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米国務長官報告:武力行使へ攻勢 割れる安保理 [毎日新聞]
投稿者 あっしら 日時 2003 年 2 月 07 日 11:52:53:


 イラクへの武力行使を準備している米政府は、国連安全保障理事会での5日のパウエル国務長官のイラク報告を受け、6日から安保理各国の支持取り付けに向けて本格的に動き出す。現時点ではフランスを軸に、武力行使に反対し査察継続を求める声が優勢。米国は安保理外の同盟国の支持表明をテコに切り崩しを狙う構えだ。イラクが査察への非協力的な部分を改めない場合、国際世論の風向きが変わり、安保理が武力行使やむなしの方向に傾く可能性もある。 【ニューヨーク上村幸治、中島哲夫】

 米英両国は現在、査察打ち切りの期限設定(最後通告)と武力行使容認を組み合わせた決議案を考えている。査察の期限設定には、ほとんどの国が同意しているが、具体的な期日をめぐっては「数週間」か「数カ月」かで対立している。

 安保理内で武力行使決議への支持をはっきり示しているのは、英国のほかはスペイン、ブルガリアだけで、決議採択に必要な9票を集められる状況ではない。採択には、9票を得たうえで常任理事国が拒否権を行使しないことが必要だ。

 ただ、パキスタンはアフガニスタン問題などがあって、米国との関係を重視している。経済支援や安全保障の問題を抱え、水面下で米国に歩み寄ろうとしている国もある模様だ。

 米国務省によると、カメルーンのヌグベユ外相は5日、パウエル長官との会談で「イラクが査察に協力しない場合は、米国の側に立つ」と伝えたという。アンゴラのチコティ副外相もパウエル長官に「査察実施のためにあらゆる選択肢を考えるべきだ。イラク問題では米国の側に立つ」と話したいう。

 拒否権を持つロシアは、対イラク戦争後の同国での石油利権の問題を抱えている。中国も台湾問題で米国と微妙な関係にあり「今の状況では、本気で米国と張り合えないのが実情」(中国関係者)だ。

 パウエル報告は、イラク政府とテロ組織アルカイダの関係を指摘しており、イラクが査察に完全に協力しない場合、欧州の世論が揺れる可能性もある。その場合、世論の動向を強く意識する仏独は、最終的には妥協的な姿勢に転じると指摘する声もある。

 イラク査察の責任者、ブリクス国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)委員長は8日にイラクを訪問し、査察への完全な協力を改めて申し入れる。パウエル報告を受けて、査察団は(1)イラクが隠したとみられる神経ガスなどの化学兵器(2)生物兵器の開発が可能な車両を利用した移動式実験室――などの開示を強く求める。

 すでに要求している「科学者からの立会人なしの聞き取り」「米製のU2偵察機使用」についても、改めて受け入れるよう促す。

 アナン国連事務総長は5日、イラクに対して「査察への協力」を求め、フランスのドビルパン外相も「査察の強化」を訴えている。同外相は、査察が失敗した場合は、武力行使を含む、いかなる選択肢も排除しないと述べた。

 それでもイラクは5日、パウエル報告を激しく批判し、妥協的な姿勢を示さなかった。今後の同国の対応によっては、安保理で査察の期限設定をめぐる議論が本格化するだろう。14日の査察報告を前に、査察打ち切り・武力行使容認を求める動きが一挙に強まる可能性もある。

 米国がイラク攻撃へ傾くにつれ、首相官邸は神経質になっている。「米国が踏み切れば『支持』以外の選択肢はない」(外務省幹部)との外交方針をとっているが、世論は戦争回避を求める声が圧倒的。中国・瀋陽事件や北朝鮮・拉致事件への対応に続く「外交と世論」の兼ね合いに直面している。最終的に戦争突入を「支持」するにしても、世論を説得するだけの正当性をどう積み上げるか。世論対策を誤れば内閣支持率の低落につながる恐れもあるため、福田康夫官房長官らは慎重な取り運びに意を砕いている。

 「『米国がけしからん』という論調が多いが、全くピント外れだ」

と、首相は予算委で米国をかばった。福田氏も「日本が(米国とイラクの)どっちの立場に立っているかは明白だ」と言い切った。一方で、首相は「もう一つの新たな国連安保理決議を望む」姿勢を打ち出し、「米国追随一辺倒」の印象を避けようとしている。福田氏は5日、外務省幹部を「イラクより米国の方が悪いと誤解されている。外務省はもっと説明すべきだ」と叱りつけた。世論形成が思うように進まない焦りだった。 【川上克巳】

 米政府がイラクの大量破壊兵器疑惑などに関する「新証拠」を示したことを受けて、イラクは一層、国連査察への協力姿勢を示し、攻撃反対の国際的機運の高まりに期待するとの見方が強い。だが、外交筋の間には「今月に入り、イラクは開戦準備を整えている」との情報も流れており、当面、和戦両面作戦を取るものとみられる。

 査察の行き詰まりは攻撃に直結するため、査察継続はイラクにとって「頼みの綱」だ。当面の焦点は、イラクの協力姿勢を測るものとして、(1)イラク当局者が立ち会わない単独での科学者聴取(2)U2偵察機を使った上空査察の実現――ができるかどうかだ。8日からのブリクス国連監視検証査察委員会(UNMOVIC)委員長、エルバラダイ国際原子力機関(IAEA)事務局長のバグダッド訪問に合わせ、この2点について、イラク側がより協力的な姿勢をみせる可能性もある。

 一方で、国際世論作りりとしてイラクが重視するのが、世界的な広がりをみせる市民レベルでの反戦運動だ。このところ、バグダッドには世界各国から反戦活動家が集まり、イラク攻撃反対をアピールしている。

 こうした活動に「イラク政府はビザ(査証)を速やかに発給することを決めている」(外交筋)という。「市民感情を無視できない欧米の民主主義国家には効果的な作戦とイラク側が気づいた」(イラク人記者)との見方もあり、今後、こうした海外の一般市民との連帯を強化しそうだ。

 イラク国営テレビは、先月末から連日のように、フセイン大統領が軍幹部会議で、各部隊からの報告を聞き、アドバイスを与える場面を放送している。大統領は国民向けに臨戦気分を植え付け、厳しい統制がきいているとのイメージを流すことで、反政府運動発生を抑止する狙いがあるとみられる。 【バグダッド小倉孝保】

[毎日新聞2月7日] ( 2003-02-07-00:34 )

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