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官僚統制に反対ですし、官僚の振る舞いに反吐を催していますが...
http://www.asyura2.com/2us0310/dispute14/msg/109.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 10 月 07 日 23:37:16:Mo7ApAlflbQ6s


マルハナバチさんの『官田引水を越えて新しい秩序の生成へ』( http://www.asyura.com/0310/dispute13/msg/109.html )からつながるレスで、サイトがダウンしたときに消滅したものを再掲させてもらいます。

※ 趣旨は、官僚の擁護ではなく、自由主義や規制緩和を賛美する風潮への経済論理的な批判です。

経緯が不明になるので、勝手で恐縮ですが、健奘さんの投稿から再掲させてもらいます。

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Re: 日本に限らない話です
http://www.asyura.com/0310/dispute13/msg/150.html
投稿者 健奘 日時 2003 年 10 月 01 日 22:13:52:xbDm84QDmOFmc

(回答先: 日本に限らない話です 投稿者 あっしら 日時 2003 年 9 月 29 日 21:09:53)


あっしらさんの洞察には、いつも敬服しています。

この場合でも、然り、ですが、ただ、国別(社会別)に、相対的に違う事も整理したほうがいいと思います。私にできるとは思いませんが、気づいていることを投げかけます。

アメリカの今日の場合、アメリカ人自身が言うように、チャンスが平等にあるとは、言えません。しかし、起業して成功する件数を、日米で比較すると、アメリカの方が多いです。さらに、問題は、国も地方でも、役人が、起業・企業にネガティブな態度をとるのは、日本での方が、ずっと多いようです。本田技研や大和運輸(いわゆる後発)ですら、そうだったです。(私自身、財団法人で仕事をして、このあたり、まじかに見ました。口では、ベンチャー支援、と言いますが、身内から起業しようものなら、嫌がらせは、、、、。)

日本の官僚の場合、意識的に委託された権限を行使する、というよりは、すみちゃんの言葉に端的に示されるように、
”「知人」と「知人ではない他人」との扱いは徹底的に差別的”
のように、身内的に物事を見、実行することに、問題があると思います。

私の知り合いも、本庁から離れた(天下った)のですが、”65才までは、面倒見てやると言われているから”と。これだと、税金の私物化なのですが、そういう意識以前なんですね。

権限を意識して行使する、という場合は、外から対決する方法もあるかもしれませんが、意識していませんから、外から言われても、思考回路にからまないです。

アメリカの場合、権限を意識して行使しますから、多少でも議論ができるようですし、権限の定義も示します(あっしらさんは、そのことも、普通の人々を、少し欺くように行うといわれると思いますが)、それでも、形にしようとは、します。

けれど、日本の場合は、大抵、形にすること、そのことを嫌っていくようです。論理的にしたくないのです。

このあたり、アメリカとの比較で、相対的でしょうけれど、日本ではより明示的にしないですよ。
予算編成でも、執行でも、委員会を作りますが、そのとき、誰を入れ、誰を外すかは、察して案を出さないとだめなんです。大抵、官庁の上司は、だめだとは、はっきりいいません。ましてや理由など。

今日は、このへんで。


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官僚統制に反対ですし、官僚の振る舞いに反吐を催していますが...

健奘さん、こんばんわ。

多くの官僚が士であることを捨て、自己保身と利権確保に汲々としていることや“「知人」と「知人ではない他人」との扱いは徹底的に差別的”であることは認識しております。
そして、日本が米国以上に官僚統制国家であることも認めております。

米国は、金融支配層を中心とした経済的支配層が状況の変化に応じてより有利な統治を行うために国家機構を牛耳るというかたちですから、官僚統制という姿はあまり見えません。
経済活動で優位にある人たちがより良い条件を求めて政策を動かすというものですから、国家寄港が民間をうまく動かして経済活動を活性化させることを体質化させた日本とは逆のベクトルということになります。

日本もどんどんあやしくなってきていますが、米国は、国家国民全体の利益が先にあるのではなく、経済的に優位にある人たちの利益が先にあります。
米国は、経済的支配層が民主的選挙制度を通じて国家を我が物とし、自己の利益のために利用しています。
(もちろん、国民=有権者が選択した結果という正統性と権威が付与されていますから、それをどうこう言う気はありません)

日本の官僚制は、民主制では米国のように経済的に優位にある人たちの利益が先行するという弊害に陥ることをそれなりに抑制してきたと考えています。
(それが戦後の高度経済成長と国民生活の向上に貢献し、産業力で米国を抜く支えの一つになったと思っています。お笑いに近くなりますが、現時点でもなお主観的には国家の利益を先行している官僚がそこそこはいると思っています)

>起業して成功する件数を、日米で比較すると、アメリカの方が多いです。さらに、問
>題は、国も地方でも、役人が、起業・企業にネガティブな態度をとるのは、日本での
>方が、ずっと多いようです。本田技研や大和運輸(いわゆる後発)ですら、そうだっ
>たです。

デフレ不況が続いている現状では比較できませんが、かつては、中長期の“生存率”を考えれば、投資銀行との詐欺的合作を含めても、日本のほうが失敗しない率が高かったはずです。
(官僚も投資銀行も相手にしない企業は全般的な経済状況と経営者の能力に左右されます)

日本の官僚が、既存企業の保護を優先し、新規参入をセーブしてきたのは事実です。
彼らが恐れたのは、過当競争で無駄な力を費やしたり共倒れになる事態です。

ホンダと通産省の自動車参入をめぐる確執は有名な話ですが、トヨタや日産という自動車メーカーでさえようやくかたちになってきたという状況でしたから、新規参入を渋ったのは理解できます。
私が当時の担当官であれば、「ホンダさんは、バイク事業に専念し、世界一のバイクメーカーになってください。そのための助成はしてきましたし、今後もそのためになら助力を惜しみません。乗用車の国内市場はご存知の通りで、米国などへの輸出もどれだけ拡大できるかわかりません。外貨事情から言っても、ホンダさんの自動車参入に向けて融資をするよう銀行に働きかけることはできません」と言ったと思います。

ホンダの技術力と経営戦略がホンダを世界有数の自動車メーカーに育て上げ、他の自動車メーカーも成長を続けましたが、ホンダへの賞賛は惜しまないとしても、当時の官僚の判断を誤りだとは言えません。

(日産がホンダの影響でおかしくなったとは思っていませんが、内外の経済状況によっては、ホンダも、トヨタも、日産も揃っておかしくなっていたかもしれません)

これは、官僚統制を是と主張したいわけではなく、そのような視点も合わせて持たなければならないという趣旨です。

官僚統制の“害毒”を、官僚に逆らって成功した数社の企業を例にあれこれいうのは、木を見て森を見ずになると思っています。
どうこう言っても、戦後日本が破格の経済成長を達成したことは間違いなく、官僚統制に逆らって成功した企業も、その条件のなかで成功したのです。

経済論理を踏まえつつ、官僚統制でも経済支配層の利益優先政策でもない別の仕組みを構築する必要があると思っています。

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