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高市首相の「軍国少女遊び」は来春にも挫折しかねない 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/387566
2026/05/13 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

改憲よりも、消費財のみならず生産財の品不足という異常事態、これを何とかしてくれないと(国家安全保障戦略など安保関連3文書の改定に向けた有識者会議で)/(C)共同通信社
5月連休明けから7月17日の会期末までが今国会の「終盤」で、ひとまとまりの政局場面をなす。「中盤」の4月12日自民党大会で高市早苗首相が「来春までに改憲を発議するメドを立てる」と宣言したことから、今後1年間の高市政治の軸芯に「改憲」が据えられ、以後、国会中盤と終盤、夏の過ごし方を挟んで秋の臨時国会、来年1月からの通常国会序盤……という個々の政局場面を通じて、改憲ムードが次第に高まり熟していくように重要法案や施策を積み上げ、それらすべてを改憲実現へと収斂させていきたいのだろう。
彼女にとって改憲とは、師匠の安倍晋三のようにあれこれの迂回路を求めてウロウロするのでなく、2012年の自民党改憲草案のように、9条の2項を削除し「国防軍」保有を明記するという堂々の正面突破でなければならない。そうしないと、高市は安倍を超えたということにならない。つまり高市の目標は「戦争のできる国」への国家改造を安倍に代わって成し遂げることであるから、それをもり立てていくための法案・施策もそれに沿ったものとなる。それでまず中盤には、第1弾として閣議決定でできる「武器輸出」の原則禁止から原則推進への大転換を断行し、第2弾として「国家情報会議・情報局」設置法案を衆院で通過させた。これは次のスパイ防止法案、国旗損壊罪法案、安保関連3文書の改定へとつながっていくはずだ。
高市は自民党大会での発言で「時は来た」と、この方向に突き進む気負い込みを見せた。しかし残念ながら国民の大多数はもちろん、自民党の中でさえも、今すぐに改憲しないとこの国はやっていけないという切迫感など抱いてはおらず、そんなことより目先のこの物価高、消費財のみならず生産財の品不足という異常事態を何とかしてくれないと、暮らしも仕事も成り立たないというところにこそ切迫感がある。そこで国会終盤の政局場面の最大の問題は、食料品の消費税ゼロを2年間限定で実施するという高市案を6月中に有識者会議で具体化するというのが、国民の大きな不安への答えになるのかどうかである。
私の結論は、こんな弥縫策では今の未曽有の経済危機に対処することはできず、そのため高市が国民から見放される日は近く、従って彼女の「軍国少女遊び」は来春を待たずに挫折するかもしれない、というものである。

高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。
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