1ユリ・ゲラー独占会見

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投稿者 SP' 日時 2000 年 12 月 16 日 21:25:15:

回答先: 特集 ユリ・ゲラー(『UFOS & SPACE』83年6月号) 投稿者 SP' 日時 2000 年 12 月 16 日 21:19:38:

〈出席者〉
ユリ・ゲラー
   VS
大谷宗司
(防衛大教授)
大谷淳一(超常現象研究家)
早瀬勇一(超心理研究家)
丸山一郎(日本超心理学会会員)


 アイドンノー ホワッツ ハップン!! 興奮したおももちでユリは叫んだ。彼は、自分の超能力ゆえに知りえた予知の重大さに1人驚き、苦しんでいる様子だった。8年ぶりに姿をあらわしたユリは、74年当時の青年のおもかげを残しながらも、ある風格を持った超能力者として変貌し、この度の再来日に際し、きわめて雄弁に、自身とその周辺の状況について語った。これは、本誌が直接、ユリの口から聞き出したインタビュー記録である。

構成/丸山一郎


 我々が、来日したユリ・ゲラーを宿泊先のホテルに訪ねたのは、4月初旬の穏やかな日和の土曜日だった。会見した部屋は、日差しのさんさんとさし込む、空調の良くきいたサンルームで、ユリはジョギング・パンツにTシャツというラフなスタイルで、我々の前に現われた。部屋の中には噂にたがわず、エキスパンダーやトレーニング用の自転車などが置いてあり、彼のシェープアップにかける意気込みは相当なもののようである。
 本誌3月号を手にしたユリは、the far-out magazineというサブタイトルが、非常に気に入った様子で、インタビュー中、何度もfar-outという言葉を使った上に、今まで人に話したことがない、という話をいくつも聞かせてくれた。インタビューに出かけたメンバーは、世界的な超心理学者であり、日本超心理学会会長の大谷宗司博士をはじめ、大谷淳一、早瀬勇一、編集部の脇野修平、カメラマンの菊池孝彦、それに、丸山一郎の総勢6名。会見は、超心理、UFOについて、インタビューだけにとどまらず、専門的な議論にまで発展し、約1時間にわたって行なわれた。

米政府と実験を繰り返していた

──1974年のブームから、今回の来日までの間、どんなことをしていたのですか。
ユリ 基本的には、政府や政府の科学者と一緒に仕事をしてきました。でも残念ながら、内容についてはトップ・シークレットなのでお話しできません。彼らは、ソビエトのことを非常に心配しているのです。その他には、講演をしたり、本を書いたり……それに私は結婚して子供もいるので、家で楽しんでいる時間も多かったですよ。
──あなたに対する研究は、民間レベルで行なわれているのですか? それとも政府レベルなのでしょうか?
ユリ いや、ほとんどすべてが、政府の科学者です。何人かの実験者が、政府以外の研究所で実験を行なっていますが、それも政府がその場所を借りただけです。それに政府といっても、私はアメリカだとも、どこの国だとも言ってはいません。ただ今回、1人の非常に重要なアメリカの科学者が、私と一緒に来日しているのは事実です。
 彼はエルドン・バードといって、アメリカ海軍海上兵器研究所の科学者です。彼も、政府以外の科学者にも超心理学の研究をしてもらいたいと思っています。とくに日本は、世界の中でも戦略的に重要な位置にあるので、この領域でも遅れをとっていては困るのです。日本はどんなことについても、どんな分野でも先頭に立っていますが、この分野では違っています。
──そういう意味での啓蒙活動も、今回の目的の中に含まれているのですか。
ユリ そう受け取ってもらってもかまいません。しかし、これはあなたがたの問題です。私はただ、これが何かの刺激になれば良いと思うだけです。重要な地位にいる、影響力の大きな人たちが理解してくれることをねがっています。
──今まで、そのようなコンタクトはとってきましたか。
ユリ してきました。非常に成功しています。ただし結果は、早くても数カ月から数年はかかるので、まだわかりません。しかし、今回の来日にしても、同じ時期にムバラク・エジプト大統領が来日しているのは、偶然だとは思っていません。

超能力は誰にでもある!

──アメリカの超能力者たちとは、接触することがありますか。
ユリ いえ、他の分野の超能力者を何人か知っているだけです。病気を治すという人や、行方不明の人を捜す人を知っていますが、親しいつき合いはありません。私は、非常にプライベートな生活をしているので、人に会っている時間は少ないのです。
──多くの人の超能力を合わせれば、核を消してしまうこともできるというようなことを言っていましたが、彼らとは力を合わせないのですか。
ユリ いや数が少なすぎる……20人の超能力者を知っていますが、それでは少なすぎるんです。
──超能力者同士というのは、仲が良くないように思うのですが。
ユリ 幸運なことに、私については違うのですが、多くの超能力者は非常に嫉妬深いのです。私は絵を描いたり、本を書いたりして多くの収入を得ています。彼らは、私が金持ちだということを妬んでいるのです。しかしそれは馬鹿げたことです。
 それから、何10億人もの人と一緒に念じようとしている私の構想についても、彼らには納得できないようですね。というのは、私はこういった能力は誰にでもあるのだと言い、彼らは自分たちこそが特別なんだと言っているのですから。
 ところで、私は日本の非常に重要な人たちと映画を作ろうと思っています。また、テレビでショーをやり、できればそれを衛星中継して、非常に大きな実験を行なうのです。どういう結果になるのか私にもわかりません。恐ろしいほど大きな事が起こるかもしれません。10億人の人が同時に核兵器を消滅させようと念じたところを想像してみて下さい、一体どんな事が起こると思いますか。政府は皆、パニック状態に陥ることでしょう。彼らは、もう互いに殺し合うことができなくなるのですから。

僕の能力は地球外知性体からくる

 次に我々は、彼自身が自分の能力をどのように自己分析しているのか質問してみた。これは、今まで多くの超能力者と言われる人々に対して試みられてきた質問で、超心理学的にも、非常に興味のあるものの一つである。
ユリ 私自身、自分の超能力を主に2種類に分けて考えています。一つはテレキネシス(サイコ・キネシス)、金属の分子構造を変えるような能力です。そして二つ目がテレパシー、 思考波を読み取る能力です。
 しかし、たとえば、先日東海大で行なった、コンピューターの絵を止める実験のような場合、複雑なのでどちらのパワーを使ったのか、私にはわかりません。多くの場合、私自身にも、どのようにしてやっているのかわからないことが多いのです。それに、私がいくらやろうと思って努力しても、現象が起こらないことも多いのですが、それもなぜだかわかりません。
──感覚としては、どこから超能力が発生していると思いますか。
ユリ 普通私が言う安直な説明は、私の心からきている、ということです。しかし、本当はそれが地球外知性体(ETI)からきていると信じています。こんなことを言えるのも、貴誌がfar-out magazineだからですけれども。
 私が言う知性体というのは、決してアンテナのはえた火星の緑の小人ではなくて、緑の小人やE.T.の格好から遥かに超えたものだと思っています。その知性体は、非常に進化しているので、UFOなどを使わなくても旅行ができるし、その物理的な姿は、純粋な光のようなもので、光よりもっと速く移動することができるのです。そして、宇宙の中の何10億という星を選んで、そこにいる人々や、知性体をテストしているのだと思います。
 私や超能力少年たちの能力は、何かの目的を持った、テストのようなものかもしれません。しかし、どういう目的なのかは、私にもわかりません。
〈どうも彼の言っている知性体というのは、宇宙人やUFOとは別に存在するもののようである〉
ユリ 彼らも、以前は肉体的な姿を持っていたことがあるのだと思います。しかし、何10億年も進化した後、純粋な光にまで昇華したのです。私は、我々もいつかは、そのようになるのだと信じています。しかし、その世界にも限界があるのです。なぜなら、そこには無限があるからです。だから、我々は到達することができないのです。神にはなれないように。

スペクトラはカセットテープから現われた

──地球外知性体と呼んでいるものは、実際にいると思いますか、それとも、なんらかの未知の力を擬人化したものなのでしょうか。
ユリ いえ、実際にいると思います。私は一度しか直接コンタクトしたことはありませんが、カセットを使った非常に奇妙な体験でした。大勢の人が見ている前で、テープレコーダーが突然停止して、自然に巻き戻ってしまったのです。そして次の瞬間、とても奇妙な機械的な声が現われたのです。非常に短い時間でしたし、随分昔のことですが。しゃべっている内容は、重要でない、むしろくだらないものでした。声の主は、3歳くらいのピエロのようでした。後になって、彼はスペクトラという名を名乗りました。
──いつごろのことですか。
ユリ 8年前です。今は、まったくコンタクトはありません。しかし、私が物を曲げたり、私の家に来た人が色々と不思議な体験をすることこそが、コンタクトなのかもしれません。
 これは複雑なパズルです。一体何が目的なのかわかりません。まるで、巨大な都市を、家の屋根の上から眺めているようなものです。もしあなたの目に一つの通りしか見えなければ、本当の姿はわからないでしょう。しかし、もっと上のほうから眺めることができれば、すべてを見ることができるでしょう。私の今の立場はといえば、一つの道の、その上にある石にすぎません。私に何が見えるというのでしょう。その後ろに巨大な目的があったとしても。
──スペクトラとのコンタクトについて、プハリッチが著書の中で書いていますが、あの内容は本当でしょうか。
ユリ すべて本当のことです。しかし、内容が超越しすぎていて、人に話すのをためらっています。

スプーン曲げは注意をひくための方法の一つ

──PK現象を起こす前に、結果を考えることがありますか。
ユリ いえ、いつでも私が何かを曲げようとするときには、どういう結果になるのかわかりません。たとえばスプーンを曲げるときには、普通は上のほうに曲がっていくのですが、時には曲がり方が非常に小さかったり、横に曲がってしまったりするのです。曲げてみないとわからないのです。ただ、時々衝動的な感覚を受けることはあります。昨日だったか、一昨日だったか、私がゴルフのクラブを持ってホテルの廊下にいたら、突然強い衝動的な感覚がして、次の瞬間手に持ったゴルフクラブが破裂したのです。私はどうして私の力がこういう風に、あるときは突然強くなり、またあるときはまったく現われなくなったりするのかわかりません。こういうことの起こるのは、99パーセント重要ではない場所ですし、重要ではない人々の前です。
 これが逆に、実験室の中でばかり起こってくれたら良いのにと思います。しかし実際には、これらの現象は実験室ではもっとも現われにくくて、このパワー自体が、何らかの目的で実験室で証明されることを拒んでいるようにさえ見えます。管理化された条件下では、超常現象は起こりません。その理由は、それ自身が考えているからだと思っています。このエネルギーは、反対者を求めているのかもしれません。また、世界を信じる者と信じないものの二つに分けようとしているのかもしれません。
 それに、もしもこの星のすべての人が、私のことを信じたならば……それは私にとって非常に危険なことだと思います。そういう意味で、私を信じない人がいるということは、私の身の安全を保証するものなのかもしれません。
〈1999年を目前に控えたこの時期に、イスラエルの地からやってきたこの青年は、一体何を起こそうとしているのだろうか〉
ユリ スプーン曲げとか、テレパシーというのは、人々の注意を喚起するための一つの方法にすぎません。あと5年くらいで、何か非常に大きな出来事が起こるかもしれません。今一番危険だと思うのは地球上のいたる所に配置してある核兵器です。我々が自分の手でそれらを破壊しない限り、5年から15年の間に、我々は非常に大きな地球外知性体の現象を体験することになるでしょう。それは20年後かもしれないし、私にはわからないのですが、そんな気がするのです。
──それは、人間が自分自身をコントロールできなくなったときに、やって来るのですか。
ユリ 私は、そうは思っていません。我々は、自由な意志を持っているからです。忘れてならないのは、たとえどのような地球外知性体であっても、その上には、必ずたった一つの神が存在するということです。神は私たちに自由な意志を与えました。だから、私は我々を救うのは、我々自身の仕事だと思うのです。
──地球外知性体は、我々に刺激を与えているというわけですか。
ユリ その通りです。それにその知性体は、我々に 核を破壊することのできるようなマインド・パワーを与えてくれることもできます。

10億人のテレパシーで核を消せる

〈しかし、我々の直面している危機は核によるものだけなのだろうか、ユリは続ける!〉
ユリ これは一つの状況です。しかしもう一つの状況があるのです。それは自然もまた力を持っているということです。我々が、もしこの星を乱用すれば、自然もまた我々を滅ぼそうとするでしょう。
──それは自然現象のことでしょうか。
ユリ そうです。たとえば、我々が核廃棄物で地球を汚染するようなことをすれば、自然は大地震を起こして文明を破壊し、海は陸地を飲み込んでしまうでしょう。なぜならば、自然もまた、一つの知性体だと信じるからです。
──超能力を持った人が、力を合わせてそれを防ぐということは考えられますか。
ユリ もちろん、人々が力を合わせれば、そういうことは可能だと思いますが、そのためには何らかの媒体が必要です。科学には、とても10億人の人々を結集する力はありません。しかし、テレビにはそれができます。
 超能力というのは、一部の超能力者だけにあるものではなく、すべての人が持っているものなのです。超能力者と呼ばれる人たちほどではないでしょうが、もし10億の人々が、一緒になって念じたらどうでしょう。1人1人はほんのわずかの力だとしても、その合わさった力は膨大なエネルギーとなって、世界中の核ミサイルや、核爆弾などを消し去るほどのものとなるでしょう。
──普通の人の超能力を発達させる、科学的方法はあるのでしょうか。
ユリ 私の提案することは、まず最初に、国際会議のようなものを開き、世界中の立派な学者を集めて、そのことについて話し合うことです。しかし問題は、99パーセントの立派な科学者たちは、この分野の問題を信じていないということです。彼らは、信じることを恐れているのです。というのも、彼らは、これらの問題を簡単には証明出来ないと考え、それを恐れているのです。これが、いかに情け無いことであるかわかりますね。
 たとえば、あなたたちは違いますが、私が随分前に実験に協力した科学者たちは、まったく同じ実験を何度も、何度も繰り返して成功させることを要求してきました。最近では、そういうことは少なくなってきていますが、私は、繰り返して同じ実験が成功しないことこそが、本当は彼らが研究しなければいけないことの一つだと思っています。
──ところで、あなたは、心理学者のフロイトの遠い親戚だという噂があるのですが。
ユリ そうです。正確には知らないのですが、私の母方の姓がフロイトで、母の言うには、彼女の曾祖父がフロイトなのだそうです。奇妙なことですけれども。
〈彼の言う、「超常現象を信じることを恐れている立派な学者」のはしりとも言えるフロイトだが、その末裔が、よりによって超能力キャンペーンの先頭を走っているというのは、きわめて興味深いことである〉

緑の葉っぱが黄色に! 翌朝、私は……

〈ユリ・ゲラーは、超能力は誰でも持っている能力の一つであり、自然にさえも、そういう力や知性が備わっているとさえ言っている。それでは、彼は動物や植物にも、ESPやPKなどの能力があると考えているのだろうか、もしそうだとすれば、それは彼の完全菜食主義と関係あるのだろうか。その辺の問題について聞いてみた〉
──超能力の使いみちとして、機械に対するものと生物に対するものがあると思います。今までに、生物に対する実験を何かしたことがありますか。
ユリ あります。これは、私が非常にやりたくないことなのですが、今までに2回だけ実験したことがあります。エドガー・ミッチェルと一緒に行なったものと、もう一回は、今回日本テレビで実験したものです。私はそういう実験をすることを、本当に恐れているのです。それは生命を変えてしまうことだからです。今回はヤオイ(注:日本テレビ矢追純一ディレクター)にいわれたので、しかたなくやったのですが。時々考えるのですが、もし私が小猫を手の中に持って念じたならば、一体何が起こると思いますか。私にそんなことができると思いますか。
──しかし、欠陥のある動植物を、PKによって、完全な形のものに直すというような可能性もあるのではありませんか。
ユリ 私にはわかりません。そういうことは、やったことがありません。しかし、そういう実験を非常に、本当に非常に恐れています。私は、自分の手で生命のプロセスを変化させるようなことは、非常に恐ろしいことだと思います。本当にあった、ショッキングな例をあげて説明しましょう。このことは、今まで誰にも話したことはありません。これが初めてです。
 1年半ほど前のことでした。私は1枚の葉っぱを手の中に握って、念をかけてみました。成長するように願ったのです。私が集中していると、突然私は、手の中で何かが起こっているのを感じたのです。私は手を開いてみました……葉っぱは黄色になっていました。私は非常に驚きました。これは1人でいるときに、やったことです。
 そして次の朝、私はいつものように、起きるとすぐ髭を剃りに行って驚きました。鏡の中の自分の姿を見ると、一夜にして56本もの髪の毛が真っ白になっていたのです。ショックを受けて、真っ青になってしまいました。今まで誰にも話さなかったくらい、本当にびっくりしたのです。

植物にも超能力はある

──生物にPKをかけるときと、金属などにかけるときの感じは違うのですか。
ユリ 違います。まったく違った思考プロセスで行なっています。スプーンなどは曲げようと思いますが、生物に対しては、命令を与えるようなつもりでやっています。
──動物や植物に、PKやESPの能力はあると思いますか。
ユリ あります。もちろんあります。私が植物と話ができると信じていることは、知っていると思いますが、こんなことがありました。
 私が、現在の家へ移ったとき、ニューヨークのアパートに2鉢の植物を置いてきたのです。妻が水と肥料を与えていたのに、帰ってみると、ほとんど死にかけて、ニア・デス状態になってしまっていたのです。私はその植物に話しかけて、新しい家に持って行きました。それは、2カ月後には完全に健康な状態になりました。
──話は戻りますが、植物にPKをかけるときに、何か反動のようなものは感じますか。
ユリ いえ、感じません。
〈彼は、PKの反動より、むしろ倫理的なものを恐れているようだった〉
──「UFOと宇宙」の読 者に、メッセージをいただきたいのですが。
ユリ こういった雑誌は、非常に重要だと考えています。なぜならば、近い将来、もしあなたが信じるのなら──もちろん、この本の読者はすべて信じていると思いますが──地球外知性体が我々にコンタクトしてきたとき、最初にコンタクトするのは、あなたたち信じる人々だからです。(次号へ続く)
(注:UFO問題に関するインタビュー記録は次号に掲載します。)


ユリのテレパシーが大谷教授を直撃

 インタビューの終わった後、突然ユリがテレパシー実験をやろうと提案した。ユリの描いた絵を、我々がテレパシーで受けて紙に描き、後で比較するというテレパシー実験である。ユリは、特に受け手として大谷先生を指定した。
 彼は、皆に見えないように隠しながら、何か簡単な図形をフェルトペンで描いた。大谷先生だけでなく、我々もユリのテレパシーを受けとろうと、おもいおもいに紙とペンを持ち絵を描いた。
 しばらくしてユリの見せてくれた絵が図1である。これは、ユリの家の庭にある大理石の石塔だということだ。彼は、この絵はテレパシーの実験では初めて描いたと言っていた。
 大谷先生の描いた絵は、UFOだったが、そのページを1枚めくると、何と図2のような、まったく同じ絵が出てきたのである。最初に描こうと思ったときに、インスピレーションのように浮かんできたそうである。また、編集部の1人も団子Bのように、良く似た図を描いている。皆、総立ちになって大騒ぎ。熱狂のうちに我々の会見は終了した。


地道な努力が進歩を生む──大谷宗司

 超常的能力とは一体何か、その能力は何に由来するのか、能力者は何によって能力者となるのか、能力者は何かの使命を持った特殊な人間であるのか。
 本日、若い研究者たちが、ユリ・ゲラーに体当たりの質問を浴びせた。彼の答えはどちらかといえば、彼の能力の背景とその応用に関係したものであった。昔の霊媒は死者の霊の言葉を伝え、現世と霊界との関係を説いた。テーブルを浮揚させ、メガホンから霊の声を人々に聞かせた。今、ユリは地球外の知的存在との関係について語り、人類がその所有する叡智に目覚め、平和を確実なものとする努力をすべきことを叫び、スプーンを折り、テレパシーをデモンストレーションする。
 霊媒たちは、当時の人たちに大きな衝撃を与えた。D・D・ホームは、欧米の上流社会の人々の前で超常的現象を披露し、喝采を博した。しかし、それを詐術だとする人たちを納得させることはできなかった。御船千鶴子などは賛否両論の世論に翻弄され、ある者は自殺へと追い込まれた。人々は、目の当たりに見る奇異な現象を正当に理解することができず、能力者たちは歴史の闇へと消えていった。今日の能力者はどのような運命をたどるのであろうか。
 しかし、かつての能力者は、重要な功績を残してくれた。彼らは自身によって、人々の理解を得ることには成功しなかったが、超心理学という新しい科学を誕生させた。研究は今日まで続けられ、今やそれは世界的に拡がり、わずかではあるが確実に進歩を示している。
 ユリは科学者は物わかりが悪いという。科学的研究は、研究対象となる能力者にとっては、つらいことと思う。研究者は、同じことを何回も試みることを要求する。無意味な積み重ねと感ずるかもしれない。しかし、かつての不毛な超常現象ブームを繰り返さぬために、我々は地道な努力を続けなければならない。その苦痛に耐えることが、やがて、超常的能力者の使命とするものの達成に至る最短距離となるのではなかろうか。今回のユリの来日も、このような点から、意義あるものとする努力が必要であると思う。

●大谷宗司

1924年生まれ。防衛大学校教授、日本超心理学会会長。超心理現象を心理学の観点から研究する第一人者。1953〜54年に、米・デューク大学でJ・B・ラインの指導を受け、日本に正当派の超心理学を導入した。日本人で初のPA(アメリカ超心理学会)会員でもある。





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