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下:<溝> 本当の謝罪、見極める遺族
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投稿者 エンセン 日時 2003 年 10 月 07 日 09:50:02:ieVyGVASbNhvI

(回答先: 中:<施設> 更正指導きめ細かさ課題 投稿者 エンセン 日時 2003 年 10 月 07 日 09:49:00)

 
下:<溝> 本当の謝罪、見極める遺族

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 幼稚園児(4)の遺族7人が1日、遺体が見つかった長崎市内の立体駐車場を訪れた。事件から3カ月、代理人の弁護士の目には、いくぶん和らいだ雰囲気のようにも見えた。だが、その直前、「今後は民事請求の話になりますが、謝罪を受けてからしか先に進めませんよね」と話しかけた代理人に、遺族はそろって同意している。

 四十九日法要を迎えた8月18日、代理人の元に、中学1年の男子生徒(12)の両親から届けられた謝罪文は、白い封筒が未開封のまま残された。「補導後1カ月、連絡もなくほったらかされた。公の場で謝罪してほしい」。遺族の強い意向だった。

 9月24日、長崎家裁の審判廷で園児の両親らは裁判官に向かって涙声を振り絞った。「なぜ1分1秒でも早く直接謝罪を形にしなかったのでしょうか」「あなたたちを絶対に許しません」

 長崎家裁は処分の中で、「遺族に対し、できる限りの謝罪の措置を講じる必要があるのに、対応は十分なされていない」と、生徒の両親へ異例の言及をした。

 付添人は「両親も追いつめられていた。(生徒に会って)事実関係を確かめてからにしたかったようだ」と説明する。

 心に深い傷を負った遺族と、衝撃の大きさに立ちすくむ加害者側。その深い溝は、容易に埋まる気配はない。

 「これから一生、正仁君のことを忘れず生きていきます」。今年8月、神戸市垂水区の藤原克己さん(50)宅で少年が土下座した。

 藤原さんの次男、正仁さんは01年3月、市内の公園で少年4人に暴行され、19歳の命を奪われた。自宅に訪れた少年はその中心にいたとされていた。

 藤原さんは審判で「心から反省ができてから、線香をあげに来てほしい」と意見陳述した。その後、少年院などから手紙が届くたび、仏前で息子に読みきかせた。この少年からは1年4カ月で11通を数えた。

 「許せない気持ちは変わらない。でも、本人の反省の気持ちが長続きするか見ていきたい」

 被害者の遺族と加害者側との直接、間接的な対話の動きが日本でも始まりつつある。

 加害者は遺族と向き合って罪の重みを自覚し、遺族は自らの思いを伝え、対話の中で気持ちを和らげていく。双方の苦しみを克服する「修復的司法」という試みだ。

 ただ、16歳の長男を高校生の暴行で失った「少年犯罪被害当事者の会」代表の武るり子さん(48)=大阪市西淀川区=は言う。「謝罪だけで、被害者側が癒やされると思われたくはない。加害者の謝罪の言葉と態度が一貫して続くことが大前提。被害者側が加害者を変えていくのではない」

 園児の遺族の代理人は「被害者側の心の傷は一生癒えず、審判が終わっても事件は終わりではない。当事者間の調整が続くよう双方の弁護士がフォローできることが望ましい」と語る。

 男子生徒の両親は付添人に、「3人で一生かけて償っていきます」と話している。だが、9月29日の最終審判後も、具体的な謝罪の示し方には触れないままだったという。
 

(朝日新聞2003年10月2日朝刊紙面)


http://www.asahi.com/special/nagasaki/031002.html

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