ブラックメンの示威活動(『UFOS & SPACE』82年8月号)

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投稿者 SP' 日時 2001 年 4 月 17 日 12:03:37:

回答先: ブラックメンの行動目的(『UFOS & SPACE』82年7月号) 投稿者 SP' 日時 2001 年 4 月 17 日 12:01:47:

「UFOの対地球戦略・総合分析」17
日本の見えない大学情報部

 フランク・エドワーズの死の直後、ブラックメンの活動は、超常現象およびUFO問題についての著述家として有名なブラッド・スタイガーの身辺でも始まった。その活動たるや、さらに不可解な様相を呈していったのであった。

 フランク・エドワーズの殺害犯人と「黒服の男たち」とを結びつける1本の赤い糸は、この殺人事件を予告する手紙と電話が、グレイ・バーカーのところにもたらされた、という事実にある。
 80号や82号で詳細に述べたように彼の身辺にはすでに50年代前半に、典型的なこの種の脅迫者たちが出没しており、これは現代におけるブラックメンの大量出現のはしりであった。そして、これについて調査しその結果をまとめ1956年に出版されたバーカーの著書『彼らはフライング・ソーサーについて知り過ぎた』(『空飛ぶ円盤ミステリー』高文社刊)は、この問題について系統的に扱った最初の書物であった。
 さらにバーカーはこの本のなかで、エドワーズが米政府筋の圧力により、AFL(アメリカ労働同盟)がスポンサーとなっていた放送番組から降ろされるに至った事情を詳しく述べ、しかも「黒服の男たち」もこれと同一の筋の秘密工作機関員なのではないかという“見方”を提示していた。すなわち同書は次のように述べている。

 ……ワシントンDCの相互ニュース解説者フランク・エドワーズが怒りをこめて「なぜフライング・ソーサーに関するニュースに公然たる検閲統制が加えられているのでありましょうか」と問いかけたとき、音量メーターの針はピーンとはねあがった。
 「ソーサー目撃情報は小さな地方紙にはしょっちゅう掲載されているのです。だが奇怪なことにこれらが再びピック・アップされ全国の報道通信網にのせられたり再録されることはほとんどありません。ここから引き出される結論は、次の2つのうちのいずれか以外にはあり得ないのです。すなわち、この種のニュースは、その報道が命令によって直接禁止されているのか、それとも、全国規模のすべての報道通信機関の自発的報道管制下におかれているのかどちらかだ、ということなのです。いずれにせよ、何らかの公式筋の圧力が背後になければ、このようなことは起こるはずがないことは明らかです。
 しかし、ときには目撃ニュースが、全国通信網によって流された大新聞に載ることもあります。だがそのような場合は決まって、明らかに、ホラかバカげたもののように聞こえるようにデッチあげられた作り話を記事にしたとしか思えない話ばかりなのです。
 このような話を読んだ人々はまともな目撃とは受け取りません。ひとたびこの種のいいかげんな作り話やホラに聞こえる話を読まされた読者たちは、それからのちどんなにまじめなフライング・ソーサー記事に接しても、“これもあやしいものだ”と見てまったく相手にしなくなってしまうのです。
 このような効果を狙って、どこかで1人の男が数千の人々の証言のなかから、ホラやバカげた作り話に聞こえる目撃話だけを選んで全国に報道されるよう、青鉛筆でチェックの印をつけているにちがいありません。皮肉な笑いを浮かべながら……」
 エドワーズは、こういう調子でフライング・ソーサー情報に対する検閲統制問題に関して電波を通じて聴取者たちに興奮の色をまじえた訴えを行なった。するとたちまち数千通の手紙が彼のスポンサーであるAFLの事務所に殺到した。
 これらの手紙は、500対1の割合でエドワーズを支持していた。だが1、2週間後エドワーズは、1通の解職通知を受け取ったのである。
 この事実を知って私(バーカー)は、これは問題の3人の男たちと関連がある、という新しい見方をすべきなのかもしれないと考えた。もし彼らが誰かを脅迫して沈黙させることができないときは、経済的圧迫を加えることはあり得ないことではないからである。
 私は、すぐれたフライング・ソーサー関係の著者である別の1人の人物(たぶんドナルド・キーホー)を、彼のワシントンの自宅に訪ねたことがあった。この人物はコーヒーを飲みながら私に次のように語った。
「ワシントンは今や警察国家なのだ。僕はできるだけ早くここから引っ越そうと思っている。ぼくはこのことについて、君にもっと詳しく話したいのだが、君は信じてくれないだろう。フランク・エドワーズの方がこの話をするのには適切だと思う。彼に電話してこの件についてたずねてみてくれないか」
 そのあと私はエドワーズに会ったとき、このことについて聞いてみた。すると彼は、非常に詳細な話を聞かせてくれたのである。
 たとえば、彼が地方放送局に売りこむための、フライング・ソーサー関係の一連のラジオ・ニュースの放送原稿を作ったときのことであった。この問題についての一般の聴衆の関心の高さから判断して、必ずスポンサーがつくものと確信していた。
 しかし、突然どのスポンサーもいっせいにおじけづき、しりごみをはじめた、というのだ。
ブラックメンはやはり政府のまわし者か
 バーカーはここでは、明らかにアメリカ政府筋による、エドワーズたちUFOジャーナリストに対する圧力について語っているのであり、少なくともこの局面では、「黒服の男たち」を同筋につながるもの、という“見方”が成り立ちうる、とそのとき考えたことを述べている。
 またバーカー自身も、1953年8月28日にFBIの身分証明書を示した3人の男たちの来訪を受けているが、彼らは本物の政府職員であったという“見方”をしている。
 バーカーは、必ずしもこの“見方”を問題の書物のなかで一貫してとっているわけではない。むしろ多くのブラックメン事例に関して、なんらかの政府機関の工作活動としてはつじつまのあわない点があることも示唆だけはしている。しかし、この点の是非を総合的に識別判断するために重要となりうるようないくつかの重大な事実については、おそらく知っていたと推定されるにもかかわらず、その内容をより具体的に詳しく述べることはさしひかえているのだ。
 たとえば、80号および82号で明らかにしたようにもっとも重要なベンダーの事例については、 この書物では外面的な経過だけしか述べていないので、不注意な読者にベンダーを脅迫して沈黙させたのは政府筋の男たちなのだ、という印象を抱かせる効果をもつような文脈を作り出してしまっている。
 いずれにせよバーカーは、明らかに米政府の秘匿政策の動きに間違いないと識別されうる諸事実と、必ずしも何らかの政府筋の活動と断定しがたいという点で、問題のある事例を含むすべての「ブラックメン」事例とをごたまぜにし、没概念的に羅列して叙述しているだけであり、全体として問題の男たちの正体を単なるあいまいな謎として描き出すことに終始し、当然光を当ててしかるべき第3者の謀略的介在という、極めて重大な焦点をぼかしてしまう書き方を一貫してとっている。
 すなわち、地球大気圏内に出没する正体不明の飛行物体が、地球外の知的種族が送りこんできた探査機ないし乗物である疑いが存在する以上、当然すでに彼らの手先たちが地表の地球人社会のなかに潜入し、情報収集にあたっているだけでなく、なんらかの極めて具体的企図に基づく戦略的秘密工作を実行しつつある可能性を予期すべきなのだ。
 このような場合にもっともありうる戦略的工作としてまず第1に考慮されなければならないのは、地球人政府の政治的権威に対する破壊工作であり、地球人戦略指導層と、一般市民との間の政治的分裂と離間を計る謀略工作である。
 したがって「ブラックメン」問題のもっとも本質的な焦点は、各国政府のUFO情報秘匿政策と、国民のこれに対する反発という具体的状況を利用し、政府と民衆の間の相互不信をあおって、両者の間の離間と抗争の拡大することを目的とする謀略活動を実施している地球外の侵略勢力の送りこんできた秘密工作部隊の介入の疑いの視角から事実を解明することにあるのだ。
 しかるにこの書物は、このような本質的な視角を提示することはせず、一方では地球外の勢力の謀略活動である可能性を示す形跡については、単に暗示するにとどめ、他方では、政府の謀略的情報操作やエドワーズに対する圧迫、そしてドナルド・キーホーと推定される人物の“ワシントン警察国家”論などを「ブラックメン」と直接結びつける反政府的“見方”を前面に押し出している。
 その結果バーカーのこのユニークな著作は、地球外からの侵略に対しては異常なまでに警戒心を欠き、地球上の政府に対しては極端にきびしい不信感を抱くという、完全に倒錯した風潮が民衆に対して一定の影響力をもっているアメリカの具体的情況のもとでは、またとない反政府宣伝文書の役割を果たしていたのである。
 当時も現在もアメリカにおいては、アマチュア・ユーフォロジストはもちろんのこと、UFO問題を肯定的に考えている科学者たちもそのほとんど大部分は、地球外の種族たちに対してまったく警戒心をもっておらず、むしろ地球外の知的生物との全面接触に大きな期待をよせている。
 彼らにとっては、異星人たちが、地球人征服を企図し、その高度の科学技術と強力な組織的にものをいわせて、地球人社会のなかにすでに久しい以前から侵略の尖兵として秘密工作部隊を送りこんできており、大気圏内を飛びまわるUFO部隊と呼応して、陰険で狡猾きわまる謀略活動を展開しているのではないかとの観点から、事実を冷静かつ客観的に分析してみるなどということは思いもよらないのだ。
 このような、いわば「君側の奸」流に本末を転倒する、異星人崇拝と結びついた政府不信の空気がみなぎっているアメリカのユーフォロジー界に対して、バーカーの問題の書が与えていた特殊な心理的政治的効果を、謀略者たちが見逃すはずはなかった。
 問題のこの書物を、「黒服の男たち」自身、もしくは彼らの背後にあって彼らをあやつっている秘密工作司令部の連中が読んでいない、と考えるべきではない。そしてもし、彼らが米政府と米国民との間の政治的分裂を拡大する離間戦略の一環として、米政府を無実の“テロ殺人”の罪にハメるための謀略殺人をたくらんでいる第3者だったとするならば、この書物の存在は当然具体的実行計画の立案作成にあたって充分考慮に入れられたと見るのが自然である。
 エドワーズをこの謀略殺人の具体的な標的とすること、とくにその予告先として、グレイ・バーカーを選ぶことなどの決定がなされるにあたって、問題の書物のこのような内容と歴史的位置、社会的影響力などが不可欠の役割を演じたことは間違いないと考えるべきであろう。
 バーカーがこの書物で述べているブラックメン事例においては、後にアルバート・ベンダーが1962年に公刊した『フライング・ソーサーと3人の男たち』で全容が明らかにされたように、いわゆる超常現象と呼ばれている領域に属しているように見える高度の諸技術が、威嚇手段として用いられていることが著しい特徴であった。
 被脅迫者たちがみな一様に異常に深刻な恐怖を示してUFO研究から手を引いてしまった理由の1つは、この思いがけない不気味な威嚇手段にすっかりきもを抜かれてしまい、切実に自分自身や家族たちの身に迫る防ぎようもない恐るべき危険を感じたからであった。
F・エドワーズ殺害も示威活動の1つ
 エドワーズの死の直後、この種のブラックメンの活動が、ブラッド・スタイガーの身辺で始まった。高校および大学のアメリカ文学・修辞学の講師で、映画『未知の諸勢力』のシナリオ・ライターとして、1978年度全米優秀映画審査委員賞を受賞したスタイガーは、超常現象およびUFO問題についての著述家として当時すでにかなり有名であった。彼は、エドワーズの変死が伝えられた、例のニューヨークのコモドア・ホテルでの「第1回科学的UFO研究者会議」に出席していた。したがって、スタイガーも当然のことながら、ほかの多数のUFO研究家と同様に、エドワーズはいわゆる「ブラックメン」たちに抹殺されたのではないかとの強い疑いを抱いた。
 しかし彼は、大多数のユーフォロジストたちのように、エドワーズ暗殺者や「ブラックメン」たちが、アメリカ政府筋の秘密工作員であるとは見ていなかった。彼はこの地球世界は、別の世界からやって来た強力な組織的集団による侵略にさらされているのであり、「黒服の男たち」は、この集団の秘密工作部隊の要員である可能性があると考えた。そして、エドワーズの死後ブラックメンの活動がますます活発となるのを見て、この観点から一段と警戒心を強めていた。
 その理由は彼がバーカーの問題の書を極めて注意深く読んでいただけでなく、他の多くのユーフォロジストたちが、事実としてまともに受けとらなかった、ベンダーの『フライング・ソーサーと3人の男たち』と題する著作の内容を、真剣な立場から読んだ数少ない1人だったからである。
 エドワーズの死の直後、スタイガーは、バーカーの問題の書『彼はあまりに知り過ぎた』のな かに登場している2人のUFO研究家、オーガスト・C・ロバーツとドミニク・ルケッシーに会う機会があった。この2人は例のベンダーに対するインタビュー(80号で紹介)を行なった当人だったので、1962年にベンダーが『フライング・ソーサーと3人の男たち』と題する本のなかに書いているベンダー自身の体験を本当のことだと信じてよいかどうかをたずねてみた。するとルケッシーはためらうことなく次のように確答した。
「あの本に書いてあることは全部本当のことですよ。彼は“黒服の男たち”の訪問を受けたあと、まるっきり人が変わってしまいました。それはまるで頭脳切除手術をほどこされて性格が一変してしまったロボトミーみたいでしたよ。
 彼は精神的に完全にまいってしまっただけではありませんでした。あとになってからものすごい頭痛に襲われるようになったのです。この頭痛は“やつら”によってコントロールされている、とベンダーはいっていました。つまり彼が沈黙を破って知りえた“情報”を他の人に伝えようとするたびに、恐ろしい頭痛が彼を打ちのめし、失神してしまいそうになるのだ、というのです」
 ロバーツはいつも唇に微笑をたやさないおだやかな紳士で、常時少なくとも3個のカメラを首にぶらさげているカメラマンだったが、彼は次のように語った。
「例の“黒服を着た3人の男たち”が彼に黙ることを命じ、彼はそれに従ったんです。現在(1967年)ベンダーは、カリフォルニアでモーテルを経営しています。現在でも文通はしていますが、フライング・ソーサーについて討論することは拒否し続けているんです」
 62年にベンダーが公表した経過が事実であったとするならば、ブラックメンないしその背後にある秘密工作司令部は、ベンダーのみならず、バーカーや、ルケッシー、ロバーツといった事件関係者の言動に対しても、その後、常時綿密かつ周到な監視の目を密かに光らせていたと見なすべきであろう。
 フランク・エドワーズの死後、スタイガーの身辺で奇怪な出来事が発生しはじめたばかりでなく、まぎれもない「黒服の男たち」が出現しはじめた決定的契機は、この会話にあったということは充分考えられる。
 スタイガーの周辺に出没しはじめた「黒服の男たち」の動きは、いわゆる超常現象の領域に属しているように見える諸現象をともなっていた点では、十数年前のバーカー周辺での動きと同じだった。しかし、関係者たちに明示的にUFO研究の中止を要求したり、本人やその家族の身に危害を与える意図をあからさまに口にして脅迫したりすることをしていない点では、バーカー周辺での以前の動きとは異なっていた。むしろ言葉ではなく、一連の示威的行動によって、「黒服の男たち」の実在そのものを、スタイガー個人に対して誇示することを具体的目的として演出された、芝居だったと考えられる。この点では79号で詳しく述べた1965年ジョン・キールの身辺で“上演”された「黒服の男たち」の示威行動と同じ類型に属する動きであった。しかしキールの体験とは違ってスタイガーは、エドワーズの謀殺の直後という、無言の事実のみが語りうる比類のない雄弁な脅迫的状況のもとでこの体験をしたという点を、強調しておく必要がある。
 キールの身辺における脅迫者たちの行動は、エドワーズの殺害に対するいわば伏線にすぎなかったのに対して、エドワーズの死を前提としたスタイガーの周辺での動きは、暗示的ではあるにしても明らかに一種の犯行宣言であり、威圧的効果において比較にならぬ不気味な迫力をスタイガーが感じたのは当然のことであった。
UFO関係者に正体不明の妨害工作
 異常はまずスタイガーあて発送された郵便物に関して発生した。知人たちがスタイガーあて郵送したUFOについての重要なデータに関する通信が、しばしば途中で紛失し、いつまでたっても届かないという事態が起こりはじめた。また、届いた場合でも、スタンプによって示されている到着予定日よりもはるかにあとになってやっと着く、という場合もたびたび発生した。スタイガーによれば、このようなことは以前にはほとんど起こらなかったという。
 さらに奇怪なことに、非常に遠方で発送された郵便物が、ひと晩で到着するという現象が何回も起こったのである。しかも、これらの郵便物には、スタンプが押されていなかった。さらにスタイガーのところに到着するあらゆる郵便物は、いったん開封されたうえ、テープで再び封をされ「誤って開封」という文字がスタンプが手書きでしるされるようになった。
 次に異常が発生したのは、電話だった。たとえばスタイガーの友人のある退役海軍士官は、UFOの謎に強い関心をもっており、スタイガーとはこの問題について、以前から電話を通じてしばしば論じあっていた。ところがその友人が、以後電話ではUFO問題については話さないでくれ、といってよこしたのである。彼の自宅の電話も、事務所の電話も、両方とも正体不明の組織によって、盗聴もしくは計画的混信による通話妨害を受けている、というのだ。状況から推定してこれは、UFOについての通話にかかわるものと思われ、そのため彼の妻は、彼にUFOについて電話で話すのをやめてくれと懇願しているとのことであった。
 また今1人のUFO研究仲間の実業家も、スタイガーにまつわる気味の悪い電話混信を体験した。この友人は別のある都市に住んでおり、UFO調査のためスタイガーがこの都市を訪れたときのことだった。彼が個人用電話をかけようと受話器を耳にあてると、とたんに奇怪な2人の人物の通話が聞こえはじめた。それはスタイガーがその都市に到着したかどうかを確かめ、どこのモーテルに宿泊する予定になっているかを問い合わせ、“万事予定通り進行している”ことを確認する会話だったのだ。
 これらの出来事は、スタイガーの身辺で、正体不明の組織による妨害工作が行なわれていることを、単に暗示するだけの事件であり、いずれも確証はなく、また政府秘密工作機関のしわざと解釈できないこともない筋書きの事件であった。だが、以下述べるいくつかの出来事は、もっと明確な特質を示す事件である。
 スタイガーの友人の1人が、英国に旅をし、ロンドンの停車場のそばを歩いていたときのことだった。いずれも黒ずくめの服装をした3人の男が、ジーッと彼を見つめているのに気がついた。友人もその3人を見つめかえすと、彼らは近づいてきた。そして、これこれの町まで行くにはどの列車に乗ったらよいのか、とたずねた。スタイガーの友人は、率直に、自分は旅行者なのでよく知らないと述べ、すぐそばにある旅行案内所でたずねたらよいと教えた。そしてきびすを返すと、この奇妙な3人から離れて立ち去ろうとした。
 しばらく歩いてから振り返って見ると、3人の男たちは、2メートルか3メートルほどのところに案内所があ るにもかかわらず、そこでたずねようともせず、じっと立ちつくしたまま、彼の後姿を見つめているのであった。
 急に気分が悪くなった友人は、タクシーを拾うと、まっすぐホテルに帰った。自分の部屋に入り、窓に背を向けていた彼は、首筋を何やら不快な感覚が刺激するので、窓の外をのぞいて見た。すると街角に、例の3人の男が立って、彼の部屋を見上げていた。
 困惑した彼は、このことを忘れてしまおうと努めた。だが、1日か2日しか経たぬ時点でこの男たちのうちの1人と街ででくわすこととなった。男はいきなり次のようにいったという。
「あんたはブラッド・スタイガーの友達だね。クリスマスにはやつのところに行くと伝えてくれ」
 スタイガーの友人は、UFOについてはごく表面的なことしか知らなかったが、すぐホテルに帰り、スタイガーあて、この一連の出来事について詳しく書きしるした長い手紙をしたためた。
反政府感情をあおる第3者の可能性も
 スタイガーは問題の手紙を受け取ってから間もないある日、彼の住む町とは別の町にいる今1人の友人であるジムを訪ねた。そして食事をしながら、問題の通報者がロンドンででくわした奇妙な3人の男たちのことを話した。するとジムは、この話を本気に受け取らず、冗談めかして次のようにいった。
「もしそいつらがクリスマスにあんたのところにやって来やがったら、俺のところにもあいさつに来るようにいってくれんかね。ぜひともそいつらのうちの1人をこの手でとっつかまえてやりたいもんだ。そうすりゃ、あんたが以前からいっている“ブラックメン”の謎を俺自身が解いてやれるってもんさ」
 スタイガーは笑って応じた。
「私もそう願いたいね。だがこの話は冗談じゃないんだ。本当にやつらがあんたのところに現われないとも限らない。そのときは充分気をつけたまえ」
 スタイガーが自宅に帰り着いて何分もたたぬうち電話が鳴り、妻のマリリンが出て、ふたことみこと話すと彼に告げた。
「あなた、ジムさんからお電話よ」
 スタイガーは、ジムのところに忘れ物でもしてきたのかといぶかって、電話口に出た。ところがジムは、スタイガーが帰ったあとすぐ起こった出来事を知らせてきたのであった。
 彼の秘書が1人の紳士がやって来て面会をしたいといっていると告げたので通すようにいった。案内されてジムの事務所に入ってきた男は、背丈は普通だったが、彼がそれまで見たことがないほど異様に痩せこけており、そのうえまるで死体みたいに青ざめていた、というのである。
「まったくのところ、やつは第2次大戦中、ナチの集団収容所にいた人々の写真そっくりだったよ。そしてどういうわけか、ものすごく警戒していた。私があいさつしながら握手しようと手を出したんだが、やつはそれを拒否したのだ。とにかく私に体をさわらせることはいっさい拒絶したんだよ」
「彼は早口でこういったよ。『私はあなたが、アイオワ州のUFO団体の責任者になりたがっている、と聞きました』そして紙入れを取り出すと、さっと広げて私に見せると、すぐ閉じてしまった。身分証明書らしかったが、よく眺めるひまがなかった。やつはそれから何やらまくしたてたが、全然ナンセンスなことばかりで、私にはさっぱりわからなかったよ。彼はひとくさりしゃべるとすぐ帰っていたが、私はあっけにとられてそのまま座りこんでいたような始末というわけだった」
「だが男の車がスタートする音を耳にして、私は跳ね起きて窓からのぞいてみた。問題の車はまだよく見えており、ナンバー・プレートも読みとれたのですぐメモしておいた。車そのものはなんともへんてこなタイプだった。3種類か4種類の別々の型のあちこちをつなぎあわせて1台の車にしたように見えたんだ。とにかく、車に詳しいこの私が、今までいっぺんも見たこともない型の車だった。すぐ車のナンバーを照会してみたが、ハイウェイ・パトロールのいうことには、そういう番号の車はアイオワ州には登録されていないというんだ。そこで州政府のほかの部門の役人をしている親しい友人に頼んで調べてもらったところ、問題の番号は、アメリカのどの州のものでもなく、またどのような政府機関のものでもないということがわかったのだ。そこであんたに電話したというわけなのだ」
 ジムのところに現われた男が、コンツエントラチオンス・ラーゲルに収容されていた囚人みたいにやせこけ、死体のように青ざめていなかったとすれば、これら一連の諸事件は、米政府の情報機関のUFO研究者に対するいやがらせ工作ないし、調査活動と受け取れないこともない。だがそれにしても、スタイガー本人ではなく、UFOについてごく表面的なことしか知らない友人を、しかも大西洋の彼方のロンドンにまで追いかけてそのあとをつけまわすということは、よく考えてみれば、アメリカ政府の工作員にしては異常に念の入り過ぎた行動である。いわんや政府機関員とは考えられないような極度にやせこけ青ざめた異様な人物をジムのところに派遣したという事実と考えあわせるならば、ほかのブラックメンたちの活動と同様に彼らの背後にある集団のこの事例での行動原則は、完璧に米政府工作機関員に化けて米国民の反政府感情を煽りたてる心理工作を完全犯罪として実施することではなく、少なくともスタイガーや、注意深くかつ系統的な観察者たちには、これらが第3者の謀略である可能性について気づかせるに充分な程度の多少ともはっきりした伏線を同時に張っておくことだという点を見てとることができるのである。
超能力を有する地球外からの侵略者
 スタイガー自身をまきこんだ次の事例では、例の超常現象を用いた威嚇が行なわれているが、これは、単に威嚇効果が著しい、という便宜的な理由だけからでなく、この種の伏線の1つだと見なすべきであろう。米政府が超常現象を一種の武器として用いる技術の開発に成功していた公算は極めて低い。仮にそうだとしても、決定的な瞬間に決定的な場所で用いるために最高の機密として厳重に秘匿しておくはずであり、個々のアマチュアUFO研究者を嚇すというような、こまごまとした仕事のために、このような重大な秘密“兵器”をもち出すはずはないからだ。
 超常現象を公然と“兵器”として自由に用いることのできる集団、それは地球外からの侵略者以外には考えられない。彼らは、一方で地球人政府と一般国民とを離反させる謀略工作を行ないながら、他方では、なぜかこのように、それが自分たちの活動であることを示す“逆アリバイ”工作を行なってい るのである。
 1968年5月、スタイガーはジャーナリスト仲間のビル(仮名)に誘われて、あるUFO事件の現地調査のため、自宅から数百キロ離れた大きな都市に出かけた。
 その都会にはモーテルが多数あったし、UFO研究家をおびやかす不気味な出来事についても忘れてはいなかったので宿泊予約はせず、またどこに泊まるかあらかじめ予定も組まなかった。そして現地に着いてから恣意的に選んだモーテルに投宿し、どこに泊まっているかは妻たちにも知らせず、ただスタイガーたちの方から、無事に到着し万事うまくいっているという事実だけを、公衆電話を使って彼女たちに連絡するように、あらかじめ妻君とうちあわせておく、という周到な手はずを整えて行動した。
 調査は順調に進み、数日後2人は、満足すべき成果をたずさえて帰途についた。スタイガーの帰路はビルより320キロメートルほど遠かった。スタイガーが自宅に帰りつくとすぐ、ビルから電話がかかってきた。
 彼はおろおろした調子で、帰宅直後、正体不明の男からかかってきた怪電話について話しはじめた。男は、問題の都市に滞在していた数日間の2人のすべての行動を詳細にしゃべって聞かせた、というのである。男は彼らが投宿したモーテルの名から、注文した食事のメニューの具体的内容まで知っていた。2人は何者かの徹底的な監視のもとにおかれていただけでなく、その事実をあからさまに通告されるという一種の脅迫を受けたのである。しかも、事件はこれで終わらなかった。
 数日後、ビルは再びスタイガーに電話をかけてきて、その後彼が体験した、極めて異常な出来事を取り乱した語調で報告したのである。
 まず彼の事務所の書籍類が本箱からひとりでに躍り上がりはじめた。ビルは目に見えない謎の存在がそこにいるのだ、と思ったという。夜になって、彼の寝室に輝く着物をまとった小柄な人物が出現した。この人物は、銀河系を旅する福音伝達者のように振舞い、「地球の利益のために働くためにわれわれの仲間にならないか」と誘ったという。同じ出来事は次の夜も発生した。
 スタイガーは話があまりにも奇怪なのに驚き、ビルがノイローゼにかかったのか、あるいは普通のポルターガイスト現象がたまたま発生したのではないかと考え、その週末に家族ぐるみでビルを訪問することを約束した。
 スタイガー一家を迎えたビル夫妻は非常に喜び、その晩の楽しいパーティーは、午前2時まで続いた。お互いに“おやすみ”をいいかわしたあと、スタイガーの妻マリリンは、習慣にしたがって天候を確かめるための窓をあけて夜空を見上げた。そしていった。
「空を横切って動いてゆくあの光点はいったい何かしら。人工衛星かしら」
 すでに、ベッドに入っていたスタイガーは、妻が次のように付け加えなかったら、問題の物体を見に窓ぎわに行くことはしなかった、と述べている。
「あなた、光点はピッタリ止まっちゃったわよ。ああっ、今度はもとの方向に戻りはじめたわ。それにジグザグ飛行をしているわよ」
 彼らはみな飛び出して夜空を見上げた。光点は1つだけでなく、次々と姿を現わし、夜空いっぱい乱舞し続けた。そこで、もっと視界の広いミシシッピーの堤防まで出かけて眺めようということになり、一同は車に乗りこんで出かけ、夜明けまでこの壮大な夜間空中示威飛行を見つめ続けたのである。




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