ユーゴ独裁崩壊 中国、外交に大打撃・反欧米の拠点、最大の援助先 国内へ影響懸念も(産経新聞)

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投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 10 月 15 日 09:04:15:

【北京14日=古森義久】
ユーゴスラビアのミロシェビッチ体制の崩壊は同体制を全面支援してきた中国にとって外交上の大きな打撃となると同時に内政面でも不吉な警告となった。
中国は外交面ではミロシェビッチ政権下のユーゴスラビアを反NATO(北大西洋条約機構)戦略の最大拠点として利用し、依存してきた。コソボ問題での米国主導のNATOによるユーゴ攻撃にも反発し、とくにNATO軍によるユーゴの中国大使館誤爆後はミロシェビッチ政権と連帯して、米国などを糾弾する姿勢を強めた。ことし六月にも全人代常務委員長の李鵬氏がユーゴを訪問し、NATO非難とミロシェビッチ政権支持を改めて表明したばかりだった。
中国政府はユーゴに対し九九年のNATO爆撃中から医療援助を贈り、同年末には戦後復興の名目で三億ドルの経済援助の供与を決めた。さらにことしに入って二億ドルの新規援助をも決定した。この結果、ユーゴは中国にとって世界最大の援助供与先となっていた。
北京の西欧消息筋によると、ユーゴの中国駐在のスロボダン・ウンコビッチ大使とミラ夫人はミロシェビッチ氏の最側近で、同大使が水面下での同氏の個人的な対中関係の深化に努める一方、同大使夫人は中国共産党との政治的交流などにあたってきた。同大使夫妻の仲介でミロシェビッチ氏の息子のマルコ氏らが中国での不動産投資を進め、さらに西欧諸国の情報機関はユーゴ側の秘密資金二億ドルが中国内に移されたとみている、という。
同西欧消息筋によれば、中国にはユーゴ人のビジネスマン約三十人が特権的な準外交官待遇で滞在し、幅広い経済活動にかかわる一方、ユーゴ政府は中国人の旅行者をほぼ無制限に受け入れ、西欧各国への潜入のルートを提供してきたという。ごく最近の動きとしては九月はじめ以降、ミロシェビッチ側近のボルカ・ブチッチ前国際金融機関協力調整相が二回にわたり北京を訪れており、ミロシェビッチ氏と中国の間の私的資金の新たな扱いにかかわったとも推測されている。
中国当局は公式にはユーゴの新大統領誕生を歓迎し、ミロシェビッチ体制とは決別を示したが、軍事同盟としてのNATO糾弾への最有力な同志を失っただけでなく、五億ドル以上のユーゴ向け援助の今後の扱いなど対外戦略でのマイナスは大きい。
同時に旧「共産主義者同盟」のセルビア社会党の専制支配に立脚してきたミロシェビッチ前大統領が民衆の決起で倒れたことは、中国の共産党一党支配の統治にとっても不吉なモデルを示されるような政治心理効果がある。このためか中国共産党首脳部はユーゴの民衆パワーの展開を国内ではほとんど報道させなかった。



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