“地球をおおう反重力網”(『UFOS & SPACE』1982年4月号)

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投稿者 SP' 日時 2000 年 10 月 17 日 12:14:18:

 世界のUFO研究家だけでなく、CIAなどの情報機関もなみなみならぬ関心を寄せているブルース・キャシーのネットワーク理論。彼のいう、地球をおおう反重力網とは何か。また、CIAが彼を監視する理由は? 訪米したキャシーに直撃インタビュー。

聞き手:ハリー・レベルソン(本誌アメリカ通信員) 花積容子訳

(写真)
▲訪米したキャシー一家。右端がブルース・キャシー。左から2人目は、出迎えるフォンケビクツキー夫人。

(写真)
▲キャシーの本職は、ニュージーランド国営航空のパイロット。


−−貴方が発表したUFOに関する3冊の著作(『ハーモニック33』『ハーモニック695』『ハーモニック288』)は、地球上にはりめぐらされたエネルギー網の存在を明らかにし、大変な反響を呼び起こしました。このエネルギー網がUFOの動向と密接な関係を持っているというのですが、そもそもどのようにしてこうした独創的な理論を考えだされたのですか。
キャシー そのヒントになったのは、フランスのUFO研究家エメ・ミシェルの直線理論でした。彼によると、同一の日に起きたUFO目撃事件を地図で調べたら、目撃地点は直線的に並ぶことが多いというのです。
 私自身、ニュージーランド国内のUFO目撃報告を何年にもわたって調査してきて、目撃地点があるパターンを形作っていることに気づきました。このパターンを地球全体にまで拡大してみると、そこから導き出した様々な数字の間に、偶然では片づけられない驚くべき一致があることが明らかになったのです。この発見に力を得て、私は地球全体をおおっているUFOネットワークの幾何学的パターン理論を発展させることができました。
−−その結論に至るまでの過程を、もう少し詳しく説明して下さい。
キャシー 当時、ニュージーランドとその周辺地域でUFO活動が増加していました。それに関心を抱いたのがきっかけで、この地球上を縦横に交差する複雑なエネルギー網の発見にまでたどりついたのです。
 私が正式に研究を開始したのは1965年からですが、既に1956年にはUFOに関心を寄せていました。その頃から私は、UFOはある特定の目的を持って地球を調査・測量しているのだと確信していました。彼らがただの物見遊山でやって来て、地球上を飛び回っている訳ではないと、私にはわかっていたのです。

UFOの航跡パターンを解くカギ

−−貴方の理論は正しいとどうしてわかったのですか。
キャシー 世界中の数多くの研究者たちは、UFOの目撃例がひとつのパターンを作りつつあるという結論に既に到達していたのです。しかしパターンそのものがあまりに複雑すぎたため、まだ定義を下したり解答を導き出すことができなかった。
 とはいえ、目撃データを相関させることでUFOの航路の一部がいくつか究明されており、その航路にそって飛ぶ円盤も目撃されていました。これらのUFOの中には、特定地点の上空に一定時間留まるものもありました。
 だが残念なことに、研究者たちにわかっていたのは航路のほんの断片でしかなく、それが広い地球上に散らばっているという状態だったので、秩序だったものに統合することは到底不可能だったのです。
−−で、貴方はどうしたのですか。
キャシー 私としては、総合的なパターンを発見して図示することができれば、UFO活動の背後に隠されている動機をつきとめられるだろうと確信していました。そして、UFOの活動が知的にコントロールされたものだとしたら、そのパターンは幾何学的だろうと考えたのです。とすれば、ほんの狭い区域でも、UFOの航路パターンを解くカギを発見できたら、そこから推測してパターンを反復することによって、全体を解明できるはずです。
 私は1956年から数年の間に何度もUFOを目撃しました。そのうちの2回の目撃を他のデータと相関させることによってついに世界全体を網羅するネットワーク・システムの構築に成功したのです。
 きっかけはこうでした。1965年の4月、私は妻からニュージーランド科学宇宙研究会という名の組織の存在を教えられました。さっそくコンタクトをとってみると、この組織が膨大な資料を持っていることがわかりました。データの中には、1965年3月26日にニュージーランドの北島と南島の数ヵ所で目撃された1機のUFOに関する、詳細な情報が含まれていました。私にとってはまさしく幸運の女神が微笑んだといえる日でした。この事件では短時間のうちに9つの異なる村の人々が、UFOを目撃していたのです。
−−重要なデータを入手できたと知って、それからどう取り組まれたのですか。
キャシー まず、問題のUFOの航跡を図示してみようと考えました。入手したかなりな量の情報から、全地点での目撃時間の差が最大で15分であることがわかりました。目撃報告の大半は、午後9時45分のものです。これは、物体が非常に大きく、軌道の大半をかなりの高度で飛行したことを示しています。
 広範囲にわたる数多くの目撃者から詳しい情報が得られていたので、物体の仰角や航路を数時間かけて計算した結果、その航跡を地図上に相当正確に描くことができました。最終的には物体の航跡は地図上に直線で表わされたのです。
 このとき私は1956年に自分が目撃したUFOのことを思い出しました。私の見たUFOは問題のUFOと同種のものでしたし、最も重要な点はたったいま計算した航跡と90度の角度をなして飛行していたことです。そのうえ激しく輝く光を残して、ダービル島のあたりで消失した点も全く同じでした。しかし2つの航跡が90度の角度で交わるということは、それ自体ではほとんど意味をなさない。このとき、もし他に数例を見つけていたら、きっと何か−−多分ネットワーク−−をつかんでいたことでしょう。
 この観点から私はエメ・ミシェルの仕事を研究し、さらに詳しく調査した結果、ニュージーランド地域におけるネットワークのパターンを地図上に追加できる目撃報告を発見しました。そしてニュージーランドのみならず他の国々いや全世界が、ある種のネットワーク・システムによって整然と包囲されているという確信を得たのです。
 またUFOの目撃地点が常にこのネットワークに適合するからには、彼らはそれを維持する努力もしているだろうし、UFOの動力としてあるいは少なくとも航路を先導する助けとして使っているに違いないと考えました。
−−エメ・ミシェルの初期の研究以外にも、ネットワークのようなシステムを構想し、それを発展させた人はいますか。
キャシー 全くおもしろいことに、私のこの幾何学的ネットワークの考えは、地図製作の投影図法に使われるバックミンスター・フラーのベクトル平衡理論と完全に一致するのです。フラーの地図はあらゆる球面と同じ幾何学的性 質を持っています。私も我々の住むこの地球という球体に興味を持っていたのです。

海底で見つかった謎のアンテナ

−−一体どのようにして、貴方の構想したネットワーク・システムを地球全体にあてはめたのですか。
キャシー 私は、地球上には複数のネットワークが広がっていて、異なるネットワークのそれぞれの極点は地軸を中心とした球面らせん上に位置しているはずだと考えました。
 自分の考えが正しいことはわかっていましたが、これらのネットワークを地球表面に重ね合わせるためには、ネットワークの幾何学的なパターンを方向づけるポイントの位置を、地球上のどこかに見つけなければならない。私はついにポイントの手がかりをつかみ、それに基づいて研究を進めたのです。
−−それはどんな重要な手がかりだったんですか。
キャシー 1964年8月29日アメリカの調査船エルタニン号は、南アメリカの沖で海底調査を行っていました。長いケーブルの先に固定したカメラを海面下4050メートルまで降ろし、一連の水中写真を撮影しました。これを現像してみると、その中の1枚に、何の変哲もない大陸棚からつき出しているアンテナのような物体が、鮮明に写っていたのです。
 物体は金属製らしく、完全に対称的な形状をしていました。物体の側面からは、先端が小さな握りのようになった6本の横棒がでていて、物体の頭部にも小さな横棒が1本ありました。高さは60センチくらいです。私はさっそくこの物体の正確な位置、つまり緯度と経度を測定しました。
−−しかし、その物体を海底に設置したのが科学者や技術者、つまり人間だという可能性はないのですか。
キャシー 確かに深海調査用のバチスフィア(潜水球)に乗ればこの深さまで潜水することは可能でしょうが、精密な工学的作業までできるとは思えません。私としてはやはり、そのアンテナ状の物体は潜水能力のあるUFOによって海底に設置されたという考えの方を受け入れたいですね。
−−貴方の発見に対する科学者たちの反応はどうでしたか。
キャシー 科学界はある種の植物として片づけてしまおうと、強硬な態度を取っていました。しかし問題のエルタニン号がニュージーランドに入港したとき、私はジャーナリストの友人を誘って船を訪れ、調査団の科学者たちと話をしました。彼らは例の物体は人工のものだと言明しました。
 一種のアンテナと思われるこの物体の形状は、私が心に描いていたネットワークの標準パターンにぴたりとあてはまりました。6本の横木は、ネットワークの主要構造を形成している6もしくは12個の大円(地球中心を通る平面と地球表面が交わって作る円)の起点を表わしています。そこで私は物体が発見された地点と、180度反対の地点(シベリア)とをネットワークの基点に定め、ニュージーランドで発見したネットワークの一部を通るように線で結びました。この第1番目の基線を確定することによって、地球全体を走るネットワークの骨組みを作り上げることができました。
−−ネットワーク理論の証明という貴方の目的はひとまず達成された訳ですが、この問題をさらに発展させましたか。
キャシー はい。長年研究を続けるうちに、自分なりの方程式を通して、時間が絶対的なものではないことを発見しました。時間はほとんどゼロに等しいところから無限にまで変化するのです。この方程式は、宇宙のどこにでも行ける宇宙旅行の原理を教えています。私たちはこの宇宙のいかなる地点へでも望むがままに移動する知識を手にしているのです。
 私の方程式では、光速の異なる数値の処理が可能なことに気づいたのです。これはつまり、惑星面上方のあらゆるレベルでそれぞれ統一場理論に対応する特有な数値があることを示すものでした。従ってこの考えにのっとって乗物を作れば、それは惑星上の三次元空間のどこにでも位置を定めることができるでしょう。これは時空幾何学の操作によって可能なはずです。
−−私の知る限りではアインシュタインの統一場理論は完成されなかったと思います。だとすると、一体どうして統一場理論を貴方の方程式に結びつけることができるのですか。
キャシー アインシュタインはいつも、彼の方程式E=MC2から質量の記号Mを消去し、光速度の記号Cで置きかえることができれば、方程式ができるだろうといっていました。そうなればこの方程式で物質界のすべてを説明できるであろう。こういったのは私ではなくアインシュタインです。
−−では貴方はどのようにして、方程式を統一したのですか。
キャシー ネットワーク・システムの研究の結果、私はM=C+√1/Cという式を導き出すことに成功しました。そこで私はアインシュタインの方程式のMを消去してこれを統一しました。するとこうなります。E=(C+√1/C)×C2。しかもCの数値を2倍にすると方程式が完全に統一されることを発見したのです。これは物質と反物質、光の速さと時間の速さの関係を説明しています。
 この方程式をより深く考察すると、前にいったように時間が絶対ではないことや、ゼロに近いところから無限にまで変化し得ることの証明が得られました。この考えを基に作った乗物があれば、我々人類は宇宙のいかなる場所へも自由に旅することができるのです。

地球製のT型UFOは飛行中

−−アメリカを始めとする他の国々が、既に貴方のいうような高度の技術レベルに達していて、ある種の共同研究を進めていると思いますか。
キャシー 主要先進諸国の間では、全面的な共同研究が行われていることでしょう。ただ残念なことに、世界のほとんどの人間がアメリカの方へ顔を向けているのが実情です。私がこれまで行ってきた調査でも、アメリカの貢献度が高いということがわかっています。でも実際には、この研究は世界各国の科学者の手で国際的に進められているのです。
−−現在アメリカが行っているUFO研究は、米国国民の目から隠されているのでしょうか。
キャシー 米国国民のみならず世界のどの国の人々にも知らされていません。
−−そのことについて、貴方はどうお考えですか。人類が既に、貴方の理論通りの動きが可能な金属製物体を製造できる技術レベルに到達していることを示すものなのでしょうか。
キャシー 私がこれまでに得た数学的知識からいって、世界中で目撃されているUFOの多くが人間の手によるものだということはまず間違いありません。科学者たちは、次元を航行する乗物を作り得る段階にまで既に到達しているのです。
−−貴方の研究に関して情報機関が接触してきたとか、研究への介入・妨害を行ったことはありましたか。
キャシー はい、情報 機関や政府の機関それに科学者たちからも接触がありました。買収の申し出も2度ありました。随分前になりますが私がこの研究に初めてとりかかったときには、生命にかかわる脅迫を1度ならず受けました。その他にも種々様々な機関への加入を求められ、私の知識を公表せず隠蔽することを要求されました。一時はある申し出を受け入れたこともありましたが、2日間熟慮した結果、断わることに決心しました。
−−どういった機関ですか。
キャシー ひとつはCIA(米中央情報局)です。事実、情報員の1人は私の家を訪ねてきました。でも彼はそれ以来姿を消してしまいましたが。
−−情報機関が接触してきたという事実は、とりもなおさず貴方の研究が政府の研究と同一の方向に進んでいることを示しているのでしょうか。
キャシー ニュージーランド政府は、私の研究に極めて満足しています。というのも、彼らの研究は私のレベルをはるかに上まわっているからです。彼らの知識と比較したら、私はまだ幼稚園児の段階です。科学者たちの入手している情報が、私の知識の何年も先をいっていることは確かです。
−−彼らの研究が、現時点でどこまで進んでいると思いますか。
キャシー この地球上の1地点から1地点へ、重力を無視して数分の内に移動できる乗物を作り得る段階には、既に到達しているでしょう。でも、宇宙のかなたまで行けるほどではないと思います。恐らくせいぜい月までといったところですか。
 私は現在作られているこれらの乗物をT型UFO(初期段階のUFO)と呼んでいます。いいかえれば、宇宙旅行への第1段階にさしかかっている乗物です。
 実際、このような研究を進められることに、私は大賛成です。ぜひともなし遂げなければならない仕事だと考えています。
−−主要大国のすべてが、まあ中国は例外かもしれませんが、この研究と取り組んでいると思いますか。
キャシー 列強国はみなそうだと思います。中国にしても、他の国々と肩を並べていると思います。
−−UFOに関する研究を25年あまりも続けられた訳ですが、報告されているUFOの大半は地球上のものでしょうか。それとも地球外から飛来したものでしょうか。
キャシー 私の国で目撃されるものの大半は、人間の作った物体です。今や人類の技術は素晴らしい発展を遂げたので、地球上のものと地球外のものとを区別することはますます難しくなってきています。
−−これまでの話から推測すると、貴方はニュージーランド政府が研究している内容は他国の政府の手にも渡っていると考えているようですね。
キャシー その通りです。科学者たちは、彼らの研究を統合する世界的な組織を持っています。科学者たちは既に1800年代末期にはこの理論を知っていたと思われます。私はそれを裏付ける証拠を入手しており、近々発表する予定です。つまり、科学者たちには既に知識はあったがそれを実現する技術がなかった。理論ではわかっていた乗物を作る段階に達するまでには、研究や実験に非常に長い年月を費さねばならなかったのです。
−−今日までに発展した技術の中には、貴方の発見によるものを別として、彼らが捕獲した地球外からの宇宙船の技術から学んだものもあるでしょうか。
キャシー それが真相だと思います。地球外知性体の宇宙船が故障を起こした際に、いくつかの列強国がこれを捕獲しました。そして、捕獲した宇宙船から新たな知識を得て、彼らが既に知っていた知識につけ加えたに違いありません。
−−地球外知性体が実在するとして、彼らが合衆国政府と手を組んで共同研究を行っている可能性はありますか。
キャシー 今のところその事実を裏付ける確証は何ひとつありませんが、現実に行われている可能性は非常に高いですね。
−−では貴方は、地球外知性体が地球を訪れているのは確かだと思うのですね。
キャシー この前アメリカを訪問したとき、合衆国政府の高官とつながりを持つある人物と話をしたのですが、政府は多くの宇宙船を外宇宙まで追尾しているといっていました。
−−それはニュージーランド政府の役人のコメントですか、それとも合衆国政府ですか。
キャシー 合衆国政府です。
−−政府のどの部門ですか。
キャシー ここでいうのはやめておきましょう。

超スパイ機関による監視の目

−−CIAやNSA(国家安全保障局)といった情報機関は、貴方がアメリカに滞在中の、そして恐らくはニュージーランドにいる間についても、貴方の活動を監視して調査ファイルに記録していたと思いますか。
キャシー 私の活動が複数の国家から注目されているのは確かです。現時点でも、私がこうしてアメリカ国内にいることは当然知られているでしょう。
−−監視の目が気になりませんか。
キャシー 彼らの監視を気にする理由がありません。私は合衆国政府に敬意を持っていますし、もし望まれれば協力するつもりでいます。ただし、すべてを晴天白日のもとに行うという条件で。
−−ということは、合衆国政府との共同研究は、いかなる形にしろ反対ではないと。
キャシー そうです。事実、ニュージーランド政府との間には密接な協力関係があります。私は常にすべてをさらけ出す形で仕事をしていますし、自分の研究に対して裏表のない正直な姿勢で取り組んでいます。
−−地球外知性体が地球を訪れているとして、異星人や宇宙船の外観に関する描写がいろいろ異なっていることはどう説明しますか。
キャシー 宇宙船に様々な形状があるのは、異星人の必要とする個々特有な機能を果たすために、数多くの異なったタイプを作ったためだと考えられます。それぞれ違う目的に役立っているのでしょう。
−−UFOが地球を訪れる理由は何だと思いますか。
キャシー 私たちの世界は、いまだ発展しつつある若い世界です。より進歩した存在である彼らはきっと、好奇心にかられて私たちを見つめているのでしょう。
−−人類の技術的発展は今や高原期(上昇も下降もなく比較的変動の少ない停滞期)に到達し大激変の危険をはらんでいると、多くの人が断言しています。もし人類が自滅する瀬戸際にいるとしたら、彼ら異星人は地球を救うために介入してくるでしょうか。
キャシー きっと手は出さないでしょう。彼らが干渉してくるとしたら、それは我々人類の破滅が、直接彼らに影響を及ぼす場合のみに限られるでしょう。
−−ところで、貴方の最新作『ハーモニック288』ではどのような問題が論じられているのですか。
キャシー 今日までに私が行ってきた基礎数学研究についてより突っ込んだ展開を行っています。
−−つまり貴方の方程式を使って計算すると、どこをどう切っても、必ず統一場の方程式に帰 着するということになる訳ですね。
キャシー そうです。私は以前からずっといい続けてきました。私が話したり、行ったり、示したりすることを信じてくれといっているのではない。私のしていることをチェックしてみてほしいのだと。
 もし私の間違いを証明できれば、それで結構。私の研究に誤りを発見したら、その結果を発表すればいい。そのときには私はまた自分の研究に立ち戻り、私なりの努力をすることでしょう。
−−貴方は、人々は事実を知る権利があると心から考えているのですか。
キャシー それこそ私がこうして本を書いている主な理由です。知識は力です。もしある人々が自分たちの持っている知識を他の者には教えないでいたら、彼らの力は強力なものになる。そして、その知識を利用して大衆を操ることができる。そんな状況になるのを防ぐ唯一の方法は、彼らの握る知識を、大衆が手に入れることに外ならないのです。

情報を抑制しようとする勢力

−−強大な権力に結びつくような知識が、政府の統制の外にある小グループによって統合されているかもしれないという危惧を貴方は感じていますか。
キャシー 既に情報はひとつに統合されています。今や、複数の敵対する小グループに情報が集中しているのです。権力と支配力は各国政府が握っている。しかし国家のわくを越えて国際的な活動をする人々、彼ら少数のエリートたちが権力に通じる知識を一手に握り、それを武器に国家政府を通じて大衆を支配しているのです。
−−知識を統合しようとするのは、情報の持つ科学的価値からでしょうか、それとも何らかの社会的な意図・理由があるのでしょうか。
キャシー 動機はあくまでも財政的なものであると私は思います。極秘の知識を一手に握ってしまえば、財政状態を支配し、かつ全世界のエネルギー配分をコントロールする力を得ることになる。
 政府が手にしている知識や私の研究における発見は、人類が使用できる無限のエネルギーの存在を明らかにしています。それは太古から存続していた、今後も失われることのない無尽蔵のエネルギーです。この地球上のあらゆる場所で開発することができるし、決して枯渇することもないでしょう。すべての国家がこの知識を手に入れていたら、どの国もほぼ思いのままに消費できるエネルギーを手にしていたことでしょう。
−−情報の隠蔽を支持する列強国はこれからもその姿勢を崩さないと思いますか。
キャシー もし第3世界の一小国がこの情報を入手したとすると、何年か後にはきっと強国と同程度にエネルギーに通じることになるでしょう。これによってその弱小国は強国と肩を並べるまでに技術を近代化させることが可能になる。もはや彼らに物品を売りつける大国をあてにする必要はなくなるのです。
 しかし突如として列強国が小国に大量の物品を売ることが不可能になれば、財政状態は急転して落ち込むでしょう。ですから我々一般の手に情報を渡すまいとする力が、今日この世界に存在すると私は強く確信しています。
−−彼らの専制的な姿勢は今後広まってゆくと思いますか。あるいは、一度権力を統合した後でそれを間接的に大衆の手に戻すための、単なる便宜上の手段と捕えていますか。
キャシー 歴史をふり返ってみれば、権力による専制支配が決して成り立たないことがわかるでしょう。なぜなら、権力は腐敗し堕落するからです。絶対的な権力は、完璧な腐敗を生み出します。この事態を避ける唯一の方途は、情報を包み隠さず公表することです。
 この情報抑制を背後から操っているものの正体は何か、私には非常にそれが気がかりなのです。だから私は自分の研究資料をすべて発表しているのです。大衆は現在何が行われつつあるかを明らかにするよう要求するべきですよ。
−−貴方の著書は米国内で検閲されたり発売禁止になっていますか。
キャシー 仮に私の体が米国内に入るのを阻止できるものならきっとそうしているだろうといわれました。
−−訪米中に、CIAやFBIといった政府の機関から、脅迫されたりおどされたことは?
キャシー いいえ、一度もありません。これが4度目の訪米ですが、いつも特別扱いで優遇されています。確かに情報機関の人間が近づいてきたり、ときには尾行されるということはありました。多分私を護衛するためでしょうが本当のことはわかりません。このような事実はあっても、米国内で私や私の家族に対して害のある動きがとられたことはかつてありません。
−−貴方が基本的には放任状態に置かれているのは、著書の発行部数が多いうえに貴方の理論も有名だからでしょうか。
キャシー そうですね。私が統一場の方程式を発表したことが防壁になっていると思います。彼らは強力な企業合同とでもいうべき存在ですが、私の邪魔をして研究を妨害する動きに出ることをためらっているのかもしれません。


以下『UFO百科事典』(ジョン・スペンサー編著、志水一夫監修、原書房)より。


CATHIE, BRUCE LEONARD

 一九七〇年代初頭、ニュージーランドのパイロット、ブルース・キャシー機長は、地球上には碁盤の目のように道筋がはりめぐらされていて、UFOはそれを用いて監視しているのだという驚くべき仮説をうちたてた。彼の仮説は、地球に関する長期の計画がUFOによって実行されているということを強く主張している。
 彼の仮説は米国の国防情報局で検討されたと言われている。海外科学技術部(ライト・パターソン空軍基地内にある)の大使館付空軍武官−−ジョン・バーネット大佐−−は、メモの中でキャシーについて次のように語っている。
「道理をわきまえているばかりでなく知性も兼ねそなえた人物と思われ、彼や他の人々が目撃したUFOの中には、大気圏外空間から来たものも存在するという確信を持った」
 キャシーの主張によれば、ライト・パターソンでUFOの研究が行われているということを彼に知らせたのはバーネット大佐だったという。
 結局のところ、当局側はキャシーの意見に興味を失った模様で、近年はそれを追求しようという動きはみられていない。


BURNETT, COLONEL JOHN

 ジョン・バーネット大佐は、一九六〇年代、有名なブルース・キャシーの仮説が出された当時、ニュージーランドで大使館付空軍武官を務めていた。バーネットはキャシーの信念に感銘を受けていたらしく、米国のライト・パターソン空軍基地で行われているUFOの研究について暴露したのは、バーネット大佐だったと言われている。UFO研究者たちはこの主張を裏付ける証拠書類をほとんど発見できずにいるが、そもそもこういうものに証拠書類など存在しそうにないということも、指摘されている。




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