宮崎学氏に直撃インタビュー(上) 警察「不祥事」で露呈した日本の国家的危機

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投稿者 みやてん 日時 2001 年 1 月 07 日 02:50:10:

 宮崎学氏に直撃インタビュー(上)

警察「不祥事」で露呈した日本の国家的危機

http://www2.neweb.ne.jp/wc/issuikai/shucho012.html

レコンキスタ5月1日号より転載

警察腐敗の歴史的構造



 木村 早速ですが、今、警察の不祥事といいますか、警察官犯罪が横行して、ひどい状態になってるわけですね。まずこの警察官の「不祥事」といわれる犯罪について、 宮崎さんはいろいろな所でお話されているんですが、どう思われるかお話頂けますか。

 宮崎 今まで警察官の犯罪や違法行為というのは、1979年のいわゆるパチスロの認可ということで質が変わるんですね。それまでの警察官の犯罪というのは、警察官個人の責任による所が非常に多かったんです。例えばコソ泥をするとか、いってみればカワイイ犯罪が多かったんですね。パチスロの許認可権を警察が握ることで、いわば「許認可権」という利権を握ることで、一気に構造的に変わってしまったんですね。それ以降の警察の問題というのは、警察に与えらられたいろいろな「権限」に関わるモノをカネにしていくという構造が発生してきたわけですね。

 次にそれに伴う民間との癒着がでてくる。で、同時にもう一つは、警察対外部という関係なんですけれど、権限が発生して、いろんな利権が生まれ、金銭が動くようになることによって、内部の腐敗というのがものすごい勢いで進行してしまうわけですね。例えば、利権にありつける人とありつけない人が当然出てくるわけですから、利権にありつけない人は利権を求める人に対して当然不満を持つわけです。そういう形での構造的な腐敗が歴史的に、警察がいろいろな権限を拡大していくに従って発生しているということで、構造上の問題とともに、警察の79年以降の権限強化の歴史ですね。構造上と歴史上の問題があるんじゃないかと見なければならないと思うんですね。

 木村 1979年に一つの変化があった。その理由に、パチスロの利権を警察が掌握していったということがありますが、政治の動きでいえば、これは中曽根の登場ですね。

 宮崎 中曽根ですね。

 木村 政治的にいえば、中曽根が出てくることによって、彼は内務官僚上がりですよね。そのことによってより、パチスロなんかの利権を警察が握れるようになったと。

 宮崎 そうですね。そしてこの時に政治家として登場するのが後藤田正晴なんです。

 木村 なるほど。官房長官でしたよね。

 宮崎 で、後藤田の政治資金というのを、パチスロの利権で作っちゃったということなんです。「警察汚職」という本が出てるんですが、この本の中で徹底的に追及してるんですね。で、最終的には同じような構造、つまりノンキャリアが一人自殺して終わってしまうという構造なんですね。どの官庁も同じなんですが、結局警察も「官」であることは変わりないわけです。その種の構造というのは、官僚が持っている構造というのがあるんだけれども、昔は警察というのは、利権とはあまり関係のない官庁だったんですね。通産利権とか、郵政、農林水産利権とか、官庁としてはそれそれいろんな利権を持っているんだけれどそれを言葉で言えば「省益」と言いますが、警察というのはそれとは一番関係のない役所だったんですが、79年のパチスロ問題から、一気に「省益」を拡大していくわけなんですよね。その前段階としていわゆる「新風営法」の改正がありましたね。

 木村 ああ、ありましたね。

サービス業界への恫喝

 宮崎 今まで保健所がやってた業務を警察がやるということになったわけです。

 木村 ええ、なるほど。

 宮崎 ところが、ここで考えて頂きたいのは、風営法に基づく許認可権というのは、店を出すときとか、法律に従って運営されているかどうかを取り締まる法律です。スナックからソープまでそうなんです。ソープなんていうのは、その中で売春が行われていることはハッキリしてるわけでしょ。だから、売春行為が行われていることを警察は一番知ってるわけです。知っていながら許可するわけでしょ。許可する段階から深く関わるわけです。その次に日頃の経営上ということになってくると、日頃営業しているときには、売春を営業しているわけですから、それも知っている。そこを取り締まるかどうかということは、許可する段階から取り締まるときまで、警察の自由裁量権の中なんですね。手の平の上なんです。これだけソープがたくさんあって、何故存在しうるかということになってくるわけです。それは当然、そことの癒着関係が発生しているということなんです。だから、新風営法の改正からスタートした警察の利権、つまり省益が、パチスロで一気に伸びていったということなんです。

 木村 大体、新風営法で取扱う、パチスロとかは、サービス産業なんですが、パチンコなんかは20兆とか30兆円産業とかいわれていますけど。

 宮崎 うーん、もちろんそうだと思いますね。その後、パチンコに対してはプリペイドカードが導入されるんですよね。そのカード会社っていうのは、全部警察の天下りですよね。上から下まで。

 木村 そうですね。

 宮崎 これはいわゆる600億と言われるやつですね。

 木村 プリペイドカードだけでですか。

 宮崎 もう一つは風俗産業に関わっては、それに関わる警察、つまり所轄署の署長は二年で家が建つといわれてるじゃないですか。

 木村 そうですね。

 宮崎 例えば盆暮れのあいさつ、それから署長でなくても、着任と送別の・・。

 木村 「カスリ」みたいなもんですよね。

 宮崎 そうですね。それから道場の鏡開きとか、ずいぶんすごいもんなんですよ。ヤクザよりひどいわけです。その種の腐敗構造はものすごい勢いで進行してるし、パチンコなんかでは プリペイドカードの問題なんかがあるし、景品交換なんてことがなくなるわけなんですね。まあ、パチンコなんていうのも結局は賭博じゃないですか。

 木村 そうですね。賭博ですね。

 宮崎 ソープだって売春じゃないですか。

 木村 そうですね(笑)

 宮崎 で、そういう行為の違法性というのは、オレ達が認めているうちはいいんだよということですね。だからそこに君臨することになってしまう。こうした構造が、歴史的に積み重なってきて、今の状態になっているのだろうと思うんですよ。

不祥事警察官のリストを毎日公開せよ!

 木村 暴力団対策法なんていうのは、要するに警察が、サービス業界から稼ぎをもらったりすることを合法化するために暴力団を排除するということですか。

 宮崎 だから暴力団が今までもっていた「シノギ」があるわけですよね。それが結構「オイシイ」んじゃないかということで(笑)それを全部奪っちゃったということに過ぎないんだろうと思うんですよ。

 木村 暴力団以上の暴力団ですね。

 宮崎 それはもう最大の暴力団ですか。だから破防法をかけるんならコイツらにかけなきゃだめですよね(笑)。

 木村 その通りですね。その構造が、ここのところ、神奈川県警を始め、シャブをやったり、どうしようもないことがどんどん出てきて、新潟県警でも虚偽の報告をしたことが出てきて、マスコミが懸命に非難してます。これはどうして現わてきたんですか。

 宮崎 いろんな問題があるんですが、ここに来てドバッと噴出してきたのは、やはり昨年の145国会で盗聴法が通りましたよね。盗聴法が通ったとき、僕らがずーっと批判してきたのは、この腐敗した警察権力に、こんな武器を与えていいんてだろうかと、こういうことをいってきたんですね。

 木村 ええ。

 宮崎 その種の批判というのがやはり、真面目に考える人達もいるんですから、特に若いフリーのライターなんかが、警察の問題を真面目に考える契機にもなったんですね。

 実は記者クラブ制度というのがありますから、警察の不祥事をある新聞社が握るとしますよね。それは、情報の取引の材料になるわけですよ。だから発表されることがないわけです。

 木村 うーん。今まではそうでしたよね。

 宮崎 ずーっとモミ消しモミ消しで来たわけですよね。で、モミ消しに記者クラブというのも役割を果たして来たわけですよ。神奈川県警のときの発表のウソというのがありましたね。あれは記者クラブと警察との間の関係ということでいえば、今まではあれで済んだんだと思います。要するに記者クラブなんてナメてかかってますから、言った通りのことを書く連中なんだということでね。そういう風にマスコミも成り下がっちゃったというのが現状だと思います。

 ところが、神奈川県警の不祥事が露呈したというのは、記者クラブに入って一年目くらいの若い記者が書いちゃったということです。

 木村 ああ、仕事もしたいし、情熱もあるし。

 宮崎 そう、情熱もあるしね。警察との間にそなん深い関係も形成されてない。だから、時事通信とTBSなんですよ。それぞれ一、二年目の若い記者なんですよ。この若い人達がパーッと走っちゃったわけなんです。もともと、覚醒剤はやる、女の人を見ればHさせろと言う(笑)、カネはちょろまかす、恐喝はするでしょ。そういうこうぞうがあったと思うんですよ。それは何も神奈川県警に限らず、東京の警視庁なんてもっとあるだろうと・そういう方が自然だと思うんです。

 木村 そうですね。

 宮崎 神奈川で起こって千葉で起こって埼玉でも起こってるわけですから。警視庁だけはキレイなんですかと。

 木村 そんなことはあり得ないですね。

 宮崎 そう、東京の警視庁のほうが利権構造は沢山あるんです。じゃあ、なぜ警視庁は不祥事が出ないのか。それは記者クラブと警視庁との関係が密だということでしょうであるが故に表に出ない。だから今回の警察不祥事っていうのがボロボロ出てくるわけなんだけれど、その出方にしても何にしても、本来的に記者クラブ、メディアが果たさなければならない社会的な任務というのを、メディアか放棄していること。それが今まで露呈しなかった一番の理由であって、もう少しマシな人間がそこにいたら、すぐ出てきてしまうことなんですね。

 木村 そうですね。ということはそれだけいっぱいあるということですね。

 宮崎 そうです。いっぱいあるんです。

 木村 180日、つまり半年で警察の不祥事が毎日出てきて二百何件もありますけど。(注・4月6日現在)

 宮崎 僕もホームページを開いてまして、今ちょっとやっているのは、警察では「今日の交通事故」とかやってるじゃないですか。だから「今日の不祥事」とかね。

 木村 そりゃ面白い。

 宮崎 逮捕何人とか、現職は何人とかね。(笑)。それをやってみようかと思ってるんですが。

 木村 それは面白い。絶対ウケますよ。

 宮崎 交通事故で年間一万人位の人が亡くなっているんですが、それに匹敵する位いっちゃうんじゃないかな。上から下までやれば。

 木村 そうですね。

 宮崎 この前、田中義三の裁判の支援でタイに行ったときに、今ついてる弁護士の大学の法学部に法律相談の窓口があって、そこに行ったら、そこで真面目に、ボランティアで日本に行ったジャパゆきさんのケアをやってるんですよ。エイズのことがあったり、精神的なケアの問題をやったりね。その中で、日本に行ったタイ人の女性が、一番悔しい思いをしたのは警察なんだと言ってるの。何故かというと、若い警察官が突然部屋に入ってきて犯っちゃうんですね。

 木村 ヘェー。

 宮崎 それで犯っちゃった上に有り金を全部巻き上げていっちゃう。それが月に一、二回あったというんです。だから犯られるのは覚悟しなくちゃいけないんだけど、カネだけは隠したそうです。それが 一番悔しかったそうです。タダで犯られてカネまで盗られちゃう。

 木村 ヤクザだってそんなことやらないですよ。

ヤクザ以下のダニ集団

 宮崎 これは新宿の大久保の例なんですが、こういうことが日常的にやられてるんだろうなと思うんです。表に出せないわけですよね。それにオーバーステイでいたんだろうしね。

 木村 相手の弱みにつけこんでタダで犯っちゃって、カネまで巻き上げちゃう。実は前にも台湾人がやっぱりやられてるんですよ。我々はこういうことをやられていると。でも自分達はオーバーステイだから弱いと。最後にその人も摘発され帰る気になって、全部名前も教えてもらって監察に飛ばしちゃったことがあるんですよ。

 宮崎 そうなんだ。で、日本に就労するっていうのは、いろいろな問題があるけど、それは政治的なものなんだと思うんです。例えば、売春なんて行為も、日本でも売春やってた時期があるわけですね。

 木村 唐ゆきさんなんていってね。

 宮崎 そういうのがあるわけです。歴史とか、社会なんていうのはそんなもんだろうと思うんですよ。民族主義的な気持ちを持って敵対しちゃうと、恨むという行為が起こるのは、性に関わることが結構大きいんじゃないかと。つまり、米軍が進駐軍で入ってきて、こいつらみんな悪いんだということを実感するのは、戦争を経験したことのない人にとってみたら、米国の兵隊が日本人の女を売春婦にして連れて歩くというところを見たときに「この野郎」と思う。そういうことなんですね。

 その売春に警察がかなりの影響力を持って与えてしまっているということですね。売春という行為そのものも良くないことなのかもしれないけど、売春という行為そのものは、カネを稼ぐ女の人の側にもそれなりの「覚悟」があるんですよ。それは辛いことかもしれないけれど、それなりの覚悟の中にある。ところが警察が来て、権力でもってカネは奪うわ犯っちゃうわで、そこまで腐敗っていうのは来ちゃってると思うんですね。警察のバッジさえつけていれば、ほとんどフリーパス状態ということになっている。そういう事件が発覚しても、モミ消してくれる。そういう構造を作っちゃってるんですね。問題は、今の警察腐敗は単なる違法行為に留まってないんじゃないかと。つまり、国民の生命や財産とか生活とか、本来警察が守らなければならないものを侵害しているところまで来ていると思うですよ。そういう点ではかなり深刻な問題だろうと思うんです。米国の映画で、マフィアと通じている警察官を正しい警察官が摘発するというのがあるけど、日本には正しい警察官というのがいませんから(笑)。

 木村 いませんね(笑)。

 宮崎 だからとんでもない状況だけがどんどん進行していっちゃってるんですね。これは、構造的歴史的問題だし、日本が国際化という事態を迎えて、他民族に対する民族的敵対心すら植え付けている可能性があるわけです。

 木村 本当にどうしようもないですね。構造的、歴史的におかしくなって、警察官としての職務、つまり国民の生命や財産、安全を守っているということが全く無くなって、むしろ侵害するようになっちゃっている。これに対してマスコミもこういう状態はさすがに放置できないので、いろいろと警察はケシカランとやっているわけですが、まあ内閣は小渕さんが倒れちゃってどうしようもないんですけど、国の方も何とか刷新しなきゃいかんということで「警察刷新会議」なるものをこしらえて、公安委員会というのが本来こういう機能を果たさなければならないんですが、もう一回見直そうということなんですね。どうすればこれが改善されていくのか。ましてや刷新会議に後藤田が入っていることはどういうことなんですかね。

 宮崎 後藤田というのは、元々の警察腐敗の元凶ですからね。

 木村 元凶が入ってるんじゃどうしようもない。

 宮崎 何の意味もない。国会議員でも、亀井静香みたいな人がいまして、今国会でも改正警察法みたいなものをだそうという話になってるんですが、亀井さんなんかは「警察のことは素人には分からんよ」と言ってるわけです。

 木村 それもおかしいですね。

 宮崎 だからそんなヒマじゃないんだとまで言ってる。そういう点では、これだけの国民的憤激が出ているわけです。それに対するガス抜きみたいな形で刷新会議が作られたと思うけど、大谷とか佐高とか、寺澤有なんかも含めて、中坊公平が警察刷新会議を拝命したときに公開質問状を出しましてね・・。





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