
※2026年4月14日 日刊ゲンダイ1面 紙面クリック拡大

※紙面抜粋

※2026年4月14日 日刊ゲンダイ2面
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このままではなし崩しで自衛隊派遣 媚びるだけの高市早苗ではどうにもならないのが日米関係
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/386496
2026/04/14 日刊ゲンダイ ※後段文字お越し

浅はかな称賛外交で行くところまで行く。なし崩しに自衛隊派遣になるのでは?!(C)ロイター
案の定、追い詰められたトランプ大統領が日韓に悪態をつき始めたが、こうなることは見えていた。
日米首脳会談を評価していた大メディア、はしゃいでいた高市首相はオメデタイの一語だが、こんな高市外交に任せていいのか。なし崩しで自衛隊派遣にならないか。識者の懸念は高まるばかり。
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世界が注視するイラン情勢は予断を許さない状況が続いている。
パキスタンが仲介を担う米国とイランの戦闘終結協議は21時間に及んだものの、物別れに終わった。バンス副大統領が率いた米代表団は▽ウラン濃縮活動の全面停止▽米国が高濃縮ウランを回収▽主要な核施設の解体▽地域諸国を交えた緊張緩和の枠組み構築▽レバノン民兵組織ヒズボラを含む親イラン勢力への資金提供停止▽ホルムズ海峡の全面開放および通航料徴収は認めない--といった6項目を要求。精鋭軍事組織の革命防衛隊で空軍司令官などを務めたガリバフ国会議長が率いるイラン代表団は、大半を拒否したという。1979年のイラン革命後、米国の首脳級が直接交渉に乗り出した極めて異例の協議だったが、妥結には至らなかった。
「石器時代に戻す」と繰り返し脅し、「文明を滅ぼす」とまで恫喝して交渉のテーブルについたトランプ大統領が収まるはずはなく、返す刀で言い出したのが原油輸送の要衝ホルムズ海峡の「逆封鎖」だ。米中央軍は発表通り、13日午前10時(日本時間同日午後11時)からイランの港湾への出入りを全面阻止する封鎖措置を始めた。軍事力で劣るイランが海峡封鎖で世界経済を巻き込む「非対称戦」で抵抗するため、その手を封じ込める腹だ。交渉行き詰まりの打開を狙うトランプ大統領が限定的攻撃の再開を検討しているとの報道もあり、緊張が再び高まる懸念から国際指標の米WTI原油先物は一時、1バレル=105ドル台を付けた。米中央軍によると、逆封鎖に先立ってイランがホルムズ海峡に敷設した機雷の除去活動を開始。ミサイル駆逐艦2隻が海峡を通過してペルシャ湾に入ったという。
海峡管理権を主張するイランはトランプ大統領の指示に猛反発。軍中央司令部が声明で「米国が国際水域の船舶の航行を制限することは違法であり、海賊行為に等しい」と批判し、「イランの港湾の安全が脅かされれば、ペルシャ湾とオマーン湾のいかなる港も安全ではなくなる」と武力行使も辞さない構えで牽制した。
外交とパパ活がマサカのごっちゃ
トランプ政権が「4〜6週間」とした対イラン軍事作戦は、開始から6週間が過ぎても全く出口が見えない。トランプ大統領はあだ名のTACO(Trump Always Chickens Out=トランプはいつもビビってやめる)に恥じず、はた迷惑なチキンレースを繰り広げている。そのくせ思い通りにならないと、あらん限りの悪態をつくのが習い性だ。
案の定、またぞろ言い出したのが、関係国への不満である。米FOXニュースの12日(現地時間)の電話インタビューで、ホルムズ海峡経由の原油依存度が高い国として日本と韓国を挙げて「これらの国民は我々を助けてくれなかった。我々が守ってやっているのに、少し助けてほしいと言っても、彼らは我々を助けない」と毒づいた。
もっとも、こうなることは目に見えていた。にもかかわらず、高市早苗首相は先月中旬の就任後初訪米で「世界中に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけだと思う」とトランプ大統領に露骨に媚び、対イラン作戦に異論すら唱えなかった。関係者が危惧したホルムズ海峡への自衛隊派遣はかわせたものの、これじゃあどんどん付け入られる。日米首脳会談に備えて歯科医に2回通い、計6時間かけてホワイトニング。機中、徹夜で考えたのが「ドナルドだけ」だというから恐れ入る。外交とパパ活がマサカのごっちゃ。そんな日米会談を「成功」と持ち上げた大メディア、はしゃぎ通した高市首相はオメデタイの一語に尽きる。
ジャーナリストの青木理氏はこう言う。
「高市氏は国内向けにはやたらに強い言葉を発するけれど、その言動は合理性を欠いている。こもって勉強しているといわれる割には、矜持も含蓄もない。高市氏が政治の師と仰ぐ安倍元首相を私は評価していませんが、曲がりなりにも官邸にチームをつくり、面会や会食を相当こなしてさまざまな意見に耳を傾けていた。かたや高市氏は体調不良が影響しているのか、そうした動きはしない。文字通りの独断専行ながら、実体がない。劣化したコピーに見えてなりません」
欲しがるサナエは「勲章」も欲しい

対米交渉に臨んだイラン代表団(C)ロイター
高市首相は安倍フレーズをパクって「世界の真ん中で咲き誇る日本外交を取り戻す」と言っているが、場数を踏むほど定見のなさを露呈。アジア歴訪の一環で今月初旬まで滞在したフランスのマクロン大統領の対イラン作戦をめぐる姿勢に同調していたから、わけが分からない。NATO(北大西洋条約機構)の主要メンバーながらマクロンは当初から距離を置き、トランプ大統領の場当たりを非難している。共同記者会見の終了間際、高市首相の誘いで「かめはめ波」をやり合った場面はア然だった。マクロンが人気漫画「ドラゴンボール」のファンで、主人公の孫悟空の決め技を利用して歓心を買おうとしたのだ。
ピンク一色の高市外交に任せていいわけがない。強者にへつらうだけの高市首相では、日米関係は行くところまで行く。なし崩しでホルムズ海峡に海上自衛隊を派遣するのではないか。敗戦の歴史などから、海自の機雷掃海技術は世界トップレベルとされる。識者の懸念は高まるばかりだ。そうでなくても、米国のウォルツ国連大使は高市帰国直後のニュース番組で、海峡の安全確保をめぐって「日本の首相が海上自衛隊による支援を約束したばかりだ」と発言。政府は躍起になって火消ししたが、高市首相は安倍が強行した安保法制に基づく集団的自衛権を行使する腹積もりだったと報じられている。米国は国際法に違反しているにもかかわらず、だ。
立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言った。
「高市首相は『勲章』を欲しがっている。まずは、自衛隊を戦闘地域に派遣した初の総理大臣として歴史に名を刻みたいのでしょう。衆院解散表明会見で言及したように、『普通の国』にするのが最終目標。それは戦争のできる国です。だから、平和構築に向けた努力はせず、戦争に巻き込まれようとしている。高市首相はハナから2012年に自民党が発表した改憲草案の頭で政治をやっている。9条を骨抜きにし、緊急事態条項で内閣に権限を集中させて独裁を認める代物です」
憲法国際法民主主義の観点を
高市首相は12日の自民党大会で「日本人の手による自主的な憲法改正は党是だ。時は来た」「改正の発議にメドが立った状態で来年の党大会を迎えたい」とハッパをかけていた。遠からずトランプ大統領に「ドナルドと一緒に戦争ができるように憲法改正を進めている」と言いかねない。例の媚態が目に浮かぶ。
朝日新聞(9日付朝刊)で仏人類学者のエマニュエル・トッド氏は、高市首相の対中強硬姿勢について「私が『空想のナショナリズム』と呼ぶものの典型例ではないかと思っています」と指摘し、こう続けていた。
「ナショナリズムという思想は伝統的に、自国民の数を増やし、勢力圏を広げようという理念に基づいています。日本の本来のナショナリズムは、日本の主権を求めることでしょう」
「『空想』ではなく『現実』のナショナリズムの視点に立てば、国内にある外国の基地を取り戻し、主権を求めるのが自然なことです。米国の『分断して支配する』という戦略に乗せられ、ワシントンの意のままに中国と対立することは、決して日本の利益にならないと私は考えます」
人気取りのファッション右翼、もとい右翼的ポピュリストの高市首相にド正論が理解できるかどうか。
「衆院で3分の2の勢力を回復した高市首相を自民党議員は批判できない。多弱の野党による権力監視は心もとない。暴走を止められるのは世論です。憲法、国際法、民主主義。この3つの観点から高市政治のデタラメを批判する必要がある。きちんと論破すれば政権は必ずや立ち往生します。戦争をする独裁国家への道を断たなければいけない」(金子勝氏=前出)
真冬の総選挙に突っ込むにあたって「高市早苗が総理で良いのかどうか、国民の皆さまに決めていただくしかない」と高市首相が凄んだ会見から3カ月足らず。もう十分だ。平和国家の看板を下ろさせてはならない。
http://www.asyura2.com/26/senkyo299/msg/491.html



題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。