IT革命論は搾取と投機の張りぼて

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投稿者 IT趣味者同盟革命評議会葬送笛墓慰派 日時 2000 年 10 月 08 日 15:28:14:

IT革命カルト狂団を調べていてNTTデータの齋藤さんのページを見付けました。

97年暮れの段階で「IT革命」という言葉を使用し、2000年に入ってからマスコミもネコも杓子も騒ぐようになったいかにも日本的なお祭り騒ぎの流れを的確に予見していたようです。
ただし、昨今のアメリカ経済の好調は、IT革命が成功したからではなくて、日本のバブル崩壊に付け込んだりアジアの金融危機を引き起こして投機戦で稼いだアブク銭の波及効果とネット株投機バブルに過ぎないように思えます。
つまり、アメリカが主張するように景気が好いというのではなく、海外諸国から搾取と投機により人工的に好景気が演出されていると私は見ます。

IT革命カルト教団は常にアメリカでIT革命が成功したから日本でもやった方が良い、やらないと生き残れないと脅すのですが、アメリカではリストラ首切りも企業の潰し合いも吸収合弁も昔からの事であって何も「IT革命」などと取りたてて騒ぐような事ではないのです。
しかも、「成功」もマユツバものなのです。
現実を理論にこじつけ、証明されたかのように見せていると言えるのですから。

要するに日本にアメリカ式の市場を押し付けて日本の経済教育福祉金融報道の根本構造を破壊してもっと従順な属国にしようとしているとも言えます。
石油ショックでも円高ショックでも日本の企業が生き残ってしまったのが彼等のプライドを傷付けたのかもしれません。御可哀相に。

日本の各所に膿が溜まっているのも事実ですから、せっかくアメちゃんも後押ししてくれてる事ですし綺麗に掃除するのも良いかもしれません。
ただし、カルト狂団が導こうとしている方角とは関係なく、問題点を丹念に炙り出していけば良いでしょう。

創造的破壊教団の標的の一つで、既に半分以上は崩れている終身雇用制ですが、一種の社会保険制度でもあり、また、会社と社員の信頼関係の拠り所でもあったのです。
いつ自分の首を切るかわからん会社で安心して働けますか?そんな会社の為に心身をすり減らして働きますか?会社と最低限の信頼関係も持たない社員が会社の利益や秘密を守ると思いますか?
社員の事を守らない会社は結局は社員から見捨てられるでしょう。
これは現在の日本政府にも当てはまります。


IT革命狂団の基本理念は「金儲け」です。
人作りが大切だとか自己改革だと言っても、
それもこれも金儲けの為の洗脳手段に過ぎません。
金儲けだけで楽しく生きていける亡者も存在しますが、
人間の多くはそうではありません。
もちろん物質面、特に最低限の衣食住は大事です。
しかし、金のかかる遊び道具がなくても心豊かに
楽しく生きる事は幾らでも可能なのです。

日本用にアメリカで作られた奇妙なカルトに従って何がなんでも生き残ろうとあがくのなら、結果的には皮肉にも生き残りにくくなると思われます。
なぜなら創造的破壊を掲げるIT革命カルトの教義が、信者となるであろう日本人の自滅を狙って作られているとしか思えない構造だからです。

ただ、もし日本人がIT革命に本腰を入れて取り組み、本当に経済下克上の戦国時代になるとすると、日本はかなり手強い技術経済武芸者集団に変わるかもしれません。
今は、まだ、そうなる気配は感じられません。
働きつかれて、出来たら一休みしたいと思っている人が多いように思います。
いくらIT革命だ、創造的破壊だと言われても、危機感よりも疲労感の方が勝っているかのようです。
孫な事までして生き残りたくないと思う人さえ居るでしょう。

もうすぐ新聞やテレビ、ケーブルやインターネットなどのメディア産業の大変革が予定されているそうです。香港や他の海外資本や投機筋の株操作、そして不祥事などによるイメージの低下が他の業界、特に金融業界の時のように繰り返される筈です。
今から気を付けても手遅れかもしれませんが、清く正しく生きた方がよいのかもしれません。
IT革命教団の損得勘定師達と取り引きをする際は御用心。

経営研テクニカル〜VOL.5〜(97.10.15)

「ニューエコノミーとIT革命 〜その1〜」
株式会社NTTデータ経営研究所
所長 齋藤 精一郎


90年代のエポックメーキングな出来事といえば数々あるが、トップテンの上位にランキング入り間違いないのが米国経済の絶好調ぶりだ。とくにニューヨーク株式市場の活況は「陶酔(ユーフォリア)」と形容するほかない。1992年1月に2000ドルを記録したニューヨーク・ダウは95年3月に4000ドル、97年2月に7000ドル、そして同年7月に8000ドルと驚くべき騰勢だ。
97年8月に入ってさすがの株価も調整色を強めてきているが、「行き過ぎ」の調整とみれば、別段米国経済に危険信号が点滅してきたと見るのは早計だろう。むろん、米国の株価も経済活況も、「永久」とか「永遠」はありえないから、今秋頃からかあるいは来年には「本格的な調整局面」がやってきても驚くには当たらない。
問題はそうした突出的なバブルが消滅したとしても、米国経済ならびにニューヨーク株式市場が基調として「合理的な繁栄(Rational Exuberance)」(グリーンスパンFRB議長の発言)の状態を保ち続けるのではないかどうかにある。つまり、米国経済は100年に一度のエンドレスな成長の「新時代(ニューエラ)」か「ニューエコノミー」に突入しているかどうかだ。
この「ニューエコノミー論」に火をつけたのは、97年6月3日の「ウォールストリート・ジャーナル紙」に掲載されたウェン・エンジェル(前FRB理事)の論稿だった。その中でこう指摘されている。
「120年前の石油の発見とそれが鯨油に代わって電灯を灯すようになったことを考えてみよ。当時の最大な成功を収めた革新者のD.ロックフェラーは石油の生産・精製・輸送・販売の経済を見つけ出した。石油価格は下落、自動車エンジンの開発を促し、ヘンリー・フォードの生産ラインと新しい産業を発展させた。今日、コンピュータ・チップの価格は一世紀前の石油価格の下落速度の10倍の速さで下がりつつある。マイクロプロセッサー、DRAMチップ、そして、ディスク・ドライブはめざましいイノベーション時代を切り拓いている。企業再構築は持続し、コストは下がり続けていく。(中略)すでに7年目に入るこの経済的拡張には終わりは見えない。」
経済学界でも既に一部に「ニューシュンペータリアン」と称すべき一群の若手経済学者が現出し、「複雑系」の学者たちと関わりながら、創造的破壊や新しい成長経済の可能性が議論されているが、90年代中頃の米国経済とニューヨーク株価の活況が「現実が理論を証明する」というかたちで米国の政治家、経営者、制作当局者、ジャーナリスト、国民などに「ニューエコノミー論」を急速に浸透させているといってよい。
「ニュ ーエコノミー論」の決定打は2つあった。ひとつは97年6月の米国デンバーのサミットで米国のクリントン大統領が先進各国首脳を前に「米国経済が他の国のモデルになりつつある」と大見えを切ったことだ。アングロ・アメリカやアングロ・サクソンのビジネス・ルールが「グローバル・スタンダード化」しつつある現実を踏まえた発言であった。米国こそ「ニューエコノミー」のトップランナーだとの自負だ。
もうひとつは97年7月のFRBのグリーンスパン議長の発言で、そこで彼は米国要人として初めて「ニューエコノミー」の可能性についてふれた。議長はそこで、「米国経済の効率性の長期的改善を示すデータがある」として企業の活発なコンピューター投資が統計上に表れている以上に生産性を引き上げ、低インフレと高成長を両立させていると述べ、巷間の「ニューエコノミー論」に一定の評価を行った。
さて、米国は本当に「ニューエコノミー」に突入しているのか。この基本問題はもう少し、今後の米国経済・金融の動静とくにバブル調整の行方をみなければ、即断できない。だが、米国経済が実際にどうであれ、次の2点は確認しておかねばならないことだ。


1.IT革命という世紀的なイノベーションが現実のビジネスに広範かつ深いインパクトを与えつつあることは確実で、いずれ先進経済は「ニューエコノミー」に突入する。 2.米国経済にせよ、他の経済にせよ、「ニューエコノミー」は直線的な軌道をとるとは限らず、米国経済がニューエコノミー段階としても「踊り場」があり、この点で90年代米国経済のニューエコノミー性の評価はもう少し慎重を要する。

ニューエコノミーの特性とは何か。この点については今回は紙幅の関係で次回以降の本欄で少し詳しく議論してみたい。


経営研テクニカル〜VOL.6〜(98.04.10)

「ニューエコノミーとIT革命 〜その2〜」
株式会社NTTデータ経営研究所
所長 齋藤 精一郎


1997年夏のタイ・バーツの切り下げを契機に始まったアジア金融・経済危機の火は 98年に入って鎮静化するどころか、更に燃え広がる勢いにある。
むろん、IMFや先進諸国の金融支援策などで、当面の悪化や深刻化は抑えられているが、鎮火にはほど遠く、何時爆発してもおかしくない状況だ。
こうしたアジア経済の危機を横目に、米国経済は98年に入っても依然として絶好調ぶりを誇示している。

ニューヨーク株価はまたまた最高値を追う展開となり、再び「ニューエコノミー論」が注目を集めている。
本欄で前回、「ニューエコノミーとIT革命」について概観しておいた。米国経済がニューエコノミーに突入したとの確固とした証拠や実証的データは乏しいものの、先進経済はいずれIT革命を基軸にニューエコノミー段階に突入することは間違いない。
そして、この一番手にいるのが米国経済であることもほぼ間違いない。そこで、今回はこのニューエコノミーの特性とは何かについてである。

唐突で恐縮だが、18世紀後半に経済学が誕生して以来、経済学は「ネクラ性」を生来的に持ち続けている。それを経済学用語で一言でいえば、「収穫逓減の法則」ということだ。
「収穫逓減の法則」とは例えば、一定の土地に労働力と投入していくとその追加労働力の投入に対する追加収穫増加分はだんだんと減少、すなわち低減していくということである。
これはわれわれが生きている経済社会にほぼ共通にみられる経済鉄則といってよい。 生産量が増加するにつれて、単位当たりの生産コストが増加していくといってもよい。
現実の経済社会はこうした「収穫逓減の法則」に支配されているから、現実科学の経済学は根っこがクライのである。

しかし、こうした経済社会に固有な技術的制約や束縛を突破できる可能性がある。
実際に、人類がこれまで「収穫逓減の壁」を突破し、生活を向上させてきたのである。そうでなければ、19世紀初頭のマルサスの不吉な予言の通りに、人類は人口定常状態に閉じ込められたはずだ。
この突破が技術革新である。18世紀後半の産業革命以来、人類は鉄道、電力、自動車、家電など「収穫逓減の法則」を一気に突破する基幹技術を創造.開発してきた。
そうした基幹技術を基盤とする経済革命によって、生産性の飛躍的上昇が可能になるとともに、経済発展が繰り返されてきたのである。


「ニューエコノミー論」とは以上の意味において、新しい21世紀型の技術突破の可能性が次第に現実化しつつあることを背景として浮上してきているのだ。
それでは21世紀の「新しい経済」を形づくるIT革命の経済学的特性は何か。一般論としてIT革命が「収穫逓減の法則」を突き破る衝撃力、すなわち「収穫逓減のメカニズム」を持っていることだが、よりブレイク・ダウンすれば、次の5つの特性にまとめられよう。これはIT革命の本質であるデジタリゼーションに強く準拠した特性である。

1.規模の経済性。いわゆるエコノミー・オブ・スケールで、これは「収穫逓減の壁」の突破によって普遍的に抽出される特性である。
経済活動、すなわち、生産・販売・消費の市場規模が飛躍的に拡大することによって、新しい技術や生産手法、販売手法さらに新しい組織や新しい製品などが可能になり、経営基盤や経済構造が一変する。
90年代に世界経済シーンにはこうした「規模の経済」がグローバリゼーションの展開という時代的潮流のもとで生起しつつある。IT革命はこのグローバリゼーションを促進、増幅させることによって、世界大に「規模の経済性」を浸透させていく。世界的スケールでの経済活動にとってITはまさに必要不可欠なものなのだ。

2.範囲の経済性。いわゆるエコノミー・オブ・スコープで、既存の業務分野の壁はもとより、企業間さらに産業間の垣根を取り払い、企業活動の範囲を伸縮自在化させるものである。
銀行業と証券業は事実上はもとより、法律上もいまや相互乗り入れが自由となっているが、今後さらに金融業務の分割化あるいは統合化が進展していく。
これもデジタリゼーションを基軸とするIT革命によって情報伝送・処理・分析などの作業が円滑化すると共にそのコストが飛躍的に低下するためだ。
今後、流通業、金融業、運送業などがネットワーク・ビジネスとして様々な合従連衡を繰り広げていく。
20世紀の産業分類や産業地図は一変する。その牽引力になるのがIT革命なのである。

3.速度の経済性。いわゆるエコノミー・オブ・スピードである。
これはIT革命の普及によって、情報処理などが飛躍的にスピード・アップされ、これが意思決定のスピード化をもたらし、生産過程や事務過程そして販売過程の時間の飛躍的圧縮化を可能にする。
このことは単位時間当たり生産性を大幅に上昇させることになるから、「速度の経済性」は企業組織、すな わち意思決定体制や生産体制などに決定的な変革を迫るものとなろう。

4.機械化の経済性。これはエコノミー・オブ・サブスティテューション、すなわち労働代替の経済性である。人間労働がITに代替されることだ。つまり、ホワイトカラーの事務処理労働が、かつて肉体労働が機械に代替されたように、今後情報通信機械並びに関連ソフトに代替されていくことである。
このことによって、ホワイトカラー労働の生産性は大きく上昇する。
これは「ハンズからタッチへ」の労働革命と呼びうるものだ。

5.知識の経済性。これはエコノミー・オブ・ナレッジである。
IT革命の深化に伴って、人間労働の中心は次第に知識労働に転化していく。単純なホワイトカラー型労働がITに代替され、人間は「知識」を生み出す経済主体となってくる。知識とは無限資源だから、「知識経済」では企業進化の可能性が飛躍的に開示されることになる。

以上の1〜5がIT革命による経済・産業・企業そして労働に対する決定的な衝撃力の源泉となるものである。この衝撃波が目に見えてくるときが「ニューエコノミー」の出現となるが、昨今の米国経済の「躍動ぶり」は、その前兆かそれとも一時的な突発現象か。
ここしばらくIT革命の現実的波及過程に目をこらしておく必要がある。


追記

齋藤さんの言う1〜5は人間にとって楽しい事よりも苦しい事を多く生み出しそうだ。
脳に出入りする情報の量と流れの速度を飛躍的に向上させないと上記の点は上手く実現しない面が多い。
無理に情報量を増やすと、一部の人間は狂うかもしれない。(今以上に)




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