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2022年1月07日07時10分 〜
記事 [政治・選挙・NHK284] NHKで河瀬直美監督「五輪を招致し喜んだのは私たち」発言に批判殺到! 番組は「五輪反対デモは金で動員」と印象操作(リテラ)
NHKで河瀬直美監督「五輪を招致し喜んだのは私たち」発言に批判殺到! 番組は「五輪反対デモは金で動員」と印象操作
https://lite-ra.com/2022/01/post-6140.html
2022.01.06 河瀬直美監督とNHKが五輪反対派をデタラメ攻撃! リテラ

    
    番組HPより

 この年末年始、再び多くの人びとが怒りの声をあげる事態が起こった。映画監督の河P直美とNHKに対する怒りだ。

 というのも、BS-NHKは12月26日(30日に再放送)に東京五輪公式記録映画の監督を務める河P氏に密着したドキュメンタリー番組『河瀬直美が見つめた東京五輪』を放送したが、そのなかで河P氏は「五輪を招致し、喜んだのは私たち」などと反対派の声をなきものとして語った。そのうえ番組は、なんと「東京五輪の反対デモにお金で動員されていた人がいた」と報道。しかも、それがあまりにも杜撰かつ怪しすぎる内容だったからだ。

 まず、河P監督についてだが、本サイトでも以前取り上げたように(過去記事参照→https://lite-ra.com/2021/06/post-5910.html)、東京五輪開催前の昨年6月に出演した『スッキリ』(日本テレビ)でも「オリンピック憲章に書かれた本当の意味のアスリートファーストのオリンピックというのは非常に素晴らしい、感動的だ」などと熱く語る一方、「コロナの不安をオリンピックにぶつけるという不満というのは、少し棲み分けないといけない」と世界的パンデミック下で五輪を開催することに不安を抱く人たちの感情を八つ当たり扱い。東京五輪の開催によって新規感染者数は急増し、医療崩壊が巻き起こったが、その最中だった8月中旬に出演した『報道ステーション』(テレビ朝日)でも河P監督は「渋谷は若い人たちですごい状態」「みんなの意識が低くなっている」などと発言していた。

 結果、8月だけでも医療崩壊によってコロナで自宅死した人が250人にものぼり、まさに東京五輪に反対した人びとの危惧が的中したかたちとなったわけだが、しかし河P監督は今回のドキュメンタリーのなかで、こんなことを言い出したのだ。

「日本に国際社会からオリンピックを7年前に招致したのは私たち」
「(開催が決まって)喜んだし、ここ数年の状況をみんなは喜んだはず」
「これはいまの日本の問題でもある。だからあなたも私も問われる話。私はそういうふうに(映画で)描く」

「私たち」が招致して、開催が決まって「みんな」が喜んだ……!? 言わずもがな、招致に動いたのは森喜朗だの石原慎太郎だの安倍晋三だのといった五輪利権や政権浮揚しか頭にない政治家たちであって、断じて「私たち」ではない。そして、「復興五輪」を掲げながらダシに使われただけの被災地や、五輪に伴う再開発で霞ヶ丘団地からの立ち退きを迫られた高齢者たち、さらに利権まみれな上に国威発揚に利用される国策五輪を批判する人びとなど、東京五輪に反対を唱えてきた人も数多くいた。なのに、河P監督は「みんなは喜んだはず」「あなたも私も問われる話」などと乱暴にひとまとめにしたのだ。

 当然、この発言には怒りの声がSNS上に広がり、「#五輪を招致したのは私達ではありません」というハッシュタグが正月早々トレンド入りする事態となったのである。

 東京五輪の開催をさんざん後押ししてきた上に、反対してきた人びとの存在などなかったかのごとく責任を全体に押し付ける──。だが、河P監督はもともと「体制寄り」を隠そうともしてこなかった人物だ。

 実際、前述した本サイト記事でも指摘したが、以前からスピリチュアルへの傾倒が指摘されてきた河P氏の作品に惚れ込んだひとりが安倍昭恵氏で、2015年には自ら河P氏と対談したいと「AERA」(朝日新聞出版)に企画を持ち込んだほど。そして、安倍首相が昵懇だった俳優の津川雅彦氏を統括に据え、津川氏の国粋主義や日本スゴイ思想も盛り込まれたパリでの展覧会「ジャポニスム2018」にも河P氏は参加し、作品が特集上映された。河P氏が東京五輪の公式記録映画の監督に就任したと発表されたのは、この「ジャポニスム2018」で特集上映が開始される1カ月前のことだ。

■河瀬直美監督は安倍昭恵のお気に入り 「日本人が本来持つ精神性やアイデンティティーの大切さを訴えたい」と語ったことも

 さらに、河P監督は公式記録映画のテーマについて語った産経新聞のインタビューでも「コロナ禍を克服した証しとしての東京五輪の姿を後世に残すとともに、日本人が本来持つ精神性やアイデンティティー(同一性)の大切さを訴えたい」などと発言。これは日本人が固有の精神性や同一性を持っているという、異文化差別、少数民族排除につながりかねないものだが、ようするに河P監督は安倍元首相をはじめとするネトウヨ政治家や極右言論人とほとんど変わりがない考えの持ち主なのだ。

 そう考えれば、河P監督が権力側と一体化したかたちで東京五輪の開催を声高に叫び、「招致したのは私たち」「みんな喜んだ」とあまりに雑すぎる大きな主語で語ることによって体制側の責任を矮小化しようとするのも当然なのだろう。

 だが、先にも触れたように、この年末年始に河P監督のドキュメンタリー番組をめぐって炎上が起こったのは、こうした発言の問題だけではない。最大の問題点は、NHKが今回のドキュメンタリーのなかで「東京五輪の反対デモにお金で動員されていた人がいた」と報道したことだ。

 問題となっているのは、公式記録映画のために河P監督から街の人びとへの取材を任された映画監督・島田角栄氏の取材シーンだ。河P監督と島田監督は同じ映像専門学校の出身であり、島田監督の作品に河P氏が出演するなどの関係があるが、その島田監督が取材したなかのひとりとして、「五輪反対デモに参加しているという男性」が登場した。

 その男性の顔にはボカシがかけられているが、島田監督と男性は公園へ。男性がベンチに座り、島田監督は地べたに座り込んで男性にカメラを向けている。その様子を離れた場所からNHK取材班が撮影している、という画だ。

 すると、画面にはこんなテロップが映し出されるのだ。

「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」

 つまり、この顔にボカシの入った男性は、五輪反対デモにお金をもらって動員された、というのだ。

 本サイトも五輪反対派として取材をおこなってきたが、東京五輪に反対するデモや抗議活動で「金で動員をかけている」などという話はまったく聞いたこともない。一体どのように動員がかけられ、いくらの日当が出ていたというのか、訝しく思いながらも問題の場面を固唾を呑んで観たが、男性と島田監督のやりとりは以下の通りだった。

男性「結局、デモは全部上の人がやるから、書いたやつを、それを言ったあとに言うだけやから」
島田「デモいつあるで、どういった感じの知らせがくるんですか」
男性「それは、もう予定表もらっているから、自分」
島田「はいはいはいはい」
男性「それを見て行くだけで」

「デモは全部上の人がやる」「書いたやるを言ったあとに言うだけ」という証言はデモや抗議の際に反対を訴えるためにおこなうシュプレヒコールの話だと思われ、つづく「予定表をもらっている」というのも、デモでは集合・解散場所が書かれた案内が配られることも珍しくはない。つまり、この証言では「金で雇われて動員された」ということは何も説明されていない。

 だが、なんと男性の証言はこれで終わり。その後は島田監督が路上で電話をかけるシーンとなり、島田監督が河P監督の取材風景をニュース番組で見て映画の方向性に疑問を感じた、というナレーションが入るのだ。

■NHK「東京五輪反対デモにお金で動員」報道は本当か? 裏付ける証言も証拠も示さず疑問の声が殺到

 ようするに、テロップでは「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」と打ち出しながら、問題の男性が肝心の動員された事実を語る映像は一切出てこなかったのである。

「お金をもらって動員〜」というテロップが出ている場面では、男性が「光熱代から全部一緒で」と話しているのがかすかに聞き取れ、これが唯一金銭にかんすると思しき発言だ。だが、この発言の前後は放送されておらず、これがデモ参加の報酬について話しているのか、たんなる男性の金銭事情の話なのか、あるいは男性が「光熱代」をもらった話なのか払う話なのか、この場面だけでは判別できない。いや、それ以前に、この男性がいつどのデモに参加したかすら示されていない。

 本来、「実はお金をもらって動員されていると打ち明けた」とテロップを出すのであれば、それを裏付ける証言や何らかの証拠を提示するのは当然のことだ。にもかかわらず、証言も証拠も出さずにこのような放送をおこなったのだ。疑義の声があがるのは当たり前だろう。

 しかも、前述したように、本サイトでも「金で動員がかけられていた」というような話は一切耳にしたことはない。実際、この番組が再放送されたあと、このシーンの動画がTwitter上で拡散されると、反対デモを主催した団体や関係者らが一斉に反論。

 たとえば、2013年から反対運動をおこなってきた東京の市民グループである「反五輪の会」は、〈反五輪デモでお金は貰えません。当会主催のデモはもちろん、他でも聞いたことありません〉〈デモの報酬としてお金をもらったことも払ったこともありません〉とツイート。同じく東京で活動してきた市民団体「オリンピック災害おことわり連絡会」も〈デモの呼びかけ団体として「参加者を動員するためにお金を配る」といったことは一切行ってきておりません〉と反論をおこなった。

 また、東京五輪の開会式当日に中止を求めるデモには中核派の活動家も参加し、警察官の手首をつかんだとする公務執行妨害の疑いで逮捕されているが、〈五輪開会式当日、現場でフィールドワークした研究者〉という五野井郁夫・高千穂大学教授は〈わたしが中核派の担当弁護士に確認したところ「日当」での動員はないとのこと〉〈そうした動員手法は「ない」と全面否定でした〉とツイートしている。

 さらに、反対デモに参加したことのあるという人たちからも、〈反五輪の会の主催や賛同の抗議行動にわたしは参加してましたが、マジでお金なんてもらったことない〉〈私もいくつかの五輪反対デモに参加したが、金なんかもらったこともなければ、そんな話を聞いたこともない〉〈私は自分でSNSで情報見て何度も参加し、お金などもらっていませんが、どこでもらえますか?あの人だけが特別ですか?それならなぜそんな特殊な出来事を、説明もなく映像にねじ込んだのですか?〉という声があがったのだ。

 しかも重要なのは、このシーンは島田監督が公式記録映画用に取材・撮影している現場を、NHKが密着取材し撮影したものであるということ。つまり、NHKの番組制作側がこの場面を使うことを決定し、編集・放送したという事実だ。

 実際、島田監督に対してあるTwitterユーザーが“取材相手が言っていないことがテロップに入っている。島田さまのご意図でこうなったのか、知らないうちにこうなったのか”と尋ねると、島田監督は〈編集はNHKに任せております。NHKにご連絡頂けると助かります〉と返答している。

 繰り返すが、金による動員を語る者がいるのならば、最低限、その証言の該当部分を放送するのは当たり前の話。それすらもなく「お金をもらって動員されている」とテロップを出して放送することは、証拠なき印象操作だ。さらに、この番組内で「反対デモに参加した」という人はこの男性しか登場しない。そのため、あたかも反対デモでは日当が支払われるのが普通のことであるかのように視聴者が受け取ってしまう危険もあるかたちになっているのだ。

■NHKの異常な五輪報道! 聖火リレー中継から五輪反対の声をカット、 世論調査で政権忖度し「延期」の選択肢を削除

 それでなくてもNHKは、東京五輪開催中に新規感染者数が1万人を超えても五輪礼賛報道に終始し、夜のニュース番組も休止・短縮するという公共放送にあるまじき醜態を晒した。だが、それだけではなく、世論調査では五輪開催のために恣意的な変更までおこなった。

 実際、東京五輪の開催の是非について「開催すべき」「中止すべき」「さらに延期すべき」の3つから1つを選んでもらうかたちで調査をおこなってきたのに、昨年2月以降の世論調査では「どのような形で開催すべきだと思いますか」という質問に変わり、用意された選択肢も「これまでと同様に行う」「観客の数を制限して行う」「無観客で行う」「中止する」という4択となり、「さらに延期すべき」という選択肢をなくしたのだ。

 それだけではない。NHKは特設サイトで聖火リレーのライブ中継をおこなっていたが、昨年4月1日に長野県長野市でおこなわれた聖火リレーでは、沿道から「オリンピックに反対」「オリンピックはいらないぞ」という抗議の声があがったのに、その直後から中継の音声がなぜか切れてしまい、約30秒にわたって無音状態に。あまりにも露骨すぎるが、NHKは五輪開催に反対する市民の抗議の声を流さないよう、わざわざ音声を消したのである。

 しかも、言っておくが、先の衆院選で自民党の国光文乃議員の応援のために岸田文雄首相が駆けつけた街頭演説会において「茨城県運輸政策研究会」が日当5000円で動員をかけていた問題について、NHKは他のメディアが報じても無視を決め込み、遅れに遅れて報道した。選挙活動における現金の配布は公選法違反となる重大事であり、取材・報道すべき問題はあきらかにこちらだが、ところが、東京五輪の反対デモに対しては、証言も証拠も出さずに「反対デモは金で動員されていた」と印象づける放送をおこなったのである。悪質極まりないだけでなく、NHKも完全に権力側と一体化していると言わざるを得ないだろう。
 
 無論、NHKには今回の番組における取材の経緯や裏付けとなる証言や証拠があるのかどうかなど、説明をおこなう責任があるが、これだけネット上で問題になっているにもかかわらず、いま現在もダンマリをつづけている。

 その上、この期に及んで醜態を晒したのが、河P監督だ。放送自体はNHKに責任があるが、問題の男性の取材は公式記録映画のためにおこなわれたものであり、当然ながら河P監督にも説明責任がある。だが、河P監督は5日、〈めちゃくちゃ面白かった!自分達に都合が悪いとすぐBPOだの放送倫理違反だの言ってくる人たちの誹謗中傷に負けずこれからも頑張ってください〉というあるユーザーの投稿を引用リツイートし、〈はい(キラキラマーク)〉と返信。まったくその責任を感じていないようなのだ。この調子では、問題の男性の証言が公式記録映画にも使用されてしまう可能性すらあるのではないか。

 本サイトは河P監督の問題点を指摘した記事で、「このままでは河瀬監督による東京五輪公式記録映画は、ナチスドイツでレニ・リーフェンシュタールが監督したベルリンオリンピックの記録映画『民族の祭典』のような、国威発揚プロパガンダ作品になってしまう危険性も大いにある」と警鐘を鳴らした。だが、どうやらその懸念は的中してしまいそうである。

(編集部)

http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/891.html
記事 [政治・選挙・NHK284] 巨額の不透明政治資金を糺す(植草一秀の『知られざる真実』)
巨額の不透明政治資金を糺す
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2022/01/post-c7f664.html
2022年1月 6日 植草一秀の『知られざる真実』


2022年が実質的に始動。

年初早々、株価乱高下が観測されている。

『金利・為替・株価特報』

http://uekusa-tri.co.jp/report-guide/

は株価変動の特徴を「高値圏内での乱高下持続」としてきた。

想定通りの変動が生じている。

首都圏に降雪があり、交通への影響が警戒される。

年初来、2020年の課題を提示してきた。

課題1 「分配」是正の経済政策
課題2 温暖化を原発推進の口実にさせない
課題3 立憲民主党分党と改革政党育成
課題4 ワクチン狂騒曲に終止符

本日の課題5は「政治とカネの浄化」。

昨年10月31日に衆院総選挙が実施された。

当選した衆議院議員は文書通信交通滞在費(以下文通費)を受領する。

10月の在任期間が1日であるのに1ヵ月分の文通費を受領する。

維新の初当選議員が疑義を提示したことで問題が拡散した。

12月の臨時国会で是正策を決定するべきだったが自民党は先送りした。

「政治とカネ」の不正が続く。

文通費支給を日割りにすることで合意は形成されているが、問題はこれにとどまらない。

使途の公開、遣い残しの国庫返納の問題で合意が形成されていない。

当たり前に、領収書添付による使途公開、残金国庫返納を決定すればよいだけのこと。

ただし、領収書添付にも問題がある。

自己の資金管理団体等への寄付を容認するなら使途公開、残金国庫返納の抜け穴になる。

議員関連団体への寄付禁止、使途公開、残金返納を決定しなければならない。

自公が法改正に反対するなら自公を厳しく追及する必要がある。

反対する野党があるなら野党も追及する必要がある。

しかし、問題の核心は別の部分にある。

二つの重要問題が存在する。

第一は、政党から政治家個人に対する寄付を禁止すること。

第二は、企業団体献金を全面禁止すること。

第一段階として、2022年はまず、政党から政治家個人に対する寄付禁止を国会で決定するべきだ。

ブログでは

12月11日付
「「政治とカネ」核心は政策活動費」
https://bit.ly/3epGIRe

12月13日付
「維新は組織活動費使途開示すべし」
https://bit.ly/3sE8ZMt

12月20日付
「国民・維新は政策活動費公開せよ」
https://bit.ly/3svagVW

12月21日付
「1日で100万円文通費温存を決定」
https://bit.ly/30W9Igi

12月26日付
「「政治とカネ」透明化拒絶の自公維国」
https://bit.ly/339oL6Y

に問題を記述してきた。

政党から議員個人への寄付を禁止するべきとの問題は「政策活動費」問題と表現できる。

党によっては「組織活動費」としているところもある。

「政策活動費」問題とは、

「政党から政治家個人に寄付された資金は、使途を公開する義務がないという法の抜け穴を各党が活用し、巨額の資金が党幹事長らに流れ込み、使途は不明のままとなってきた」

問題。

政治資金収支報告書の提出が義務付けられ、その内容が公開されることで、各議員の資金管理団体や政治団体の収支に対する監視が強化されてきたが、大きな抜け穴が存在してきた。

それが「政策活動費」、「組織活動費」問題。

2020年の政治資金収支報告書での「政策活動費」に該当するものは、

自民党9億8330万円、

日本維新の会4497万円、立憲民主党3000万円、社会民主党1480万円、れいわ新選組240万円。

現在の国民民主党に支出はなかったが、2020年9月に解党する前の旧国民民主党では2億7000万円が支出されている。

この巨大な資金が政党から政治家に渡り、何にどのように使われたかが一切公開されていない。

政治資金の流れを透明にするために制定された政治資金規正法の大きな抜け穴になっている。

自民党が問題の中心だが国民民主党や維新などにも同類の問題が存在する。

政治資金規正法を改正して政党から政治家個人への寄付を禁止することが必要不可欠。

2022年参院選重要争点に位置付けることが必要だ。

鳩山友紀夫元首相との対談(アジア共同体研究所主宰YouTube動画「UIチャンネル」)
https://bit.ly/39BTgmd

10月5日発売の鳩山友紀夫元首相、孫崎享氏、前川喜平氏との共著『出る杭の世直し白書(ビジネス社)
https://amzn.to/3hSer8a

のご高覧も賜りたい。


http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/892.html

記事 [政治・選挙・NHK284] 「ゆ党共闘」の参院選に…“出遅れ”立憲民主は福山前幹事長も落選危機で壊滅寸前!(日刊ゲンダイ)



「ゆ党共闘」の参院選に…“出遅れ”立憲民主は福山前幹事長も落選危機で壊滅寸前!
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/299580
2022/01/07 日刊ゲンダイ


完全に出遅れた(立憲民主の泉健太代表)/(C)日刊ゲンダイ

 今夏に行われる参院選に向けて、野党共闘ならぬ「ゆ党共闘」が水面下で進みつつある。

 国会では、昨年10月の衆院選で議席4倍増と大躍進した日本維新の会と、国民民主党が急接近。幹事長・国対委員長会談を定期的に開くなど距離を縮め、先の臨時国会でも法案の共同提出や憲法審査会の開催要求で足並みをそろえた。

 そこに乗っかろうとしているのが、東京都の小池都知事が立ち上げた地域政党「都民ファーストの会」だ。参院選で国政進出を目指す都ファは、昨年12月に国民との合同勉強会を開くなど連携を進めている。

維新、国民、都ファの連携が進む

 要するに、「第三極」というと聞こえはいいが、与党だか野党だか分からない「ゆ党」の維新、国民、都ファが参院選での党勢拡大を狙って手を組もうという構図である。

「大阪の地域政党から全国政党への脱皮を目指す維新は、参院選で改選6議席の3倍増を目指している。首都圏で議席を増やすには、知名度の高い小池知事との共闘は好都合です」(維新関係者)

 維新の松井代表は、衆院選後の会見で「積極的支援とか消極的支援とかある」と共闘を示唆し、「議席を得るために、ありとあらゆる可能性を追求していくのが選挙だ」とも言っていた。

 維新は全国で参院選の候補者を公募し、すでに東京(改選定数6)、神奈川(4)、埼玉(4)、千葉(3)、京都(2)、広島(2)など複数区での擁立を進めている。

 一方、完全に出遅れているのが立憲民主党だ。衆院選敗北の痛手を引きずり、候補者擁立は難航。広島では民主党政権で法相を務めた野党系無所属の柳田稔参院議員が政界引退を表明したが、立憲が独自候補を立てられるか不透明で、その隙を維新が狙う。京都でも、維新と国民が手を結べば立憲現職の福山前幹事長が落選危機と囁かれている。

「国民と立憲が共闘すべきだという連合の意向もあって、維新、国民、都ファががっちり共闘態勢を取ることができるかは分かりません。ただ、地域の事情に応じて、例えば東京では都ファと維新、京都では維新と国民というように緩やかに連携する“パーシャル共闘”で参院選に臨むことは考えられる。そうなれば立憲は壊滅的で、参院で野党第1党の座を明け渡すことになりかねません」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)

 立憲は、維新が強い関西圏で議席が取れず、東京でも1議席がやっと。これまで自民と1議席ずつ分け合ってきた2人区も、ことごとく維新に奪われる可能性がある。国会から野党は消滅、与党と「ゆ党」だけになるなんて悪夢でしかない。


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記事 [政治・選挙・NHK284] 姑息な自公政権。財務省が返せぬ6千億円の借金を自賠責保険料に上乗せの卑劣  きっこ(まぐまぐニュース)
姑息な自公政権。財務省が返せぬ6千億円の借金を自賠責保険料に上乗せの卑劣
https://www.mag2.com/p/news/523663
2022.01.06 『きっこのメルマガ』 まぐまぐニュース



自動車やバイクの所有者に加入が義務付けられている自賠責保険ですが、到底納得できない理由で値上げされることをご存知でしょうか。今回の『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、理不尽極まりない保険料引き上げの裏事情を誌上で公開。さらにその決定を「密室」で行った自民党と公明党を強く批判しています。

リセット感と大臣折衝

年が明けてお正月を迎えると、昨年までの嫌な出来事、悪い出来事が全て自動的にリセットされ、まっさらな気持ちで新たにスタートを切ったような気分になります。特に今年の場合、日本だけは不思議なことに新型コロナの感染拡大が少し落ち着き気味なので、感染爆発の最中に迎えた昨年のお正月と比べると、この「リセット感」もひとしおです。

しかし、多くの人々が覚えるこの「リセット感」を利用して、国民など二の次の我田引水の悪政を続けて来たのが、今の自公政権なのです。

2019年10月、当時の安倍政権は、消費税率を8%から10%へ強引に引き上げ、その分、バーターで大企業へ優遇措置をバラ撒き、ようやく回復の兆しが見えて来た庶民生活を泥沼へと引きずり戻しました。しかし、安倍政権にとっては、夏の参院選が終わり、あと少しで年が改まるというこのタイミングでしか、国民の批判を買う政策を強行するチャンスがなかったのです。

そして、年が明けて2020年を迎えたとたんに新型コロナが始まったため、安倍政権は景気悪化の原因を全て新型コロナに転嫁し、消費税増税という根本原因を国民の記憶から忘却させることに成功したのです。これが、年が改まることによる「リセット感」の効果です。

今回も、アベスガ政権の「やってるふり政治」を見事に踏襲した岸田政権は、昨年12月6日から僅か16日間しか開催しなかった臨時国会の大半を「クーポン券だ」「現金だ」と、多くの国民にとってはどうでもいい公明党の公約などのために無駄遣いしました。そして、目の前に山積された重要課題は片っ端から先送りしたくせに、過去最大の35兆9,895億円という補正予算だけはちゃっかりと強行採決し、逃げるように21日に閉会しました。

これほど自公政権が好き放題できるのも、年が改まれば多くの国民が「リセット感」によって、自公政権の悪行三昧を「過ぎ去ったこと」にしてしまうからです。しかし、自公政権の真の悪質さが分かるのは、この臨時国会ではなく、臨時国会の閉会直後なのです。国会の審議は議事録が残りますし、映像もアーカイブされるので、後から確認することができます。しかし、閉会後の閣僚同士の協議は、詳細を確認することができません。それが「大臣折衝(だいじんせっしょう)」です。

国会議員の仕事は、国民から徴収した税金を正しく再分配することなので、国会では「予算委員会」が行なわれます。今回の臨時国会の「予算委員会」では、過去最大の約36兆円もの補正予算が、自公政権の数の暴力によって強行採決されました。

しかし、これは、各省庁によるザックリとした「税金の奪い合い」であって、細かい内容はほとんど決まっていません。そして、それを決めるのが、国会の閉会直後に行なわれる「大臣折衝」なのです。簡単に言えば、各府省の大臣が、財務大臣と個別に協議をして、奪い取った予算の細かい調整を行なうわけです。

で、今回は、臨時国会が閉会した12月21日の翌日22日の午前中、さっそく公明党の斉藤鉄夫国交大臣と自民党の鈴木俊一財務大臣との大臣折衝が行なわれました。今回の国交省の最大の課題は「自賠責の運用益6,013億円の未返済問題」です。知らない人のためにサラッと解説すると、国交省が車やバイクのオーナーに加入を義務づけている自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)の運用益の大半は、政府、つまり財務省に貸しているのです。

現在、財務省の借金の残債は6,013億円ありますが、これは20年以上も前に一般会計の補填として、自賠責保険の運用益から借りた1兆1,200億円の残りです。通常、予算は単年度決裁なので、こうした借金は一括返済が基本です。しかし、財務省は、安倍政権下の2017年まで、この残債6,013億円の返済に全く応じず、ずっと先送りして来たのです。

そして、2018年に、ようやく返済が再開されましたが、財務省が返済したのは僅か23億円だけ、一般の消費者金融なら利息分にもなりません。2022年度の返済額は54億円に増額されることが決まりましたが、このペースで返済していたら、完済までに100年以上かかってしまいます。

それでも、保険制度が破綻せず、保険加入者の負担が増えなければ、特に問題はありません。しかし、現状は赤字なのです。自賠責保険制度では、交通事故で障害を負った被害者の治療やリハビリを請け負う療護センターの運営などの救済事業を行なっています。こうした救済事業には、年間約144億円の運営費が掛かっているのですが、自賠責保険は金利が低くほとんど運用益が得られないため、毎年、保険制度の原資である積立金を取り崩した「持ち出し」で穴埋めして来たのです。

昨年2021年度は、144億円のうち半分の77億円を積立金で穴埋めしました。この積立金の残高は約1,500億円なので、現在の状況のままなら、約20年後には積立金がゼロなり、保険制度は破綻します。それもこれも、財務省が借金の一括返済に応じず、返済を引き延ばし続けていることが原因で、サクッと6,013億円を返済してくれれば、全ては丸く収まるのです。しかし、この借金返済の引き延ばしは、過去5回にわたり、国会閉会直後の国交大臣と財務大臣との大臣折衝で、無条件で繰り返されて来ました。

自公政権での国交大臣と言えば公明党の指定席ですから、言わば「自民党と公明党による国民無視のお約束」というわけです。そして、今回の大臣折衝でも、返済期限も決めずに、マッハのスピードで6回目の引き延ばしが決まったのです。ま、ここまでは前回と同じ「お約束」ですが、1つだけ前回までと違ったことがありました。それは、自民党の鈴木俊一財務大臣が「こんな巨額な借金、とてもじゃないけど返済は無理だ!」とケツをまくったのです。

議事録など作成しませんので、実際にどのような言葉づかいだったのかは知る術もありませんが、とにかく財務大臣は「借金返済は不可能だ」と言い、国交大臣が「でも、このままじゃ約20年で積立金がなくなってしまう」と返すと、財務大臣は「じゃあ保険料を引き上げて保険加入者に負担させろ」と言い、国交大臣が「オッケー!」と答えたのです。そして、本来は借金をした政府(財務省)が返済すべき残債の6,013億円が、全国の自賠責保険の加入者に丸投げされたのです。

自賠責保険制度の救済事業の運営費の不足分を「賦課金」という形で保険料に上乗せする、ということが、国会の審議も経ずに、密室の中で、自民党の財務大臣と公明党の国交大臣によって決められたのです。「賦課金」などと名目を付けて上乗せしても、実質的な「保険料の値上げ」に変わりありません。それなのに、大臣同士で取り交わされた覚書には、次のように明記されたのです。


賦課金制度について、2023年度以降の可能な限り速やかな導入に向けた検討を行い、早期に結論を得ることとする。


そして、国交省は、大臣折衝の5日後の12月27日の検討会で、とりあえず賦課金を年100億円とする案を提示しました。国交省は、今年の秋まで検討会を重ねて最終案を取りまとめ、秋の臨時国会が閉会した翌日の大臣折衝で、これまた公明党の国交大臣と自民党の財務大臣が「阿吽の呼吸」で決定するわけです。

百歩ゆずって、自賠責保険制度の中で大きな赤字が出て、それを保険加入者が負担させられると言うのなら、まだ理解はできます。しかし、今回の場合は、自賠責保険の運用益から莫大な借金をした財務省が、自賠責保険とは無関係な予算にバラ撒いた挙句、返済できないとケツをまくったのです。

あくまでも一般会計の補填のための借金なので、残債の6,013億円が何に使われたのかは特定できませんが、防衛予算の一部として米国の欠陥兵器を大人買いした可能性もありますし、経産省の予算の一部として欠陥原発の新設に使われた可能性もあります。

それなのに、どうして車やバイクのオーナーだけが負担させられなければならないのでしょうか?借金の主旨から考えても、これは国民全員に平等に振り分けるべき案件ではないでしょうか?そして、それ以前に、6,013億円もの国の借金を国民に肩代わりさせるのですから、国会の閉会後に自民党と公明党だけでコソコソと決めたりせず、ちゃんと国会で審議を尽くし、国民の見ている前で正々堂々と決めるべきだと思いませんか?

年が改まり、それなりに「リセット感」を覚えたあたしですが、この公明党の斉藤鉄夫国交大臣と自民党の鈴木俊一財務大臣による大臣折衝だけは、あまりにもムカついたので1ミリもリセットできません。だから、こうして新年最初の「前口上」に書いたのです。

最後に皆さんにお願いがあります。それは「国の借金6,000億円を財務省が返済できなくなり、自賠責の保険料に上乗せして全国の保険加入者に負担させると自民党と公明党が勝手に決めたので、来年から自賠責の保険料が値上げされる」ということを、夏の参院選まで、周りの車やバイクのオーナーに言いふらしてほしいのです。どうぞよろしくお願いします。

(『きっこのメルマガ』2022年1月5日号より一部抜粋・文中敬称略)

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きっこ この著者の記事一覧

「きっこのブログ」のメルマガ版です。ブログと同様に、政治や芸能から文学やお料理、流行やファッションから日々の出来事まで、多岐にわたって綴って行きますが、よりディープに攻めて行こうと思っています。

http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/894.html
記事 [政治・選挙・NHK284] 安倍元総理が新年早々「コロナ5類扱い」発言、能天気すぎないか?

安倍元総理が新年早々「コロナ5類扱い」発言、能天気すぎないか?
まるこ姫の独り言

安倍が正月早々、もう始動して言いたいことを言っている。

はっきり言ってこの人は過去の人だからしゃしゃり出てきて偉そうな発言をする必要もないし、メディアも取り上げる必要はないと思うが取り上げる。

だからますます調子に乗るのじゃないか。

今度は、「コロナ5類扱い」でいいと。

安倍元首相が新年早々「コロナ5類扱い」発言 医療崩壊の“元凶”また政権に口出しで批判噴出        1/5(水) 14:00配信 日刊ゲンダイDIGITAL

>トコトン無責任だ。岸田首相に何かと袖にされる焦りからか、政権運営にやたらと口を出している安倍元首相が新型コロナウイルス対策にまで注文をつけ始めた。
>感染症法上の分類を「季節性インフルエンザと同じ『5類』として扱う手はあります」と発言。

この安倍の発言をその通りだと称賛する声は根強いし、現にヤフコメでもそういう声が多い。

一見よさげに聞こえるが、ゲンダイの言っている「そうなれば、たとえ感染しても日常生活の制約はほぼなくなるが、医療費の公費負担もナシ。国民は「自助」を強いられる」この問題がある。

みんなお金持ちばかりでいくらでも自腹で生きていける人は良いが、そうじゃない人がコロナに感染したらどうなるのか。

勿論、従来のインフルエンザと同じく軽症で済めばいいが、重症化したらどうするのか。
相当長い入院・隔離になっても公費負担は一切なくなる。
自助で生きろという事だ。

薬やワクチンで重症化を防げるのが本当に分かってからでもこういう議論は遅くないし、オミクロン株が最後の株となり、コロナが完全に収束するとは限らない。

後遺症もどの程度か分かっていないし。
新たな強毒な変異株が出現したらどうするのか。

このなん類と言う話は、コロナが完全に終息した際に未来に向けてきちんとした定義を決めておくことじゃないのか。
まだ、コロナが海の物とも山の物とも分からない今、勝手になん類と決める話ではないと思うが。

そもそもなんでコロナ禍で政権を放り投げた人間が「そのため、医療機関や保健所の負担軽減を理由に岸田政権に対し、今年はさらに踏み込み、新型コロナの法律上の位置付けを変更してはどうかと提言。」

しゃしゃり出過ぎじゃないか。
安倍はいつから岸田政権のアドバイザーになったのか。

一度総理を辞任した人間が、岸田政権に表立ってあれこれ注文を付けたら、岸田総理もやりにくいと思うが。

安倍はいつも、自分の存在感を示すかのように自分がこの国の元締めのような発言を繰り返す。

自身の政策で責任を取らなければいけない事案がいっぱいあるのを忘れているのだろうか。

例えば、誰も使わなかったアベノマスクとかアベノミクスでのデータ改ざんとか、森友問題の公文書改ざんで職員が自殺した件とか


http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/895.html
記事 [政治・選挙・NHK284] 北京五輪外交ボイコットの主張強まるも…内政不干渉は第2次大戦後の基本 日本外交と政治の正体(日刊ゲンダイ)



北京五輪外交ボイコットの主張強まるも…内政不干渉は第2次大戦後の基本 日本外交と政治の正体
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/299588
2022/01/07 日刊ゲンダイ


中国新疆ウイグル自治区カシュガル市。設置された監視カメラのなか、生活をする人たち(C)共同通信社

 北京冬季五輪の開会が迫る中、新疆ウイグル問題は国際社会の中心議題になっていく。日本では、自民党内に新疆ウイグル問題を理由に挙げ、「北京五輪を外交的にボイコットすべきだ」「日本は中国に対しもっと強硬路線を取るべきだ」との主張が強まっている。

 新疆ウイグル地域で、イスラム教徒への弾圧があるのは事実だろう。世界を人権抑圧のないものにしたいという願いを抱くことに何ら問題はない。だが、世界のさまざまな地域にある人権蹂躙をなくすことができる段階には達していない中、我々は何をすべきかが問題である。

 戦後の秩序の基本的理念は国連憲章に体現されている。国連憲章第2条にはこうある。

<この機構は、そのすべての加盟国の主権平等の原則に基礎をおいている。この憲章のいかなる規定も、本質上国内管轄権内にある事項に干渉する権限を国際連合に与えるものではない>

 特定の国で人権蹂躙が行われているのであれば、国際連合は「正義の味方」の旗をかざし、内政に介入すべきではないだろうか。しかし、なぜ、そうしないのか。

 近世の国際政治を見れば、内政干渉はその問題の解決にならず、逆に新たな対立を生み世界を不安定にしてきたからだ。さらに、特定の国の多くの政治的現象は歴史、社会的環境に深く根差しており、国際社会の干渉程度では改善できないのである。

 米国は中東の民主化を進めるため、イラク、シリア、リビアに軍事介入したが、これらの国内は一段と混乱している。

 アフガニスタンに関しては、米国は20年も戦い、西側諸国も民主化への資金協力をしたが、米軍撤退の後、アフガニスタンは再び20年前のイスラム社会に戻った。

 日本と中国との基本構造を振り返ると、1972年、田中首相が訪中し、日中共同声明が出された。そして、78年に日中平和友好条約が締結された。前者では<内政に対する相互不干渉等基礎の上に平和友好関係を確立する>とされ、後者においても<内政に対する相互不干渉の原則に従い>としている。

 安倍元首相は、「韓国は国際法を守らない」と糾弾してきたが、国際法を守るという意味は@国連憲章などの多国間合意を尊重するA2国間合意を順守する、ことにある。残念ながら自民党の一部はこの考えに反しているのである。



孫崎享 外交評論家

1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。

http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/896.html
記事 [政治・選挙・NHK284] 岸田首相、盟友だった安倍晋三“切り”へ転換か…安倍政権の負の遺産処理に躍起(Business Journal)
岸田首相、盟友だった安倍晋三“切り”へ転換か…安倍政権の負の遺産処理に躍起
https://biz-journal.jp/2022/01/post_273245.html
2022.01.05 05:30 文=編集部 Business Journal


安倍晋三氏のInstagramより

 自民党の安倍晋三元首相、麻生太郎副総裁、茂木敏充幹事長が、臨時国会が閉幕した翌12月22日、東京・浅草の日本料理店で3時間にわたって会食した。3人ともが派閥の領袖。95人が所属する安倍派は党内最大派閥、麻生派と茂木派はそれぞれ53人を抱え、ともに党内第2派閥。会合では、3派で結束して岸田文雄政権を支えていくことを確認したと伝えられている。

 安倍氏と麻生氏は、ともに祖父が総理大臣という政界のサラブレッド。ボンボン育ちの境遇も似ており、長年の盟友関係にある。第2次安倍政権の7年8カ月、ずっと閣僚ポストに付いていたのは、麻生氏と菅義偉官房長官(当時)の2人だけだ。

 だが、その盟友関係も、岸田政権になってから微妙に変化しているという。それは、岸田氏との距離感の差だ。「岸田氏は首相になる以前から、なんでも麻生さんに相談してきた」(岸田派関係者)こともあり、本来なら“一丁上がり”の名誉職ポストの副総裁を、幹事長と同等かそれ以上として扱っている。

 岸田氏が党本部を訪ね、茂木幹事長と会談する際は麻生氏も同席。12月24日には松野博一官房長官も加え、4人で都内のホテルで昼食をともにしながら会談した。今月召集の通常国会や夏の参院選、新型コロナウイルスのオミクロン株への対応など、今後の政権運営について協議したとされるが、この4氏による会談は11月22日以来、2度目。つまり、この4人の枠組みが岸田政権の屋台骨ということになるわけで、そこに副総裁も入っているのである。

 一方、岸田氏は安倍氏に対しては、配慮こそ見せるものの、それほど重要視していない。

「安倍氏が望んだ高市早苗幹事長、萩生田光一官房長官という人事を受け入れなかったことや、安倍氏にとって地元では親の代からの政敵の林芳正氏を外相に起用したことが象徴的でした。最近もアベノマスクの年度内廃棄を決めるなど、安倍政権時代の負の遺産の処理に舵を切っているようにも見えます。もっとも、折に触れ議員会館の安倍氏の事務所を訪ねるなど、岸田氏は表面的には安倍氏に気を遣ってはいますがね」(自民党のベテラン議員)

■「大宏池会」構想

 安倍氏と麻生氏は財政政策をめぐっても対立した立ち位置にある。高市政調会長が自民党内に設置した「財政政策検討本部」は財政出動を重視する積極財政派の集まり。安倍氏が最高顧問を務める。これに対抗するかのように、岸田首相直属の組織として自民党内に「財政健全化推進本部」も遅れて立ち上がった。こちらの最高顧問は麻生氏だ。

「財政健全化」といえば、月刊誌「文藝春秋」でバラマキ批判をした財務省の矢野康治事務次官の論文だが、安倍晋三氏はこれに大激怒したという。麻生太郎氏は前財務相として矢野論文をバックアップしており、財政健全化推進本部も財務省が主導し、麻生氏がひと肌脱いだかたちだ。

 麻生氏が岸田氏の「後見役」になりつつあるのは、両者がもともと「宏池会」の同根で、麻生氏は以前から麻生派と岸田派の合流による「大宏池会」構想を描いているからだ。キングメーカーとして君臨し続けるには、派閥の影響力をさらに高めることが重要。53人の麻生派と43人の岸田派が一緒になれば、最大派閥の安倍派を超える。だが、それは安倍氏にとっては許しがたいことで、「最大派閥の領袖」がいまや安倍氏が存在感を維持できる唯一のポジションだけに、絶対に奪われたくないはずである。

「麻生氏は財務相として安倍首相に仕えていた時は、一歩下がって安倍氏を立てていた。そういう礼儀を重んじるタイプなのです。しかし今は、ともに元首相で同格のうえ、麻生氏は副総裁で安倍氏は無役。かつてのように安倍氏を立てる必要はない。むしろ派閥の人数争いやキングメーカー争いではライバル関係にある。ただ、岸田氏は大宏池会構想に消極的。領袖ポストや自派閥を奪われることになるからです。岸田氏が大宏池会構想を拒否し続ければ、麻生氏は再び安倍氏と手を携え、“ポスト岸田”へシフトするかもしれません」(前出の自民党ベテラン議員)

 昨日の友は今日の敵。敵の敵は味方――。権力のためならなんでもアリだ。

(文=編集部)

http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/897.html
記事 [政治・選挙・NHK284] スタッフのオミクロン感染で病院は深刻人手不足…なのに医療従事者3回目接種わずか12%(日刊ゲンダイ)




スタッフのオミクロン感染で病院は深刻人手不足…なのに医療従事者3回目接種わずか12%
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/299636
2022/01/07 日刊ゲンダイ


米英では医療従事者が感染し、人手不足が深刻に…(C)ゲッティ=共同

 感染スピード歴代最速の新型コロナ「オミクロン株」がいよいよ列島直撃だ。6日の全国の新規感染者数は4000人を突破。倍々ゲームで増えている。感染が急拡大している沖縄、広島、山口3県への「まん延防止等重点措置」の適用が7日、決定される。深刻なのが医療従事者の感染だ。スタッフ不足により、医療が回らなくなる事態が現実味を帯びてきた。

 ◇  ◇  ◇

 WHO(世界保健機関)はオミクロン株について、他の変異株に比べて重症化リスクが低い可能性を示している。

 実際、米国では過去の波に比べて集中治療室(ICU)には余裕があるという。しかし、医療従事者がオミクロン株に感染し、人手不足が深刻になっている。英国でも同様の事態が起きている。

 6日、過去最多の981人の感染者が確認された沖縄は医療従事者への感染も広がっている。感染したり、濃厚接触者に認定された医療従事者の欠勤が増加。中部の病院2カ所ではすでに救急部門が停止された。

 県の担当者は「これまでには経験したことがないスピードで医療従事者にも感染が広がっているという印象です。感染者だけでなく濃厚接触者のスタッフも勤務できなくなるので大変です。病床を確保してもスタッフが不足すれば、コロナ患者を受け入れられない事態も起こり得る」(感染症対策課)と頭を抱えた様子だった。

 オミクロン株はワクチン2回接種者にもふつうに感染している。東京都がオミクロン感染者55人を調べたところ、67%にあたる37人が2回接種済みだった。

厚労省の回答はまるで他人事


医療従事者の3回目接種はまだわずか12%…(C)共同通信社

 3回目接種によって、オミクロン株への抗体量が、ファイザー製は25倍、モデルナ製は37倍に増えると発表されている。医療従事者への3回目接種を早急に進め、これ以上の感染拡大を防ぐ必要があるが、進捗はお寒い状況だ。

 昨年12月23日の厚労省の予防接種・ワクチン分科会の資料によると、3回目接種の対象の医療従事者は576万人。2回目接種から8カ月後を前提に、12月104万人、1月200万人、2月183万人、3月89万人と予定され、1、2月分については12月へ「2カ月前倒し可」と明記されている。

 ところが、官邸の発表によると、今月6日時点の3回目接種は約71万回。医療従事者の12%にとどまっている。2カ月前倒しどころか、8カ月後の当初予定にも大幅未達なのだ。

 重要な医療従事者の接種はなぜ進まないのかーー。厚労省に聞くと「接種券が届いてもすぐに打たないなどワクチンを打つ側の事情もあるので、一概に遅れているとは言えない。感染した医療従事者が欠勤し、医療が逼迫する問題は、ワクチン接種というよりも医療提供体制の問題だと考えています」(予防接種室)と、まるで他人事だった。

 こんな調子ではあっという間に医療崩壊が起きてもおかしくない。

http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/898.html
記事 [政治・選挙・NHK284] 今夏にはコロナが“ただの風邪”になっている可能性も…感染症の専門家が見解(日刊ゲンダイ) :医療板リンク 
今夏にはコロナが“ただの風邪”になっている可能性も…感染症の専門家が見解(日刊ゲンダイ)

http://www.asyura2.com/21/iryo8/msg/217.html



http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/899.html

記事 [政治・選挙・NHK284] ナベツネ現人神崇拝主義です 大坂一体主義化へ 
ナベツネ現人神崇拝主義です 大坂一体主義化へ
http://blog.livedoor.jp/pat11/archives/52001121.html
2022年01月07日 自民党的政治のパンツを剥ぐ


やっぱりなあ 都構想とか 大坂万博とか 吉本政治番組・・
あの福島大震災の時 
ナベツネ・電通・東電の大巨頭の中国での秘密の夜を思い出します

確信に変わったのが数日前の
大阪府市政に読売新聞が関与するという報道でした

****

吉本興業・橋下さん・電通傘下の天下のマスコミ
が タレント捏造と同じ手法で 吉村氏に
スポットライトを集中させ

衆議院選挙では「大躍進維新」をも
読売・電通・吉本 そして橋下が吉村府知事が
紅白歌合戦のごとく 維新サンバを踊りまくる

****

麻生さん周辺では ヒトラーは民主主義が育てた
育ての親は ゲッペルスだと

これ本当だったなあと
ゲッペルスの特徴は マスコミの指揮者だったこと
橋下さんはゲッペルスに負けないくらい
自由自在に 全マスコミに出まくるもんなあ
ナベツネさん=電通と戦友だからだろう

そして東電という魔法の経済力と竹中新自由主義となれば
季節が寒い以上に寒い

http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/900.html

記事 [政治・選挙・NHK284] 米軍が元凶で沖縄・山口・広島に「重点措置」…カラッポ岸田外交には今後も期待ゼロ(日刊ゲンダイ)



米軍が元凶で沖縄・山口・広島に「重点措置」…カラッポ岸田外交には今後も期待ゼロ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/299635
2022/01/07 日刊ゲンダイ


歴代2位の外相経験も人脈ナシ?!(「まん延防止等重点措置」について取材に応じる岸田首相=6日)/(C)日刊ゲンダイ

 政府は7日、沖縄県、山口県、広島県に「まん延防止等重点措置」の適用を正式に決める。期間はいずれも9日から31日まで。沖縄県は全域、山口県は岩国市と和木町、広島県は広島市など5市町が対象だ。

 3県に共通するのは米軍基地を抱えていたり、隣接していること。オミクロン株が影響しているとみられる米軍のコロナ感染クラスターが市中に染み出し、感染者が爆発的に増えているのは間違いない。山口県の村岡知事は6日、米軍岩国基地内と岩国市の繁華街で確認されたコロナウイルスのゲノムが同一タイプだったと明言した。

 沖縄県の6日の新規感染者981人、山口県181人は、ともに1日当たりの感染者の過去最多を更新してしまった。東京(横田)や神奈川(横須賀、厚木)、青森(三沢)など米軍基地のある他の自治体でも感染が拡大している。

 こうした状況を受け、6日は林外相がブリンケン米国務長官と電話会談し、在日米軍の外出制限の徹底を要請した。岸田首相も「厳しく抗議しろ」と周辺に怒りをあらわにしていると伝えられているが、ちょっと待って欲しい。岸田首相は安倍政権時に、歴代2位となる4年8カ月もの長期にわたって外相を務めたのだから、独自のパイプでも使ってもっと早く米国に抗議することはできなかったのか。

歴代2位の外相経験もスッカラカン

「そりゃ、無理ですよ」と言うのは外相時代の岸田首相に仕えた外務省OBのひとり。声を潜めて、こう続ける。

「安倍政権では、外交上重要なことすべて、外務官僚は安倍首相と決めていました。岸田外相は決まったことを、ただ淡々とこなすだけ。頭越しで決められることに不満もなさそうでした。外相になると誰でも独自の外交を見せたがるものですが、岸田さんには一切、それがなかった。岸田さんから、日米外交はどうあるべきか、などの話も聞いたことがありません。外交に関するレクチャーを頻繁に希望し、よく耳を傾けていましたが、その後どうする、というのが全くない。自分から動くことはないんです」

 米軍が日本入国にあたってPCR検査もせず、やりたい放題だったことを日本政府はクラスター発生後まで把握せず、いまだ正確な感染情報すら得られない。事実上の「治外法権」となっている日米地位協定の存在が大きく、米軍に対して国民の不満と不安が高まるのは必至だが、岸田首相は6日「感染ルートを断定するのは難しい」と米軍を擁護し、「日米地位協定の改定は考えていない」と発言。カラッポ岸田外交には何の変化も期待できない。

http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/901.html
記事 [政治・選挙・NHK284] オミクロン株は「デルタとは別の病気」 琉球大教授が注目の見解(日刊ゲンダイ) :医療板リンク 
オミクロン株は「デルタとは別の病気」 琉球大教授が注目の見解(日刊ゲンダイ)

http://www.asyura2.com/21/iryo8/msg/222.html



http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/902.html

記事 [政治・選挙・NHK284] <Q&A>米軍はなぜ日本の検疫受けない? 日米地位協定など取り決めが壁、水際対策の抜け穴に(東京新聞)
2022年1月7日 19時11分

https://www.tokyo-np.co.jp/article/152974?rct=politics

 新型コロナウイルスの感染拡大でまん延防止等重点措置が適用された沖縄県などでは、在日米軍の対策が不十分で、感染が周辺地域に広がっていると懸念されています。日本での基地の利用法や軍人らの身分を定めた日米地位協定で在日米軍に特権的な地位を認めているため、政府の水際対策の「抜け穴」となっている問題が背景にあります。(山口哲人)

 Q 外国人の新規入国が停止されている中、なぜ米軍は日本の検疫を受けずに入国できるのですか。

 A 日米地位協定の第9条で「米国は米軍人、軍属、家族を日本国に入れることができる」と明記しているからです。さらに、1996年の日米合同委員会で、海外から直接、米軍基地に入る場合は「米軍の検疫手続きの適用を受ける」と決めており、民間空港に到着する場合を除いて日本の検疫を受けさせることもできません。

 Q 米軍がしっかり対応すれば問題ないのでは。

 A 米軍は日本で緊急事態宣言などが出ていた昨年9月、独自の判断で出国前の検査を取りやめました。日本到着直後の検査は元々実施しておらず、入国後も基地内を自由に出歩くことが容認されるなど「行動制限」はずさんでした。しかも、沖縄県のキャンプ・ハンセンでクラスター(感染者集団)が発生するまで、政府はそうした状況を把握していませんでした。

 Q それでは国内の感染拡大が防げないのでは。

 A 政府は「日本と整合的な措置」を講じるよう米側に申し入れていますが、あくまでも「お願い」です。強制力を持たせるには地位協定の改定などが必要ですが、米国の軍事力に頼る日本も、特権を手放したくない米国も後ろ向きです。

【関連記事】岸田首相、日米地位協定の見直し否定…「現実的な対応が大事」 本紙「水際対策の抜け穴」と質問に<新型コロナ>
      https://www.tokyo-np.co.jp/article/152785?rct=politics
http://www.asyura2.com/21/senkyo284/msg/903.html

記事 [政治・選挙・NHK284] 何が「安全保障」だよ! 在日米軍基地から始まったコロナ第6波 検査も隔離もなく自由に出入国 沖縄や岩国で感染者過去最多(長周新聞)
何が「安全保障」だよ! 在日米軍基地から始まったコロナ第6波 検査も隔離もなく自由に出入国 沖縄や岩国で感染者過去最多
https://www.chosyu-journal.jp/shakai/22485
2022年1月6日 長周新聞

 年末から年始にかけて沖縄県内各地や山口県岩国市など、在日米軍基地を抱える自治体で新型コロナ感染者が急増している。日米地位協定によって入管審査なしで国内に入れる米軍関係者がPCR検査なしで自由に米本土から出入りし、基地から市中にくり出すためだ。現在、オミクロン株が大流行している米国では、かつてない規模で新型コロナ感染者が急増しており、一日当りの新規感染者は過去最多の108万人(3日)に達している。米国内で広がったウイルスが米軍基地を経由して基地の街にノーガードで持ち込まれ、そこから日本全国へと広がっており、日本の水際対策はザルと化している。日本やアジアの「安全保障」といって日本国内に居座る米軍だが、現実は国内法を度外視して危険を呼び込む元凶となっており、建前とかけ離れた「日米安保」の実態が露わになっている。

「日米安保」が呼び込む存立危機


キャンプ・ハンセン正門ゲート(沖縄県金武町)

 沖縄県では、昨年末から米軍基地内での大規模クラスター(集団感染)が連続している。在沖米軍基地では昨年12月15日から1月3日までに、9施設で計832人もの新規感染が判明し、うち「キャンプ・ハンセン」が512人で6割を占めた。4日にも新たに164人の米軍関係者の感染が明らかになり、合計996人となっている。

 キャンプ・ハンセンは、沖縄県国頭郡の金武町、宜野座村、恩納村、名護市にわたって広大な面積(約4800f)を有する米海兵隊基地で、キャンプ・シュワブ(名護市)と並び、中部訓練区域の中核基地として射撃場や実弾射撃訓練場も備えている。収容隊員は推定6000~7000人で、約600人の基地従業員が働いている。

 あいつぐ大規模クラスターの感染経路について米軍当局は明らかにしていないが、海兵隊が半年ごとに部隊人員を入れ替える部隊配置計画(UDP)での関係者の異動にともなうものとみられている。一昨年から確認されている在日米軍関係者の集団感染も、同じく関係者の異動期にあたる夏場か、年末に発生している。

 この部隊配置計画では、キャンプ・ハンセンの部隊や米軍普天間飛行場のヘリ部隊などが米本国の部隊と入れ替わる。ハンセンで最初にクラスターが発生した2つの部隊は、先月11日に米本国から嘉手納基地に到着して同基地へ移動していた。日本に約束していた出国時のPCR検査はおこなわれていなかった。同基地では同16日に100人規模のクラスターが発生し、またたく間にその規模が増大し、3日現在までに累計感染者は1200人をこえた。

 同基地内で働く従業員の感染者も3日までに累計19人に達している。沖縄県内での基地従業員の感染者は累計263人にものぼる。この基地従業員からは新変異株・オミクロン株が数人検出されているが、彼らには渡航歴がなく、米軍は感染者に対して変異株の有無を調べるゲノム解析をおこなっていないため、オミクロン株による感染がすでに基地内で広がっている可能性が高い。

 米軍も変異株とクラスターとの関連を「否定できない」としているが、依然としてゲノム解析の必要性を認めず、沖縄県の検査協力の申し出に対しても、デルタ株が確認された一昨年と同じく「個人情報保護」を理由に断っている。

 昨年12月、大規模クラスターの発生に県民が神経を尖らせている最中にも、ハンセンに近い繁華街「新開地」ではクリスマス時期にはノーマスクの米兵らが大人数で訪れ、いくつもの店で満席状態をつくり出していたことが目撃されており、米軍当局に感染対策を引き締める気配はない。2日時点での在沖米海兵隊の健康保護レベルは5段階中の3段階(中程度)であり、握手や抱擁など他人との不必要な接触、感染が認められている地域への不必要な移動を避けるという程度で、基地から市中への外出も原則認めている。

 しかも、米軍が把握している感染者の行動履歴や感染経路、居住地などの詳細な情報は「秘密事項」として沖縄県や地元自治体にも提供されず、県はくり返し日本政府に情報提供を求めてきた。だが米軍側は、現在もクラスターの発生源や感染経路、入国時の隔離措置の有無についても明らかにしていない。沖縄県内では基地外に1万7000人もの米軍関係者が居住しており、市民との接触機会は多い。米軍側は「(クラスターの感染者と)一般人との接触はない」と説明してきたが、感染状況の経過はそれが事実無根であることを物語っている。

「米国の状況を持ち込むな」 玉城知事怒りの会見

 必然的に沖縄県全体の感染者数もうなぎ登りとなった。沖縄県内の新規感染者は3日に130人に達し、昨年9月25日以来、約3カ月ぶりに1日の感染者が100人をこえた。さらに4日には225人へと倍増している。このうちオミクロン株の感染者は24人(3日時点)で、累計88人となり、市中感染を疑わざるを得ない状態にある。

 一昨年も米軍経由の新型コロナがまん延した沖縄県では、昨年11月から新規感染者は1ケタ台が続き、「全国最悪」といわれた状態から脱してようやく平常をとり戻しつつあったが、米軍によって県民の地道な努力が水泡に帰すパターンがまたもくり返されている。


玉城知事

 玉城知事は2日、沖縄県庁で会見をおこない、「基地関係者を中心に確認されていたオミクロン株が、市中感染でも確認されており、デルタ株を凌ぐ勢いで急速に置き換わりが進んでいる」とのべ、その要因として12月初旬に在日米軍部隊の異動によって、多くの米軍関係者が渡航前PCR検査を受けずに米本土から米軍基地に入ってきたことを指摘。12月31日に98人、1月1日には235人の陽性者が確認され、両日の検査に対する陽性率は21・6%に達していると報告した。

 沖縄県は、日米両政府などに対し、感染状況が収束するまで移動停止や、水際対策の徹底、感染が急増しているキャンプ・ハンセンのすべての軍人等へのPCR検査実施・基地外への外出禁止、すべての米軍基地での健康保護体制レベルの引き上げ、基地外でのマスク着用徹底などをくり返し強く求めてきた。だが実行には移されておらず、「米軍における感染症拡大防止対策と管理体制の不十分さを示すものといわざるをえず、激しい怒りを覚える」「これ以上の感染を食い止めようとする県の危機意識が、米軍において共有できていないだけでなく、県内のオミクロン株拡大が米軍由来のものであるという意識が欠如しているといわざるをえない」と強く批判した。

 沖縄県や県軍用地転用促進・基地問題協議会(軍転協)は口頭申し入れも含め、これまでに少なくとも米軍や日米両政府に6度、感染防止対策の徹底や強化を求めている。

 玉城知事は「この問題を単に米軍の感染症対策の不備として矮小化するのではなく、米軍に地位的な特権を与え、十分な情報の共有もままならない状況を作り出している日米地位協定がもたらす構造的な問題であるという強い危機意識を持っていただきたい」と訴えた。県内の感染状況は「感染の種が市中に撒かれてしまった状況にある」とし、このまま感染が拡大すれば警戒レベルを引き上げ、人の移動や経済活動の制限など強い措置を要請することを検討せざるをえないとし、「米国本土の状況を(沖縄に)持ち込むな」と怒りを露わにした。

岩国基地でも一日100人超  岩国だけで県内感染者の7割超


米軍岩国基地(山口県岩国市)

 山口県東部の米軍岩国基地でも、昨年12月29日に1日当り過去最多となる80人の新規感染者が確認され、その後も感染が急増している。同基地内の年末年始7日間の新規感染者は、

 ▼12月29日…80人
 ▼12月30日…27人
 ▼12月31日…23人
 ▼1月 1日~3日…50人
 ▼1月 4日…47人
     計 227人

 となっている。さらに5日に182人、6日には115人と激増した。

 基地内では日本人従業員も働いており、米軍関係者は基地内だけでなく、市街地にも住んでいる。そのため岩国市内でもスーパーやドラッグストアなどでいつも通り買い物をする基地関係者の姿があり、飲食店も利用している。さらに一部ではコンビニなどでマスクをせずに入店する姿が何度も目撃されている。基地外への外出規制もないため、防疫措置もなく自由に出入りする状態が続いている。

 急激な感染拡大について、岩国市民は次の様に語る。

 「クリスマスに米兵が麻里布と川下の飲み屋で騒いだことから市内で感染が広がった。米兵は転勤で米国本土から頻繁にやってきて入れ替わっている。しかし出入国時にPCR検査はおこなっておらずフリーパス状態だ。岩国基地のなかでは2000人の日本人が働いているというのに、米軍関係者は基地の中でも室内以外はマスクをしていない。ふざけた話だし、日米地位協定の問題がある」(個人商店主・女性)

 「これほど岩国に感染者が集中しているのに、村岡知事も福田市長も米軍に対して基地からの出入りの規制を要求するなど、なんの抗議もしない。マスコミも沖縄の問題はいうが、岩国のことはほとんど報道しない。岩国は極東最大の米軍基地となって軍港化が進められている。これからは空母も入ってくるかもしれない。(3日に岩国市で)44人の新規感染がわかったのも県がPCR検査を始めたからだ。検査をしていなかったら知らない間にもっと感染が広まっていたかもしれない」(同)

 「昨年9月に新型コロナに感染した。体調が悪くなり、検査をするとコロナだった。症状は肺炎のような状態で、病院で検査をしたら医師から“あと半日遅かったら肺が真っ白になっていた”といわれた。体調が悪化する日の直前、米兵5人が来店していたことくらいしか外部接触の心当たりがない。米軍が検査なしで自由に出入国できる状態が放置されていることがおかしい。そのおかげで岩国市民全体が影響を受けている」(自営業・男性)

 米軍基地での感染拡大にともなって山口県内の感染者数も急増した。年末年始7日間の山口県内の新規感染者数(うち岩国市)をみると、

 ▼12月29日…10人(岩国市7人)
 ▼12月30日…9人(岩国市7人)
 ▼12月31日…15人(岩国市8人)
 ▼1月1日…17人(岩国市14人)
 ▼1月2日…20人(岩国市13人)
 ▼1月3日…56人(岩国市44人)
 ▼1月4日…79人(岩国市62人)
    計 221人(岩国市160人)

 であり、県内感染者全体の実に7割以上を岩国市が占めている。岩国市では、米軍基地と一部施設を共用する海上自衛隊岩国航空基地での感染が増えていることや、米兵らがくり出す繁華街の麻里布地区や川下地区の飲食店従業員やその利用客の間で感染者が急増していることを見ても、米軍基地由来の市中感染であることが明らかとなっている。


米兵は市街地にも多く居住する。写真は岩国市愛宕山に造られた米軍将校住宅(山口県)

 3日に記者会見をおこなった山口県の村岡知事は、「米軍関係者が基地の外で飲食店を利用し、そこで感染が広がった。感染を広げない行動を強く要請しないといけない」とのべたが、あくまで米軍側の自主的な感染防止策を求めただけで実効性は乏しい。一方、4日と9日に予定していた市民の成人式の延期が決定された。

 また隣接する広島県でも、昨年12月21日まで「感染ゼロ」が約3週間続いていたが、年末から急増。1月2日には57人、3日には40人の新規感染が確認された。オミクロン株の市中感染が始まっていることに対して湯崎知事は、広島県内の感染者の行動履歴の分析結果として、「(米軍基地がある岩国市と)関連のある感染例が多く認められる」と指摘した。広島は岩国基地の米兵が遊興に赴く場所であり、週末には多くのYナンバー車(高速料金無料)が県境をまたいで広島市内や宮島などの繁華街や観光地に向かっており、国レベルで強制力を持った基地関係者の行動制限がおこなわれなければ、県レベルの防疫対策は意味を成さない。

横須賀、富士、三沢でも  基地から市中感染へ

 また、神奈川県の米海軍横須賀基地でも、昨年12月23~30日までの間に米軍関係者75人の新型コロナ新規感染が発表されている。そのうち69人が最近、米本国から日本に入国していた。

 神奈川県の黒岩知事は昨年12月31日、外務大臣と防衛大臣に対し、感染者の隔離の徹底や基地からの外出制限など行動制限を強化すること、当面の間、海外からの米軍関係者の入国や国内の基地間の移動を最小限にすることなどを緊急要請している。

 東京都の米軍横田基地も、昨年12月24~28日までに基地関係者13人が新型コロナに感染していたと発表している。

 静岡県御殿場市にある米軍「キャンプ富士」でも、昨年12月27日から1月4日まで、累計41人の新規感染が明らかになっている。米軍当局がフェイスブックで発表したもので、静岡県が依頼した検査で基地従業員とその濃厚接触者からオミクロン株が検出された。御殿場市は、外出禁止を含めた感染対策の徹底を求める申し入れをした。

 青森県三沢市も4日、米空軍三沢基地で、昨年12月26日以降、米軍関係者56人に新型コロナ感染が確認されたと発表。同基地内の感染者数は4日現在で48人となり、過去最多に達している。2日にはクラスターが発生しており、米政府のチャーター機(事前検査なし)で来日した基地関係者11人のうち6人が感染していたことがわかっている。

 長崎県の米海軍佐世保基地も、昨年12月21日以降、16人が新たに新型コロナに感染し、うち1人が原因不明で死亡したと発表した。

韓国やオーストラリアは二重検査 検査なしは日本のみ

 在日米軍基地での感染者急増があいつぐなか、林外務大臣は昨年12月24日、国内のすべての米軍基地で、昨年9月以降、ワクチン接種が進んだことを理由に感染対策が緩和され、米兵らの出国時検査がおこなわれておらず、行動制限中(現在は入国後14日間)の基地内の移動制限も緩和されていたことを発表した。

 日本政府は現在、オミクロン株の国内への流入を防ぐため、11月30日から外国人の新規入国を停止している。海外から帰国する日本人に対しても、帰国時の検査が陰性であったとしても入国後3~10日間は検疫所が指定する宿泊施設に隔離する厳しい措置をとっている。外務省はこれまで、在日米軍は入国した米軍人について14日間の移動制限や公共交通機関の利用禁止など「日本政府の方針と整合的な措置」をとっていると説明していた。

 ところが、日米地位協定で旅券や査証(ビザ)に関する国内法の適用が除外されている米軍人は、入国審査もなく、検査も米軍側に委ねられるため、コロナ感染の有無どころか、誰が、いつ国内に入り、出て行ったのかさえ日本政府は把握していない。今回も基地内感染が広がるまで、出国前検査がおこなわれていないことすら知らなかった。従って地元自治体は、基地内での防疫対策の有無や、基地を経由して基地外に出たり、基地間を行き来したことを知ることもできない状態で検疫体制を維持しなければならないことになる。

 米国内では現在、感染者が急増し、3日には1日あたりの新規感染者が過去最多を大幅にこえる108万人に達した。世界で報告される1日の新規感染者の3人に1人を占めるほどの新型コロナ感染大国となっている。この状況がノーガードで日本国内に持ち込まれるなら医療崩壊は避けられない。

 在日米軍基地での感染拡大を受け、今後は日本への出発72時間前までに米軍関係者への検査を実施するよう変更したが、日本への入国後は14日間の隔離はするが、検査は5日目の1度だけ。しかも検査の実施は米軍側に委ねられ、隔離中も基地内の一部施設は利用できるという緩いものだ。

 これに対して、韓国に駐留する在韓米軍は、入国後の隔離期間は10日間だが、PCR検査は隔離開始時と終了前の2度おこなわれており、隔離終了時の検査は韓国側がおこなう。オーストラリアも同国に駐留する在豪米軍に対して同様の措置をとっている。

 駐留国に検査もさせず、知らせることもなく米軍関係者の入国時の検査を省略した例は在日米軍以外になく、この横暴な米軍に対して、自国民を保護するための主権(国内法適用)を主張しない日本政府の隷属的な姿も浮き彫りになっている。一方的な約束の反故は、本来なら外交問題に発展する事態といえる。オミクロン株を含む新型コロナの再拡大は、このように片務的な「日米同盟」によって持ち込まれており、パンデミック禍においても安全保障どころか現実に脅威を与えている。憲法改正による私権制限を論議する前に日米地位協定の見直しこそ必要であり、米軍関係者の即時入国禁止、外出禁止措置が求められるとともに、抜本的には国内法を蹂躙して存立危機を呼び込む米軍基地を米本土に返還することなしに日本の市民の安全は保障できないことを教えている。


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記事 [政治・選挙・NHK284] <年末年始で拡大、去年と同じ大失態>「また緊急事態宣言」なら内閣の責任を問わなければいけない(日刊ゲンダイ)

※2022年1月7日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大



※紙面抜粋



※2022年1月7日 日刊ゲンダイ2面



※文字起こし

 とうとう新型コロナ感染拡大の「第6波」に突入してしまった。

 6日の日本全国の新規感染者は、4475人だった。1日の感染者が4000人を突破するのは、昨年9月18日以来だ。内訳は沖縄981人、東京641人、大阪505人。沖縄と山口の1日当たりの新規感染者は、過去最多を更新している。

 沖縄、山口、広島の3県には「まん延防止等重点措置」が適用されることになった。期間は1月末まで。これでまた3県の飲食店は午後8時までの「時短営業」を強いられる。すでに沖縄の飲食店には、予約キャンセルの電話が殺到しているそうだ。3県で感染者が急増したのは、大規模クラスターが発生した在日米軍が原因である。在日米軍のずさんな対応によって、オミクロン株が染み出し、市中に蔓延してしまった。

 とにかく「第6波」の感染力はハンパじゃない。4日の全国の新規感染者は1268人だった。それが5日には2638人となり、6日には4475人と、1日でほぼ2倍のペースで増えている。6日の東京の641人は、先週木曜日(64人)の10倍である。東京の新規感染者が1000人を超えるのも時間の問題だろう。さすがに、京大の西浦博教授は「これまでで最も速い増加だ。即座の対応がないと流行が拡大する」と危機感を強めている。

 いったい、この「第6波」はどこまで広がるのか。米ワシントン大医学部「保健指標評価研究所」の予測によると、日本の1日当たりの新規感染者は、1カ月後には約10倍となり、2カ月後の3月上旬にようやくピークに達するという。3月上旬の新規感染者数は2万8775人に達する見込みだ。多くの感染者が入院できずに自宅で亡くなった「第5波」のピーク2万5992人を上回る。

「オミクロン株は重症化しないとされていますが、このスピードで感染が広がったらどうなるのか。日本医師会の中川会長は、速いスピードに『医療機関が対応できなくなる恐れがある』と懸念を表明しています。実際、フランスは医療逼迫が迫っているだけに心配です」(厚労省関係者)

 このペースでは、「まん延防止等重点措置」ではなく、いずれ全国に「緊急事態宣言」が発令されるのではないか。

なぜ直接在日米軍に抗議しないのか

 いま頃、岸田政権は慌てているが、オミクロン株の脅威は海外の事例を見れば、いくらでも予測できたはずだ。

 英国では先月22日、1日当たりの感染者が約10万人に拡大。WHO(世界保健機関)も同22日、「オミクロン株に特段の注意を払う必要がある」と警戒を呼びかけていた。

 なのに岸田首相はまったく危機感がなかった。口先では「最悪の事態を想定」なんて言っていたが、国内の感染状況が落ち着いていたことに安心し、事態を甘く見ていたのは間違いない。本来なら毎日会見を開いて、注意を呼びかけてもよかったのに、国民への強いメッセージは一切なかった。

 決定的なのは、在日米軍に対する水際対策のいい加減さだ。米軍関係者は「日米地位協定」に基づき、検疫の対象外となっているため、昨年9月から年末まで、ずっとPCR検査することなく日本に入国し続けていた。かなりの数の米兵がオミクロン株に感染したまま入国したのは間違いない。

 しかも、米兵はマスクなしで街をうろつき、沖縄では複数の飲酒運転まで発覚。毎日新聞によると、基地内には〈この施設ではワクチン接種済みの方はマスク着用の義務はありません〉と記された張り紙がしてあったという。こんなユルユルな管理体制を放置した結果、在日米軍からオミクロン株が染み出し、市中感染を招いたのだ。

 しかも、政府がこの実態に気付いたのは先月21日だったというのだから、いかに危機感が薄いかがよく分かるというものだ。もともと、政府と在日米軍は、日本の水際対策に近い措置をとることを確認し合っていた。ところが、米軍は昨年9月、日本側に報告せず、勝手にPCR検査を免除する方針に変更していた。政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。

「米軍が昨年9月に勝手に方針を変えていたことに岸田首相は憤慨し、林外務相に『米国に抗議しろ』と命じたそうですが、本来ならバイデン大統領に直接抗議すべき案件です。それをしないのは、岸田首相が本気で怒っていないからでしょう。その証拠に、沖縄県の玉城知事が求めた地位協定の見直しを、岸田首相は否定しています」

 ご自慢の「聞く力」を発揮すべき相手は米国ではなく日本国民のはずだ。

後手後手だった菅政権とどう違うのか

 年末年始に始まった今回の「第6波」は、ちょうど1年前、菅政権の時に発生した「第3波」と同じ構図だ。菅前首相は経済活動が止まるのを恐れて、コロナ対策が後手に回り、その結果、2021年の年明けから「第3波」を招いた。

 岸田は「最悪の事態を想定」と、前政権との違いを強調しているが、「経済を止めたくない希望的楽観論」は同じではないか。とても菅政権の失敗から学んでいるとは思えない。

「岸田首相は、経済を優先させ、コロナ対策が後手後手になった菅前首相と同じ道をたどっているように見えます。例えば昨年末、観光需要喚起策『GoToトラベル』について『年末年始の感染状況を見極めた上で検討する』と言っていました。海外であれだけオミクロン株が広がっていたら、普通は『GoTo』などという発想にはならないはず。前政権で感染拡大の一因となった『GoTo』にこだわるのは、経済回復を急ぎたい意思の表れでしょう。菅前首相と同じく『経済を止めたくない』という思いを捨てきれていないのだと思います」(本澤二郎氏=前出)

 岸田は「対話重視」の姿勢を打ち出し、「聞く耳」を持たなかった菅との違いをことさら強調しているが、一体どこが違うのか。

再び緊急宣言なら弱者はギブアップ

 もし、このまま感染拡大が止まらず、再び「緊急事態宣言」が発令されるような事態になったら、すべて岸田の責任だ。

 最初から強い危機感を持ち、ブースター接種を進め、在日米軍に強い態度で対応していたら、ここまで感染が急拡大することもなかったはずである。ところが、在日米軍が感染拡大の要因なのに、この期に及んで「感染ルートを断定するのは難しい」などと在日米軍を擁護しているのだから、どうしようもない。

 コロナ禍が2年も続き、非正規など弱い立場の労働者ほど苦境に立たされている。再び「緊急事態宣言」が発令されたら、弱者はもう持たないのではないか。実際、「時短営業」を強いられることが決まった沖縄の飲食店からは、「やっと客が戻ってきたのに」と悲鳴が上がっている。

「コロナ禍によって、すでに飲食業や旅行業界はギリギリの状態です。2年間耐え、ようやくコロナ禍も終わりそうだと期待していたのに、また緊急事態宣言が発令され、経済活動に制約がかかるようになったら、心が折れる人も出てくるでしょう。いま政府がやるべきことは、ブースター接種の加速や特効薬の確保など、とにかく国民に“安心感”を与えることです。日本人は、たとえ緊急事態宣言が発令されなくても、感染が拡大していると自粛してしまう。その結果、経済が縮小し、ますます弱者にしわ寄せがいくことになります」(経済評論家・斎藤満氏)

 多くの国民は「まん延防止等重点措置は仕方ないか」と諦めているかもしれないが、過去2年間の教訓を生かせば、手の打ちようは、いくらでもあったはずである。「聞く耳」首相には責任を取らせる必要がある。

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