イスラエル・バラク首相、軍人思考で危機招く(讀賣新聞)

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投稿者 FP親衛隊國家保安本部 日時 2000 年 10 月 14 日 01:34:33:

【エルサレム13日=平野真一】
イスラエルのバラク首相(左派・労働党党首)が十二日、「国民団結のため」として、反和平勢力の中心人物で、今回の衝突を引き起こした張本人とも言える右派リクードのシャロン党首に「非常事態挙国一致内閣」への参加を要請したことにより、同国の急速な右旋回の展望が確実となった。バラク氏は、パレスチナとの歴史的な和平合意を結んだ故ラビン首相の後継者を自任し、国内の右派勢力から非難を浴びてまでパレスチナ最終地位交渉の妥結に努めてきたが、その和平プロセスを崩壊の瀬戸際に追いやったのは、自らの危機管理の失敗だった。
イスラエルのテレビは十二日、ヨルダン川西岸ラマッラで起きたパレスチナ人群衆によるイスラエル兵リンチ殺害事件の映像を繰り返し流した。自治警察署に押し入った若者が二階の窓から兵士を路上に放り投げると、住民が群がり棒で殴打。若者は血だらけの手でVサインを掲げ、群衆は歓声を上げながら遺体を引き回した。イスラエルに返された遺体は手足が切断され、焼け焦げていた。
エルサレムの記者会見場で映像を見ていたイスラエル政府の女性職員は「あの獣(=ゴイム)どもを皆殺しにして!」と叫んだ。パレスチナ憎悪は、日ごろ“左寄り”の国民にまで広がっている。
内外の人権団体から「パレスチナ人に対する人権無視」を糾弾されてきたイスラエルだが、自国民の生命には人一倍敏感だ。一連の衝突でもこうした意識を刺激する事態が相次いだ。
西岸ナブルスで負傷した兵士が救援部隊の到着の遅れから失血死。七日には兵士三人がレバノンのイスラム原理主義武装組織ヒズボラに拉致(らち)された。リンチ事件にしても、兵士が間違えて自治区に迷い込んだのがきっかけだった。
いずれも軍の不手際が原因。その最高責任者が国防相を兼ねるバラク氏だ。軍事上のミスが被害を引き起こし、対抗措置をエスカレートせざるを得なくなり、それがパレスチナ側の一層の抵抗を招くという悪循環に陥った。
イスラエルは初めから、「攻撃」に「自衛」しているだけだと主張してきた。だが、その攻撃を封じるため、首相はまず攻撃ヘリ投入など軍事力増強で対応し、米・イスラエル・パレスチナ首脳級会談で調印に失敗した“合意”の履行を迫り、それでもだめだと、全面降伏か全面対決かの「最後通告」を突きつけた。アナン国連事務総長らの調停工作は双方が頭を冷やすチャンスだったが、それも十二日の報復攻撃で吹き飛んだ。白か黒かの二者択一を迫り、反応に応じて間髪を入れずに次の手を打つのは、軍人としては正しくとも、政治的には相手側をさらにかたくなにさせるだけの悪手だった。
十二日深夜、バラク首相から政権入りを要請されたシャロン党首は、首相の和平プロセス政策が「まだ柔軟すぎる」として難色を示した。挙国一致内閣が発足すれば、パレスチナ側が反発を強めるのは必至で、対話再開の可能性はほぼついえる。バラク首相は自らも予期していなかった墓穴を掘っているかに見える。
(10月14日00:32)



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