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米軍は世界全体で紛争にまきこまれ戦力を消耗して弱体化する (グレアム・グリーン)
投稿者 TORA 日時 2003 年 2 月 03 日 10:25:18:

(回答先: <シャトル事故>米政権 イラク絡み「戸惑い」と「焦り」 (毎日新聞) 投稿者 TORA 日時 2003 年 2 月 03 日 09:37:09)

■■■■■■■■ JOG Wing ■ 国際派日本人の情報ファイル ■

     来るべき『中東戦争』と『第3次世界大戦』

グレアム・グリーン
■ No.624 ■ H15.01.27 ■ 6,845部 ■■■■■■■■■■■■

 中国の特集を書こうとしていたが中東情勢が緊迫化してきた
のを受けて、今後の中東情勢とそれが世界に与える重大な影響
を分析・考察してみたい。一般で指摘されないかなりオリジナ
ルな観点の分析と予測をここでは展開する。

■アメリカは本気である■

 まず第一にアメリカは『本気』であるということだ。この場
合いわゆるテロリスト国家と規定する中東やアジア諸国に対し
て今後中長期にわたる戦争を継続すると言う意思があるという
ことである。米国は既に何度も長期の戦争を覚悟していると公
言している。すでに米国が国防レポート「アジア2025」を発表
した時点で米国の考える戦略想定期間を25年スパンで想定し
ていることは私も想定していたので違和感はなかった。

 アメリカは地政学的に極めて長期的戦略で国家を動かしてい
る。19世紀から20世紀にかけてカリフォルニア併合、ハワ
イ州の併合、対日戦争と太平洋を常に西進するかたちでのアジ
ア戦略を推進してきた。既に日露戦争後の1906年頃から対
日戦を想定したオレンジプランを策定し、その後1945年の
日本敗戦まで政権は変わっても基本的な対日戦略指針として継
承されている。

 明確な戦略方針に変更はなくテロリスト国家と認定された国
家に対しては、例えば北朝鮮等のテロ国家の支配者が地下に要
塞を建設して立てこもっても対地下要塞制圧爆弾のバンカーバ
スター弾を打ちこんで制圧するし、仮に深深度に地下要塞を建
設しても核弾頭搭載地下要塞爆弾を投下して数千度の高熱で一
瞬にして灰も残さないように徹底的に殲滅する。アメリカはテ
ロリスト国家には核を含めた先制攻撃も辞さないと明言してい
る。

  【共同通信:米テロ国家先制攻撃戦略公表か】

 20日付の米紙ニューヨーク・タイムズは、ブッシュ米
政権が同日公表する政策文書「米国の国家安全保障戦略」
の中で、敵対国家やテロ組織に対する先制攻撃を容認し、
軍事力での圧倒的優位を維持する戦略を明らかにすると報
じた。

 平和ボケした日本人には実感がないかもしれないが今後世界
の眼前に展開して行くシナリオは「戦争」である。日本の内政
外交政策も米国戦略に適応する形で再編されて行くだろう。

■対イラク戦争は間もなく開始される■

 中東情勢が日に日に緊張が高まっている。対イラク開戦は兵
力の集積が完了する二月以降となると考えられる。

【読売新聞:1月13日ワシントン=永田和男】
来月に15万人体制、湾岸の米軍開戦準備整う…米紙

 12日付米ニューヨーク・タイムズ紙は米軍当局者の話
として、ペルシャ湾岸に展開する米軍が2月中―下旬には
最大15万人以上に増強され、ブッシュ大統領の命令を受
け、いつでもイラク攻撃に取りかかれる状態になり、開戦
準備が整うと報じた。米軍筋は軍事的な見地からは開戦は
それ以降が望ましいとの考えを示しているという。(以下
略)

■主戦場は中東とアジア■

 アメリカは「対テロ戦争」を国家戦略に組みこんでこれを長
期に遂行しようとしている。主たる地域は中東とアジアである。
それゆえ冷戦時代の欧州/アジア主体の兵力配備は段階的に
今後見なおされ、中東とアジアの二正面での戦争戦略が基本と
なる。アメリカは出来る限り兵力の2極分散を避けるため、同
時期の二地域での戦争は回避するが、やむをえない場合には二
正面作戦は放棄しない。

 一方、欧州からアメリカ軍は今後徐々に撤退を進めて行く。
アジア・中東・米国の国内防衛などに兵力の配分が必要なため
である。今後これが欧州に様々な影響を及ぼすことになる。
 
【ワシントン17日 ロイター電】
米国防総省、二正面作戦を検討中

 米国防総省は、大規模な戦闘が別々の2つの地域で同時
に発生した場合でも、それらに対処し勝利を収めるための
二正面作戦を検討している。

 兵力近代化を担当する海軍のStanley Szemborski准将は、
タフト大学と海兵隊共催の会議で、「われわれは、戦闘部
隊の指揮官らと現在、この種の戦闘について対処する具体
的な作戦計画を討議している」と述べた。これは、イラク
と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との紛争に同時に対
処を迫られた場合についての質問に答えたもの。同准将は、
二正面作戦の検討は数カ月前に始まっており、北朝鮮が 
核兵器開発計画を進めていた事実が16日に明らかになっ
たこととは、関連しないとしている。

 米政府も17日、北朝鮮のこの問題については、外交的
な解決策を求めていく考えであることを明らかにしている。

 結論から言えば私はアジアと中東という2つの地域での軍事
行動戦略は誤りであったと私は考えている。まずアジアの敵対
国家(中国と北朝鮮)を確実に制圧すべきであった。二つの地
域での戦闘は仮に米国がそれらを時間差で分離して各個撃破し
ようとしても結果的には両地域で火を吹き最悪の場合第三次世
界大戦へと引火して行く危険な導火線となる。ここがマスコミ
が指摘しないオリジナルな予測の核心である。

 アジアを主戦地域に設定し米中対決を前提でのアジア戦略
(アジア2025)を推進してきたことまではよかったが、9・1
1以後の対テロ戦争でイスラム、アラブと過度に敵対し、結果
的にアラブからアジアの広範囲に渡って戦力を消耗分散させね
ばならなくなった戦略的拡大は今後米国にボディーブローのよ
うに利いて来る。

 中国と北朝鮮を世界地図から消滅させることは出来ても(恐
らく向こう10年程度でそのことは実現する)、宗教と民族の
かかわったイスラムとアラブを抹殺することはできない。

■戦争経済とアメリカの破綻の懸念■

 グローバリゼーションとはアメリカの強さと弱さの二律背反
が存在している。

 アメリカの一番大事なものは、基軸通貨『ドルの信用と価値
の維持』でありドル国債の維持である。それを守るためにはア
メリカはどんなこともやるし、それを脅かす如何なるテロ組
織・国家も地上から完全に抹殺しようとする。

 まさにこのグローバリズムと戦争により支えるドル体制こそ
がアメリカ最大のアキレス腱であることを同時に自覚する必要
がある。アメリカは戦争を最大の公共事業/景気対策と捉えて
いる節がある。アメリカが国内でリセッションに陥ったときに
対外戦争をしているのは偶然ではないかもしれない。第二次世
界大戦、湾岸戦争、そして次ぎに来るべき対テロリズム戦争な
ど。

 一般に指摘する人は殆どいないが私の分析と予測ではこれが
重要なポイントとなる。戦争が短期で終結する場合には問題は
ない。しかしそれが長期化した場合ドルの海外流出と資金調達
の国際的な資金還流ルートが滞ることでこの米国ドル支配が弱
体化する可能性を秘めている。

 日本の公共事業は国内で円資金を調達し国内で円を使う。為
替には関係ない。一方アメリカは海外で戦争するため海外にド
ルを流出させ、その資金は海外から調達しなければならない。
即ち流出したドルの還流システムの構築が必要なのだ。かなり
きわどいキャッシュフローといわざるを得ず、最悪の場合ドル
の切り下げが必要となる。

 かつてのベトナム戦争悪化に伴うドルショック再来である。
戦争自体が逆に米国体制のアキレス腱となることをアメリカ自
身が認識しなくてはならない。

 むしろそうなると、これからはグローバリゼーションの破綻
と言う局面に見舞われる可能性がある。更に言えば、そうなれ
ば第3次世界大戦という方向へ向けて状況が驀進していると言
える。

■中東戦争拡大ととアメリカの危機■

 中東での戦争はイスラエルシオニズムとアラブの対決と言う
構図から、米軍の参戦でアラブ(イスラム)対 欧米先進国の
構図に発展する危険性を秘めている。穏健派のアラファトが失
脚したり、イスラエルが全面戦争の挙に出れば中東全域は戦火
に包まれサウジアラビアの親米王制も転覆するかもしれない。

 アメリカは極力戦域を限定して介入しなければならない。し
かし、情報によればアメリカはイラクの次ぎにサウジやイラン
などへの戦域拡大を考えているようだ。しかしそれは軍事的自
滅行為だ。米国は必要以上の中東での軍事的敵対行為は行うべ
きではない。30年前にベトナムに介入し結果的にインドシナ全
体をドミノ的に喪失したインドシナ敗戦の再来だ。事態の悪化
は中東地域での重要なパートナーであるサウジとトルコを米国
が失う危険性をもたらす。 
 
 サウジとトルコの拠点を喪失すれば米国は中東での足場を失
うばかりか欧州諸国もその悪影響を受ける。欧米諸国でイスラ
ムとの緊張が高まり宗教テロが続発する。

 かつてのローマ帝国やナポレオンやヒトラー同様、戦線を拡
大しすぎた米軍は世界全体で紛争にまきこまれ戦力を消耗して
弱体化して行く運命にある。

 また戦争の応酬は「暴力の連鎖」をよび双方が自重してこれ
を立ちきらない場合にはテロリズムはより過激化して、想像す
るだに恐ろしい結果を生む予感がする。戦争は中東に留まらず
米国内での内なるテロ戦争を誘発する。アメリカ本土と在外米
軍はイスラムテロの標的になる。アメリカ本土でのテロは今後
更に劇化する。例えば冷戦後ロシアから核兵器を含む大量の兵
器が流出拡散したという情報がある。その中にはスーツケース
型のマイクロ核爆弾も含まれる。例えばニューヨークのような
都市が丸ごと核爆弾テロの標的となりうるのだ。
  
【産経新聞古森義久:コラム ポトマック通信「テロリス
トに渡った核」】

 人気作家トム・クランシー氏の小説を映画化した「トー
タル・フィアーズ」が全米で封切られ、六月の最初の二週
間、連続で収入第一位となった。

 原作は一九七三年の中東戦争で不発のまま行方不明とな
ったイスラエル軍の水爆がテロリストの手に渡るという内
容で、九〇年代はじめに書かれたが、映画の筋は昨年九月
十一日のテロなどにあわせ現代化されている。圧巻はその
小型水爆がワシントン近くのボルティモア市で爆発し、ロ
シアの攻撃と信じた米国大統がロシア中枢への核ミサイル
攻撃を断行しようとするプロセス。爆発では昨秋のニュー
ヨークの世界貿易センターをも上回るものすごい破壊の輪
が広がっていく。
  
 トムクランシーの近未来小説、米国本土がテロの嵐に遭遇す
ると言うのも決して絵空事ではない。米国は90年代初から1
0年間で数千万人の人口が増大した。多くは海外移民である。
このなかには相当数のテロ工作員やテロリスト予備軍が含まれ
ていることを米国は注意すべきである。またイスラムによる米
国内のテロだけではなく来るべき戦争においては米国は国内で
の中国やロシア等の工作員によるテロ破壊工作を浴びせられる
可能性がある。

■戦争の世界への拡散と第3次世界大戦への懸念■

 そうなれば米国ですら制御不可能な状況に陥るかもしれない。
今世界がかろうじて平和が保たれているのは米軍神話があるか
らだ。米軍が疲弊して戦力が低下し、米国の威信が低下すれば、
世界中で堰を切ったように戦争が勃発し始める。国家が国家に、
民族は民族に、宗教は宗教に敵対する暗黒時代の危険性が間近
となる。

 アジアでは朝鮮半島のほかに南アジア地域戦争、すなわちイ
ンド、パキスタン紛争を中心として地域的な対立が高まってい
る。更にこれに中国やインドネシアなどの紛争が加われば広範
囲でのアジア大戦が始まるかもしれない。

 アジアの主要な対立軸は、

 米国グループ:日本、台湾、インド、オーストラリア、韓国
                VS
 中国グループ:中国、北朝鮮、(パキスタン)、ロシア  

 この二つの対立軸の結末は米中直接対決(日中対決)となる
のは明白である。

 そして米軍が中近東とアジアの二地域での紛争に同時期に介
入する場合米国は欧州から米国軍事力を急激に撤退させる。

 これがそのつぎに起こる、来るべき欧州大戦の引き金になる
可能性が高い。

■欧州の危機■

 アメリカが中東で必要以上の軍事行動を行った場合に懸念さ
れるのはイスラム人口を抱える欧州社会の不安化と『NATO
体制の弱体化』という事態である。中東やアジアや米国本土で
の戦闘の為に米軍が大規模に欧州から撤退し、米国と欧州の共
同防衛の能力が低下する事態である。さらに中東での戦争は、
”イスラム VS 西欧社会”という新たな対立と緊張を発生
させ、欧州社会に深刻な民族人種問題を発生させる可能性が高
いことである。それは社会混乱と政治緊張を発生させ深刻な社
会分裂を起こすことになる。

 欧州では例えばフランスは5千数百万人の人口の10%の5
00万人がイスラムである。こうした人種的宗教的な軋轢が将
来の欧州の紛争と混乱に拍車をかけテロの増大と政治不安を発
生させる。最近フランスでは原発へのテロを阻止するため原発
には地対空ミサイルを配備したと言うことだ。

 また更に将来、ユーロの失敗による欧州の経済疲弊とロシア
の強大化が欧州緊張を産む可能性が高い。ユーロ統合に沸き返
る欧州だがむしろ今後ユーロが欧州経済の混乱を増大させる一
因となる可能性も高い。ローマ法王の以下の警告は「イラク攻
撃は、イスラム社会にキリスト教社会に対する強い反発を招
く」ことへの極めて深い欧州の視点からの憂慮である。

【朝日新聞12月26日 ローマ法王、クリスマスミサで
平和を呼びかけ】 

 ローマ法王ヨハネ・パウロ2世は25日、ローマのサン
ピエトロ広場で恒例のクリスマスメッセージを発表し、米
国との緊張が高まるイラク問題やイスラエルとパレスチナ
の対立が激化する中東情勢について「世界のすべての宗教
の信者に、平和に向けた努力を求めたい」と述べた。

 法王は前夜から未明にかけて行われたクリスマスのミサ
でも、世界各地で起きる紛争の平和的解決への強い期待を
にじませていた。こうした法王のメッセージの背景には、
米国が準備する対イラク軍事行動に対するバチカンの深い
懸念がある。バチカンの枢機卿らは最近、「予防的戦争は
侵略戦争にすぎない」「イラク攻撃は、イスラム社会にキ
リスト教社会に対する強い反発を招く」と述べ、米国の強
硬姿勢に批判的な姿勢を強めている。

■敵は中国とロシアだ■

 西側諸国にとっての最大の敵は明かに『ロシア』と『中国』
であり、この2国が倒されない限り最終的な安定はあり得ない。
本来アメリカはこの事実を充分認識して、中東での余分な軍事
行動を回避し対ロシア対中国封じ込めを優先させるべきであっ
た。

 日米欧の西側諸国の経済が下降する中で、唯一成長し国力強
化されているのがロシアと中国の2国である。戦争の拡大は資
源インフレを発生させ、そうなれば資源大国のロシアの国力が
急激に上昇する。既に石油価格や資源価格の上昇とともにロシ
ア復活の兆しが見えている。プーチンの政権の背後でKGBが
政界を仕切る現在のロシアでは富国強兵と対外的工作の活発化
は不可避である。

 中近東→アジアと広がった戦争はやがてロシアの強大化と欧
米の疲弊をもたらし最悪の場合、欧州に本格的に波及して第三
次世界大戦に繋がる危険性が考えられる。それは米軍の欧州か
らの全面撤退の後でのことではであるが。これが今後起こり得
る最終的な第3次世界大戦の最悪のケースでのシナリオである。

                          以上
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