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02/19 18:16 イラク攻撃準備に遅れも　米軍駐留にトルコが難色　　外信85

　米軍の対イラク出撃拠点とされているトルコが米軍駐留に難色を
示している。米国防総省はイラク攻撃計画の代替案検討を余儀なく
されており、南北からの同時侵攻で作戦の短期終結を目指す米軍の
攻撃態勢構築に影響する可能性が出てきた。　　　　　　　　　　
　背景には、トルコ国内の強い反戦世論に加え、戦争で被る経済的
損失を補てんするための支援をめぐってトルコの要求と米国の提示
額が折り合わないことがあり、両国は最後の駆け引きを続けている
。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　▽増額要求　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　両国は昨年から米軍への協力内容やその条件となる経済援助、ト
ルコの民族問題を刺激しかねないイラクのクルド人の扱いなどにつ
いて協議を詰めてきた。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　米側は「クルド人国家」をつくらせないことをトルコに約束した
ほか、トルコ軍部隊一万五千人がクルド人の治安維持のためイラク
北部で独自活動することなどを容認。トルコに駐留する米軍数も大
幅に削減する見通しとなった。　　　　　　　　　　　　　　　　
　問題は経済支援の規模。米主要メディアが複数の米政府高官の話
として伝えたところによると、米政府はこれまでに、部隊駐留の見
返りとして総額二百六十億ドル（約三兆千二百億円）規模の金融支
援を打診した。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　しかし「湾岸戦争での経済的損失が四百億ドルとも一千億ドルと
もされるトルコは米提案に不満」（外交筋）で、二月中旬にヤクシ
ュ外相が訪米してブッシュ大統領らと会談したが、話はまとまらな
かった。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　▽代替計画も　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　トルコ各紙によると、米国は米軍のトルコ駐留の国会承認提案を
遅くとも十八日に行うようトルコ政府に要求した。提案があれば、
国会は承認するとみられたが、シャヒン副首相は「米国が期待に応
えれば、次の段階に入る」と主張、米国が経済支援拡大を決めるこ
とを国会提案の条件にし、同日の提案を見送った。　　　　　　　
　米国はトルコ側の反応を「経済支援額をつり上げるための駆け引
き」（米政府高官）とみる。ウルフォウィッツ米国防副長官は、国
会提案がさらに遅れれば「トルコなしの作戦に切り替える」と述べ
、経済支援の゛帳消し″もあり得ることを警告。第二、第三の作戦
計画作成に着手した。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
　ＣＮＮテレビによると、代替計画は（１）トルコからイラクに入
る予定だった米軍部隊の駐留地をイラク北部のクルド人自治区に変
更し、空港を確保する（２）イラク南部の米軍部隊を増強し、トル
コからの進撃は断念する―との内容。　　　　　　　　　　　　　
　だが、これらの作戦について米国防総省は「より複雑で一定の準
備期間が必要」と分析、今後のトルコ側の対応次第では米軍の攻撃
態勢の完了が遅れる見込みだ。（ワシントン、アンカラ共同＝近沢
守康、小熊宏尚）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
（了）　　０３０２１９　１８１６　　　　　　　　　　　　　　
[2003-02-19-18:16]

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