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アメリカと北朝鮮:「北朝鮮は一体何を望んでいるのか?」など [フォーリン・アフェアーズ]
http://www.asyura.com/2003/war24/msg/274.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 2 月 18 日 17:04:31:


■北朝鮮は一体何を望んでいるのか?new!
■北朝鮮の戦略はどのようなものか?
■二〇〇二年十月に北朝鮮の核開発計画が露見した経緯はどのようなものだったのか?
■そのときブッシュ政権はどう対応したのか?
■二〇〇二年十月以降、アメリカはどのような対北朝鮮政策をとってきたか?
■当初の強硬姿勢をブッシュ政権が見直したのはなぜか?
■北朝鮮問題の外交的解決を目指しつつも、平壌が核開発計画を放棄するまでは、直接交渉は行わないとするブッシュ政権の現路線を、専門家はどうみているか?
■アメリカはいずれ北朝鮮との直接交渉を行うだろうか?
■これまで直接交渉に乗り気でなかったのではないか?
■なぜ態度を変化させたのか?
■どのような批判がなされているのか?
■アメリカは北朝鮮との新たな合意を模索しているか?
■アメリカは北朝鮮に対する武力行使を想定しているか?
■なぜ北朝鮮は敵対的な姿勢を崩さないのか?
■一九九四年の米朝枠組み合意とは何か、なぜ合意は形骸化したのか?


North Korea Q&A-Indexへ

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Q1:北朝鮮は一体何を望んでいるのか?

  A1
専門家によれば、平壌が核開発を公然と模索しているのは、核開発をカードにアメリカから経済支援、エネルギー支援を取り付け、(北朝鮮を攻撃しないという)安全保障上の確約を取り付けることが目的だ。CFRのシニア・フェロー、エリック・ヘジンボサムは、平壌はおそらく核保有国になりたいと考えているが、最大の目的は現体制をなんとか生きながらえさせることにある、と説明している。
だが一方で、核保有を国家存続の切り札として既成事実化するつもりだとみる専門家もいる。ジョージ・テネットCIA長官は、平壌は、北朝鮮の核保有を認めるような合意を模索している可能性があると発言している。


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Q2:北朝鮮の戦略はどのようなものか?

  A2
アメリカのイラク侵攻の可能性がますます大きくなるなか、ジョージ・ブッシュ大統領のいうもう一つの「悪の枢軸」である北朝鮮は、イラクの次に攻撃されるのは自分たちなのではないか、と心配している。一方、ワシントンは、北朝鮮との軍事対決は望んでいないし、危機の外交的解決を模索していると明確に語っている。一部の専門家は、北朝鮮は明らかにアメリカからさらに譲歩を引き出そうと、核開発計画を強化しているとみている。ヘジンボサムは、これを北朝鮮の瀬戸際戦略、緊急事態戦略、つまり、「うまくいけば、(妥協を盛り込んだ)合意を取り付け、そうでない場合には、北朝鮮は核兵器を手にする」ための戦略とみている。


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Q3:二〇〇二年十月に北朝鮮の核開発計画が露見した経緯はどのようなものだったのか?

  A3
二〇〇二年十月初頭に、ジェームズ・ケリー国務次官補が平壌を訪問した際、すでにアメリカの情報当局は、平壌が秘密裏に核兵器を生産しようとしていることを示す詳細な証拠を握っていた。当初、北朝鮮側はその事実を否定していたが、交渉の当事者たちの弁によれば、姜錫柱(カンソクジュ)第一外務次官は、最終的に核開発計画が存在することをまるで居直ったかのように、そして攻撃的に認めた。

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Q4:そのときブッシュ政権はどう対応したのか?

  A4
十二時間の沈黙をまもり、その意味あいを検討するとともに、北東アジア地域の同盟国や友好国と協議した。次に、ブッシュ政権は、平壌に対するそれまでの政治的関与路線を放棄し、核開発計画の放棄を強く求めるようになった。

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Q5:二〇〇二年十月以降、アメリカはどのような対北朝鮮政策をとってきたか?

  A5
ブッシュ政権は、当初、外交的・経済的に「北朝鮮を孤立させる路線」を模索してきた。ワシントンは、重油の提供など、軍縮と援助を取り引きした九四年の「米朝枠組み合意」に盛り込まれた支援策を打ち切り、平壌が核開発計画を放棄するまでは交渉には応じないという路線をとってきた。 北朝鮮は、これまでに何度も核開発を凍結すると約束しておきながら、秘密裏に開発計画に従事してきたわけで、ホワイトハウスは、ここで交渉に応じるのは、悪事に報いることになるし、「脅しに屈して交渉に応じるようにみられる」のは政治的リスクが大きいとみなした。


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Q6:当初の強硬姿勢をブッシュ政権が見直したのはなぜか?

  A6
北朝鮮に対する何らかの手だてをもっているとみられる中国やロシア、そして、アジアにおける主要な同盟諸国である韓国と日本が、そのような孤立政策を実施することには前向きでなかったからだ。


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Q7:北朝鮮問題の外交的解決を目指しつつも、平壌が核開発計画を放棄するまでは、直接交渉は行わないとするブッシュ政権の現路線を、専門家はどうみているか?

  A7
一九九四年当時に国防長官だったウィリアム・ペリーは、二〇〇三年一月に、ブッシュ政権の対北朝鮮姿勢は中途半端だと批判し、いまや北朝鮮情勢は深刻な危機にあり、「果敢で創造的な外交戦略」が必要であると発言している。

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Q8:アメリカはいずれ北朝鮮との直接交渉を行うだろうか?

  A8
ブッシュ政権は、「北朝鮮問題を平和的・外交的に解決することを目指していると表明しつつも、平壌が核開発計画を放棄するまでは、直接交渉は行わない」としてきた。だが、アーミテージ国務長官は二月初旬に、韓国の盧武鉉が2月25日に大領に就任した後であれば、アメリカは、北朝鮮との「直接交渉」に前向きであると発言している。

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Q9:これまで直接交渉に乗り気でなかったのではないか?

  A9
二〇〇二年十月に北朝鮮が核開発計画を認めて以降、アメリカが二国間の直接交渉の可能性を明言したのは、今回のアーミテージ発言が始めてだ。これまでブッシュ政権は、交渉を行う前に、まずは北朝鮮が核開発計画を放棄する必要があるという路線をとってきた。

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Q10:なぜ態度を変化させたのか?

  A10
少なくとも二つの理由を指摘できる。一つは先に指摘したとおり、北朝鮮孤立政策をめぐって、北東アジア地域の関係諸国を説得できなかったこと。韓国、ロシア、中国はむしろ北朝鮮との対話路線のほうが好ましいとみなし、アメリカに対話路線に立ち返るように求めた。もう一つは、北朝鮮の孤立政策というブッシュ政権の路線が、ワシントンで手厳しく批判されたことだ。

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Q11:どのような批判がなされているのか?

  A11
米議会指導者の一部は、北朝鮮危機は数週間以内にますます深刻化する恐れがあり、直ちに手を打つ必要があると主張している。二月上旬に、上院外交委員長のリチャード・ルガー(共和党、インディアナ州選出)は、北朝鮮との対話にむけたリーダーシップを直ちに発揮するようにブッシュ政権に求めた。また、トム・ダシュル(民主党、サウスダコタ州選出)、ジョセフ・バイデン(民主党、デラウェア州選出)、カール・レビン(民主党・ミシガン州選出)の三名の上院議員も、二月上旬に、コンドリーザ・ライス国家安全保障問題担当大統領補佐官に宛てた書簡で、ブッシュ政権は「兵器拡散に関する国際ルールを踏みにじっている北朝鮮の脅威を(ブッシュ政権は)軽視し続けている」と批判した。


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Q12:アメリカは北朝鮮との新たな合意を模索しているか?

  A12
米政府官僚は、北朝鮮との新たな取りきめを模索するとすれば、それは、より広い視野を持ち、北朝鮮のミサイル開発計画、ミサイル関連技術の輸出、国境地帯での兵力、核関連研究に関する新たな規制を備えたものでなければならないと語っている。報道によれば、新たな合意の見取り図では、平壌による核開発計画の完全な解体を求める一方で、北朝鮮が原子力ではない電力生産施設を建てることを支援する計画も想定されている。


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Q13:アメリカは北朝鮮に対する武力行使を想定しているか?

  A13
武力行使という選択肢はそれほど真剣には想定されていない。ブッシュ大統領は、北朝鮮に侵攻する計画は持っていないと、繰り返し表明している。但し、一方で外交路線が破綻した場合に備えて、今後武力行使路線も準備していくこともアメリカ政府は示唆している。すでにペンタゴンは、二十四機の長距離爆撃を、米本土の基地からグァム島の基地へ移動させることに備え、警戒態勢を引き上げている。こうした長距離爆撃機がグァム島に配備されれば、北朝鮮は飛行距離、射程内に入るし、在韓米軍への支援活動も短時間でこなせるようになる。


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Q14:なぜ北朝鮮は敵対的な姿勢を崩さないのか?

  A14
予見できない行動をとることで知られる金正日が一体何をしようと意図しているのかは分からない。専門家の間でも、彼が本当に核開発を進めたいのか、それとも、アメリカによる潜在的攻撃を抑止したいのか、意見は分かれている。北朝鮮を攻撃する意図はないとワシントンが公言しているにも関わらず、平壌はイラクの次は自分たちかもしれない、と心配しているようだ。アメリカとの不可侵条約を二国間で交渉することを何度も要求しているのはこのためだろう。


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Q15:一九九四年の米朝枠組み合意とは何か、なぜ合意は形骸化したのか?
 
  A15
九四年の枠組み合意の下、米日韓の三カ国は、北朝鮮がプルトニウムを用いた核開発計画を凍結することを条件に、五十万トンの重油を提供し、軍事目的には利用しにくい二基の軽水炉を四十億ドルの資金を投入して建設することに合意した。
だが、二〇〇二年十月に、核兵器用のウラン濃縮化計画に従事していることを北朝鮮が認めたことをきっかけに、合意は形骸化していった。二〇〇二年十二月になると、北朝鮮は合意によって一九九四年以降閉鎖されてきた寧辺(ヨンビョン)の核施設の再開にも踏み切った。北朝鮮側は、この施設の監視装置を外し、国際原子力機関(IAEA)の査察官も退去させた。専門家によれば、この施設を稼働し続ければ、少なくとも二〇〇三年の夏までには、数発の核爆弾をつくるのに十分な兵器級プルトニウムを生産できる。

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