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米国務長官:イラクは移動実験室を所有 「新証拠」を提示 [毎日新聞]
投稿者 あっしら 日時 2003 年 2 月 06 日 03:17:45:

(回答先: “不発”に終わったパウエル長官の「証拠開示」演説 投稿者 あっしら 日時 2003 年 2 月 06 日 03:10:36)


 【ニューヨーク上村幸治】イラクの大量破壊兵器問題を話し合う国連安全保障理事会の外相級協議は5日午前10時半(日本時間6日午前0時半)過ぎから開かれ、パウエル米国務長官がイラクによる大量破壊兵器の開発継続や隠蔽工作などを示す「新証拠」を提示した。長官はこれらを安保理決議1441に対する「重大な違反」ととらえ、このままではイラクは「深刻な結果に直面する」として、武力行使の決断に近づいていることを強く示唆した。米政府は関係国の反応を見ながら、新しい安保理決議(対イラク武力行使決議)の採択を求めるかどうかを決める方針で、「新証拠」が国際社会に対し、どこまで説得力を持つかが焦点になっている。

 パウエル長官は1時間余りの報告で、米独自に撮影した衛星写真などを示し、イラクが生物兵器の開発に使用可能な移動式実験室を所有していると指摘。国連査察団の訪問直前に兵器類の撤去を指示したと米側が見ているイラク当局者の会話(盗聴記録)や、「ミサイル撤去」に関する映像を公開した上で、フセイン大統領の息子が兵器撤去を命じたと明言した。

 また、イラクは査察団の目をごまかす「委員会」を作り、サーディ大統領顧問もその一員だったと指摘。イラクが「重大な決議違反」を続けてきたと述べ、「もう十分だ」と繰り返して忍耐が限界に近づいていることを印象づけた。

 パウエル長官はこれら一連の「新証拠」によって、査察に対するイラク側の「非協力」と隠蔽工作が明白になったと主張。イラク政府が安保理決議1441に基づく義務の履行を怠り、武力行使の容認につながる決議への「重大な違反」を重ねていると批判した。

 さらに長官は、アルカイダの要員がイラクに出入りしている「証拠」にも言及したが、フセイン政権とアルカイダが直接的な協力関係にあるとは断定しなかった。協議にはテネット米中央情報局(CIA)長官も同席した。

 外相級協議には、英国のストロー外相ら12カ国の外相とシリアなど3カ国の大使が出席し、パウエル報告に続いて意見を述べる。さらにイラクのドウリ国連大使が、パウエル報告に反論する演説を行う。対イラク武力行使を批判する安保理常任理事国のフランスや中国、ロシアなどが、どんな反応を示すかが当面の最大の焦点になる。

 協議と前後して国連本部やその周辺で、12カ国外相らの個別の会談も相次いで行われた。米国は14日に予定される国連査察団の追加報告後、イラクに対する「最後通告」を盛り込んだ武力行使容認決議案を安保理に提出したい意向。同決議採択が無理とみれば、単独で軍事行動を起こすことも予想され、イラクをめぐる外交戦は大詰めを迎えている。

●「新証拠」の要旨

 パウエル米国務長官が5日、国連安保理で提示したイラクの大量破壊兵器開発に関する「新証拠」の要旨は以下の通り。

 一、イラクはこれまで長年にわたって安保理決議の「重大な違反」を犯してきた。(昨年11月に採択された)決議1441はイラクにとって最後のチャンスだった。

一、だが、フセイン大統領は武装解除の努力をまったく行っておらず、大量破壊兵器の開発を隠そうとし続けている。

一、イラクの大量破壊兵器とテロとの関係に関する情報を提供する。いくつかは米国が入手したものであり、いくつかは他国による情報だ。すべてを話すことは出来ないが、非常に憂慮すべき問題だといえる。

 一、これは国連の査察が再開される直前、傍受した会話だ。(「すべて持ち去った」「何も残していない」などという会話を記録した証拠テープを流した後)2人のイラク軍幹部の会話だ。改造した車両をどうしたのか、車両の改造はどこでしたのかなどを聞いている。査察の前に隠ぺい工作をしていたのだ。

 一、違うテープもある。これは1月16日に化学兵器弾頭が見つかった際に傍受したものだ。(「禁止された弾薬」「この指示書を廃棄しろ。これは誰にも見られたくないんだ」と、テープが流れると)イラク側は査察にまったく協力していない。

 一、昨年12月7日の申告は全く新しい要素はなく、国連決議1441に従ったものとはいえない。安保理には、これ以上、イラクに大量破壊兵器を獲得させる時間はない。

 一、フセインは、国連査察団が、何一つ発見できないようにしている。

 一、イラク側は、大量破壊兵器の証拠が何も残らないようにしている。

 一、イラクの諜報(ちょうほう)機関は全国を動いており、非常に活発だ。すべての通信を盗聴している。

 一、昨年、発見された2000ページにわたる各関連文書には機密書類も含まれている。

 一、イラクはコンピューターのハードディスクから文書を消去し、査察団が、調べても何も残っていないような状態だ。

 一、衛星写真を2種類提示する。写真の示す15ある工場のうち四つが稼働している。そのうちタジと呼ばれる施設に焦点を絞った写真では、強い化学物質を製造していることがわかる。しかし、別の写真が示すように、昨年12月24日に査察団が到着する前に、化学物質を清掃して、証拠が残らないようにしている。

 一、イラクはさまざまな細菌などを兵器化するのに成功している。炭疽(たんそ)菌を乾燥して使う技術のほか、リシンなどの毒薬を散布する技術を開発している。天然痘などの病気を引き起こせる。

 一、昨年11月25日、査察官が査察を行う2日前に(人工衛星から)撮影された写真を見ると、兵器施設の周囲に5台のトラックが集まり、荷物を運び出しているのが分かる。これはミサイルを運ぼうとしていたのだ。30施設で、こうした活動が行われた。どこに運ばれたかはわからない。だが、我々はなぜイラクが査察の直前に突然、用具などを運び出したのかを自問しなければならない。

 一、偵察機U2の使用をイラクが拒否したことは、国連決議1441の第7項の直接の違反と言える。

 一、サダム・フセインは施設だけでなく人間も隠した。フセイン体制は、兵器開発に携わった技術者の個人的な聞き取り調査は許されず、常に政府の人間の付き添いを強いられた。

 一、科学者の十分なリストすら提示していない。イラクは国連査察団に対し、500人分のリストを出したが、古い内容だ。

 一、衛写真によるとイラクのタル・マルージャの施設では02年5月に、化学兵器の施設が撤去され始め、2カ月後には施設が跡形もなく破壊されている。これは施設が破壊、移動され、隠されていることを示す。

●ことば=国連決議1441

 イラク問題について、国連安全保障理事会が昨年11月8日に全会一致で採択した決議。イラクが湾岸戦争停戦決議などに基づく義務に対して「重大な違反」を現在も犯していると指摘し、国連査察の完全実施を求めた。

 その上で、(1)イラクが提出する大量破壊兵器に関する申告書に虚偽や申告漏れがある(2)査察に完全に協力しない――などの場合は「さらなる重大な違反を構成する」と規定した。

 イラクは同月13日、この決議を受諾し、同27日、98年12月以来4年ぶりに査察が再開された。

[毎日新聞2月6日] ( 2003-02-06-01:46 )

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