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<4>家庭環境 
http://www.asyura2.com/2us0310/nihon9/msg/172.html
投稿者 エンセン 日時 2003 年 10 月 07 日 09:24:09:ieVyGVASbNhvI

(回答先: <3>兆候  投稿者 エンセン 日時 2003 年 10 月 07 日 09:22:42)

 
家庭環境    過剰とも思える緊密さ

 「お話があります」。少年(12)が補導された七月九日朝。少年の自宅に捜査員が訪れた。母親(39)は少年に弁当を持たせて学校に送り出し、朝食の後片付けに取り掛かろうとしていたが、着の身着のままで警察署へ。

 この朝を境に親子三人の家庭は暗転する。

 少なくとも両親にとっては、“仲のいい家族”だった。取材に応じた母親は言う。「息子は不器用だし、体力もない。コンプレックスがあって、勉強では負けたくない気持ちがあったと思う。いいとこを伸ばしてやろうと思った」。少年が「お母さん、お願いします」と言えば、家事の合間に付ききりで勉強を教えた。

 勉強には厳しかったが、「後はべったり。私とは友達みたいな関係。あの子はひょうきんで、よくしゃべる。甘えん坊で、息子の方からよく腕を組んできた」。母親は密着ぶりを認める。

 父親も「息子が登校するときは必ず起きて、見送るようにしていた」。夜遅くまでの仕事だったが、あいさつは欠かしていない。

 だからこそ「息子に問題はあったんだろうが、気付いてあげられなかった」と母親は唇をかむ。「環境に適応できないところがもともとあるので、中学に入って新しい生活になじめなかったんじゃないでしょうか…」。緊密な関係を強調しながらも、両親は少年の心の奥底を読めずにいた。

 「母親とは過剰ともいえるほど緊密な関係」。長崎家裁の保護処分は、この密着ぶりにこそ問題が潜んでいたと指摘した。「同年代の子どもと交友する機会を減少させ、(発達障害に起因する)共感性の乏しさに拍車を掛けた」

 下校時の寄り道を母親から厳しく戒められ、家では親子で向き合って勉強。中学入学という環境の変化も大きく作用した。家庭内では、父親が仕事を辞めるかどうかをめぐり、夫婦間の言い争いが続いていた。

 その結果、少年は事件当時、「かなりの精神的負荷を負っている状態にあった」と保護処分では結論付けた。両親が語るごく普通の家庭の風景と、少年の中に渦巻いていた精神的ストレスの落差は大きい。

 「子ども会に入るよう誘っても、親は応じなかった」「自治会役員を決める際に『なんでうちが!』と母親がすごいけんまくで怒りだした」「父親は仕事熱心だが、仕事仲間と酒を酌み交わすこともなかった」。両親についての周囲の証言だ。

 少年の不器用さや足に少し発達の遅れが見られることを気に病んでいた両親。家庭外での人間関係を遮断したような生活環境と、家庭内での過剰とも思える緊密な環境の中で、少年は育ち、事件を起こした。「誰かに相談していたら…」。母親は悔やみながら目線を落とした。

2003年10月3日長崎新聞掲載

http://www.nagasaki-np.co.jp/press/yuusatu/kikaku2/04.html

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