記者クラブ廃止 田中康夫長野県知事の果敢な実験

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投稿者 すべての“表現者”を参加可能 日時 2001 年 5 月 23 日 01:25:01:

記者クラブ廃止 田中康夫長野県知事の果敢な実験

 2001年6月末を目処に県庁内にある3つの記者室を撤去し、「プレスセンター」
を設ける。記者クラブ主催だった知事の記者会見は県主催とし、すべての“表現者”
を参加可能とする−−。

 「脱ダム」で物議を醸した田中康夫長野県知事が、今度は、新聞・テレビの“官制
報道”に風穴を開ける画期的な『脱・記者クラブ宣言』を行なった。

 宣言を行なった翌日の5月16日、田中康夫長野県知事は松本市の合同庁舎にいた。
第1回目となる『どこでも知事室〜ぐるっと信州〜』を実施するためだ。『どこでも
知事室』は、田中知事が県の出先機関である地方事務所を訪れ、数日間そこに“知事
室”を設置し、現地で執務を行なうというもの。田中知事は、この日を皮切りに11
月にかけて県内10か所の地方事務所を回るとしている。

 松本合同庁舎の講堂には、約200人が集まった。田中知事が切り出した話題はや
はり、“記者クラブ”だった。「今日は市町村長と3時間半も会合があって、その前
は現場の所長との会合もあって遅くなりました。まァ、なんせ時間を守んない奴だと
いわれるんですけど、終わりの時間を守ったらいいのかといったらそうじゃない。中
身が問題ですからね。だから時間を守らないっていうのは死んでも直らない。どうし
てかっていうと、私が新聞とかテレビの世界で育ったんじゃなく、雑誌とか活字の世
界で育ったからでしょうね」

 田中知事は、読者のために,ときには締め切りを延ばしてまで記事作りを行なう雑
誌の手法を紹介した上で、こう続けた。「私はそういう人たちと過ごしてきたから、
何時何分にきちんと入稿(原稿を完成させて編集部に入れること)しないとダメです、
というシステマティックな新聞社の体質には生理的になじめないのかもしれません。
 昨日、私は『脱・記者クラブ宣言』をしました。記者クラブに加盟している人だけ
ではなく、すべての表現者に参加してもらえるようにしました。すべての表現者とい
うのは、生きている人すべてです。今日の新聞にメディア論を大学で教えている人の
コメントがありましたが、その中に『誰にでも公開して、いかがわしい雑誌記者が来
たらどうする』というようなコメントがありました。『何いってんだこの人、こんな
アホな人が教えてるからまともな生徒が育たないんだ』って思いましたね。

 いかがわしいとか、いかがわしくないとか、誰が決めるんですか?」

 その迫力にやや戸惑いながらも、おのおの頷きながら真剣に聞き入る職員たち――。
「昨日の記者会見の時、地元のテレビ局とか地元の新聞社、通信社や、東京からイン
ターネットでニュースを流しているところからは質問があったんですが、なぜか全国
紙の記者からは質問がなかった。なんでかなと思ったんですが、昨日から社名と(記
者自身の)フルネームをいってから質問してもらうことにしたからなんですね。多分、
自分の会社と自分の名前が(テレビのニュースなどに)出るのがイヤなんだろうな。
それでいて(彼らは)車座集会で発言した人の顔は写すし、名前はフルネームで書い
ちゃったりするんですから。『君たちには本当にキンタマがあるのか』って、新聞記
者の人にいいたい」

 国会や官庁、大企業の一室を借り受けて我が物顔に占領し、情報を独占してきた「記
者クラブ制度」は日本独自のシステムだ。そこに生まれる権力との癒着は、しばしば
「読者に代わって権力を監視するジャーナリズムの本分を逆転させ、権力者のために
情報を流すための“装置”になり下がっている」(米紙特派員)との批判を呼んでき
た。

 田中知事の「脱・記者クラブ宣言』は、日本のジャーナリズムが抱える問題の核心
をついているのである。




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