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2021年11月19日04時16分 〜
記事 [政治・選挙・NHK284] 日テレの池田利恵氏たたきはHPVワクチン反対つぶしか、本人が吐露(高橋清隆の文書館)
元記事http://blog.livedoor.jp/donnjinngannbohnn/archives/2045061.html
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 日本テレビ『スッキリ』が「京王線刺傷事件」に関する池田利恵・日野市議会議員(無所属)のSNSへの投稿を取り上げ、「陰謀説」「無茶苦茶」などと酷評したことに対し17日、池田氏は東京・国分寺市内で開かれた講演会場で「反コロナ活動より、子宮頸がんワクチン接種再開への圧力だと思う」と吐露した。


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自身を取り上げた『スッキリ』を両断する池田氏(2021.11.17筆者撮影)


 日本テレビは16日午前の番組『スッキリ』で、「京王線事件はやらせ」の主題を放送した。SNS上に「女性たちが全員ズボン」「クライシスアクター(俳優)が映っている」などの「デマが広がっている」ことを紹介し、「陰謀説」と断定。池田氏がフェイスブックに「プロのカメラマンが撮影」と投稿したとして、司会の芸人が「無茶苦茶なこと言ってますよ」などと怒りを露わにした。


 筆者はテレビを持っていない。知人から同番組の問題場面の動画を送られていたが、マスメディア報道など全部宣伝(プロパガンダ)と知っているので、ばかばかしくて見なかった。


 講演会は「市民がつくる政治の会」東京西支部(会長:中村正行・まさつら)が主催。『今こそ、脱コロナ宣言!』と銘打ち、谷本誠一・呉市議会議員を交え4時間にわたって開かれた。


 講演前の会場で池田氏にあいさつした際、「昨日のあれ、私の反コロナ活動より、子宮頸がんワクチンの勧奨接種再開への圧力ではないかと思う」と吐露された。厚生労働省の専門部会は12日、8年間中止していた子宮頸がんワクチンの積極的勧奨を再開することを決めている。


 冒頭、池田氏は『スッキリ』に言及。「12日にメルク(MSD株式会社)と厚労省の前で抗議活動を行った。そのときあたりから、今回のことが始まったようだ」と明かした。


 池田氏がフェイスブックに投稿したのは、次の3件のみ。


Screenshot 2021-11-18 at 11-42-31 (2) 池田 としえ Facebook


Screenshot 2021-11-17 at 20-21-05 (19) 池田 としえ Facebook


Screenshot 2021-11-17 at 20-19-03 (19) 池田 としえ Facebook

 11月4日のものは、名古屋で活動する友人の投稿をシェアした際の書き込みである。


 「ズボンを履いていて、全員若く、荷物がない。私にはそこまで見抜く力はなかった。電車に乗り合わせた人が映像を撮っていると言うが、結構危ない。物の正体がここまでと分かっていればいいが、爆発がそこであったらどうするの。どこが不安をあおっている発言か」と首をかしげると、会場は爆笑に包まれた。


 しかも、京王線は調布市と共に、撮影のために駅や車両ごと借りることができる


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画像引用元https://pbs.twimg.com/media/FERuYsMVcAQS4GS?format=jpg&name=900x900


 池田氏にとって、16日は3日後に始まる第4回定例議会の一般質問書の提出日。多忙を極める上、慕っていた人が急死し、パニックになっていたという。新型コロナに疑問を呈する活動をしたとして3月2日に自民党を除名されているが、このときも一般質問2日前だった。


 「議会前だと分かっていると思う。私が何を言っているかというのは一切出ない。そこまで私をつぶさないと駄目なのだろう」とやゆする。


 新型コロナ騒動が始まってから連日、100人、200人の感染者数で深刻に伝えるニュースを見せ、「インフルエンザは1000万人超になって数回報じていただけ。今は『静岡1人』『山梨0人』とかで感染症を捉える見地からも異常」と糾弾。


 「報道の仕方がおかしいと気付けるが、テレビが言ってくれないと駄目。学校で小さいときから先生を前に相対していると、先生の言ってることが正しいと大きくなっても思っている。今、先生がテレビ。そこに1億数千万人が陥っている。だからこそ、みんな一歩引いて考えれば、今起きていることがどれだけ恐ろしいことか」と啓発した。


 HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンを日本では「子宮頸がんワクチン」と呼ぶが、慶応大学医学部婦人科腫瘍研究室は「HPV感染だけでは発がんしない」と発表しているという。


 池田氏は2013年3月、「子宮頸がんワクチン被害者連絡会」を設立。同年4月に子宮頸がんワクチンの定期接種が始まるが、2カ月後に世界で初めて接種勧奨が中止になった。副反応の被害報告が二十数人に及んだことが決定打になったとし、今の新型コロナワクチン接種推進の異常さを指摘した。2016年、東京、大阪、名古屋、福岡で被害者が国と製薬会社を相手に訴訟を起こし、現在合わせて130人が治療費の支払いなどを求め争っている。


 池田氏は「なぜ11月12日に専門家部会が再開したか」と問い掛け、MSDが9月1日に発表した声明を紹介。「MSDとしては厚生労働省と緊密に協力し、本年10月の積極的な接種勧奨の再開に向けてあらゆる準備を進めてきました」とつづり、勧奨再開のための審議開始を求めている。


 ワクチンがわが国に押し売りされた背景として、2010年に多くの薬品が特許切れを迎えていたことを挙げた。「治療薬と違い、ワクチンは全員が対象。しかも国が相手であり、ドル箱の商品」と解説。しかも現在、多くの国で訴訟が起こされ、米国ではロバート・ケネディ・ジュニアらが勝訴した背景を挙げ、「これは在庫処分ための恫喝の可能性がある」と補足した。「コロナワクチンと連動しており、遺伝子ワクチンの前哨戦。接種してどういう症状がどのくらいまでどのように続くか、この10年間治験が集積しているはず」と関連性を強調した。


 さらに、2020年12月、自民党の吉川貴盛・元農水相と西川公也・内閣官房参与が大手鶏卵会社から現金授受および接待を受けたとして辞職・辞任に追い込まれた事件に触れ、「抗原を体内で作成する遺伝子ワクチンに切り換えるためには好都合だった。これにより、抗原の作成を鶏卵内でする鶏卵法がしにくくなるという見方もできる。日頃の問題に対し、多面的な見方をしないと」と助言した。


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各民放の外国人直接保有比率(池田氏の資料)


 6月に東北新社が株式の外資規制に違反し、事業認定を取り消されたことにも言及。その陰でフジテレビの外国人直接保有比率が31.90%、日テレが23.63%に達していることを問題視した。


 池田氏はメディアも政治家も味方にない中でワクチン被害者の支援をしてきた体験から、「人任せは駄目。大切な人のために、自分で行動を。子宮頸がんワクチンの被害者は、根性が座っていた。今、コロナワクチンで千数百人もの人が亡くなっているが、誰が表に出て来ているか。子供たちは、自分の体をさらしても、世の中に危機管理を促そうとしている」と喝破した。


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谷本氏(右)とともに参加者からの質問に答える池田氏(2021.11.17筆者撮影)


 終盤の質疑応答では、参加者の男性が「厚労省に抵抗している人はいるか」と質問したのに対し、池田氏は「厚労省より、国全体を統括している内閣府が非常に悪い」と答え、米国や中国から独立できる国力強化の重要性を説く。「私たちは、人類が肉体的に大きく変わってしまう瞬間に居合わせている。自分のためでなく、次の世代が気付く布石をつくるとき。死を意識して、一人ひとりが強い意識で何かを残そう」と呼び掛けた。


無理を通す製薬企業、邪魔者は社会的に抹殺


 池田氏は自民党の党則にある「党の政策を守る義務」に違反したとして地方組織から離党勧告と除名処分を受けたことに対し、9月29日に除名処分の無効確認などを求める訴訟を起こしている。


 厚労省の専門部会が子宮頸がんワクチン接種の積極的な勧奨再開を決めた際、ワクチンの有効性と安全性についてのデータが紹介された。『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』の論文では、2006−2017年の間に10〜30歳およそ167万人の女性を対象に、ワクチン接種が子宮頸がんの発症と関連するか調べた。その結果、未接種者で子宮頸がんと診断されたのが10万人あたり94人だったのに対し、接種済み者は10万人あたり47人と半減したとしている。しかし、新コロワクチン同様、子宮頸がんを発症しなかった圧倒多数の9万9906人と9万9953人を比較すべきで、その差は0.00047倍でしかない。


 しかも、世界保健機関(WHO)は2019年、接種後の容体悪化について「予防接種ストレス関連反応」という新たな概念を提唱している。


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子宮頸がんによる死亡の大半は70代以上で、20歳未満は0人(池田氏の資料)


 そもそも、子宮頸がんによる死亡者は、10代ゼロ人、20代二十数人で、2500人強の死亡者の大半は70以上の高齢者である。


 2013年4月に定期接種になる前は70%以上あった接種率が、約0.3%まで低下した。今回の巻き返しには、国民を無視した製薬企業のロビー活動がある。8月28日、MSDは厚労省に警告文書を出して強圧をかけた。同文書には、「製薬会社からこのまま積極的勧奨の差し控えが長引いて、ワクチンを日本で大量に廃棄するようなことがあれば、日本は世界から批判される」などと脅している。


 これを受け同月30日、自民党HPVワクチンの積極的接種勧奨の再開を目指す議員連盟」(細田博之会長、自見はなこ事務局長)が、10月前に再開することなどを求める「要望書」を提出した。


 同月31日の閣議後会見で田村憲久・厚労相は、記者に勧奨再開の時期を問われ、「なかなか10月というのは物理的に難しいというお話は昨日させていただきました」と回答した。別の記者が「それでしたらいつ頃までに」と催促。28日の「警告」を引用し、「この要望についてどう受け止めているのか。ワクチン確保が今後できなくなったとしたら、この責任をどう考えるのか」と迫った。


 二の矢を飛ばしたのは、バズフィードジャパンというネットニュースでいつもワクチン推進の記事を書いている女性記者。筆者もこの会見に参加していたのでよく覚えている。険しい口調で、ビッグ・ファーマの言うことを聞かない自国の大臣を叱る姿に、マスコミ記者以上の怖さと哀れさを感じた。


 これに対し、田村大臣は「そういうご意見もありますが、製薬メーカーのご意見でございますので、われわれ契約しているわけでも何でもありませんから、そういう意味からすると、製薬メーカーのご意見として、承らせていただきたいと思っております」ときっぱり。田村氏が国士に見えた。


 「それは不足する可能性については、重くは受け止めていないということでしょうか」
 「新たなワクチンは新たなワクチンで確保していきたいと思います」


 ビッグファーマの代理人の小言を、何とかかわしているように聞こえた。


 しかし、翌9月1日、MSDが「声明」を発表。「MSDとしては厚生労働省と緊密に協力し、本年10月の積極的な接種勧奨の再開に向けてあらゆる準備を進めてきました」と始め、「積極的な勧奨再開の事実上の先送りともとれる状況となったことを遺憾に思い、厚生労働大臣が会見で言及された審議会にける一刻も早い審議の開始を強く願います」と要求した。


 同17日の会見で田村氏は前言を翻し、「可能であれば10月中の早い時期に審議を始めたい」「積極的勧奨自体を私のときに中断しました。そういう意味では、私自身のある意味宿題でもあったと思います」とひょう変している。われわれの知り得ない恫喝があるのか。
 
 8月28日の「警告」にある「ワクチンを日本で大量に廃棄するようなことがあれば、日本は世界から批判される」との文言は、2009年12月、カナダで余っていたグラクソ・スミスクライン(GSK)製の新型インフルエンザワクチン1126億円分をそっくり買わされ、1本も使わずに処分したことを連想させる。それでは間引きにならないから使い切れと言うのか。およそ人間のやり方に思えない。


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戦略国際問題研究所(CSIS)から名指しで非難された池田氏(池田氏の資料)


 健康被害がほとんどいないのに、ワクチンに疑問を抱く者を池田氏以外にもメディアは積極的に攻撃し始めている。岡山・倉敷新型コロナウイルス感染対策市民審議会が9月3日、児童・生徒への新型コロナワクチン接種停止を求める署名を呼び掛ける意見広告を読売新聞全国版朝刊に掲載した翌週、同紙は新型コロナの脅威を疑う者を「コロナ陰謀論者」とののしる「虚実のはざま」の連載を始めた。


 行政だけでなく、メディアと政治も結託して、国民を殺すために邪魔な人間を社会的に葬りに来ている。


■池田としえ公式ホームページ


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http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/277.html

記事 [政治・選挙・NHK284] 特定政党の代弁者橋下が、れいわを敵対視する様は常軌を逸している(まるこ姫の独り言)
特定政党の代弁者橋下が、れいわを敵対視する様は常軌を逸している
http://jxd12569and.cocolog-nifty.com/raihu/2021/11/post-087b11.html
2021.11.18 まるこ姫の独り言


この国のTVはあまりにも偏っていないか?

自民党には田崎が、そして維新には橋下が、この二人は明らかに特定政党愛が強すぎるのに、連日テレビ出演。

テレビで誰が見ても特定政党の応援をしているとしか見えない二人に対して厚遇は行き過ぎているのと違うのか。

その橋下、れいわ嫌いがあからさまで、比例で当選した議員にまでいちゃもんをつけている。



比例でぎりぎり当選であろうとなかろうと、1日未明に当選が確定しようと、当選は当選、勝ちは勝ち、負けは負け。

これは制度、システムの問題なのに、大石がズルしたみたいな言い方は大人げない。

しかも、国庫への返還を想定せず作った法律で,維新や自民のように歪な「寄付」をして自分達こそ正義の味方みたいな見せ方はどうなのか。

問題ありの維新関係者に言われたくないよな。。。

維新の不祥事は「あははっは・・申し訳ない」で終わり、他者にはやたら厳しい橋下。

今は「れいわ」「立憲」が目の上のたん瘤なのか、この政党に対して執拗な攻撃をし続ける。

批判する対象は「文通費」の制度であって、個人議員ではない筈なのに、個人に粘着している。

今回の文通費の問題は制度の問題で、そのくらい素人でも分かるのに、なぜ法律家が個人を攻撃するのか全然理解できない。

もう、坊主憎けりゃ袈裟まで憎い式の発想で見苦しいったらありゃしない。

>れいわ新選組とその議員の非常識は異常。しかも元公務員。

新人議員相手にムキになって非常識とか異常とか・・・

元公務員だったら問題でもあるのか。


公務員に対して、無茶苦茶な偏見を持っているとしか思えないが、昔、自分が天下だと思っていたところに反論されたことを根に持っているとか?(笑)

全てツッコミどころ満載のツイートで、しかも法律家がここまでヒステリックに個人感情を剥き出しにするのは見ている方が恥ずかしい。

異常なのは執拗に個人攻撃をする橋下じゃないの?


http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/278.html

記事 [政治・選挙・NHK284] 世界中から集中砲火を浴びても、日本が石炭火力発電をやめられない特殊事情(Business Journal) :経済板リンク 
世界中から集中砲火を浴びても、日本が石炭火力発電をやめられない特殊事情(Business Journal)

http://www.asyura2.com/21/hasan135/msg/591.html



http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/279.html

記事 [政治・選挙・NHK284] <維新が今、最も恐れているのが れいわ だ>木内みどりさんの命日に 山本太郎「選挙を回せる市民を増やす」(田中龍作ジャーナル)



木内みどりさんの命日に 山本太郎「選挙を回せる市民を増やす」
https://tanakaryusaku.jp/2021/11/00026091
2021年11月18日 23:13 田中龍作ジャーナル


山本太郎とおしゃべり会。超満席となった。=18日、参院会館講堂 撮影:田中龍作=

 女優にして脱原発活動家の木内みどりさんが亡くなって、きょう18日で、ちょうど2年が経つ。享年69。木内さんのもう一つの大きな業績は、政治家山本太郎を育てたことだった。

 その山本は、育ての母の命日に支持者と対話集会を持ち、今後の展望などを語った。会場の参院会館講堂は立ち見も出る超満席となった。参加者は主催者発表で約450人。

 憲法、非正規労働、地方の交通問題・・・支持者からありとあらゆる分野の質問が出たが、山本は国民の誰が聞いても分かるように嚙み砕いて説明していた。よく歩き、当事者や専門家の話にじっくりと耳を傾けているからだろう。

 「党に頼らなくても、連合に頼らなくても、宗教に頼らなくても、私たちが選挙を回せるんだよ。あなたたちを受からせる(当選させる)んだよという市民を増やしていく」とも語った。


木内みどりさんを偲ぶ会で山本は誓いを立てた。=2020年2月、都内 撮影:田中龍作=

 れいわ、その前身の「山本太郎となかまたち」の選挙現場には、木内さんの姿が必ずと言ってよいほどあった。

 故人を偲ぶ会(2020年2月)で山本は「木内さんのような大人が育つ国にしたい。木内さんに胸を張って報告できるように社会の変革に努めたい」と声を詰まらせていた。

 山本の選挙に対する哲学は実を結びつつある。れいわは今回の衆院選で押しも押されもせぬ国政政党となった。小所帯ながらポテンシャルは高い。来夏の参院選で所属議員数は2ケタ台(現在5人)に乗るだろう。大躍進し、野党第一党をうかがう勢いの維新が今、最も恐れているのが れいわ だ。

 木内さんの霊前で山本が胸を張って、社会変革を報告する日はそう遠くなさそうだ。(文中敬称略)


おしゃべり会の会場には、田中がれいわの幹事長候補と勝手に命名した高井たかし前衆院議員の姿もあった。=18日、参院講堂 撮影:田中龍作=

     〜終わり〜


【LIVE】山本太郎とおしゃべり会 In 東京都永田町 (2021年11月18日)

※37:45〜 再生開始位置設定済み

http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/280.html

記事 [政治・選挙・NHK284] 安倍元首相の派閥会長就任は「みっもとない」の一言に尽きる 永田町の裏を読む(日刊ゲンダイ)



安倍元首相の派閥会長就任は「みっもとない」の一言に尽きる 永田町の裏を読む
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/297541
2021/11/18 日刊ゲンダイ


細田前同会会長とグータッチで引継ぎする安倍元首相(C)日刊ゲンダイ

 近頃まことに不愉快きわまりないのは安倍晋三元首相の派閥会長就任で、みっともないの一言に尽きる。

 そもそも一般論として、麻生太郎副総裁もそうだが、総理大臣まで上り詰めた者は潔く退くのが当たり前だろう。しかも安倍は「アベノミクス」の8年間でかえって日本のGDP(ドルベース)を減らしてしまうという大失敗を演じながら、その結末をコロナ禍による不況に紛れさせて頬かむりしている。モリ・カケ・サクラ・アンリなど数々の金銭絡みの疑惑も、知らぬ存ぜぬでひたすら逃げ回るばかりの卑劣漢ぶりである。

 それならそれでおとなしくして、いつの間にか消え去っていたというふうにすればいいだろうに、先の総裁選では子飼いの高市早苗を押し立て、かなわぬと見るや岸田文雄に票を回して恩を売り、その見返りに高市を幹事長にするよう人事に口出すなど、チョロチョロと立ち回った揚げ句、党内最大派閥の会長に就任して政権に睨みを利かせようという算段である。

 が、岸田も顔に似合わずしたたかで、細田派から安倍派に衣替えした清和会の中には、岸信介に発して3代目の安倍に連なる系統と、福田赳夫から数えてやはり3代目となる福田達夫の系統とがあることに着目。「萩生田官房長官-高市幹事長」という安倍の人事要求を蹴っただけでなく、わざわざ福田系の松野博一を内閣の要の官房長官にし、まだ54歳の福田達夫を総務会長に大抜擢して、安倍の言いなりになるつもりがないことを宣明した。また、衆院に鞍替えした林芳正の外相起用も、一面では安倍に対する強烈な嫌みである。林と安倍は親の代から地元の山口県で政敵の関係にある。

 清和会には、福田系だけでなく安倍系の中にも安倍のゾンビぶりに眉をひそめる者もいて、安倍が思い通りに政界を操ることなど到底できそうにない。(敬称略)



高野孟 ジャーナリスト

1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。

http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/281.html
記事 [政治・選挙・NHK284] 野党も問われる政治とカネ透明性(植草一秀の『知られざる真実』)
野党も問われる政治とカネ透明性
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2021/11/post-7fb2f8.html
2021年11月19日 植草一秀の『知られざる真実』


「政治とカネ」問題は日本政治の本源的な暗部。

政治に絡むお金の流れを透明にする必要がある。

資金力で個人と大企業を比べれば天と地の開きがある。

企業献金を合法とすれば、資金力で勝る大企業が政党に巨大な資金を投下し、政治がカネの力で歪められる。

これが「政治とカネ」問題の根源。

2009年に民主党が政権を樹立したとき、民主党は

「企業・団体献金の全面禁止」

を公約化した。

民主党内にも反対意見はあった。

岡田克也氏などは企業献金全面禁止に反対していた。

岡田氏は役人の天下り禁止にも反対した。

企業団体献金の全面禁止は日本政治を刷新する上で画期的な提案だった。

「大企業が支配する日本政治」を刷新する決定打になるのが「企業団体献金の全面禁止」案だった。

民主党がこの提案を示したのは2009年3月のこと。

小沢一郎氏の秘書が政治資金規正法違反容疑で突然逮捕された。

西松建設関連の政治団体からの献金を事実通りに記載して報告したことが「虚偽記載」とされた政治謀略事件だった。

まったく同じ事務手続きをした自民党議員などは摘発されず、小沢一郎氏の資金管理団体だけが標的にされた。

いわゆる「西松事件」の謀略が仕掛けられて、小沢一郎氏は筋を曲げて民主党代表を辞任した

引責辞任ではない。

総選挙に悪影響が生じることを防ぐために筋を曲げて代表を辞任したもの。

この謀略事件が創作されたことを受けて小沢一郎氏が提案したのが「企業団体献金全面禁止」の公約だった。

2009年9月に誕生した鳩山由紀夫内閣は画期的な三つの提案を示した。

第一は普天間の辺野古移設の阻止

第二は官僚天下りの根絶

第三は企業団体献金の全面禁止

である。

1.米国による日本支配、2.官僚による日本支配、3.大資本による日本支配、の構造を抜本的に改革しようとした。

日本の既得権勢力にとっては正真正銘の「悪夢」だった。

そのために、日本の既得権勢力の卑劣で不正な総攻撃が鳩山内閣に実行された。

鳩山内閣は民主党内に潜む「既得権勢力」によって破壊された。

菅直人内閣、野田佳彦内閣は、日本の既得権勢力の傀儡政権だった。

菅直人内閣、野田佳彦内閣は企業団体献金全面禁止の公約を闇に葬った。

普天間の辺野古移設を推進するとともに官僚天下り根絶の課題も闇に葬った。

こうして、「政治とカネ」の根源問題である「大資本による政治献金」が温存され、これが政治腐敗の根源になっている。

維新が国会議員に支払われる文書通信交通滞在費(文通費)の見直しを主張して人気取りに懸命だが、その主張がブーメランで維新に突き刺さった。

自民党などが文通費の返還方針などを示したことに浮かれて松井代表は「永田町の常識は世間とかけ離れている」とドヤ顔で語っていた。

維新副代表の吉村洋文大阪府知事もツイッターで

「どうやら1日だけでも国会議員の身分となったので、10月分、100万の札束、満額支給らしい。領収書不要。非課税。これが国会の常識。おかしいよ」

と投稿した。

ところが、2014年12月19日から15年10月1日まで衆院議員を務めていた吉村洋文氏は、大阪市長選に出馬するため1日だけの在職で辞めた2015年10月分の文通費を満額受け取っていた。

この事実が発覚して、吉村氏は相当分を日割りで計算して返還する方針を示したが、維新のいかがわしさが全開である。

現在の「政治とカネ」問題の核心は政治家に寄付された資金の使途が不明なこと。

億円単位のカネの使途が明らかにされていない。

これは自民党だけの問題でない。

維新も国民民主党も含まれる。

「政治とカネ」問題を論じるなら政治資金の支出使途を公開することが必要不可欠だ。

政治がカネを稼ぐ「稼業」に成り下がっている。

国会がこの問題にメスを入れぬなら、与党だけでなく野党も批判に晒される。

健全野党と腐敗野党を区分することが重要になる。

鳩山友紀夫元首相との対談(アジア共同体研究所主宰YouTube動画「UIチャンネル」)
https://bit.ly/39BTgmd

10月5日発売の鳩山友紀夫元首相、孫崎享氏、前川喜平氏との共著『出る杭の世直し白書(ビジネス社)
https://amzn.to/3hSer8a

のご高覧も賜りたい。


http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/282.html

記事 [政治・選挙・NHK284] 「万死に値する」は太郎ちゃんの“愛嬌”なのだと思うからこそ… 室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」(日刊ゲンダイ)



「万死に値する」は太郎ちゃんの“愛嬌”なのだと思うからこそ… 室井佑月の「嗚呼、仰ってますが。」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/297639
2021/11/19 日刊ゲンダイ


山本太郎・れいわ新選組代表(C)日刊ゲンダイ

「もうすでに万死に値する人間であるとしかいいようがない。政治の世界から一刻も早く身を引くべき人間である」(山本太郎・れいわ新選組代表)

 これは太郎ちゃんが10日の記者会見で、麻生太郎自民党副総裁について語った言葉。

 太郎ちゃんが戻ってきて、また政治をウオッチしたり語ったりすることが楽しくなってきたわ。

 なんかこの件で、麻生さんのアンチからも「人として礼節を欠いている」「言い過ぎ」「他人に死ねという人が政治に関わるな」という声が巻き起こっているんだろか。

 でもさ、太郎ちゃんは、「死ね!」とかいったわけじゃないんだよ。

「死ね!」といったなら、流石に太郎ちゃんファンのあたしも眉間に皺を寄せただろうけど。

 国語辞典によると、『万死に値する』とは単に死ねではなく、何度も死ぬべき、という程に重い罪があるさま、なんだそうだ。

 でも、現代社会において、『お前の行為は万死に値する』なんて会話はほとんどされない。時代がかったこの言葉をわざとセレクトしたとこは、太郎ちゃんの愛嬌なのだと思う。

 ま、愛嬌があるなら、人に『死ね』っていっていいかというと、そうじゃないんだけどさ。

 でも、誤解しないでほしい。太郎ちゃんは『万死に値する』っていったの。『値する』ってことは自分の評価。自分はそう評価した上で、その後の判断をほかに押し付けているわけでもない。

 太郎ちゃんなら、なぜそう思ったのか聞かれても、逃げずに堂々とその理由を答えるでしょう? まだいいますかってくらいに、説明してくれると思うよ。



室井佑月 作家

1970年、青森県生まれ。銀座ホステス、モデル、レースクイーンなどを経て97年に作家デビュー。TBS系「ひるおび!」木曜レギュラーほか各局の情報番組に出演中。著書に「ママの神様」(講談社)、「ラブ ファイアー」(集英社文庫)など。


【記者会見LIVE】#れいわが始まる 衆議院議員 山本太郎、たがや亮、大石あきこ 国会内(2021年11月10日)

※28:25〜 山本太郎代表「「もうすでに万死に値する人間であるとしかいいようがない」

再生開始位置設定済み


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れいわ山本太郎代表が麻生太郎氏を猛批判「万死に値する人間。政治家をやめた方がいい」(スポーツ報知)
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http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/283.html
記事 [政治・選挙・NHK284] 竹中平蔵の起用は“逆走”だ。京大教授が指摘する岸田首相「決別」のウソ八百(まぐまぐニュース)
竹中平蔵の起用は“逆走”だ。京大教授が指摘する岸田首相「決別」のウソ八百
https://www.mag2.com/p/news/518824
2021.11.18 『藤井聡・クライテリオン編集長日記 〜日常風景から語る政治・経済・社会・文化論〜』 まぐまぐニュース



「成長と分配の好循環」を旗印に政権運営をスタートさせた岸田内閣ですが、発足から二月と経たないうちに暗雲が漂い始めたようです。今回のメルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 〜日常風景から語る政治・経済・社会・文化論〜』では京都大学大学院教授の藤井聡さんが、早くも岸田首相が犯してしまったという大きな間違いを指摘。そのうちの1つである「経済財政諮問会議」での発言を根本的な失策とバッサリ斬り捨てた上で、そう判断する理由を理論的に解説しています。

(この記事はメルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 〜日常風景から語る政治・経済・社会・文化論〜』2021年11月13日配信分の一部抜粋です)

岸田総理は、竹中氏・野田氏を徴用するという間違いのみならず、経済財政諮問会議でも根本的な間違いを犯しています

衆院選挙を経て、第二次岸田内閣が改めて発足しました。

選挙結果が「大勝利」であったことを受けて、岸田内閣はそれなりの安定内閣となり、目玉政策として掲げた「新しい資本主義」の実現に向けた取り組みをそれなりに進めていくだろうと目されています。

岸田総理は、これまで、総裁選、総選挙を戦うに際して

「所得倍増」
「分厚い中間層の実現」
「新自由主義からの決別」
「成長と分配の好循環を導く」
「経済安全保障」
「均衡ある国土の発展」
「株主資本主義から(賃上げ・投資拡大をもたらす)公益資本主義への転換」

という、大変耳当たりの良い政策理念を掲げていました。

ですから、この第二次内閣発足にあたって、これらの政策理念の実現に向けて、具体的に岸田さんがどうやっていくのかに筆者のみならず、多くの国民は大いに注目していました。

ところが……内閣発足直後から、怪しい空気が立ちこめ始めます。

「新自由主義からの決別」という金看板とは裏腹に、新自由主義の権化である竹中平蔵氏と、スーパーグローバル企業ヴェオリア・ジャパンの社長野田由美子氏を、首相直属委員会のメンバーに任命したのです。

こういった人達は、まさに新自由主義の理念に基づいて規制緩和・民営化を進め、国民の所得を吸い上げる事を通してカネ儲けを企むビジネスマン達です。ですから、岸田さんが彼らの声に耳を傾ければ傾ける程、「成長」や「分配」とは真逆の「貧困化」と「格差の拡大」が加速することは避けられません。

これでは、「新自由主義からの決別」はもとより、「分厚い中間層の実現」や「所得倍増」などが絶対に実現できないどころか、むしろ「バックギアにギアをいれて、全力で加速する」ようなもの。

だとしたら、これはもう、完全に馬鹿丸出しという話ですね(もちろんそうでないと信じたい所ですが)。

あれだけ大見得切って、所得倍増だ新自由主義との決別だと言ってたわけですから、まさかあの、最近の政治家にしては珍しく、それなりに品位と知性を漂わせる雰囲気をお持ちの岸田さんが、そんなあからさまな裏切りや馬鹿丸出しの対策をするはずがない、と思いたいところですが──勿論、予断は許せません。

そんな岸田さんに対する疑念が頭をもたげ始めた頃、官邸の会議体の中でも特に重要な会議である経済財政諮問会議が、11月9日に開催されました。

この機会は、我々の疑念が正しいのか間違っているのかを確かめるに絶好の機会となります。

何と言っても経済財政諮問会議は、今後の政策の大方針が審議される、総理が座長を務める会議であります。そしてその最後に出される総理の声明は、岸田内閣が今考えていることが、そのまま端的に表れるものなのです。

で、下記HPに、その総理声明が掲載されているのですが……結論から言って、かなりマズイ内容になっています。

経済財政諮問会議

そもそもこの総理声明には、様々な批判を避けるために通常は、可も無く不可も無いような、曖昧でいい加減な玉虫色の言葉が並ぶのが通例です。だから、「間違っている!」というツッコミがいれにくいものとなっているのが通例なのですが──誠に残念ながら、今回の岸田さんの声明文は、あからさまに、根本的に、メッチャクチャに間違っている内容が含まれていたのです。

当方が、「岸田さん、こんなこといっちゃぁ、ダメでしょ、これ完全アウトっすよ……」と感じたのは、以下の一文です。


日本全体の生産性を引き上げていく、そのため、デジタル、グリーン、そして人材への投資を重点的に行ってまいります。


そもそもこの総理声明には、様々な批判を避けるために通常は、可も無く不可も無いような、曖昧でいい加減な玉虫色の言葉が並ぶのが通例です。だから、「間違っている!」というツッコミがいれにくいものとなっているのが通例なのですが──誠に残念ながら、今回の岸田さんの声明文は、あからさまに、根本的に、メッチャクチャに間違っている内容が含まれていたのです。

当方が、「岸田さん、こんなこといっちゃぁ、ダメでしょ、これ完全アウトっすよ……」と感じたのは、以下の一文です。


日本全体の生産性を引き上げていく、そのため、デジタル、グリーン、そして人材への投資を重点的に行ってまいります。


一般の方ならこれがそんなに間違ったものだとは分からないかも知れません。っていう、あ、それ以前に、何をいっているのかハッキリ分からない、と言う方もおられるかも知れません。

以下、詳しく解説しましょう。

まず、この文章は(背景も含めて簡潔に説明すると)次の様な事を言っているものです。

1.今の日本の生産性は低い
2.これが日本の成長を妨げている
3.だから、デジタル・グリーン・人材への投資を重点的に行い、それを通して日本の生産性を上げ、そして成長を導いて参ります

多くの人はこれを聞いて、「ふむふむ」「まぁそれはそうだよね」と思うと思いますが……これは凄まじい勘違いなのです!!!

そして、この勘違いのせいで、今の日本は成長出来なくなっているのであり、かつ、生産性が低迷為てしまっているのです!

つまり、岸田氏は、「デジタル・グリーン・人材への投資を行う事で生産性を上げて、成長を導いていきます」という考え方のせいで、日本は成長出来なくなり、生産性が引き下がっている、という文字通り「馬鹿丸出し」の見解を公言している、という次第なのです!

そもそも、労働生産性というのは、労働者が1時間あたりに産み出した付加価値の量、と定義されますが、別の言い方をすると、労働者が1時間働いて、どれだけ稼げるのか、を意味するものです(決して1時間に鉛筆を何個つくれるかとか、おいしいラーメンを作れるか、ということではないのです!)。

したがって、普通、労働生産性が高い人は、低い人よりも、優秀で能力が高い、という風に思いがちですが、全くそうではないのです。

なぜなら、貧乏な国では、どれだけ優秀な人物でも、1時間あたり大きく稼げませんが、裕福な国では、どれだけ無能な人でも、1時間あたりたくさん稼ぐことができます。

例えば、今、欧米ではラーメン屋のバイトで1時間あたり、2,000〜3,000円稼ぐ事ができますが、日本で同じチェーンのラーメン屋でも、バイトで1時間あたり1,000円弱しか稼げません。しかしそれは決して、欧米人の方が、日本人よりも「優秀」であることを意味しません。ただ単に、欧米の方が、ラーメンの単価が高いということを反映しているだけだからです。

だから、生産性を上げるには、デフレを脱却させ、人々がたくさんのお金を使うような状況を作り上げる他ないのです。

そしてそのためには、(PB規律という国債発行額の抑制規律を凍結し)今日の需要不足を解消するための政府支出拡大を図る他ないのです。

それさえ出切れば、日本経済は成長していき、その「帰結」として、自ずと生産性(1時間当たりの稼ぎ)が向上していく事になるのです。

つまり、生産性向上のために必要なのは、PB規律の凍結であり、デフレ脱却までの政府支出の拡大をおいて他に何もないのです!

……それにも関わらず、多くの日本人、とりわけ、政治家やエコノミスト、専門化、官僚達は、「労働生産性」を「労働者の優秀さ」「企業の優秀者」と勝手に読み替えて、ITを導入したり、リストラしたり、M&Aを繰り返したりという、本来成すべき取り組みではない取り組みを行うべきだと主張し続けているのです。

岸田さんは、こういう手合いの話に耳を傾け、しっかりと聞いてしまったからこそ、「デジタル・グリーン・人材への投資」を通して生産性の向上を図り、それを通して成長させるのだと、諮問会議で大見得を切ってしまったのです。

それを繰り替えせば繰り返すほど、人々は安い賃金のまま必死で働き、大量の財やサービスを生産可能となり、供給力が拡大してしまうことになります。そうなれば、需要不足がますます深刻になっていくことになり、挙げ句の果てにデフレが加速し、生産性はさらに下落する事になっていくのです!!

岸田さん……ホント、恥ずかしい話ですよね……。

いずれにしても、こういう間違った俗説が蔓延し、総理大臣までもが主要会議で公言するような事態になってしまった結果、政府は「供給力を(できるだけ少ない予算で)拡大できる投資」に必死になって従事し、ますますデフレを悪化させ、労働生産性を下落させるという愚挙が繰り返される様になってしまったのです。

さらには、供給力を上げるための制度改革なるものを繰り返し、企業もその改革方針にしたがって様々な(自らを傷付けるだけに終わる自傷的な)「自助努力」を繰り返し、その結果、日本の産業力はどんどん低迷するという悪循環に陥っているわけです。

この極めて愚かしい理不尽極まりない状況は偏に、労働生産性の定義を知らないままに、一般国民のみならず業界人、政治家、はては官僚、学者、さらには、総理大臣までもがその言葉のイメージに踊らされ、なすべき努力とはほぼ無関係の努力を重ね、自滅し続けている状況にあるわけです。

以上が労働生産性と呼ばれるものの真実であり、岸田総理が如何に凄まじい出鱈目な勘違いをしているのか、ということの説明です。

岸田氏は、今回の諮問会議で、


日本全体の生産性を引き上げていく、そのため、デジタル、グリーン、そして人材への投資を重点的に行ってまいります。


と発言する代わりに


日本全体の生産性を下落させている元凶であるデフレを脱却するために、現在不足している内需を効率的、効果的に拡大していくための政府支出の拡大を徹底的に推進していきます。具体的な政府支出項目については、効果的に内需を拡大するという短期的な視点のみならず、日本の危機管理と長期的な成長に寄与するという長期的な視点の双方を加味して、最善のワイズスペンディングを目指します。


と発言すれば良かったのです!

残念ながら、こういう主張を展開する政治家は限られているのが現実なのですが……そんな中でも、先の自民党総裁選の候補であった、高市早苗現自民党政調会長は、こうした政策論を総裁選の折りに徹底的に展開されていました──が、政調会長のお立場では、諮問会議の声明文に口出しすることはもちろん不可能です……。

そうである以上、少なくとも岸田氏が総理大臣を務めている当面の間は、生産性にまつわる上記の様な真実を岸田総理がしっかりと把握することを、そして、その正しい認識に基づいて適切な経済財政運営を成されんことを、心から祈念したいと思います。

ですが、それが万が一にも不可能であるなら、岸田政権を徹底批判し、正しい政策を主張なさる新しい政権が一日も早く誕生されんことを、実現せねばならなくなりますね。

果たして岸田さんは正しい真実を認識し、正しい政策論を展開される方向に転換されることはあるのでしょうか?

少なくとも、我々国民は、岸田総理を決して甘やかさず、しっかりと監視し続けていくという態度が必要だ、ということだけは間違いなさそうですね。

(メルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 〜日常風景から語る政治・経済・社会・文化論〜』』2021年11月13号より一部抜粋・敬称略。続きはご登録の上、お楽しみください)

image by: 首相官邸

藤井聡 この著者の記事一覧

京都大学大学院・工学研究科・都市社会工学専攻教授、京都大学レジリエンス実践ユニット長。1968年生。京都大学卒業後、スウェーデンイエテボリ大学心理学科客員研究員,東京工業大学教授等を経て現職。2012年から2018年まで内閣官房参与。専門は、国土計画・経済政策等の公共政策論.文部科学大臣表彰、日本学術振興会賞等、受賞多数。著書「プライマリーバランス亡国論」「国土学」「凡庸という悪魔」「大衆社会の処方箋」等多数。テレビ、新聞、雑誌等で言論・執筆活動を展開。MXテレビ「東京ホンマもん教室」、朝日放送「正義のミカタ」、関西テレビ「報道ランナー」、KBS京都「藤井聡のあるがままラジオ」等のレギュラー解説者。2018年より表現者クライテリオン編集長。


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岸田政権の渋チン賃上げは“子どもの小遣いレベル” 日本医労連「上げ幅1ケタ少ない」と激怒
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2021/11/19 日刊ゲンダイ


「抜本的な見直し」でこれでは…(岸田首相)/(C)共同通信社

 いつになったら自慢の「聞く力」を発揮するのかーー。岸田政権は19日、過去最大規模の財政支出55兆7000億円もの経済対策を閣議決定。衆院選の政権公約に掲げた介護や保育、看護職の賃上げを盛り込んだが、実態は介護・保育が月3%、看護が月1%程度の“シブチン上げ”。高騰するガソリン価格に愚策を掲げ、追い打ちをかけるように「住宅ローン控除の縮小」も言い始めた。岸田首相の耳に、庶民の悲鳴は届いていないようだ。

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  ◇  ◇  ◇

〈仕事内容に比して賃金の水準が長い間低く抑えられてきた方々の所得向上に向け、公的価格のあり方を抜本的に見直します〉―ー。政権公約で大ミエを切ったにもかかわらず、〈抜本的な見直し〉はお粗末そのもの。介護・保育職は月9000円、看護職は月4000円の賃上げに、ネット上は〈子どもの小遣いかよ〉〈全然足りない〉などと大荒れだ。

 それもそのはずで、政府の公的価格評価検討委員会によると、全産業平均の月収35万2000円に対し、介護職は同29万3000円、保育職は30万2000円。5万〜6万円も下回っており、月9000円程度の賃上げでは所得格差は埋まらない。政府は、人手不足が深刻な介護職など14業種で来年度にも外国人の在留資格をなくす方向で検討している。なおさら離職防止と人材確保に力を入れるべきなのに、この程度の賃上げでは人手が集まるわけがない。

現実を無視した政府の数字


この程度の賃上げで人が集まるわけがない(C)共同通信社

 看護職は月収39万4000円で全産業平均を上回っているものの、シブチン政権に現場はカンカンだ。日本医労連の森田進書記長がこう指摘する。

「政府の示した賃金は夜勤手当やボーナスなどを全てひっくるめているので高く見えますが、我々の調査によると、看護職は40代の基本給が29万円程度。政府の数字は、心身的負荷の大きい労働条件で働いている現実を無視しています。賃上げや人員増によって、離職の最大の理由になっている過重労働を解消しなければ、岸田首相がうたう『処遇改善』にはつながりません。介護も看護も、上げ幅が1ケタ少ないのです」

 しかも、看護職の賃上げは新型コロナウイルス対応に従事する看護師を対象に来年2月から9月までの期間限定策だ。一時的な“施し”には「何が分配だ!」と言いたくなる。

トリガー条項は拒否、住宅ローン控除縮減


「ガソリン補助金」は愚策(C)日刊ゲンダイ

「国民の声」を聞いていないのか、約7年ぶりの高値水準が続くガソリン価格の抑制も、やる気ゼロ。価格が1リットル160円を3カ月連続で超えた場合に25.1円分の課税を停止する「トリガー条項」の発動は、復興財源である課税分を減らすことになるため、財源確保に支障をきたすとして凍結されている。法改正して解除すれば庶民の懐は温まるが、政府は凍結解除を「適当でない」(松野官房長官)と切って捨てた。

「トリガー条項が1年間発動された場合、1世帯当たりの負担減は1.3万円に上ります。特に自動車関連の支出が高い北陸や東北、四国、東海地方での負担減は1.6万〜2万円。裏を返せば、ガソリン支出の高い地域の方が価格高騰による負担が大きい。政府は1リットル170円を基準に最大5円の補助金を出す方針を示していますが、原油先物価格が落ち着いてきているため、170円に届かない可能性があります。条件が整っても5円の補助では、大した抑制効果はない。そもそも、補助金は石油元売り各社に出すということなので、小売り価格に反映されるかも不透明です」(第一生命経済研究所・永濱利廣首席エコノミスト)

 庶民の懐事情を悪化させかねない悪手の「ガソリン補助金」に加え、自民党税制調査会は18日、年末のローン残高(上限4000万円)の1%を所得税や住民税の税額から差し引ける「住宅ローン減税」の控除額を縮小する方針を示した。

「国民の声」と逆行している岸田政権に、成長も分配も期待できない。 

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http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/285.html
記事 [政治・選挙・NHK284] 高須院長のリコール署名偽造関与がさらに濃厚に…女性秘書が書類送検、高須HDで偽造作業、指示を語る供述調書も(リテラ)
高須院長のリコール署名偽造関与がさらに濃厚に…女性秘書が書類送検、高須HDで偽造作業、指示を語る供述調書も
https://lite-ra.com/2021/11/post-6079.html
2021.11.19 高須院長の署名偽造関与が濃厚に…女性秘書が書類送検、関与示す供述調書 リテラ

    
    高須克弥Twitterより

 愛知県の大村秀章知事に対するリコール運動をめぐる不正署名事件。本サイトでも繰り返し報じている通り、すでに運動団体の田中孝博事務局長が逮捕・送検されているが、今月15日、あらたに運動団体の代表である高須克弥・高須クリニック院長の女性秘書が署名偽造容疑で書類送検されていたことがわかった。

 高須氏の女性秘書をめぐっては、昨年10〜11月、署名に押印のない署名簿に指印したことが今年5月20日に中日新聞の報道で明らかになっていたが、今回の報道で指印だけでなく、署名簿の書き写し作業にも関与していたことがわかったのだ。しかも女性秘書が役員を務める高須クリニックグループの事務や経理を担う関連会社「高須ホールディングス」が組織ぐるみで、偽造作業に関わっていた可能性が浮上している。

 中日新聞の報道によると、昨年10月上旬から下旬にかけて、女性秘書を含む高須ホールディングスの役員や社員数人が、同社が入居するビルの貸し会議室で、愛知県民の氏名や住所が載った名簿を署名用紙に書き写す作業をしたというのだ。また、作業が行われたのは勤務時間中。つまり、送検された秘書個人がたまたまよくわからず協力したという話ではなく、秘書は署名偽造作業においてコアな立場にあり、偽造作業も高須グループぐるみで行われていたということになる。

 当然、高須氏自身の関与も強く疑われるが、複数のメディアが高須氏も知っていたという証言を報じている。

 朝日新聞は〈田中被告のもとで事務局を切り盛りした女性に、高須氏の秘書は、指印を押すようなしぐさをしながら「これに行ってくると(高須氏に)言ってある」「(高須氏も)『それは行ってやらないと』と言った」と話したとされる〉と報じており、さらにこの女性の供述調書は証拠提出されているという。

 地元・東海テレビも、作業の際に女性秘書が「高須先生の許可がなければ、私ここにいられないから」と周囲に話していたという情報を報じている。

 ところが、当の高須氏は、自身の長年の右腕である秘書が送検されたことを受け、複数のメディアに対し「知るわけがない」「関与はない」「指示したわけではない」などとコメント。ツイッターでも〈僕は悪いことはしません。指示もしません。信頼した人がどのような状況になっても見捨てません。僕は逃げません。正々堂々と筋を通して責任をとります〉(11月18日)と自身の関与を否定している。

 しかし、高須氏のこうした「潔白だ」「知らない」発言はそのあと、ことごとく新事実が飛び出して、嘘だったり辻褄が合わないことが次々明らかになっている。

■女性秘書の書類送検は当然、不正発覚前は高須院長自ら「リコール代表請求者のNo.4」と

 実際、今年5月下旬に高須氏の秘書が押印のない署名簿に指印したことが報じられた際、高須氏は「数百人のなかの一人」とまるで何も知らず動員されただけのアルバイトか何かくらいのように話していた。

 しかし、本サイトはこの時点で高須氏の秘書がもっとコアな立場にあったはずだと指摘していた。というのも、高須氏は、高須ホールディングスの役員も務めるS氏という秘書について、昨年12月19日に、こんなツイートをしていたからだ。

〈僕の秘書です。代表請求者です。自由に動けない僕に代わって情報収集をさせています〉
〈彼女は僕のスケジュール管理と情報収集が主たる業務です。愛知県医師会公認のメディカルセクレタリーでもあります。僕の必要とする情報を集めてくれています。大村秀章愛知県知事リコール代表請求者のNo.4です。有能です。〉(原文ママ)

 高須氏はまさに自分の秘書を「情報収集担当」「請求代表者」として署名運動に送り込んでいたのである。これが今回送検された秘書だと考えられているが、そんな人物が単なる「数百人のなかの一人」なんてありえない。そう指摘していたら、今回の報道で指印だけでなく、署名簿の書き写し作業にも関与していたことがわかったのだ。しかも問題は、前述したように、女性秘書が役員を務める高須クリニックグループの関連会社が組織ぐるみで偽造作業に関わっていた可能性が浮上していることだ。

 高須氏が知らなかったとしても高須氏に大きな責任があることは言うまでもないが、高須氏に一切報告せず単独行動で会社組織をあげて署名作業を行うなんてことがあり得るのだろうか。

 また、高須氏は5月下旬に秘書の関与が報じられたとき、4月に指印を押したことだけ報告を受けたと言っていたが、高須氏の主張どおりなら、昨年11月に不正が発覚してから約半年も関与を上司に隠し、さらに関与が発覚しても虚偽の説明をし、そこからさらに半年以上のあいだ上司を騙したままだったことになる。そんな不法行為をはたらいたうえ上司である高須氏を騙しつづけた秘書を、しかし、高須氏は〈信頼した人がどのような状況になっても見捨てません〉と言っているのだ。

 この不自然さは、秘書が罪をかぶっているからではないのかとさえ思えてくるほどだ。

 しかも、高須氏の不審な言動は秘書をめぐるものだけではない。不正の疑いが指摘されるようになって以降、高須氏自身が、疑惑を払拭するどころか、まるで不正の解明を阻むような不可解な言動を取ってきたのだ。

■リコール不正署名発覚後の高須院長の不自然な言動を総まくり

 今回の不正署名の可能性がはじめて指摘されたのは、愛知県内の大部分の地域で署名の提出期限であった昨年11月5日の前日、11月4日のことだった。

 リコールの会は、11月4日に署名簿を選管に提出するのだが、署名簿にナンバリングをしていないという事務的ミスがあり受け取ってもらえず、急遽ボランティアを集めナンバリング作業をすることになる。その作業のなかで、明らかに無効や不正の可能性のある署名を発見した一部ボランティアが、提出されないように抜き取り、その事実をネットで公表した。

 すると、高須氏は11月7日、突如として、自身の健康問題を理由にリコール運動の終結を宣言したのである。仮に、高須氏の健康状態が悪化したとしても、他の人たちが署名活動を続けることは可能だったはずだ。にもかかわらず、高須氏は慌てて、署名活動を閉じてしまったのである。

 それだけではない。高須氏はさらに信じがたい行動に出る。不正を指摘したボランティアを、署名簿を勝手に抜き取ったとして、窃盗で告訴したのである。

 その後、複数のボランティアから不正署名を見たという告発や、調査のために総会の開催を求める声が上がっても、高須氏の対応は同様だった。

 12月4日、ボランティア数人が愛知県庁で会見し、「筆跡が全部同じである。誰かが住民データを側に置いて、それをずっと丸写ししていったんだろうな」「同じ人が複数の署名を書き、偽造した疑いがある」と告発したのだが、高須氏はそれでも調査しようという姿勢を見せず、ボランティアの会見に対して、ツイッターで〈こいつか 泥棒!〉などと罵倒していた。

 高須氏のこうした攻撃は、不正を報じたマスコミに対しても繰り広げられた。東海テレビが署名簿に書かれた住所を訪れ、「書いていない」という証言やその住所には住んでいないという証言を報じると、高須氏は〈盗んだ署名簿に記載されている署名を勝手に筆跡鑑定したりの本人の住所に押し掛けて署名したか否か確認をメディアが勝手にやるのは罪ではないのか?〉などと非難。そして、〈素人でもわかる見え見えの無効署名を沢山作って公開する意図は?僕は43万人の署名に驚き、再リコール運動の芽を摘む行動だと推察します〉と、リコール潰しの策謀であるかのような陰謀論をまくし立てた。

 その後、現職の愛知県議や市議、市長らが、無断で署名に名前を書かれていたと実名で証言(中日新聞2020年12月22日付)。ほかにも同種の情報提供が相次ぎ、12月21日には愛知県選挙管理委員会も提出された署名に不正な署名が多数含まれている疑いがあるとして、全署名を調査することを決めた。しかし、高須氏はそれでも、疑惑解明に抵抗。選管に対しては、署名簿の返還を繰り返し要求し、あげく〈僕が全責任を負って返還された署名簿を溶解します〉などと証拠隠滅にもなりかねないことを主張していた。

■女性秘書書類送検、高須HDで作業発覚も報道しないテレビ、検察も不可解な動き

 この間のこうした言動を見ているだけでも、高須氏には、ほんとうに不正署名が行われたことを知らなかったのか、という疑問がわいてくる。

 しかも、ここにきて浮上した高須ホールディングスの組織ぐるみの署名偽造関与と、高須氏の秘書が署名偽造について高須氏の指示や許可のもとに動いていると語っていたとする、事務局関係者の供述調書──。知っていたどころか、それ以上の積極的な関与も疑われる。

 もっとも、こうした事実を報じているのは一部のメディアだけで、多くの新聞・テレビはあいかわらず、高須氏を追及することに消極的だ。しかも、いまの警察や検察の動きを見ていると、捜査でも高須氏の関与が有無や金の流れがあきらかになるかどうかは微妙だ。

 というのも、高須氏に対する聴取が行われていないようだからだ。朝日新聞によると、先行して審理が始まっている署名偽造バイトを集めた広告関連会社の元社長の初公判で、検察側は先月、関係者の供述調書など180件を超える証拠の要旨を説明したのだが、そこに高須氏の調書はなかったという。高須氏本人も聴取は受けていないとしている。

 リコール運動で高須氏の果たした役割を考えるとこれは非常に不可解だ。たとえば、団体の収支報告によると、高須氏は1200万円を運動団体に貸し付け、さらに150万円を寄付。これは団体の全収入の5分の1に当たるもので、高須マネーが署名偽造の原資となった可能性も指摘されている。

 また前述したように、高須氏の秘書が「これ(指印)に行ってくると(高須氏に)言ってある」「(高須氏も)『それは行ってやらないと』と言った」と話したという事務局女性スタッフの供述調書は証拠提出されているという。

 にもかかわらず、なぜ高須氏に対して聴取すらなされていないのか。不可解としか言いようがない。このままでは「民主主義の破壊行為」「戦後政治史上最大の汚点」ともいわれるリコール不正事件の全容が解明されない恐れがある。刑事責任の有無にかかわらず、このリコール不正をめぐる高須氏の責任は非常に重い。安倍元首相のように「責任をとる」とお題目のように唱えるだけでなく、一刻も早く説明責任を果たしてもらいたい。

(編集部)

http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/286.html
記事 [政治・選挙・NHK284] 立憲代表選4氏立候補のウラで…各陣営の“昔の顔”が懲りずに代理戦争!(日刊ゲンダイ)



立憲代表選4氏立候補のウラで…各陣営の“昔の顔”が懲りずに代理戦争!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/297668
2021/11/19 日刊ゲンダイ


(左から)元首相の野田佳彦、菅直人の両氏(C)日刊ゲンダイ

 下馬評よりは面白い展開が期待できるのか。

 19日に告示された立憲民主党の代表選(投開票30日)。いろんな名前が浮かんでは沈み、最終的には“ポスト枝野”に4人が名乗りをあげた。泉健太政調会長(47)、逢坂誠二元政調会長(62)、西村智奈美元厚労副大臣(54)、そして映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」で知名度がアップした小川淳也元総務政務官(50)だ。

【写真】この記事の関連写真を見る(35枚)

 各陣営には旧民主党政権を担った重鎮たちがキレイに散らばり、代理戦争の様相でもある。

 18日、滑り込みで出馬表明した小川氏は「選挙戦で明るく、元気に、爽やかに、前向きな議論を通じて党の魅力を再確認していただけるよう全力を尽くしたい」と“らしい”言いぶりで意気込んだ。枝野代表が辞意を決めた直後、出馬に意欲を示したものの、立候補には推薦人20人の確保が必須だ。

 所属する党内最大グループ「サンクチュアリ」(27人)は、顧問でもある枝野路線の継承を逢坂氏に託した。中ぶらりんになったところに、野田グループ(9人)が推す大串博志役員室長(56)との一本化が成立。会見には階グループ(8人)の階猛衆院議員、旧維新系の「直諫の会」(11人)を率いる重徳和彦衆院議員も姿を見せた。

 前回の代表選で枝野氏と争った泉氏は旧国民民主党系の「新政権研究会」(22人)をまとめ、小沢グループ(約10人)も支持。西村氏は菅直人元首相らの「国のかたち研究会」(16人)に担がれた。

影落とす本多平直問題


火消しに失敗した本多平直元衆院議員の発言問題(C)日刊ゲンダイ

 今回の代表選は国会議員から一般党員・サポーターまで含めたフルスペックで実施され、投票はポイントに換算して集計。候補乱立で過半数ポイントの一発獲得は厳しく、上位2人による決選投票の公算大だ。

「紅一点の西村氏の動向が見ものです。夫は『性交同意年齢』発言で辞職に追い込まれた本多平直元衆院議員。党内WTでのやりとりを座長の寺田学衆院議員が外に漏らし、火をつけた。泉政調会長は騒ぎを黙認し、本多氏が秘書として仕えた枝野代表も事態を甘く見て火消しに失敗。西村氏は嘆願書を提出するなどして善処を求めたのに、石もて追われた格好です」(野党関係者)

 西村氏が大暴れしたら、党内のコンサバ連中が一掃されるかもしれない。 

*この記事の関連【動画】もご覧いただけます。

http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/287.html
記事 [政治・選挙・NHK284] 「親ガチャ」大アタリの安倍麻生が、日本という「国ガチャ」をハズレにする  きっこ(まぐまぐニュース)
「親ガチャ」大アタリの安倍麻生が、日本という「国ガチャ」をハズレにする
https://www.mag2.com/p/news/518962
2021.11.18 『きっこのメルマガ』 まぐまぐニュース



「子供は親を選ぶことができない」という意味で使われる「親ガチャ」なる言葉。若者を中心に今年大流行したネットスラングですが、その響きを苦々しく思う親世代の方の声も多く聞かれます。そんな流行語を否定するのは、人気ブロガーのきっこさん。きっこさんは今回の『きっこのメルマガ』にその理由を綴る一方で、生まれてくる時代や国により人生が大きく変わる「時代ガチャ」「国ガチャ」を肯定。さらにその2つの「アタリ」を引いている我々が、日本を「ハズレ」に向かわせないよう最大限注意すべき点を記しています。

【関連】我が子を「親ガチャ」などと言い出す子どもにはさせない方法

親ガチャ、国ガチャ、時代ガチャ

先日、年末の風物詩「ユーキャン新語流行語大賞」のノミネート30語が発表された。これで、発表から1カ月後の12月の頭に大賞が決まると「ああ、今年もあと少しで終わるんだなあ」と感慨深くなるわけだけど、今年も例年通り、あたしはノミネート30語のうち、約半数の言葉がまったく分からなかった。その中に、ラジオやネットなどで何度か耳目にはしてたけど、意味が分からずにいた「親ガチャ」という言葉があった。

あたしは、自分の興味のあることなら国会図書館まで行って調べることもやぶさかじゃないけど、自分の興味のないことには徹底的に興味がない。だから、今の時代はどんなことでもネットで検索すれば5秒で分かるけど、この「親ガチャ」という言葉の意味は、調べようともしなかった。

すると、ノミネート30語が発表された直後のベイFM『TERUMI de SUNDAY!』で、さっそくこの話題が取り上げられた。そして、あたしと同じくノミネート30語の何割かが分からなかったという吉田照美さんは、この「親ガチャ」は知っていたようで、パートナーの中村愛ちゃん相手に、まるで自分がこの言葉の生みの親であるかのごとく、饒舌に解説を始めた。

ドラァグクイーン照美さん(笑)の解説によると「子どもはどんな親のもとに生まれるかによって人生が大きく変わるが、どんな親のもとに生まれるかは自分では選べない」ということを、100円とか200円とかを入れてハンドルを回すとカプセルに入ったオモチャがランダムに出て来る「ガチャポン(ガチャガチャ)」にカケた造語だという。な〜るほど!そうだったのか!

でも、照美さんの言うことなので、ザックリとは当たっていても、肝心の部分がちょっと違っているかもしれない。そこで、あたしは、念のためにネットで調べてみた。たとえ興味のない言葉でも、間違えて覚えると後で何かの時に恥をかく可能性があるからだ。そしたら、次のように説明されていた。


親ガチャ(おやガチャ)とは「どんな親のもとに生まれるかは運任せ」という意味です。ソーシャルゲームでキャラクターやアイテムを抽選で入手する方法「ガチャ」になぞらえた表現で、2021年の9月にはSNSのトレンドワードに入るなど注目を集めました。


やっぱりね。照美さんはアナログの「ガチャポン」のことだと解説してたけど、今どきは「ガチャ」と言えば、ソーシャルゲームでユーザーに課金させるためのアレのことなのね。ま、どっちでも意味は同じだけど、令和になってから生まれた造語なのに、「ガチャポン」と聞けば反射的にスーパーとかの前に並んでるアナログのソレを思い浮かべちゃうなんて、照美さんにしろ、あたしにしろ、昭和生まれの性(さが)が世良公則&ツイストだ(笑)。

…そんなわけで、「親ガチャ」という造語の意味が分かったところで言わせてもらうけど、あたしは、どんな親のもとに生まれたかなんて、子どもの人生には大して影響などないと思う。もちろん、自分の子どもに熱湯を掛けて殺すようなトンデモ親の場合は別だけど、こうした極めて特殊な例を除けば、ちゃんと子どもに食事を与え、ちゃんと義務教育の学校へ行かせ、人として最低限の良識を教えることができる親なら、その親が金持ちでも貧乏でも、両親がいてもシングル親でも、そんなことは大して関係ないと思う。

今回の「親ガチャ」では、貧乏な親のもとに生まれて公立の義務教育しか受けさせてもえない子どもは「ハズレ」、裕福な親のもとに生まれて小学校から「お受験」をして大学までエスカレーター式の私立校へ進める子どもや、受験勉強などしなくても親の力でそこそこの大学へ進学できる子どもは「当たり」と言っている。この方式で言えば、麻生太郎や安倍晋三、河野太郎や小泉進次郎などの世襲議員たちも「親ガチャ」で「当たり」を引いたラッキーボーイということになる。

その一方で、ステレオタイプ的には、金持ちの親のもとに生まれて甘やかされて育てられた子どもはロクでもないバカ大人になり、貧乏な母子家庭で育てられた子どもは立派な人物になる…というのが童話やアニメの定番だ。だけど、こんなのは大衆向けストーリーの「お約束」であって、現実は違う。現実社会では、金持ちの親に甘やかされて育てられても立派な人物になった例もあれば、貧乏な母子家庭に生まれてもロクでもないバカ大人になった例もある。

たとえば、北関東の地方都市に生まれ、工業高校卒業後から必死に働き、家業の工務店を一代で大きくし、40代で駅前に5階建ての自社ビルを完成させ、内装が革張りのパールホワイトのセルシオに乗っている叩き上げの社長がいたとする。この社長は、ひとり息子を目の中に入れても痛くないほど可愛がり、幼い頃から欲しがるオモチャは何でも買い与え、甘やかし放題に甘やかして育てた。そして、高卒後18歳で自分の会社に就職させ、20歳で副社長にし、28歳で社長にし、自分は会長となった。さて、この会社はどうなったか?

…という「もしも話」をすると、多くの人は「このバカボンが会社を傾かせた」とか「会社を潰した」とか思うだろう。つーか、この息子がどんな人物なのか一言も説明していないのに、そもそもが「バカボン設定」にされてるし(笑)ま、これこそが「ステレオタイプ」ってわけだけど、この「もしも話」は、実は実話だ…なんて親父ギャグも織り込みつつ、この息子は、あたしと同い年の友人だ。

高卒で父親の会社に入社して1年間働いた時点で「このまま上から降りて来る下請けをしているだけじゃ先細りになる」と気づき、次の1年は働きながら必死に受験勉強をして、翌年、大学の建築学部に合格した。そして、本人は一時会社を辞めて大学へ行くつもりだったけど、甘い父親は学費をポンと出してくれただけでなく、勤務時間に融通が利く「副社長」のイスを与えてくれた。

息子は大学で4年間みっちり勉強し、難しい資格を取得し、卒業後1年で独自の海外ルートを作り、その後、数年で東南アジアへの事業展開を成功させた。そして、わずか4年で年商を3倍以上にし、28歳の若さで社長に就任し、その後も会社は発展を続けた。金持ちの家に生まれて甘やかされて育てられても、こういう人もいるのだ。とは言え、親が金持ちで大学の学費をポンと出してくれたから成功したという事実は事実だけど、こういう努力家なら、たとえ会社が傾いていて学費を出してもらえない状況だったとしても、奨学金制度を利用して自分の力で未来を切り拓いていたと思う。

そして、あたしは友人だから断言できるけど、この人なら、まったく別の稼業の親のもとに生まれたとしても、その稼業の状況が良くても悪くても、発想と努力によって成功したと思う。また、パートでギリギリの生活をしている母子家庭に生まれたとしても、何らかの道で成功してお母さんを幸せにしていたと思う。だから、あたしは「どんな親のもとに生まれたか」なんて関係ないと思う。裕福な家庭に生まれたか貧しい家庭に生まれたかで、多少の違いはあるとしても、その子どもが最終的にどんな人生を歩むことになるかは、本人次第の部分が大半だろう。

…そんなわけで、「親ガチャ」なんてものは、常に隣りの芝生が青く見える人たち、何でも他人のせいにしてばっかの人たちが考え出しそうな「言い訳」に過ぎない。自分の資質不足や能力不足や努力不足を親のせいにするための詭弁であって、平均的年収の家庭に生まれたのに成功できなかった人は、その10倍、20倍の年収の裕福な家庭に生まれても成功できない可能性が高い。逆に、平均的年収の家庭に生まれて成功できた人は、貧しい家庭に生まれても成功できる可能性が高い。

だから、あたしは「親ガチャ」という考え方に否定的だけど、「子どもはどんな時代に生まれるかによって人生が大きく変わるが、どんな時代に生まれるかは自分では選べない」という「時代ガチャ」は肯定する。これは「親ガチャ」という考え方から連想してあたしが考えたものだけど、今、これを読んでいるあなたが、今と同じ両親から同じ場所で生まれたとしても、もしも生まれた時代が違っていたら、あなたの人生は大きく変わっているかもしれない、という仮説だ。

たとえば、あたしは昭和47(1972)年生まれで、あと5日で49歳になるけど、あたしと同世代の人たちが、もしも50年早く生まれていたら、どうなっていたか?あたしの場合なら、17歳の時に第二次世界大戦が勃発し、23歳で東京を火の海にした東京大空襲を受けていた。あなたが大阪生まれなら大阪大空襲を受けていたし、他の地方都市の生まれなら、それぞれの空襲を受けていた。あなたが広島や長崎の生まれなら、原爆を受けていたのだ。

そして、あたしたちの父親は召集されて戦地へ送られ、あたしたちの世代でも、男性なら徴兵され、その一部は特攻隊員として空や海へ散って行ったのだ。ちなみに、最も有名な「神風特攻隊」でも命中率は1割以下、9割以上の若者が犬死にさせられたけど、特殊潜航艇「海竜」、人間魚雷「回天」、特殊特攻艇「震洋」などの海軍による特攻の他、戦車による特攻など陸軍の作戦も含めると、特攻隊員の総死者数は5,845人に上る。そして、「回天」を搭載して出撃したが、特攻作戦を決行する前に撃沈させられて未帰還となった母艦や潜水艦の搭乗員の総死者数は8,164人、分かっているだけでも、若者を中心に計1万4,009人もの男性が特攻作戦によって死亡している。

もしも、この1万4,009人の人たちが50年後に生まれていたら、つまり、あたしと同じ時代に生まれていたら、何人かは交通事故や病気などで死亡したかもしれないけど、大半の人たちは今も元気に生きていただろう。そして、若者には無限の可能性があるのだから、生きてさえいれば、この中から世界的なアーティストが生まれていたかもしれないし、日本を代表するトップアスリートが生まれていたかもしれないし、本当に国民のことを考えてくれる本物の総理大臣が生まれていたかもしれない。

こんなふうに考えると、現在のあたしたちは、裕福であろうが貧乏であろうが、どんな親のもとに生まれようが、取りあえずは「戦争のない時代に生まれた」というだけで「時代ガチャ」は「当たり」を引いたことになる。そして、もう1つの「国ガチャ」でも、あたしたちは「当たり」を引いている。

あたしたちが現在と同じ誕生日に生まれたとしても、もしも生まれた国が日本じゃなくて、独裁者が牛耳る独裁国家だったら、激しい砲撃や空爆が続く内紛状態の国だったら、クーデターを起こした国軍や武力勢力が市民に向けて銃を乱射する無政府状態の国だったら、最低限のインフラも整備されておらず、小さな少女が毎日何往復も、何キロも先の川まで水を汲みに行かされるような途上国だったら…。

そう考えると、あたしたちは決して「戦争のない時代に生まれた」というわけじゃないことが分かる。今も世界のあちこちで戦争は続いているからだ。あたしたちは、日本が世界に誇る平和憲法によって、二度と同じ過ちを繰り返さないように生きて来たからこそ、今は砲撃や空爆に怯えずに日々を過ごしていられるわけだ。そして、戦後の復興も、震災後の復興も、日本人は決して諦めずに一丸となってがんばって来たからこそ、遠くまで水を汲みに行かなくても、自宅の蛇口から清潔な水が出る生活をしていられるわけだ。

だけど、もしも「国ガチャ」で「ハズレ」を引いていたら、今、この瞬間も、砲撃や空爆に怯えていたかもしれないし、何キロも歩いて不衛生な水を汲みに行かされていたかもしれないのだ。そして、せっかく引いた「日本」という「当たり」にしても、何もせずにホッタラカシにしていたら、いつ「ハズレ」に変わってしまうか分からない。

たとえば、党内の最大派閥のトップに安倍晋三が居座ってしまった今の自民党政権がこのまま続いて行くと、近い将来、平和憲法が破壊されて自衛隊は国軍となり、軍事同盟国として米国主導の戦争に参加するようになる。日本に米軍の核弾頭ミサイルが配備され、徴兵制が復活される。そうなれば、日本は米国の前戦基地となり、米国の防波堤となるわけだから、米国を敵視する国々は、まずは日本をターゲットにするようになる。

また、麻生太郎は私利私欲のために水道の民営化を推し進めているけど、日本の水道インフラは全国的に耐久寿命を迎えているので、急ピッチで地中の水道管の交換工事を進めないとならない。だけど、麻生太郎の目論む完全民営化が完遂すると、莫大な工事費用がすべて利用者の負担となるため、都市部でも水道料金は現在の数倍、住民の少ない地域では数十倍も請求される可能性がある。

つまり、砲撃や空爆に怯えずに日々を過ごし、自宅の蛇口から清潔な水が出るという今のままの生活を続けたいのなら、自民党を政権の座から引きずり下ろし、日本の主権を国民の手に取り戻すしかないのだ…って、いつも最後は同じ結論になっちゃうけど、どんなテーマでも最後は「打倒!自民党!」と韻を踏んで落ち着くってことは、自民党こそが諸悪の根源ということの証左でもある。そして、今のままの生活を続けて行くためには、取りあえずは来年の夏の「参院選ガチャ」で、「自民党」という「ハズレ」を引かないように気をつけなきゃならない。

(『きっこのメルマガ』2021年11月17日号より一部抜粋・文中敬称略)

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http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/288.html
記事 [政治・選挙・NHK284] <岸田自民でも高笑い>立憲 ママゴトのような代表選(日刊ゲンダイ)

※2021年11月19日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大



※紙面抜粋



※2021年11月19日 日刊ゲンダイ2面



※文字起こし

 19日告示の立憲民主党代表選(投開票30日)。ギリギリまでなかなか構図が固まらなかったが、結局、泉健太政調会長(47)、逢坂誠二元政調会長(62)、西村智奈美元厚労副大臣(54)、小川淳也元総務政務官(50)の4人が出馬して戦うことになった。

 代表選は衆院選敗北の責任を取って辞任した枝野前代表の後任を選ぶもので、党勢をいかに立て直すかが論戦の柱となる。大メディアは「共産党などとの野党共闘のあり方が争点」と相変わらずはやし立てているが、そこを争い始めたら来夏の参院選で立憲はさらに惨敗しかねない。

 だが、そんな重大な舵取りを担う新代表候補は「あまり知らない名前ばかりで地味」と感じる国民が少なくない。女性候補が立ち、ドキュメンタリー映画で知名度を上げた小川が最後に加わったことで候補者が増え、論戦が活発化する期待が生まれたのが救いか。

 それだから、4人のバックにいる党内“重鎮”たちの権力闘争が目立ってしまう。逢坂を推す党内最大グループの「サンクチュアリ」は、引退した赤松広隆・前衆院副議長がいまだ実権を握り、枝野が顧問を務める。西村を担ぐのは菅直人元首相のグループ。泉を支援するのは旧国民民主党系で、小沢一郎衆院議員のグループも支持する。小川には野田佳彦元首相らのグループが付いた。

 枝野代表・福山幹事長体制の支持率がずっと1ケタで低迷したのは、民主党政権時代の古い顔に世論がNOを突き付けた側面もあったのに、そこから完全には決別できないジレンマが透けて見える。

野党共闘の是非は争点ではない

 野党の仕事はもちろん対案を出すことも必要だが、野党の存在を無視して国会を牛耳る政権与党に対しては、その非を正すことも野党の責任。私物化政治から国民を救うために、政権を追及し、政権を奪うというのが野党第1党の責務のはずである。

 過去を反省しない岸田自民と戦うならば、国会で安倍菅政権からの膿を出させるべく、ガンガンと疑惑追及を続け、政策の矛盾も突いていかねばならないのに、その先頭に立ってきた辻元清美や川内博史らマトモな論客議員は落選。結果、見渡せば、顔が売れているベテラン勢は自民横暴政権を復活、存続させた戦犯ばかりになってしまった。

 こんなママゴトのような代表選では、国民期待薄の岸田自民でも高笑いだろう。ポスト配分など自民党の派閥ほどの力があるわけでもない野党のグループが、コップの中で小さな権力争いをしているように見えてしまう。なぜそうなるのかというと万年野党に甘んじ、政権を奪いに行く気概が足りないからだ。

〈野党幹部の多くは、実は政権交代になど興味はなく、「専業野党」のままであっても自分が議員でいられるのが一番大切だということだ。政権交代よりも、いかに「わが党」だけを拡大するか、にしか関心がない〉

 日刊ゲンダイの連載で何度もこう指摘してきたのが憲法学者の小林節氏だ。万年野党体質から脱しない限り、国民から支持されることはないと斬り捨てていた。職業野党政治家のような集団は、この代表選で変われるのか。あらためて、小林節氏はこう言った。

「問題は政権を取りに行く本気度が見えるかどうか。立憲と共産との共闘が揶揄されても、いまの小選挙区制の選挙制度では共闘しなければ自公に勝つ方法はありません。自民党の政治権力の私物化や世襲を破ることは、何よりも国民の利益として優先されるはずです。4人の誰が代表になるとしても、衆院選の総括は『力量が足りなかったが、共闘の方向性は間違っていなかった』とすべきです。自公だって野合なのですからはばかることなどないし、大企業労働者ばかりの形骸化した労働組合である連合に気兼ねする必要もない。そうでなければ、代表選はコップの中の嵐で終わってしまいますよ」

維新を振り払う政策と戦略が必要

 職業野党政治家が、万年野党の温室でぬくぬくしていても、これまでは野党第1党ではいられた。しかし、今後はそんな余裕はない。立憲が変われず、世論の支持を集められなければ、虎視眈々と野党第1党の座を奪いにきている日本維新の会がますます調子に乗り、この国は暗黒へ向かう。

 在職1日で100万円もらえる「文書通信交通滞在費」問題を白日の下にさらし喝采を浴びた維新は、過去に所属議員がその文通費を自分の政治団体に寄付して批判を浴びたことを棚上げして、「身を切る改革」のパフォーマンス一辺倒。それでも世論の支持率急上昇をいいことに、自公政権を引っかき回そうとしている。そこに国民民主党もすり寄って、憲法改正の議論加速をけしかけている。

 維新の狙い通り、来夏の参院選でも躍進し、全国政党の地位を手に入れれば、この国は完全に「自公維国」による大政翼賛会になってしまう。

「自民の茂木幹事長と維新の馬場幹事長が会談し、自民党の憲法改正案4項目のうちの『緊急事態条項の創設』を優先的に目指す、という話になったのにはゾッとしました。現行憲法の12条、13条には『公共の福祉』という規定があり、それに基づいて災害対策基本法や感染症予防・医療法などの緊急事態法制を執行すればいいだけの話です。憲法改正は必要ありません。自民党以上に改憲で勢いづいている維新に対し、立憲は『知性の党』として歯止めになってもらわなければなりません」(小林節氏=前出)

維新の改革は「古い」

 経済政策においても、そうだ。

 自民も維新も根っこは新自由主義。アベノミクスがそうだったように、大企業が潤うことが大事で、トリクルダウンが起きなければ庶民は国からのバラマキという名の施しに頼って暮らせばいいという考え方だ。「改革」路線が支持を集める維新は、大阪で公立病院や保健所をどんどん削減した結果、今春の新型コロナ第4波で医療崩壊を招き、大阪のコロナ致死率が日本で最悪となっていることを忘れてはいけない。

 国家のためには国民生活も犠牲という思想は、自公も維新も変わらない。この国が大政翼賛会にならないために、立憲には参院選に向け、維新を振り払うことのできる政策と戦略が求められる。

 元経産官僚の古賀茂明氏はこう言う。

「維新や自民党の改革派の言う『改革』は効率最優先。経団連の要望を聞く、弱肉強食の“古い”改革であり、庶民や市民や労働者のための改革ではありません。世界の潮流を見ても、いま求められているのは『人にやさしく』『自然にやさしく』『不公平に厳しい』という3つの観点にかなう改革。企業最優先で、困っている人には単にお金を配るというのではなく、人への投資で人材を厚くするような改革です。『立憲に任せたら経済が不安』などと喧伝されますが、むしろ『自民党に任せてきたから日本経済がダメになった。立憲ならば経済を立て直せる』という姿勢や政策が欲しい」

 立憲議員は、19日から始まる代表選を、内輪のママゴトに終わらせてはいけない。日本の未来の方向性を定めるほどの意味があるということを強く意識して望むべきだ。

http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/289.html

   

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