加がかなり大きく、全体的な雇用者数の増加を可能としている。このように雇用の内容を詳細に吟味してみると、やはり近畿圏における雇用情勢が、他地域よりも厳しいとの判断が成立する。
現在の厳しい雇用環境の中でもサービス業だけは、いずれの地域においても順調に雇用機会を創出している。米国等の過去の事例を見ても、景況不振の折にも、この分野では、雇用創出が進んだこともある。確かに近畿圏でも、サービス業の就業者数の増加が記録されていることは間違いない。しかしながら他の地域との比較では、その伸びが低い点も事実である。製造業等で新たな雇用創出が期待しがたいことを考えると、近畿圏ではサービス業の分野を中心に雇用拡大を図っていく必要があると考えられる。


T) 南関東圏 埼玉、千葉、東京、神奈川
東海圏 岐阜、静岡、愛知、三重
近畿圏 滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山


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