（記事）化学兵器の遺棄砲弾 安全処理

投稿者 踊る藁人形 日時 2001 年 6 月 24 日 02:02:33:

【横浜】横浜国立大学工学部の朝倉祝治教授と丸善工業（静岡県三島市長伏155の８、諏訪部光市社長、0559・77・2140）は、遺棄された化学兵器の砲弾を水中で安全に安く、確実に処理できる無振動湿式研削処理装置を開発した。同装置は密閉した容器内の電解質溶液中で砲弾を安全に切開して、内部の化学剤を取り出すまでの「前処理」段階で使用する。中の化学剤を完全に分解無害化するための「本処理」は朝倉教授と東芝、トムシック（神奈川県横須賀市）がすでに共同で開発している有害化学物質処理同地を使って行う。

横浜国大と丸善工業　無振動研削装置を開発
水中で切開「全処理」で使用

遺棄化学兵器の処理フロー 研削用電極　　化学剤＋爆薬 │ ／￣＼　　 ｜ 　 ／￣＼ 　　　 　　／￣＼ │ ／／￣＼＼ ｜ ／／￣＼＼　　　　　／／￣＼＼ ↓││■■││←┘ ││■■││ 　　 　││□□││ ■~│~~~~│~■　　　 ""　　　"" 　　　 　""　　　"" ││~＊~｜｜ ｜｜ ＊ ｜｜　　　　｜｜ ○ ││ ││＊＊│｜ ⇒ ｜｜＊＊｜｜　 ⇒ ｜｜○○││ ││＊＊│｜　　　 ｜｜＊＊｜｜　 ｜｜○○││ ＼＼＿／／ ＼＼＿／／　　　　　＼＼＿／／ 　　 ＼＿／　　　　　　 ＼＿／　　　　 　 　＼＿／ 　　　処理前　　　貫通と同時に砲弾内に　流入する電解液による 　　　　　　　　　流入する電解液による　化学剤＋爆薬の回収 　　　　　　　　　爆薬の不活性化

　無振動湿式研削処理装置は、金属の表面処理や金属加工などに使われている電解研削加工を利用したもの。砲弾の周囲に、リング状の研削用電極を固定して、食塩水など電解質溶液が入った容器に沈める。次に、砲弾と研削用電極に電機を流すと砲弾がイオン化されて研削用電極に囲まれた部分の金属が電解質溶液に解け出す仕組み。４ミリメートル程度の砲弾外壁ならば約20分で溶かすことができる。
　溶液につけ込んだ状態で加工するため、外壁が貫通すると同時に砲弾内に溶液が流れこみ、爆薬は不活性化する。朝倉教授は「純国産の技術なので実弾処理の実証はないが、従来の方法に比べて安全性やコストの面で優れている」としている。
　旧日本軍が中国に埋設した遺棄化学兵器は、総数約70万発と推定されており、南は江省、北は黒龍江省まで広く分布している。90年に中国から日本に対して解決の要請があり、日本が95年に批准し、97年に発効した「化学兵器禁止条約」は、条約発効後原則として10年以内に他の締約国の領域内に遺棄したすべての化学兵器の廃棄を完了することを締約国に義務づけている。
[日刊工業新聞6/21]

★従来の見るからに危ない、液体窒素をぶっかけながら削ってこじ開ける解体方法に比べて、合理的な技術だと思います。
発想の転換という意味で投稿しました。
（図が崩れてお見苦しくなった場合はご容赦ください）

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