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Re:障害者傷つけるわいせつ教師 立場悪用、信頼裏切る
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投稿者 闇の行者 日時 2003 年 10 月 11 日 01:22:31:YkoEgliNeHuiY

(回答先: これは「いじめ」ではなく、ただの「暴行容疑」でしょう 投稿者 すみちゃん 日時 2003 年 10 月 09 日 10:11:03)

1999年11月16日
 障害者傷つけるわいせつ教師 立場悪用、信頼裏切る
五味香織(岐阜支局) 

 ◇学校の閉鎖性改めよ


教師によるわいせつ事件が起きた岐阜盲学校。普通の学校と同じに見えるが、敷地内には点字ブロックが並ぶなど、視覚障害を持つ児童・生徒に配慮されている
 「わいせつ行為」を理由に処分を受ける教師が増えている。文部省地方課のまとめでは、1997年度に懲戒免職などの処分を受けた教師は、監督責任を問われた校長などを含めて約170人。この10年間で約6倍に増えた。多発するわいせつ事件の中でも、特に障害を持つ児童・生徒が被害者となるケースに強い憤りを覚える。

 障害者を理解し、守るべき立場の人間が、教え子の障害につけこんでわいせつ行為に及ぶ――。そこにはもはや、教師の姿は見てとれない。高い意識とモラルを期待する以外には方策がないのだろうか。

 強制わいせつの罪に問われた県立岐阜盲学校の男性教諭(28)の初公判が9月下旬に開かれた。被害者は視覚障害を持つ教え子の女子。教諭は用意した「認否書」を読み上げて行為を大筋で認めた。興奮のためか声を震わせながら、「今一番願うことは、被害者が今後何事もなく学校生活を送ることです」と、あたかも自分が当事者であることを忘れたかのような言葉を並べた。

 教諭の弁護士は記者団に対し「2人は以前から恋愛関係にあったから、体に触ったりするのは自然なこと。関係がこじれてしまっただけ」と主張した。だが、検察側の冒頭陳述によると、半年にわたって被害に遭っていた女子は、恐怖のあまり、学校に行く途中で足がすくむようになっていたという。

 この教諭がわいせつ行為をしているという情報を得たのは今年6月だった。「研修のため学校を休んでいる」という教諭の自宅を夜、訪ねると、「絶対にやっていない」の一点張り。「そんなことをする人間に教師の資格はない」とも。食い下がる私に向かい、「失礼だ」と声を荒らげた。あまりの態度の強硬さに、「間違いなのか」という思いさえよぎった。だが約1カ月後、教諭は強制わいせつ容疑で逮捕された。

 盲学校の事件を知る前の6月14日には、公立中学で特殊学級の担任をしていた男性教諭(41)が逮捕された。知的障害を持つ女子生徒に対するわいせつ行為の容疑だった。女子生徒の父親は、被害を世間に知られるのを覚悟したうえで告訴した。だが、検察側は、女子生徒の証言で被害を立証するのは難しく、公判維持は困難と判断し、父親は起訴期限の日に告訴を取り下げた。

 父親は「告訴を取り下げて以降、学校側からの接触はない。謝罪もない」と学校側の対応に不満をもらし、「だれも信じられんようになった」とつぶやいた。加害者の罪を問えず、被害者側の傷は残ったままだ。

 障害者の事件の難しさを痛感したのは昨年6月、記者になったばかりのころだった。岐阜市立の知的障害者施設で、介助スタッフの男性(66)が20代の女性入所者に、わいせつ行為をしていた事実が発覚した。施設の幹部は、事件を知りながら、表ざたになるまで1年余りの間、被害者の保護者にさえ連絡しなかった。

 施設へ取材に行った私は、子供を迎えに来ていた母親たちに話を聞こうとした。施設に対して、さぞかし怒りを抱いているだろうと思った。だが、母親たちの口は重かった。

 「マスコミは騒いで終わりだけど、私たちは、これからも施設に通わなきゃならない」「ほかに子供を預けられるところがない」と訴える。そっと自宅の電話番号を教えてくれた人も、後で「何か話したら施設の職員や保護者らに私だと分かってしまう」と口を閉ざした。今春まで息子が盲学校に通っていたという母親は、「在学中は学校に対して不満や要望を出せなかった」と打ち明ける。

 そうした弱みにつけこんで犯罪が起こる。逮捕された障害者施設の元職員の裁判で、検察側は犯行の動機として「被害者は障害者なので、抵抗したり騒いだりしないだろうと考えた」と述べた。

 岐阜県では昨年9月以降、刑事事件に関係して懲戒免職などの処分を受けた公立校教諭は7人。うち5人が「わいせつ行為」で、被害者の大半は事件当時やかつての教え子だった。私立高校でも、男性教諭が、顧問をしていた運動部の女子生徒に対する強制わいせつの疑いで逮捕された。

 相次ぐ不祥事対策として、岐阜県教委は9月、「学校評議員制」の導入を決めた。学校運営に地域住民の意見を取り入れるのが狙いだ。教育問題に取り組む市民団体からは「学校が選ぶ評議員が、第三者機関の役割を果たせるのか」との声が上がっている。

 子供や親が学校への不満や要望を表に出しにくい閉鎖性を改めることが、まず必要だ。とりわけ、障害者教育に携わる教師には、普通学級以上に立場を自覚してほしい。ハンディを持った子供たちが、信頼を寄せる教師に裏切られては、救いはない。

 メールアドレス kishanome@mbx.mainichi.co.jp

 (毎日新聞1999年11月16日東京朝刊から)
http://www.mainichi.co.jp/eye/kishanome/199911/16.html


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