“関税男”ことトランプ大統領がインフレを助長、不況下の物価高が深刻になってきた 経済ニュースの核心(日刊ゲンダイ)
http://www.asyura2.com/23/hasan136/msg/523.html
http://www.asyura2.com/24/senkyo296/msg/710.html

※2025年2月27日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大 文字お越し

※紙面抜粋

※2025年2月27日 日刊ゲンダイ2面

露骨なロシアびいきのトランプ米大統領に右往左往、何をいまさらだ(C)日刊ゲンダイ
露骨なロシアびいきを隠そうともしないトランプ大統領に、日本のメディアは「欧米に亀裂」と大騒ぎだが、何をいまさらだ。関税も含めて、右往左往の官邸・外務省の見方は大甘だったことになる。
改めて問われる、トランプを神のごとくあがめた首相の見識。
◇ ◇ ◇
予想通りの展開ではないか。
ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから3年の節目となった24日、国連安全保障理事会(15カ国)は米国が提出した「紛争の迅速な終結」を求める決議を10カ国の賛成多数で採択。しかし、決議は「侵略」や「全面侵攻」といったロシアを非難する言葉が抜け落ちたことから、米ロが共に賛成した一方、英仏など欧州5カ国は棄権した。ウクライナ支持を打ち出してきたバイデン前政権からトランプ大統領に代わったことで、米国の態度はガラリと変化した格好だ。
安保理に先立って開催された国連総会(193カ国)の特別会合は、ウクライナとEU加盟国が主導した「ウクライナ領土の保全」と「戦闘停止」を求める決議を採択。日本を含む93カ国が賛成したが、米ロなど18カ国が反対し、中国など65カ国が棄権した。
その一方、米国はロシアへの配慮から「侵略」という言葉を使わない独自案を提出。こちらは、採決前に欧州側が文言の修正を提案し、「侵攻」や「ウクライナ領土の保全」が書き加えられた修正案が採択された。ところが、米国の国連臨時代理大使は「我々の狙いから遠ざかってしまう」と指摘。結局、提出者の米国自身が棄権する展開となってしまった。
同日にオンライン形式で行われたG7の首脳会議も、ロシアを非難する表現で調整が難航。侵攻から1年、2年に合わせたG7首脳の会議では、終了後すぐに首脳声明が発表されたのに、今回は出てこない状態が続いている。やはり、米国が「侵略」という文言を入れることに反対したのだという。
プーチン大統領とは蜜月
これに、日本の大メディアは大騒ぎ。露骨なロシアびいきを隠そうともしないトランプに、「欧米に亀裂」「米ロが接近」「亀裂鮮明」などと報じている。しかし、何を今さら、ではないか。トランプとプーチンが「蜜月」関係にあることは、誰もが知っていることだ。
昨年の米大統領選前には、トランプ本人が「ご存じのとおり、私はプーチン大統領とも非常に良好な関係を築いている。我々が勝利すれば、この問題を非常に迅速に解決できると思う」と言っていたほどだ。
決定的なのは、トランプが初当選した2016年大統領選で浮上した、ロシアによる選挙への介入疑惑だ。いわゆる「ロシア疑惑」で、トランプとプーチンの蜜月ぶりが垣間見えた。
例えば、トランプの長男が選挙前、ライバル候補の民主党のヒラリー・クリントン元国務長官に打撃となる情報を持ちかけたロシア人弁護士と面会していた。また、民主党全国委員会のコンピューターがサイバー攻撃を受け、電子メールが流出。ヒラリー陣営に大ダメージとなり、結果的にトランプを利する形になったが、背景にロシアの存在があったことも分かっている。
「トランプを支援」ホワイトハウスに寄せられた重大情報

トランプ米大統領(右)に向き合ったマクロン仏大統領(C)ロイター
この問題を巡っては、国際ジャーナリストの春名幹男氏の著書「世界を変えたスパイたち ソ連崩壊とプーチン報復の真相」(朝日新聞出版)に衝撃的な記述がある。
16年大統領選の約3カ月前の同年8月、米情報機関CIAからホワイトハウスに、ある内容を記した「アイズオンリー」(閲覧して返却する機密性の高い)文書が届いた。その中身は、@プーチン大統領は米大統領選への介入を自ら指示した。サイバー攻撃で混乱を起こして、選挙に対する信頼性を失わせるよう命じたAプーチン大統領の目標は民主党候補、ヒラリー・クリントン前国務長官を打倒するか、ダメージを与えて、トランプ候補の当選を支援すること──、という2点である。米紙ワシントン・ポストがスクープしたという。
この重大なCIA情報は、クレムリン(ロシア大統領府)の中枢に潜む米国側のスパイからもたらされた。プーチンの机上にあった文書をのぞき見るなどして得た情報をCIAに通報したようだ。
NATO(北大西洋条約機構)の拡大を阻止したいプーチンとしては、「NATO脱退」を示唆するトランプに大統領になってもらった方が好都合というわけだ。
「民主党全国委員会へのサイバー攻撃以上に威力を発揮したのが、SNS工作です。虚偽の陰謀説をSNSに書き込み、大量に拡散する、一種のプロパガンダです。ロシアは米大統領選の2年前の14年から工作を開始。女性工作員2人が米国に入り、多数のSNSアカウントを立ち上げ、『ドナルドはテロの打倒を求める。ヒラリーはテロのスポンサーだ』といった偽情報を流し続けたのです。主導したのは『インターネット・リサーチ・エージェンシー(IRA)』という工作機関。創設者は、ロシアの民間軍事会社ワグネルを設立し『プーチンの料理人』の異名をとった故エフゲニー・プリゴジン氏です。IRAが設けた20のフェイスブックのページは3900万の『いいね』、3100万の『シェア』が付き、約1億2600万人に届いたといわれます」(春名幹男氏)
事実上の“選挙支援”を受けていたトランプが、プーチンに配慮するのは当然の流れだろう。
石破首相で「ディール」に勝てるのか
要するに、今回の国連安保理や国連総会での決議を巡り、米ロが接近したのは当たり前の展開というわけだ。分かり切っていたはずなのに、大騒ぎの大メディアはどうかしているが、さらに情けないのは石破政権だ。
石破首相は表向き「いまだにロシアによる侵略が継続していることを改めて非難し、戦いを継続しているウクライナの勇気に心から敬意を表したい」と言ったが、内心は大慌て。右往左往しているようだ。
26日の朝日新聞によると、G7首脳会議の首脳声明の取りまとめが難航していることに、外務省幹部は「どうなっているのか分からない」と困惑。国連安保理での関連決議が「米中ロ」対「欧州」という結果になったことに、外務省内から「これまで聞いたことがない構図」と驚きの声が漏れているという。
石破は今月7日の日米首脳会談に向け、官房長官以下、政権幹部らが集まって「トランプ対策会議」を連日開いていたとされる。なのに、今回の一件は読み切れなかったというのか。まるでお笑いである。
元外務省国際情報局長の孫崎享氏はこう言う。
「石破首相は本来、ウクライナ問題についてトランプ氏の本音がどこにあるかを探るべきでした。ところが、トランプ氏に嫌われないためにはどうすればいいか、ということで頭がいっぱいだったのでしょう。ほとんど探れなかったから、今回、右往左往しているのだと思います。関税の問題にしても、今さら鉄鋼・アルミニウム製品への25%の追加関税の対象から日本を除外するよう求めていますが、遅きに失している。見立てが甘すぎたのではないか」
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)が言う。
「トランプ氏のもとで『世界の警察』でなくなった米国とは、多くの国が一線を引いて向き合っています。代表的なのはフランスです。24日にマクロン大統領がワシントンに乗り込み、『我々が望む平和は、ウクライナの降伏を意味するものであってはならない』とトランプ氏に釘を刺した。ところが、石破首相は『神様から選ばれた人物』と、あがめる始末。これでは、今後足元を見られ、トランプ流のディールで日本はむちゃを言われかねません」
こんな調子では先が思いやられる。
http://www.asyura2.com/24/senkyo296/msg/711.html
子ども家庭庁「解体論」の必然…25年度予算は農水省の約3倍も、AIシステム導入断念で血税10億円がパー
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/368496
2025/03/03 日刊ゲンダイ

何のために存在?(C)日刊ゲンダイ
これでは「解体論」が浮上するのも無理はないだろう。
子ども家庭庁が児童相談所(児相)の職員を補助する目的で検討してきたAI(人工知能)を利用したシステムの導入を見送ると読売新聞が報じた。
虐待が疑われる児童を児相に一時保護する際、最終判断を下す職員を補助する役割を期待したものの、AIは虐待の判断になじまず、実用化が難しいと判断したという。
近年、注目されている生成AIを巡っても、利用者が適切かつ正確な回答を得るためにはプロンプト(質問や指示)が重要だ。その意味では、家族関係や家庭環境など背景が多岐にわたる虐待などの複雑な課題に関する利用については慎重さが求められるのは言うまでもない。
現場や職員の誤った判断を避けるためにも導入見送りはやむを得ないとはいえ、2021年度から進めてきた開発費は約10億円。多額の血税支出の観点から言えば、もう少し早い時点で判断できなかったのだろうか。
血税をズルズルと無駄遣いするのは止めてほしいというのが庶民の願い
子ども家庭庁は設立当初から、文部科学省と厚生労働省のどちらにも所管が関係するのではないか——として、「無駄な省庁」という声が少なくない。衆院予算委分科会でも野党議員から同庁に対する「解体論」が浮上していることが指摘されていたが無理もないだろう。
「令和のコメ騒動」に揺れる農林水産省の2025年度の予算が約2.3兆円に対し、子ども家庭庁は約3倍の同約7.3兆円だ。莫大な税金が計上されても「何をやっているのか分からない」「新規事業に着手したけれど失敗でした。苦笑」では済まされないのは言うまでもない。
三原じゅん子大臣(60)は2月下旬の会見で、「こども家庭庁に対し、厳しいご指摘があることも重々承知をしている」としつつも、「少子化対策は、その効果が現れるまでに一定の時間を要するものであり、1、2年で効果が出るものではない」と説明。「来年度から本格実施する加速化プランを着実に実施しつつ、政府全体で粘り強く取り組んでいくことが必要不可欠。こども家庭庁が今後も司令塔となって取り組んでいきたい」と言っていたが、少なくとも、この10年以上を振り返れば、自民党が政権与党の座についていたのではないか。
とにかく血税をズルズルと無駄遣いするのは止めてほしいというのが庶民の願いだ。
◇ ◇ ◇
少子化が進む日本。●関連記事【もっと読む】で《出生数70万人割れ目前…想定より15年早く少子化が進んだ一因に自民党の「子ども手当」潰し》【さらに読む】で《「高額療養費」見直しは不妊治療・出産にも悪影響…負担上限引き上げなら少子化加速は必至》を取り上げている。
http://www.asyura2.com/24/senkyo296/msg/712.html
https://www.asahi.com/articles/AST3315C8T33ULFA00VM.html?iref=pc_politics_top
「辻元氏、それはよく言われる慢心」・・・でないかい?
立憲民主党の方針は「現実路線」と言いながら、足下の現実に目を背けるのはいかがなものか。
「埋没」とは、有権者の心に響く、分かり易い政策が打ち出せていない、そのことを言う。
そのことは、国民の「痛みを訴える声」を聴き取れていない事の証左だ。
国民から期待される政党ではなくなってきているとの警鐘と受け止めるべきなのだろう。
半数近くの国民は、国会議員の年間歳費の1割に満たない年収入で、一日一日を懸命に生きていることを忘れてはいまいか。
今、国民は主食であるはずの米を探し求め、それを買う日銭を求めて汗水を垂らしている。
それが、今の日本の目を背けたくなるような「現実」。
以下に記事の全文を転載する。
立憲民主党・辻元清美代表代行(発言録)
(日本維新の会や国民民主党に比べ、立憲民主党が「埋没している」と指摘されることについて)それはよく言われる風評ですね。実際に野党第1党として、ここまで衆院予算委員会を引っ張ってきた。(自民党安倍派の裏金事件で、同派の会計責任者だった)松本淳一郎氏の参考人招致を実現できたのも、私たちが議席を伸ばした(から)というところがある。
(政府が医療費の患者負担の限度額を引き上げようとしている)高額療養費制度をはじめ、政府基金の無駄を世の中の人たちに相当周知できた。ですから、他の中小政党も含めて、何とかまとめながらいく野党第1党の役割は一定程度、果たせているんじゃないか。
それと同時に予算委員長をはじめ、いくつかの委員長を立憲民主がとっているということで、予算審議のありようを変えようと努力をした。省庁別審査で無駄を点検していくとか、それに先立って立憲の議員70人ぐらいの態勢で、いろんな政府基金の無駄がないかとか。今までこういうことはなかった。
野党第1党が予算委員長を務めることで、やっとまともな議論ができる土台ができているんじゃないか。自民党の委員長だったら違うと思う。そういう意味で、立憲が果たした役割は、予算審議のあり方そのものも変えようとした。とても素晴らしいとは言いません。でも、変えようとする努力をした。ですから今回、予算委員会総体としては、一定の役割を果たしているんじゃないか。(記者会見で)
記事の転載はここまで。
立憲民主党の先生諸氏は、先の衆議院選挙で、思いもよらず議席を伸ばし、予算委員長のポストを得たことに安住してはいないか。
「名は体を表す」と言うぞ。
辻元氏の言、成果をつらつら述べている、そのことを否定するつもりは毛頭ないが、そのことに興味も湧かない。
ただ、思うに、
それで満足するのは、思い上がった「一人よがり」のような気がしてならない。
国民の求めているものはそれではないぞ。
松本淳一郎氏の参考人招致・聴取についても、予想通り成果がない結果に終わった。
言いたくはないが、
それはよく言われていない、不評だ。
今、有権者の心に響く、分かり易い政策と言えばこれしかない。
「消費税の減税・廃止」
狂乱する物価は天井知らず、未だ収まる気配はない。
何故か、収めようとする政治の気配もない。
現実に即した政治をしない「現実路線」とは何ぞや。
問われているのはそのことぞ。
http://www.asyura2.com/24/senkyo296/msg/713.html

※2025年3月1日 日刊ゲンダイ2面 紙面クリック拡大 文字お越し

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トランプ大統領(右)と石破首相(C)ロイター
トランプ大統領の宣言通り、猛烈な関税が始まるが、対米黒字を抱える日本もターゲットになるのは確実だ。鉄鋼、アルミ、銅に加えて、消費税分も上乗せさせられ、自動車産業は大打撃。自由貿易は破綻し、米景気もインフレで減速の中、保身しか頭にない政権の不安。
◇ ◇ ◇
下げ幅は一時1400円を超え、節目の3万7000円を割り込む場面もあった。きのう(2月28日)の日経平均株価は大幅反落。終値は前日比1100円67銭安の3万7155円50銭と昨年9月以来、約5カ月ぶりの安値水準となった。
前日の米国市場では、主要な株価指数が軒並み下落。その流れが東京市場を直撃し、朝方から自動車など輸出関連株を中心に幅広い銘柄が売られた。米国株下落は自称「タリフマン」のSNS発信がきっかけだ。
トランプ米大統領が、1カ月延期していたカナダ、メキシコへの25%の関税措置を予定通り3月4日から発動する意向を投稿。同日には中国への追加関税をさらに10%上乗せし、すでに発動した分と合わせて20%を課す考えも記した。直前には、EUからの全輸入品への関税を検討していると明かし、税率は「一般的に言って25%になるだろう」と言ってみせた。
関税は輸入業者が支払った分、自国の消費者に転嫁される。関税を広範囲にかけるほど、物価押し上げ効果がある。インフレ再燃や景気減速、米中貿易摩擦の激化への警戒感から、米国株は値を下げたのだ。
そんな市場の懸念はお構いなしに、トランプは米国でも作られている製品の輸入関税を手当たり次第につり上げ、国内産業を守る意志を強調するという異常事態が続く。
根底にある「貿易赤字は負け」の発想
すでに表明した関税メニューは前出の他にもズラリだ。
▽鉄鋼・アルミ・銅関税--現行の鉄鋼製品25%に加え、アルミ製品も10%から25%に引き上げ。3月12日に発動予定。銅を加えることも検討し、日本も対象となる見込み。
▽相互関税──関税や非関税障壁が高い国・地域に相応の関税を課す。4月1日に詳細を決める方針。
▽自動車・半導体・医薬品関税--4月2日に全容を公表予定。トランプは「25%程度になる」とにおわせている。
トランプは関税収入の増加分を減税の原資に充てるというが、猛烈な関税ラッシュで米国の物価が高騰すれば、身もふたもない。
宣言通り、トランプ関税が始まれば関税インフレで消費は減退し、米国経済は景気後退局面へとまっしぐらだ。経済評論家の斎藤満氏はこう言った。
「これだけエゴイスティックな米大統領は前代未聞です。トランプ氏の関税政策は他国から税を巻き上げ、米国内に還元するというムチャクチャなもの。米国の輸入が減れば、結果的に関税収入も減る。無理と矛盾の噴出は目に見えていますが、すでに東西分断どころか、米欧分断を招き、世界秩序が崩れ、自由貿易は破綻しかねません。トランプ氏の根底にあるのは、米国の貿易赤字を『負け』と捉える発想です。自国が生産するよりも、より良い製品を多く輸入できれば、暮らしは豊かになっていく。逆に良い品を輸入したくても外貨が足りない途上国はたくさんあります。米国の貿易赤字には『豊かさの象徴』の側面もあるのに、トランプ氏は相手国が不当に儲けているという誤った認識しか持てない。米国にもノーベル経済学者はいるのに、誰も暴走を止められないとは由々しき事態です」
自動車関税「ゼロ」でも難クセをふっかける

日本の屋台骨に激震(C)共同通信社
日本の対米貿易の黒字額は米国から見て中国、メキシコ、ドイツに次ぐ世界4位。日本もトランプ関税のターゲットとなるのは確実だ。とりわけ大ダメージが予測されるのは自動車関税である。2024年の日本の対米輸出21兆円のうち自動車関連が3割を占め、米国の新車販売の4割近くを日本車が占めている。
牽引役のトヨタ自動車は24年に米国で販売した233万台のうち、53万台を日本から輸出。調査会社S&Pグローバル・モビリティーによると、さらにカナダとメキシコでの生産分を合わせれば44%に上る。トヨタだけでも約100万台が、トランプ関税の標的となりかねない。販売価格の上昇につながれば、まず大衆車は買ってもらえなくなるだろう。
一方、23年に日本が輸入した米国ブランドの自動車は1万8958台と、トヨタ1社による米国販売台数の2%以下にとどまる。日本では現状、輸入自動車への関税率はゼロだ。そこで米国側が米国車の販売低迷の理由に常に持ち出すのが「非関税障壁」である。
トランプは第1次政権時代にも日本の軽自動車への優遇税制や安全基準と環境規制の違い、個人的関係を重視する商慣習まで問題視。「我々の車の販売を難しくしている」と攻撃し、関税引き上げをチラつかせては、日本を「ディール」に引きずり込んできた。
同じ輸入車でもベンツやBMWなどドイツ車は根強い人気を誇り、日本の道路を快走している。米国車の販売不振は単なる顧客のニーズ不足で、「非関税障壁」など難クセに過ぎないのだが、「車両は左側通行という日本の道路事情を、米国と同じく車両は右側にしろ」とか言い出しかねないのが、今のトランプの勢いの恐ろしさだ。
政財界挙げた“お買い上げ”キャンペーン
前出の斎藤満氏はこう指摘する。
「非関税障壁として日本の消費税もヤリ玉に挙げられかねません。トランプ氏は、日本の消費税と米国のセールスタックス(売上税)は『違う』と発言。州(地方)ごとに徴収する売上税と、国も徴収する消費税の違いを強調しており、日本の消費税率10%を関税に丸々上乗せされる可能性は十分にあり得ます。また、トランプ氏は1ドル=150円前後の円安水準が不当に日本の輸出を優位にしていると考え、この是正を求めています。日銀が低金利政策を改めなければ、為替の均衡水準からの乖離率分を関税に上乗せするリスクもある。問題はトランプ氏の円・ドル乖離率の認識で、かつては『1ドル=100円でいい』と語ったこともある。今の円安水準を考えれば、最悪のケースで50%近い関税引き上げをふっかけてきても、おかしくないのです」
そうなれば日本の屋台骨の自動車産業は壊滅的ダメージを被る。もっと言えばむちゃな関税により米国発の世界恐慌だって起きかねない。まさに世界が激変するのに、石破政権にトランプ大不況への備えはあるのか。
とりあえず武藤経産相を3月中に訪米させ、トランプ政権との閣僚会談の場を設ける方向で調整入り。自動車関税や相互関税などの日本への除外を申し入れる方針だが、しょせん受け身一辺倒の「お願いベース」。その場しのぎに過ぎない。
今期国会も石破首相は予算案の成立に汲々とし、いわゆる「ゆ党」に手を突っ込み、数合わせの内向きな議論に終始。いまだ裏金事件の総括もできず、ようやく実現した旧安倍派の会計責任者の参考人聴取後は元幹部同士が再び責任をなすり付け合う醜悪な内ゲバが再燃。「政治とカネ」問題の温床である企業・団体献金についても「禁止より公開」との立場を崩そうとしない。
保身しか頭にない後ろ向きの政権には、不安が募るばかりだ。高千穂大教授の五野井郁夫氏(国際政治学)はこう言う。
「ソフトバンクグループの孫正義会長は、米国のAI開発に最大5000億ドル(約77.8兆円)の投資を発表。ANAは米ボーイング社から新型機30機を購入と大盤振る舞い。トランプ氏の機嫌を損ねまいと政財界挙げて“お買い上げキャンペーン”を絶賛実施中ですが、相手は根っからの『イジメっ子』体質。下手に出るほど『日本はそんなにオレを恐れているのか』と、ますますツケ上がるだけ。一国では歯が立たなくても、EUとの連帯強化など対抗手段はいくらでもあります」
トランプの面前で異例の「ファクトチェック」を仕掛けたマクロン仏大統領のような強気な姿勢を石破に期待するだけ無理か……。
http://www.asyura2.com/24/senkyo296/msg/714.html
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