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https://www.tokyo-np.co.jp/article/486025?rct=politics
憲法記念日を挟むこの連休は、アウトドアを楽しむもよし、家族そろって一家団欒に時間を過ごすもよし、また静かに憲法というものを考える時間を持つのもよし。
われらは、貴重な時間をそれぞれが思い思いに過ごす「自由」が憲法で保障されている。
ということで、静かに憲法というものを考える時間を持つこととしたい。
憲法を考えるとき、「憲法とは何か?」を自分自身の意識の中にはっきりと構築していなければならない。
日本に住む私達にとって、日本国憲法は何故必要なのか、なぜ存在しているのか。
例えば、戦前の「大日本帝国憲法」は、明治政府が、天皇の権威を利用して、国民を支配するために、天皇を主権者とし、国民は支配されるべき臣民とする、そんな支配体制を確立する目的で作られたものだ。
現在の日本国憲法はどうか。
「大日本帝国憲法」とは全く違って、主権がわれら国民にあると宣言し、この憲法を確定した。
日本国憲法に限らず、近代立憲国家の憲法は自然権思想に基づいて組み立てられている。
自然権思想は、「人は生まれながらに「生存権」と、その生存権が脅かされたときには、それに抗う「抵抗権」を持つ」というものだ。
その「生存権」を一人で守ることは難しいことから、人が集まり、国家を作り、その国家を運営する代表者を選んで為政者とし、その為政者に一定の権力を信託して、「国民の生存権」を守らしめることとした。
そして、国民が国家を運営する為政者に一定の権力を信託するにあたり、為政者が「しなければならないこと」、為政者が「してはならないこと」をしたため、それを国の最高法規としての憲法とした。
これが、日本国憲法の成り立ちの考え方であり、存在理由だ。
すなわち、為政者が暴走し、国民の信託と違う行動を起こさないようにしたものであり、「権力を縛るもの」と言われる所以だ。
したがって、憲法を変えようとするその内容が主権者・国民にとって正当なものかどうかの判定は、為政者が「しなければならないこと」、為政者が「してはならないこと」を記すものかどうかをチェックすればいいことになる。
例えば、7条解散といわれるような「総理大臣の解散権の乱用を禁じる」、あるいは「53条の規定に基づく臨時国会の召集期限の明示」などは、為政者が憲法の条文を曲解する隙を与えないために加筆的に明確化することであり、為政者が「してはならないこと」、「しなければならないこと」を記すことになる。
すなわち、憲法7条を根拠に衆議院を解散「してはならない」。
すなわち、53条の規定に従って臨時国会の召集を求められた場合は、(10日)以内に臨時国会を召集「しなければならない」。
などなど。
一方で、政府・自民党が憲法の変更を迫る場合は警戒しなければならない。
権力者が、その権力を縛る憲法を変えたいとする「動機」は、「権力行使を縛るものを取り除く」ことだ。
例えば、「緊急事態条項」の創設。
「緊急事態条項」で規定するとしている内容は、主権者である国民の権利を制限するものであり、為政者に信託した権力の強化を要求するものだ。
そこには、為政者が「してはならないこと」、「しなければならないこと」とは無縁の事項が並ぶに違いない。
憲法改変を狙う彼らは、そのことによって、日本国憲法を大日本帝国憲法同様に、「国民を支配するための道具」にしようとしているわけだからだ。
仮に法的根拠を必要とするならば、そんなものは憲法に記すのではなく、憲法の理念に損なわない範囲で一般法令に委ねるべきなのだ。
以下に記事(共同通信配信)の全文を転載する。
与野党は3日放送のNHK番組で憲法改正を巡り議論した。自民党の小野寺五典元防衛相は「しっかり自衛隊を位置付けることが安全保障上、重要だ」と述べ、9条への自衛隊明記を主張した。中道改革連合の階猛幹事長は「(衆院)解散権の制約や、臨時国会召集の円滑化を議論すべきだ」と求めた。
国民民主党の玉木雄一郎代表は、緊急事態時の国会議員任期延長と参院選の「合区」解消を挙げた。
日本維新の会の前原誠司安全保障調査会長は、戦力不保持を定めた9条2項の削除を提起した。
参政党の神谷宗幣代表は「憲法を通じて日本文明を再定義する必要がある」と提唱。チームみらいの古川あおい政調会長は、改憲に関する国民投票を行う際の投票環境の整備が重要だとした。
立憲民主党の小西洋之憲法調査会長は「自衛隊を憲法に明記したら、武力行使できる組織を書くことになる」と訴えた。公明党の西田実仁幹事長は、デジタル時代の人権保障や情報アクセス権の議論を深めるべきだと指摘。共産党の山添拓政策委員長と、れいわ新選組の奥田芙美代共同代表は改憲に反対した。
記事の転載はここまで。
自民党の小野寺元防衛相は「・・・9条への自衛隊明記」を主張した。
小野寺氏は隠しているが、この主張には、もう一つおまけが付いている。
自民党の自衛隊明記案の骨子は、
・9条の規定は、必要な自衛の措置をとることを妨げない
・そのための実力組織として、自衛隊を保持する
というものだ。
これは憲法を後から上書きすることで、これまでの規定を無効化する、姑息な手法だ。
「9条の規定は、必要な自衛の措置をとることを妨げない」
この規定が書き加えられたらどうなるか。
試してみよう。
すなわち、
・自衛権の発動による戦争は放棄していない。
・自衛権の発動による場合は、武力による威嚇又は武力の行使は、放棄していない。
・自衛権を行使する場合は、9条2項の規定は適用されない。
すなわち、自衛軍、あるいは国防軍といった自衛のための軍隊の保有は憲法9条の禁じるところではなくなり、自衛権の発動にあたっては「国の交戦権」は認められる・・・。
吉田茂首相の国会答弁での言葉・・・
「・・・従来近年の戦争は多く自衛権の名に於て戦われたのであります、満洲事変然り、大東亜戦争亦然りであります、・・・」
その反省に立って出来た「憲法9条」。
憲法前文に記されている・・・。
「・・・、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。・・・」
と。
「9条の規定は、必要な自衛の措置をとることを妨げない」
と加筆することが、あからさまに平和憲法を冒涜するものであり、どれほど重大な「憲法違反」か分かろうというものではないか。
我らは宣言している。
「・・・われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。・・・」
吉田茂首相の当時の答弁を一読することは参考になる。
【昭和21年6月26日衆議院本会議における吉田茂首相の答弁より引用】
「次に自衛権に付ての御尋ねであります、戦争抛棄に関する本案の規定は、直接には自衛権を否定はして居りませぬが、第九条第二項に於て一切の軍備と国の交戦権を認めない結果、自衛権の発動としての戦争も、又交戦権も抛棄したものであります、従来近年の戦争は多く自衛権の名に於て戦われたのであります、満洲事変然り、大東亜戦争亦然りであります、今日我が国に対する疑惑は、日本は好戦国である、何時再軍備をなして復讐戦をして世界の平和を脅かさないとも分らないと云うことが、日本に対する大なる疑惑であり、又誤解であります、先ず此の誤解を正すことが今日我々としてなすべき第一のことであると思うのであります、又此の疑惑は誤解であるとは申しながら、全然根底のない疑惑とも言われない節が、既往の歴史を考えて見ますると、多々あるのであります、故に我が国に於ては如何なる名義を以てしても交戦権は先ず第一自ら進んで抛棄する、抛棄することに依って全世界の平和の確立の基礎を成す、全世界の平和愛好国の先頭に立って、世界の平和確立に貢献する決意を先ず此の憲法に於て表明したいと思うのであります(拍手)」
(※出典:衆議院本会議 昭和21年6月26日(第6号)|衆議院憲法審査会
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