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2023年4月20日03時42分 〜
記事 [政治・選挙・NHK290] 少女のうそ見抜けず…大阪府警と地検が人定誤り 刑事裁判打ち切り (毎日新聞) 
「少女のうそ見抜けず…大阪府警と地検が人定誤り 刑事裁判打ち切り」
(毎日新聞 2023/4/12)
https://mainichi.jp/articles/20230412/k00/00m/040/172000c

 大阪地検と大阪府警は12日、窃盗事件で逮捕した少女(17)について、誤って20代の成人女性として起訴したことを明らかにした。少女は実在するこの日本人女性のマイナンバーカードを所持していたことから、検察や警察は他人へのなりすましを見抜けなかった。この日は初公判で、大阪地裁は刑事裁判を打ち切る公訴棄却の判決を言い渡した。地検は少女を大阪家裁に送致した。

 地検や府警などによると、少女は2月下旬、大阪市中央区のバーで現金入りの財布を盗んだとして緊急逮捕された。捜査員に女性名義のマイナンバーカードを示し、正確な生年月日も説明した。女性からはカードの盗難届が提出されていたが、府警は少女の供述と身分証の内容が一致することから、十分な人定捜査を実施しなかった。

 検察は3月、窃盗事件を巡る府警の捜査結果を踏まえ、この少女を20代女性として起訴。弁護人は起訴後に少女から紹介された知人とのやり取りで身元について不審に感じたため、本人に確認したところ、少女は自身の名前や年齢とともに実際はタイ国籍だと告白。弁護人は担当検事に身元に関する補充捜査を要請した。検察もこの間、詳細な身元確認を怠っていたとみられる。

 弁護人は取材に「少女は日本語を非常に流ちょうに話し、私も日本人だと思っていた。マイナンバーカードの入手先は分からないが、捜査当局は入念に身元確認をする必要があったのではないか」と語った。カードには女性の顔写真もあったが、少女は「顔が似ていた」と話していたという。

 地検の佐竹毅刑事部長は「再発防止に努める」と話し、府警の津川浩徳刑事総務課長は「身分証をうのみにした。緻密な捜査を尽くすべきだった」と語った。府警はなりすまされた女性に謝罪したことも明らかにした。【古川幸奈、三上健太郎、安元久美子】

-------(引用ここまで)----------------------------

「マイナンバーカードの入手先は分からない」とトボけていますが、
海外の犯罪組織の手に渡って悪用されていることは間違いありません。

マイナカードが本格的に運用されれば、こういった"なりすまし"により、
身に覚えのない罪に問われることが頻発するでしょう。

こんな物騒なものは、ただちに中止すべきです。


(関連情報)

「3万5千人分、紛失漏えい マイナンバー、過去5年間 (47 NEWS)」 (拙稿 2022/12/4)
http://www.asyura2.com/22/senkyo288/msg/847.html
http://www.asyura2.com/23/senkyo290/msg/187.html
記事 [政治・選挙・NHK290] アベノミクス失敗後の日本経済(植草一秀の『知られざる真実』)
アベノミクス失敗後の日本経済
http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2023/04/post-570450.html
2023年4月19日 植草一秀の『知られざる真実』

日本経済の停滞が続いている。

2012年12月に政権交代があり、第2次安倍内閣が発足した。

安倍内閣は金融緩和、財政出動、構造改革を訴え、日本経済を成長させると訴えた。

金融緩和、財政出動、構造改革を柱とする政策を安倍内閣はアベノミクスと呼んだ。

アベノミクスによって日本経済を成長させると意気込んだ。

経済成長によって経済活動の生み出す果実=パイが膨らむとした。

増大した果実が最終的に労働者の手元にまでしたたり落ちる「トリクルダウン」が唱えられた。

しかし、その目論見は失敗に終わった。

日本経済は成長せず、労働者の賃金所得は減少し続けた。

2013年1−3月期から2022年10−12月期までの実質GDP成長率(前期比年率)の単純平均値は0.8%。

2009年10−12月期から2012年10−12月期までの実質GDP成長率単純平均値は1.6%。

後者は民主党政権の時代である。

民主党政権時代に東日本大震災およびフクシマ原発事故が発生。

日本経済は闇に包まれていた。

この期間の成長率平均値が1.6%であったのに対し、アベノミクス始動以降、現在までの成長率平均値が0.8%である。

アベノミクス以降、日本の経済成長率は民主党政権時代から半減した。

文字通り、暗闇の日本経済が続いている。

このなかで、日本の労働者の実質賃金は減り続けた。

一人当たり実質賃金指数(現金給与総額)は2013年から2022年までの9年間に5.9%も減少した。


※拡大→http://img.asyura2.com/up/d14/13017.jpg

日本は世界最悪の実質賃金減少国である。

2012年から2017年までの5年間に法人企業の当期純利益は2.3倍に激増した。

アベノミクスで潤ったのは大企業利益だけだった。

経済全体が成長しないのに大企業利益だけが倍増した。

その背景は労働者への分配所得が減ったこと。

経済が成長しないのに、経済活動の果実の分配において資本の取り分を増やせば労働者の取り分は減る。

だから、労働者一人当たりの実質賃金が激減した。

安倍首相は「雇用が増えた」ことをアベノミクスの成果だと主張したが、増えたのは働く人の数だけだった。

労働者全体の分配所得が減ったなかで、その減った分配所得を分け合う人数だけが増えた。

その結果、一人当たりの実質賃金は激減した。

当然の結果であり、これを経済政策の成功事例とするわけにはいかない。

それでも、近いところでは2021年5月には一人当たり実質賃金が前年比で3.1%の増加を示した。

久しぶりに実質賃金前年比増加率が高まった。

ところが、本年1月の実質賃金前年比変化率はマイナス4.1%まで落ち込んだ。


消費税増税が実施されたわけでもないのに、実質賃金が激減してしまった。

最大の背景はインフレ亢進だ。

本年1月の消費者物価上昇率が前年同月比4.4%上昇を示した。

日本でも本格的なインフレが発生してしまった。

インフレは庶民にとって災厄でしかない。

インフレ分だけ実質賃金は目減りする。

虎の子の預金もインフレが生じるとインフレ分だけ目減りしてしまう。

インフレを喜ぶのは資本である。

インフレになれば給料を引き下げなくても実質賃金が減少する。

企業の負担は軽くなる。

インフレになればインフレ分だけ企業の借金は軽くなる。

つまり、インフレは資本に利益を供与し、労働者=消費者=生活者に苦しみを与える経済現象なのである。

したがって、日銀はインフレ抑止に軸足を置かねばならない。

ところが、日銀の黒田総裁は最後までインフレ率上昇を推進した。

その黒田日銀がようやく終焉し、植田日銀の政策運営が始まる。

今後の適切な経済政策運営が求められている。

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記事 [政治・選挙・NHK290] <衆院・山口2区>自民・岸信千世候補の「家系図」騒動は古い支援者の反感も招いた 衆参5補選 現地ルポ(日刊ゲンダイ)

【衆院・山口2区】自民・岸信千世候補の「家系図」騒動は古い支援者の反感も招いた 衆参5補選 現地ルポ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/321794
2023/04/20 日刊ゲンダイ


もはや“売り”は若さだけ(岸信千世氏=中央、再現地入りの下村博文元文科相=右)/(C)日刊ゲンダイ

【衆院・山口2区】

 岸 信千世31 自新
 平岡 秀夫69 無元

 ◇  ◇  ◇

 保守王国で与野党伯仲となっている衆院山口2区補選。下村博文元文科相は告示日に続き、13日に自民党の岸信千世候補の応援に現地入り。「優位ではない」と危機感をあらわにし、世襲批判に「これほど素晴らしい新人はいない」と反論した。その理由は安倍元首相も生前「(後継として)信千世さんのような人が欲しい」と語ったこと。2選挙区から白羽の矢が立つ“超大型世襲候補”と強調し、「総理大臣にもなる可能性がある」と絶賛していた。

 選挙区内の田布施町は岸信介、佐藤栄作両首相を輩出した地。地元有権者に「3人目の総理大臣を」と呼びかけた形だが、地元の旧佐藤派関係者は「東京で生まれ育った落下傘候補。地元を知らない」とこう酷評していた。

「象徴が例の家系図騒動。栄作さんの名前はあるのに、息子の信二元大臣は抜けていた。親子で地元に貢献してきたのに、『なぜ、ないんだ』と古い支援者は激怒し、『対立候補に票を入れる』と息巻く人もいる」

 唯一の売りは若さ。街宣後、白いジャンパー姿で握手して回る信千世には中年女性らが群がり、「ファンになりました」という掛け声も。もはや見た目で勝負するしかないのか。

「脱原発」一筋に支援の輪


平岡秀夫氏(中央)の応援には超党派が結集(共産党・宮本氏=左、立憲民主の菅元首相=右)/(C)日刊ゲンダイ

 一方、かつて2区で自民候補を4度破り、法相も務めた無所属の平岡秀夫候補の陣営には超党派の野党議員が結集。出発式には立憲の菅直人元首相や共産の宮本岳志衆院議員、れいわの大島九州男参院議員らがマイクを握り、「家系図で仕事をするのではない」「世襲の指定席をキャンセルさせよう」と気勢をあげた。

 幼稚舎から慶応のシティーボーイである信千世に対し、平岡は高校まで地元育ち。立憲の篠原孝元農水副大臣は「地元で育ってそうな田舎っぽい顔」と切り出し、「農産物も政治家も地産地消でないといけない」と続けた。そんな土着型の平岡は「脱原発」一筋。第一声でも選挙区内の上関町の原発建設計画に反対し、「福島のような事故が起きたら瀬戸内海は死の海になってしまう」と訴えた。

 その主張に電力労組を抱える連合山口が難色。古巣の立憲から公認や推薦を得られなかったが、共産は候補を取り下げ。「(支援の)幅が広がった。超党派議員プラス市民の理想的なスタートが切れた」(菅元首相)と、事実上の野党共闘を強調する。対照的な2人のどちらが選挙戦を制するのか。=敬称略

(ジャーナリスト・横田一)

http://www.asyura2.com/23/senkyo290/msg/189.html

記事 [政治・選挙・NHK290] <政界地獄耳>暴力に怒れる政治家、声なき国民の声を聴く耳持っているのか(日刊スポーツ)

【政界地獄耳】暴力に怒れる政治家、声なき国民の声を聴く耳持っているのか
https://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/202304190000113.html
2023年4月19日 日刊スポーツ

★15日、和歌山市で首相・岸田文雄の選挙演説会場に爆発物が投げ込まれた事件で首相は「政治家に対する暴力や襲撃は民主主義の根幹を揺るがす行為であり決して許してはならない」とし、各党幹部も厳しいコメントを発した。自民党幹事長・茂木敏充は「民主主義の根幹をなす選挙期間中に、このような暴挙が行われたことは極めて遺憾であり、強く非難する」。公明党代表・山口那津男は「政治家や候補者が有権者に訴える民主主義の最も基本的な働きを妨害するものであり、断じて許されない。暴挙にひるむことなく、選挙に対しては冷静に、しっかりと有権者への訴えを続けていきたい」とした。

★立憲民主党代表・泉健太は「まず岸田総理がご無事だったということで安堵(あんど)しています。政治活動の場において危害が加わりかねない重大な爆発事件があったというのは許されない」と同業者を心配した。いずれもその通りだ。異論はない。各党ともに民主主義への挑戦だとか暴力に屈しないとか威勢がいい。民主主義を守るために各政党は命を懸けて政治を続けていることだろう。だがこの10年余りの政治はその民主主義や立憲主義、わが国が戦後掲げた平和主義を政治生命を懸けて各党は守ってきただろうか。与野党ともに政治家はこれほどの勢いで国民に政治の暴挙を訴えていただろうか。

★和歌山の事案がだいぶわかってきた。容疑者は年齢などを理由に昨年7月の参院選に立候補できなかったのは不当だとして、国に損害賠償を求めて神戸地裁に提訴し、請求が棄却されていたことがわかった。出馬したかったということは、政治に対しても意見や不満があったのだろう。テロ行為や暴力を憎むとともに、丁寧な政治を心がけているか、声なき国民の声を聴く耳を持っているか。各党の怒りのコメントがむなしく響く。(K)※敬称略

http://www.asyura2.com/23/senkyo290/msg/190.html

記事 [政治・選挙・NHK290] 今さらなぜ? 小渕優子元経産相が「ポスト岸田」に浮上の謎…“ドリル優子”の印象が強烈なのに(日刊ゲンダイ)

今さらなぜ? 小渕優子元経産相が「ポスト岸田」に浮上の謎…“ドリル優子”の印象が強烈なのに
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/321878
2023/04/20 日刊ゲンダイ


応援弁士に引っ張りだこ(自民党の小渕優子衆院議員=左、参院大分補選・白坂亜紀氏の出陣式で)/(C)共同通信社

 自民党内で小渕優子組織運動本部長が存在感を高めている。統一地方選では応援弁士に引っ張りだこ。23日投開票の衆参補選でも、参院大分補選は6日の出陣式に駆けつけ、19日も激戦の千葉5区に入ってマイクを握った。

議連トップでじわり高まる存在感

 小渕氏はこのところ大きな議員連盟などのトップにも立て続けに就任している。13日に発足した温室効果ガスの排出ゼロを目指す「超党派カーボンニュートラルを実現する会」では共同代表。同日夜には、産学の有識者による「令和国民会議(令和臨調)」と連携する超党派会議が、小渕氏を筆頭代表世話人として立ち上がった。

「どちらも小渕議員をもり立てる舞台に見えます。2014年に女性初の経産相に就任した直後に“政治とカネ”の問題で失脚して以降、表舞台から遠ざかっていましたが、じわり復権しつつある。所属する茂木派(平成研究会)でも茂木会長より慕われて、次は党三役にと期待されています。酒席で人間関係を築くのがうまいんですよ。ただ、東京地検の家宅捜索前にハードディスクを電動ドリルで破壊した悪質さを有権者は忘れていない。岸田首相も小渕議員に目をかけているようですが、“ドリル優子”のイメージは強烈すぎて……」(自民党関係者)

首相も認める世界一の酒豪

 3月に韓国の尹大統領が来日した際も、小渕氏は存在感を示した。夕食会で酒杯を重ねた岸田首相は、「日本政界で酒が一番強いのではないか」と尹に言われ、「いや、小渕議員が一番強い」と答えたという。その翌日、日韓議連会長の菅前首相と尹が会談した席にも小渕氏の姿があった。

重鎮はみんなメロメロ


“ドリル優子”のイメージが捨てきれないが…(自民党の小渕優子組織運動本部長)/(C)日刊ゲンダイ

“ジジ殺し”でも知られる。党内基盤が弱い岸田首相が頼るのが、麻生副総裁や森喜朗元首相、青木幹雄元参院議員会長らの長老だ。森・青木コンビとは定期的に会食しているが、そこにも小渕氏が必ず同席している。

「小渕(恵三)総理を官房長官として支えた青木さんは、優子さんのことを娘のようにかわいがっていて、茂木派から小渕派に看板替えして優子さんを総理にすることが悲願なのです。麻生さんも優子さんを買っている。3月には地方紙のインタビューで、初の女性総裁候補として優子さんの名前を挙げていました。党の重鎮みんなメロメロなんですよ。“ポスト岸田”に最も近いのは、実は優子さんかもしれません」(平成研関係者)

 熱烈な支持者から“ポスト岸田”の最右翼と持ち上げられてきた高市経済安保相が、総務省文書の“捏造発言”と地元の奈良県知事選敗北で自滅。それを尻目に党内で存在感を増す小渕氏だが、初の女性総理候補もやはり世襲議員というのが自民党らしい話だ。

http://www.asyura2.com/23/senkyo290/msg/191.html

記事 [政治・選挙・NHK290] 衆院山口補選が告示 4区は壺議員勢揃いの吉田陣営vs統一教会問題問う有田芳生、2区の岸vs平岡は接戦に(長周新聞)
衆院山口補選が告示 4区は壺議員勢揃いの吉田陣営vs統一教会問題問う有田芳生、2区の岸vs平岡は接戦に
https://www.chosyu-journal.jp/yamaguchi/26363
2023年4月19日 長周新聞

 衆院山口2区、4区の補欠選挙が11日に告示された(23日投開票)。安倍晋三元首相が統一教会への怨念を発端にした銃撃事件によって死亡したことに伴いおこなわれる4区の補選には、安倍晋三の後継として元下関市議の吉田真次氏(38歳)が自民党公認候補(公明党推薦)として立候補したほか、ジャーナリストで元参議院議員の有田芳生氏(71歳)が立憲民主党公認で立候補しており、事実上の一騎打ちとなっている。


吉田陣営の出陣式。安倍昭恵を筆頭に、萩生田光一政調会長、下村博文元文科相、江島潔参議院など統一教会の関連議員が勢揃いした(11日、下関市海峡ゆめ広場)

 11日午前10時から、海峡ゆめ広場で出陣式を開いた吉田陣営には、前田晋太郎下関市長をはじめ自民・公明の下関市議会議員や山口県議会議員の一部が参加したほか、自民党本部からは萩生田光一政務調査会長、下村博文元政務調査会長、江島潔参議院議員など、統一教会との深い関係がとりざたされている清和会メンバーが壇上に並んだ。

 「38歳というのは安倍総理が国政の代表に立ったのと同じ歳。安倍総理はそれから総理大臣までなった。ということは吉田真次候補は総理候補を目指す有資格者。これから磨いていくべきダイヤモンドの原石」(江島潔参議院議員)、「圧勝することで安倍晋三の魂が吉田候補に乗り移る」(下村博文衆議院議員)、「吉田真次が国政に行くことが安倍晋三先生の思いをしっかりつないで新しいニッポンをつくる第一歩になる」(萩生田光一衆議院議員)などとして支援を呼びかけた。

 立憲民主党公認で出馬した有田芳生陣営は、下関駅前で出陣式を開き、統一教会問題、アベノミクスの検証、拉致問題の三つの争点を掲げて挑むことを訴え、「保守の皆さんも含めて、歪められてきた政治を正すことを願う多くの人々の気持ちを実現したい。山口4区から日本の新しい状況をつくり出そう」と呼びかけた【別掲】。「第三奇兵隊」と銘打って各地からボランティアを募り、草の根選挙を展開する。

 山口4区補選には、そのほかに政治家女子48党の渡部亜衣氏(37歳)、無所属で投資家の竹本秀之氏(67歳)、同じく無所属で元新聞社社員の大野頼子氏(49歳)が出馬している。

■山口4区 有田芳生の第一声


告示後、第一声をあげる有田芳生(11日、下関駅前)

 私の父と母は、20歳、21歳のときにこの下関で働き、1950年11月12日に今の長門市で結婚した。私は両親の出発点の地であり、私にとっての原点である山口4区で勝利のために徹底的にたたかう。

 私は今回の選挙のために「第三奇兵隊」を結成した。明治維新に向かう幕末期、山口県では、長州藩がたいへん厳しい状況に置かれていたときに、若き高杉晋作たちが志士、農民、商人など身分や職業の違いをこえた奇兵隊を結成し、この日本を変えていかなければならないという思いで、わずか80人ほどで決起し、萩の俗論政府とたたかって状況を転換させた。当初は無謀な戦いとみられていたが、志ある人たちが立ち上がり、この日本を大きく動かしたのだ。1年後には第二奇兵隊がつくられ、また被差別部落の方々は維新団という組織をつくって、みんなで新しい日本をつくろうと努力してきた。

 ところが維新回天の事業が成った後、奇兵隊は組織を解散させられた。私はそこから日本の変質が始まっていったと判断している。

 今回、山口4区から日本の政治を変えていくために第三奇兵隊を結成し、今日も昨日も人々がボランティアとして駆けつけて下さっている。

 作家の司馬遼太郎さんもいうように、山口県で「先生」といえば吉田松陰だ。その吉田松陰先生は、「草莽崛起(そうもうくっき)」を唱えた。名もなき一人一人の小さなものたちが志を持ち、その世の中を変えようという思いが重なることで日本は変わってきたし、これからも変えていくことができる。その思いで全力をあげてたたかう。

 争点の一つは、統一協会問題だ。極端な韓国ナショナリズム。世界はやがて韓国語に統一される、あるいは日本はサタン(悪魔)の国であるとまで書かれた「原理講論」という教理解説書を、教会信者たちは学び信じて、今も活動をしている。下関は、統一教会にとっての聖地だ。1941年4月1日、後に統一教会の教組となる青年(文鮮明)が、釜山から関釜連絡船に乗って下関に降り立った。だから、ここは聖地として今も多くの信者さんがいらっしゃる。

 だが極端な韓国ナショナリズムで、天皇陛下が文鮮明教祖にひざまづくような儀式までする教団と、どうして保守を名乗る日本の政治家が手を携えてやってくることができたのか――。こんな政治は今度こそやめさせなければならない。

 昨日、県議選がおこなわれ、三重県では文鮮明教祖の葬儀の実行委員になっていた現職県議が落選した。だが、全国的には統一教会と深いかかわりのある国会議員が、この山口県も含めて何もなかったかのように今も活動している。

 統一教会がなぜ国会議員に近づくのかといえば、政治の力を使って日本の政治を歪めるためだった。数日前にも報じられたが、1992年3月26日、統一教会の文鮮明教祖は日本に超法規的に入国した。1970年代から3回にわたり、「文教祖にビザを出してほしい」と統一教会は組織を挙げて政治家に働きかけたが、入管法五条――日本又は海外で一年以上の懲役を受けた者は入国できないという法規定があるため入国できなかった。ところが最後は、金丸信自民党副総裁(当時)の力によって法務行政を歪めて、文鮮明は日本に入ってきた。その日本の政治を歪めるという目的や、統一教会と政治の関係性は今も続いている。このような現実を4区の皆さんとともに変えていく契機にしたい。

 二つ目の争点は、皆さんの暮らしだ。10年前、安倍元総理は“アベノミクスによって10年後には国民の所得は150万円上がる”とくり返し語り、メディアは毎日朝から晩まで大絶賛キャンペーンを広げた。あれから10年で暮らしはどうなったか? 150万円上がるどころか、実質賃金も、平均賃金も下がり、G7の比較でも1997年の平均賃金を100として、米国は200をこえているが、日本だけが93・3だ。こんなことでは、年金も下がるなか、私たちは安心して暮らすことはできない。下関・長門だけでなく、全国を歩いてもシャッター通りが広がった。これがアベノミクスが残したものだ。

 だが下関・長門の地は、司馬遼太郎さんが書いているように、まろやかな自然、温和な気候、丁寧で正しい言葉遣いの住民の皆さん、優しさ、そして武家の気品が地熱のように今も続いている。この地において観光産業を含め各種とりくみを住民の皆さんとともに新しい政策に練り上げ、実行していくことができれば、必ず新たな展望を切り開くことができる。

 三つ目の争点である拉致問題については、結論のみお伝えする。2002年9月17日、小泉純一郎総理が訪朝し、北朝鮮の最高指導者は日本人を拉致したことを認めた。今、政府認定拉致被害者は、横田めぐみさんをはじめ17人。安倍元総理が「内閣の最重要課題」といい続け、菅政権、岸田政権まで維持されている方針は「すべての拉致被害者の即時一括帰国」だ。だが外交交渉の常識として、要求が100%すぐに実現することはあり得ない。02年に5人の拉致被害者が帰国して以降、議員が胸にブルーリボンを付けるだけで交渉は影を潜め、1人も被害者をとり戻せていない。

 2014年、日朝ストックホルム合意があり、北朝鮮側は、日本政府が認定する拉致被害者である田中実さん、金田龍光さんが北朝鮮で生きているということを日本政府に通告したが、このとき安倍元総理は報告書を突き返した。あれからもう7年だ。田中さんは今どうなっているかもわからない。私の調査では結婚相手は日本人であり、もしかすると拉致被害者かもしれない。本人に会って帰国の意志や家族のことも含めて聞きとり、1人からでも取り戻すという方針に転換しなければ交渉は前には進まない。

 今日から12日間の選挙戦が始まる。“保守王国での無謀な挑戦”といわれるが、果たしてそうだろうか? 私は今回立憲民主党から出ているが、この選挙は、保守か、リベラルかの対決ではない。日本のよき伝統・文化、新しい暮らしを立場や政党をこえて実現するのが保守の核心だと私は思う。この選挙は、保守の方々の、よりよい日本をつくっていきたいと願う人たちの気持ちを実現するものにしたい。

 高杉晋作は辞世の句で「おもしろきこともなき世をおもしろく」とうたった。毎日の生活は苦しい状況が続いているが、諦めることなく、黙することなく、皆さんと一緒に山口4区から日本を変えていきたい。

■山口2区 岸信千世vs平岡秀夫

 山口2区では辞職した岸信夫前防衛大臣の長男・岸信千世(31歳)が自民党公認候補として出馬し、無所属で立候補した元法務大臣の平岡秀夫(69歳)との一騎打ちとなっている。

 16日、岩国市内のスーパーマーケット前で街頭演説をおこなった岸陣営は、福田良彦岩国市長をはじめ市議らがマイクを握った。福田市長は岸信千世候補について「政治界のホープ」「安倍総理、岸さんを近くにお持ちの方」とし、「私たちも多くの期待を寄せている」と持ち上げた。また、桑原敏幸岩国市議(元議長)は対抗馬の平岡秀夫候補について「岩国大竹道路は本来なら平成18年に完成している予定だが、彼が横槍を入れたためいまだに遅れている」「光市の女児殺人事件のときに、むごたらしいことをした犯人について“加害者にも人権がある”というつまらんことをいった」などとネガティブキャンペーンを展開し、岸信千世候補について「2世がどうこういわれるが、すばらしい2世だ」「岩国市は国防に一番協力している街だ。道路や河川、学校や病院にすべて補助金が入っている。給食がタダになったのも信千世君のお父さんたちのおかげだ」と訴えた。


街頭で支持を訴える岸信千世と福田良彦岩国市長(16日、岩国市)

 岸信千世候補は、「岩国市は基地を抱え、国の安全保障上非常に重要な地域だ。基地関連の振興策として再編交付金も国が重要視している。一方、騒音や安心安全の課題に細心の注意が必要」「県内では中山間地域の人口減少、過疎化により経済、雇用、教育などに影響が出ている。自民党はこの対策に力を入れている」「私は31歳と若く、大変厳しい状況だ。この若さを強みに変えて頑張る。30代だからこそ同世代の声を聞きやすいかもしれない。国策の課題に長期的にとりくめるかもしれない」と訴えていた。

 対する平岡陣営も同日、岩国市民文化会館で個人演説会をおこなった。以下、演説の内容を紹介する。

基地、原発問題は中心争点  平岡秀夫の訴え


無所属で出馬した平岡秀夫(16日)

 私は3月に出馬の打診を受けた。「私に出る資格があるのか」とも思ったが、今の政治のままでは日本が危うい方向に行ってしまう。これまでの経験を活かすなら山口2区のみなさんの思いを一手に引き受けることが許されるのではないかと思い、完全無所属で立候補を決めた。

 完全無所属では法律上、公営掲示板のポスター以外は他の候補のように街中にポスターを貼れない。また、届け出政党がないため選挙には1台しか車を使えない。本来4万枚刷ることができるチラシも無所属は出せない。政見放送もない。そのような立場だが、私は決断した。

 今、政治のありようが歪められている。政策を決める手続きがおかしい。私は種子法廃止は憲法違反であるという訴訟をやっている。種子法廃止は国民の食料の権利を侵害するものだ。憲法には、食料の権利は書かれていないが「健康で文化的な最低限度の生活」のなかに食料が含まれていないはずがない。また、本来農業に関する重要な政策は、農政審議会で審議して法案になり、国会で審議される。しかし種子法廃止をめぐってはいっさい農政審議会を通さないかわりに、「規制改革会議」にかけられた。また、国会審議するさいに野党議員がなぜ種子法を廃止しなければならないのか、そのための情報提供を政府与党に求めたが、情報がまったく出てこない。国会審議も非常に短く強行採決した。

 もうひとつの問題は「敵基地攻撃能力保有」についてだ。政府の一部の人たちが、先にアメリカと手を握って十分な国会審議もないままに国民に押しつけようとしている。民主主義を無視したこんなやり方では、私たちがよく知らないままに危険な状況に巻き込まれてしまう。この山口2区の住民が大きな危険や損失を受けるかも知れない。

 私は、5つの政策をあげている。

 1、岩国の米軍基地、自衛隊基地に象徴される安全保障政策の問題
 2、上関原発計画に象徴されるエネルギー政策の問題
 3、山口2区から選出されていた国会議員が関わってきた統一教会問題
 4、世襲政治の問題
 5、山口2区には山間部も島嶼部もあるなかで、地方の過疎化や衰退の問題

 こうした問題はすべて、全国の課題と直結している。

 安倍首相の時代に安保法制問題があり、集団的自衛権の一部が行使可能になった。そしてこれを米国との関係のなかで行使する危険性がある。台湾有事が考えられるなかで、台湾が独立するとなると中国が「台湾は中国の一部だ」ということで武力で防ごうとする。

 日本は、中国と国交正常化するさいに台湾が中国の一部であるということを認めている。しかし、アメリカが中国と台湾の間に介入し、アメリカ側から日本に協力を要請されれば、今の日米関係では断れない。日本が敵基地を攻撃するということが仮におこなわれたら、中国から最初に狙われるのは極東最大の航空基地である岩国だ。第二次世界大戦終戦前夜に、岩国駅前空襲で多くの人々が亡くなったのと同じようなことが起きるかもしれない。そのような危険性があるにもかかわらず、政府は一言でも岩国の人々に敵基地攻撃能力の保有について説明しただろうか。

 こういう政府の物事の進め方はまったく民主主義に反している。さらにいえば、日本には憲法九条があり、国際的な紛争を武力による威嚇によって解決しないと世界に宣言している。日本がアメリカと中国の間に立って、武力衝突しないよう努力することこそ本来の道筋ではないか。

 中国は日本にとって世界第1位の貿易相手国だ。日本がアメリカ側に立って中国に対して武力行使したら、年間50兆円ある中国への輸出はすべてなくなり、日本経済にとって大打撃だ。自衛隊員にも被害が及ぶし、基地周辺の住民にも被害が及ぶ。それを考えたら、絶対に戦争だけはしてはいけない。だが政府はそういった外交的努力をせず、「抑止力を」「敵基地攻撃能力を」といい、政府としての説明もなく兵器購入も進める。

 政府は防衛軍事費を倍にするといっており、財源確保のための特別措置法が国会で審議されようとしている。いろんなところからかき集めて基金を創り防衛力を高めるというが、そのお金はアメリカの軍需産業へと流れる。防衛費は対前年度比26・3%も増えているのに対し、子ども家庭庁の予算は2・6%しか増えていない。農林水産業費はマイナス0・4%、経済産業省の予算はマイナス2・4%だ。今日本が抱えている課題克服のために必要なお金が足りていない。このことについてもっと声を上げていかないといけない。

 「日本の政治の課題」といわれると他人事のように聞こえてしまい「誰かがやってくれる」と思うかも知れない。だが、この山口2区には日本の政治の課題が縮図のように詰まっている。この山口2区の政治の課題や問題について、「今のままではいけない」とみなさんが表明することが、日本の政治を変えることに繋がる。

http://www.asyura2.com/23/senkyo290/msg/192.html

記事 [政治・選挙・NHK290] <衆院・和歌山1区>ガチガチの保守王国でも自民は危機感 関西制覇に向け“維新旋風”吹くか 衆参5補選 現地ルポ (日刊ゲンダイ)

【衆院・和歌山1区】ガチガチの保守王国でも自民は危機感 関西制覇に向け“維新旋風”吹くか 衆参5補選 現地ルポ
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/321881
2023/04/20 日刊ゲンダイ


難敵だった岸本周平和歌山県知事からも支援を取り付けたが…(衆院和歌山1区補選・自民党の門博文氏)/(C)日刊ゲンダイ

【衆院・和歌山1区】

 門 博文57 自元
 林 佑美41 維新
 国重 秀明62 共新
 山本 貴平48 政女新

 ◇  ◇  ◇

自民が組織力で圧倒も候補者は人気薄

「こちらが追う立場と考えた方がいい」──。19日、和歌山市内でマイクを握った自民党の茂木幹事長はそう語った。維新に自民の牙城を突破されかねない危機感の表れだ。

 門候補は和歌山1区で衆院議員時代の岸本周平和歌山県知事に4連敗。今回は難敵岸本氏が去り、岸本氏からの支援も取り付け、「楽勝」と思いきや、そうではない。現地で取材すると門氏の評判はすこぶる悪い。

「路チュースキャンダルの人」「前回、比例復活もできなかった落ち目の人がなぜ、候補に?」「門さんやなかったら楽勝やった」

 門氏は街頭にはあまり出ず、地元の有力者や支持者へ挨拶回りが中心。演説はもっぱら大物依存だ。爆発事件があった日の岸田首相以降も、茂木幹事長の他に菅前首相が応援に入った。20日は萩生田政調会長が和歌山入りする。

 自民党のある支援者は「門さんはピンで演説せーへんくせに、大物ばかり呼ぶ。動員するのにヘトヘトや」と愚痴った。動員疲れからなのか、茂木幹事長の演説に集まった聴衆は100人未満だった。

 維新は奈良県知事選を制した勢いに乗り、保守王国和歌山でも足場を築きたい。「何が何でも勝ちたい」(選対関係者)と鼻息が荒い。

 選挙区内の工場や店の前には、門氏のポスターがベタベタ貼られており、さながら「門の街」だった。

維新「林さんの名前は浸透していない」


日本維新の会は「何が何でも勝ちたい」が、知名度不足は否めず…(衆院和歌山1区補選・同党の林佑美氏)/(C)日刊ゲンダイ

 一方、林候補のポスターは掲示板以外ほとんど見なかった。組織力が脆弱な維新は大きな風が吹かなければ、勝ち目はない。

 林氏は3人の子どもを持つ母親。昨年8月の和歌山市議補選で自民候補を抑えてトップ当選した。18日午後の県庁前と19日夕方の和歌山駅前の演説会では身を切る改革や子育て支援を訴えた。足を止める人はほとんどいなかった。

「15日の吉村大阪府知事の和歌山駅前の演説には200人が集まりましたが、林さんの名前は浸透していない。大阪へ通勤する有権者も多く、若者の無党派層は維新になびきつつあるが、全体としては大きな風にはなっていない」(地元メディア関係者)

 若者はともかく、高齢者は維新に対して抵抗があるようだ。林氏の演説を聞いていた高齢男性は「和歌山にとって、維新がええのか悪いのか、ようわかりませんわ」とつぶやいた。

「高齢者を中心に、門さんにはウンザリだけど、『やっぱり自民』という有権者も少なくないのではないか」(前出のメディア関係者)

 最終日までに吉村知事が再度、和歌山入りし、票の掘り起こしを狙う。メディアの調査では「林優位」が多くなっているが、投票箱を開けてみるまで分からない。 =敬称略

http://www.asyura2.com/23/senkyo290/msg/193.html

記事 [政治・選挙・NHK290] 仲介役を担わない日本 なぜウクライナ和平に動かないのか 日本外交と政治の正体(日刊ゲンダイ)

仲介役を担わない日本 なぜウクライナ和平に動かないのか 日本外交と政治の正体
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/321889
2023/04/20 日刊ゲンダイ ※後段文字起こし


他国の動きとは違う岸田首相(トルコのエルドアン大統領=中上、ブラジルのルカ大統領=中下、中国の習近平国家主席とマクロン仏大統領=右)/(C)ロイター

 日本は9条を含む憲法を持つ。多くの国民は、日本は平和を追求する国と思っている。だが、国際問題が軍事紛争に発展した時、日本は平和的解決を目指す先頭を切っているのであろうか。

 2022年11月10日付のニューヨーク・タイムズ紙は「米国トップの将軍はウクライナでの(和平)外交を呼びかけ 他方バイデンの助言者たちは抵抗」と題した記事を掲載。「彼(ミリー米国統合参謀本部議長)は、部内会議で、『冬になる前、ウクライナ側は取りうるものをとったのだから、これを基礎に交渉のテーブルに着くべきだ』と主張した」と報じた。

 ウクライナの著名ウェブ紙「ウクラインスカ・プラウダ」は23年2月16日、「ミリー将軍:戦争は交渉のテーブルで終わる。ロシアもウクライナも(軍事力で)目標は達することができない」と報じていた。

 もはやウクライナはロシア軍を完全撤退させることはできない。一方、ロシア軍もまたウクライナ全土は当然として、首都の制圧もできない。

 双方とも軍事力で目標は達成できない。

 こうした中で、国際社会の中に和平を求める動きが出ている。

 トルコのエルドアン大統領は1月、「ウクライナ戦争の和平への取り組みは、停戦と『公正な解決のためのビジョン』によって支えられるべきだ」と述べ、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談。「ロシアとウクライナ間の持続的平和の実現に向け、仲介と調整を引き受ける用意がある」と伝えた。

 ブラジルのルラ大統領も、ロシアとウクライナの間の和平交渉を仲介するために、中国、インド、インドネシアを含む国のグループの創設を提案し、アモリン元外相をモスクワに訪問させている。

 中国は2月24日、停戦や和平交渉の再開など12項目からなる「ウクライナ危機の政治的解決に関する中国の立場」と題する文書を公開し、4月にはマクロン仏大統領が中国を訪問し、中仏共同声明を発出した。

 ここでは「中仏は国際法および国連憲章の原則に基づき、ウクライナの平和を回復するためのあらゆる取り組みを支持」と記載している。

 日本はこうした和平交渉の仲介役を担うための動きをしていない。

 第2次大戦後、日本は二度と戦争しない決意をした。本来は和平を促す国々の中に名を連ねているべきだろう。


孫崎享 外交評論家

1943年、旧満州生まれ。東大法学部在学中に外務公務員上級職甲種試験(外交官採用試験)に合格。66年外務省入省。英国や米国、ソ連、イラク勤務などを経て、国際情報局長、駐イラン大使、防衛大教授を歴任。93年、「日本外交 現場からの証言――握手と微笑とイエスでいいか」で山本七平賞を受賞。「日米同盟の正体」「戦後史の正体」「小説外務省―尖閣問題の正体」など著書多数。

http://www.asyura2.com/23/senkyo290/msg/194.html

記事 [政治・選挙・NHK290] 何度も言うが、この選挙結果は極めて重要 国の行方を左右する衆参補選・激戦選挙区の攻防(日刊ゲンダイ)

※2023年4月20日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大


※紙面抜粋


※2023年4月20日 日刊ゲンダイ

※文字起こし


“お墨付き”を与えていいのか。パフォーマンスに惑わされてはならない(衆院千葉5区補選の応援入りした岸田首相=右)/(C)日刊ゲンダイ

 4月23日に投開票される、衆参5つの補欠選挙は、予想を超える大接戦となっている。

 自民党は勝敗ラインを「3勝2敗」としているが、「全勝」しても、逆に「全敗」してもおかしくない状況だ。自民党が優勢に選挙戦を進めているのは、せいぜい安倍元首相の“弔い合戦”となっている衆院山口4区くらいのもの。その山口4区も“波乱”の目が残されている状況である。

「すべての選挙区が接戦というのは、これまで経験がない。情勢調査を見ても、調査によってどちらの候補が強いのかバラバラです」(自民党関係者)

 補欠選挙が行われているのは、衆院では千葉5区、和歌山1区、山口2区、4区、そして参院大分の5つだ。いずれも接戦だが、自民党に“追い風”が吹きつつある。ここにきて岸田内閣の支持率が上昇しているのだ。岸田首相が襲撃されたことが、選挙にはプラスに働く可能性がある。

 読売新聞の調査では、支持47%、不支持37%と、7カ月ぶりに支持が不支持を上回った。支持は前回から5ポイントアップ、不支持は6ポイント下がった。調査は14〜16日にかけて行われた。注目は、襲撃事件があった15日を境に“支持”が増えていることだ。事件前の支持は4割台の前半だったのに、事件後は5割に上がったという。

 5補選について、政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう言う。

「山口2区と山口4区が接戦というのは、従来では考えられないことです。有権者の意識が変わりはじめている可能性がある。山口2区から出馬した自民候補の岸信千世は、名門・岸家の3代目です。地盤・看板・カバンが揃い、圧勝して当然のはず。でも、有権者は、これまで当たり前だった“世襲”に疑問を持ちはじめているのでしょう。弔い合戦である山口4区が競っているというのも驚きです。有権者は『この国はいままで通りでいいのだろうか』と考えはじめているのだと思う。ただ、自民党の権力に対する執念はハンパじゃない。これまでも接戦の選挙を何度となく制している。残り3日間、あらゆる手段を使ってくるはずです」

山口2区で大金星も

 具体的に選挙戦はどうなっているのか──。野党陣営が絶対に落とせないのが、参院大分と、千葉5区だ。とくに千葉5区は野党の真価が問われる。自民党の現職議員が「政治とカネ」で辞職したために実施される補選だからだ。

 千葉5区は野党候補が乱立したため、当初“自民圧勝”が予想されたが、立憲候補が自民候補と並んでいる。

「やはり“政治とカネ”に対する有権者のアレルギーは強いのでしょう。立憲候補の矢崎堅太郎が、『自民が勝てば“政治とカネ”の問題はなかったことになってしまう』と街頭で訴えると、聴衆がうなずき、拍手が沸き起こる。もともと地元県議だから知名度もあります。一方、自民の英利アルフィヤは、元国連職員でタマとしては悪くないが落下傘で知名度がない。前回の参院選の時も、全国比例で出馬したが落選しています」(地元政界関係者)

 もし、野党が勝てば大金星になるのが、山口2区だ。旧民主党政権時代に法相を務めた無所属の平岡秀夫が、自民の岸信千世を猛追している。

 信千世が幼稚舎から慶応に通い、地元のことを知らないのに対し、平岡は山口2区で当選5回を重ねている。さすがに、心ある有権者は、信千世が出馬表明した直後、いきなり公式HPに曽祖父の岸信介や、伯父の安倍晋三らの名前を書いた家系図を掲載し、“世襲アピール”したことに強い拒否反応を持っているようだ。

 はたして、権力への執着が強い自民党が勝つのか、それとも有権者が「この国はこのままではダメだ」と立ち上がるのか。

“お墨付き”を与えたら終わりだ

 この5つの補選が国民にとって極めて重要な選挙になるのは間違いない。自民を勝たせるか、それとも自民を敗北させるかで、この国の未来は大きく変わってくるからだ。

 もし、自民党を勝たせたら、岸田は“お墨付きを得た”とばかりに「軍拡」「増税」「原発稼働」を一気に進めてくるに違いない。しかも、今回のチャンスを逃したら、民意を示す機会はしばらく来ない可能性がある。

 広島サミット後の「会期末解散」説が浮上しているが、その一方、岸田周辺で囁かれているのが、このまま解散せず来秋の自民党総裁選で“無投票再選”されるというシナリオだ。

「岸田首相の“解散戦略”は、当然、来年9月に行われる自民党総裁選とリンクしています。いつ解散すれば、総裁再選に有利かを計算している。でも、首相周辺からは“いまの状況なら無理に解散しなくても、総裁選で無投票再選されるのではないか”という見方が出ています。総裁選で岸田首相に挑戦できそうな『ポスト岸田』が不在だからです」(政界関係者)

 確かに「ポスト岸田」は見当たらない。前回総裁選に出た候補者は軒並み沈んでいる。高市経済安保担当相は「捏造発言」と奈良県知事選の保守分裂で、「次の首相」の目はほぼ消えた。河野デジタル担当相は相変わらず永田町で孤立。野田聖子前少子化相は、推薦人確保にさえ苦しんでいるレベルである。

 もともと、岸田は、昨年の参院選で勝利したら、衆院議員の任期満了の25年まで、政権選択選挙の衆院選も参院選も実施されない「黄金の3年間」を手に入れるとされてきた。この先、丸2年間、国政選挙は行われない可能性があるということだ。政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。

「今回の選挙は重大な分岐点と言えるでしょう。ここで自民党が勝てば、岸田首相は軍拡増税や、原発回帰を加速させるに違いありません。逆に、大負けすることになれば、岸田首相は一気に窮地に追い込まれる。暴走にストップをかけることになります」

投票率が上がれば野党に勝機

 選挙前にアメをバラまき、選挙に勝ったら「信を得た」と悪政を加速させるのは、自民党政権の常套手段だ。

 安倍元首相は14年に「アベノミクス解散」と意味不明な理由で解散総選挙し、衆院選で過半数を維持すると、安保法制を強行採決し、九州電力の川内原発の再稼働を進めた。当時は集団的自衛権の行使容認の閣議決定などで批判を浴びていたが、ほとんど“リセット”されてしまった。

 17年は、大炎上していたモリカケ疑惑を吹き飛ばすため、北朝鮮の脅威をあおって「国難突破解散」に踏み切って勝利し、その後、一部専門職を労働時間規制の対象から外す「高度プロフェッショナル制度」創設を盛り込んだ悪評ふんぷんの「働き方改革関連法」の成立を強行させている。岸田も衆参5補選で勝てば、確実に悪政を推進するはずだ。

 国民はよく考えて投票すべきだろう。

「衆参5補選で勝敗を分けるポイントは、投票率でしょう。30%程度に落ち込めば、組織票がある自民の勝利は堅い。50%に近づく投票率になると、野党勝利の可能性が高まる。内閣支持率が上がっているとはいえ、個々の政策への『反対』の声は大きい。野党は死に物狂いで国民に訴えかけ、投票率アップを図るべき。存在意義がかかっている状況と言えます」(本澤二郎氏)

 国民は、今回の選挙の重要性を肝に銘じるべきだろう。

http://www.asyura2.com/23/senkyo290/msg/195.html

   

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