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キツネ目事件調書(アサヒ芸能3/6日号):鹿沼産廃廃棄利権殺人を考える 罰金60万円 年間1億円のぼろ儲け わししたことある
http://www.asyura.com/2003/nihon3/msg/309.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 3 月 05 日 19:24:08:


栃木県鹿沼市で起こった市役所職員の拉致事件が、大きな展開を見せている。主犯格の産廃業者は逮捕状が出た直後に自殺したが、実行犯として逮捕された3人の証言から、市職員はすでに殺され、遺棄されていたことが発覚。さらに被害者の前任者だった職員も飛び降り自殺を図ったのだ。事件の動機は明らかである。拉致された職員が、日ごろから行政指導を無視してきた容疑者に対して違法性を指摘。過去の不透明な経緯を慎重に審査したため、産廃業務免許が切れるギリギリまで許可を渋った、ということへの逆恨みだ。営業許可が遅れた程度で人を殺すものか?とも考えるかもしれないが、俺としては、業者側の心境は十分わかる。その理由を説明するためには産廃を巡る歴史と現況に触れておかねばなるまい。

この業界を取り締まる「産業廃案物処理法」はl97l年に施行された。現在に至るまで幾度も改正をされているのだが、特に罰則規定が厳しくなったのが、70年代後半。全国の各県警内に違法な産廃業者を取り締まる専門部署が設置されたのだ。そのころを挟んだ72ー80年、俺は建物の解体工事の会社を経営しており、廃材処理を巡ってこの法律とは縁が深かった。罰則強化以降、違反1号としてパクられたのが俺だと確信しているからだ。要するに、建築廃材を無許可の廃棄場(業界では「捨て場」という)に捨てていたことがバレたのである。まあ強化されたとはいえ、それほどの罰則ではなかった。最高刑としては懲役もあったが、科せられたのは俺個人が罰金30万円、会社に対しても同額30万円の堀金で終わリ。ゴミを捨てただけで60万円と聞けば、高額にも聞こえるだろうが、当事者の意識としてはむしろこんなに安くていいのか、であった。

 

 当時、こうした違法業者の廃材処理相場は、大型トラック一台分で5000円前後。これを役所の許可を持つ正規ルートで依頼すればl万5000円。約3倍である。ところが俺たち業者は廃材処理の依頼主に対しては、1万5000円かかったことにして代金を請求する。つまり、トラックー台につきl万円の儲けなのだ。少なく見積もってもこの差額だけで年間1億円は借の会社は儲けていた。60万円の罰金で1億円稼げたのだから、パクられたことなど屁でもない。この先10回分の罰金を先払いしてはダメか?とも言いたかったほどや。検察や裁判所もこんな実態など知らず、どの程度の罰則がふさわしいか明確に決めあぐねていたのに違いない。逆に警察は大変だったようだ。何しろこの手の事件に慣れていないから、調書ーつ作るのもすべて初めてのこと。現場検証には廃棄場所の上空までヘリを飛ばしていたくらいである。恐らく捜査するほどに大赤字やろな。まあ、警察としても今後、この種の事件の増加を予想していたようで、一罰百戒的な意味もあったのだろう。

それ以降、産廃問題は社会問題にまで発展したのだが、その背景には、日本が大量 生産、大量消費社会に向かって突き進んだことがある。かつては家屋を壊しても、使いみちのない廃材など、ごくわずかしか出なかった。屋根カワラは一枚ずつ人の手で降ろし、柱や板は釘を抜いて古材木として再利用する。いわばリサイクル社会が構築されていたのである。ところが状況は一変。あらゆる物事が効率優先になったため、現場の主役は人の手から機械に変わった。丁寧に分解するよりも、すべてを破壊するという流れになった。産廃の量 は急増するが、その処理を行う廃棄場の増設はまったく追いつかない、そこに問題が生まれてきた。 最大は環境汚染である。産廃から出る有害物質が地中にしみだし、それが地下水などを汚染。また産廃を積んだ過積載トラックが往来する廃棄場付近の沿道は、騒音や排ガスに悩まされることになる。  結果、廃棄場周辺では反対運動が勃発。現在では新たに廃棄場を作る場合、施設から一定範囲の住民の100%同意がないと申請すら受け付けてもらえない状況になっているという。

 反対の声も当然ではあろうが、産廃処理業者としてはつらいところだ。何しろ処分場とは未来永劫ビジネスが続けられるものではない。どんなに深く穴を掘って産廃を埋めたとしても、埋めきってしまえぱその場所はおしまい。しかも、法改正も多く、いつ営業できなくなるかわからない。短期間に荒稼ぎしようと考えるのも無理はないし、また短期間であっても業務が滞ることは相当の痛手になるのだ。  結果的に産廃の処理代金はうなぎ登り。現状で言えば、建物の解体工事費用の約6割は産廃の処分と運搬費用である。俺がやっていた20年前の相場と比較すれば、5ー10倍になっているとも聞く。許可さえ取れれば、ポロ儲けが約束された世界なのだ。となれば、産廃処理業者と許可を出す側の癒着が生まれるのは必至。今回の事件の背景にも、この構造があることに疑う余地はない。

逮捕状が出た直後に自殺した、主犯格といわれる産廃処理業者は、市の関係者と特別 な関係があり、日常的な業務においても優先的に仕事を回してもらっていたと供述したという。「業務上で便宜を図る」という意の市長の念書まで取っていたというのだから、癒着は相当に深い。当然、多額の金が動いていたと見て間違いはないだろう。社員として迎えた元市議会議長や役所の現職幹部の家族らへの給料も、恐らく毎月数百万単位 に上るはずだ。

それだけ支払っていたとしても、十分ペイできるほど、この仕事にはうまみがある。つまり、それだけ儲かるから、逆にそれを邪魔する者が憎くなる。逆恨みの構図も当然といえば当然である。

こうした問題は日本全国あらゆる場所で起こっている。第2、第3の火種はいたるところに転がっているのだ。最後にーつ。実行犯として一逮捕された3人の供述では遺一体は榛名山山中に投げ捨てた一というが、この稿の執筆時点一ではいまだに見つかっていない。事件の加害者の仕事が産廃の処分であることを考えると死体なき殺人事件になる可能性もあるな。


今週のテーマ

鹿沼市動員不明書体鹿沼巾環境対策部参事・小往々守さん(59)拉致事件で、指示を出した産廃業者・往々木宗一容疑者(48)ほか実行犯3名を逮捕。同容疑者の会社の違法性指摘に対する逆恨みと見られる。容疑者逮捕後、小往々さんの前任者は謎の自殺を遂げた。

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