重信房子、よど号犯、オウム真理教の深い関係

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投稿者 張駒屋 日時 2001 年 4 月 26 日 23:43:37:

重信房子、よど号犯、オウム真理教の深い関係
 細井 保
(ジャーナリスト)

 重信房子とよど号犯の関係

 日本赤軍最高幹部の重信房子は、平成十二年十一月に大阪で逮捕された。これまでの新聞報道によると、重信は数年前から日本への入国を繰り返し、日本から北京などにたびたび渡航していた。北京を拠点のひとつにして、偽造旅券を使って世界各地に渡航していた。使われたパスポートの偽造には、よど号犯グループが関った可能性が高い。
 日本赤軍は昭和四十六年(一九七一年)、共産主義者同盟赤軍派(共産同赤軍派)のメンバーのうち、レバノンに出国した重信房子、奥平剛士等によって組織された。結成以降、日本赤軍はパレスチナ・ゲリラと共同し、または単独で、国際テロ組織の中でも極めて活発なテロ活動を世界各地で展開してきた。彼らが起こした事件の中で最も忌しい事件は、昭和四十七年(一九七二年)五月、イスラエルのテルアビブ・ロッド空港での銃乱射事件だ。奥平剛士、安田安之、岡本公三の三人が自動小銃を乱射し、一般旅行者ら九十六人を殺傷(うち死亡二十四人)した。
 よど号グループは、同じ赤軍派の一つで、故・田宮高麿ら九人だ。彼らは昭和四十五年(一九七〇年)三月によど号をハイジャックして北朝鮮に渡った。彼らの“宿命”について、高沢皓司氏が著書『宿命−よど号亡命者たちの秘密工作』(新潮社刊)に描いている。北朝鮮で彼らの革命幻想は打ち砕かれ、彼らは北朝鮮の思想に思想改造され、北朝鮮の対外工作員に変じていく。よど号犯のうちには粛清された者、死亡した者もいるが、なお五名が現在、平壌市周辺で執筆業や貿易会社を営むなどしていると伝えられる。
 警察の発表によると、重信が使用していたパスポート二通のうち一通は、約三年前に取得されたものだ。これは、よど号犯グループの関係者が使用していた複数の偽造旅券と、旅券番号の一部が一致するなど、数多くの共通点がみられる。
 重信は偽造パスポートを使って、最近の約三年間に五回以上日本へ入国し、出国先はいずれも中国方面だった。そして、北京を拠点によど号犯グループのメンバーの関係者と接触を続けていたとみられる。関西の赤軍派支援グループのメンバーも北京などに渡航し、現地のホテルなどでひそかに会合を持っていたとみられる。
 平成八年(一九九六年)夏には、重信が当時滞在していた北京から、ひそかに北朝鮮に入国していた可能性がある。この夏、平壌で各国の革命を目指すグループの集会が開かれた。この集会に参加するため北京から北朝鮮に入ったとみられる。重信が集会前後に、よど号犯グループメンバーと接触していた可能性もある。この集会は、各国の革命家やグループなど数十人規模で、日本赤軍の新たな拠点づくりとも関連していたとみられる。参加者の中で重信は重要な役割を果たしていたとされ、この集会に参加する目的で北京を出国した可能性が高いとみられる。
 また平成十二年五月にも、重信が中国・北京に滞在していたことが、CIAによって確認されている。
 日本赤軍は近年、レバノンを活動の拠点とする一方、中東以外の地域に新たな拠点構築を目指し、世界各地で活動を展開していた。しかし、平成七年(一九九五年)、ルーマニアで浴田由紀子が逮捕され、平成八年、ペルーで吉村和江が逮捕、城崎勉がネパールで身柄拘束された。こうした中、平成九年(一九九七年)二月、レバノン国内に潜伏していた日本赤軍のメンバー五人(和光晴生、足立正生、山本萬里子、戸平和夫、岡本公三)が発見され、レバノン当局に身柄を拘束された。本拠地ともいえるレバノンにおいて、政府当局によりメンバーが逮捕されたことは、日本赤軍が最も重要な拠点を失ったことを意味している。メンバーの大量検挙と合わせて、組織として極めて大きな打撃を受けたものとみられる。そこで、重信らは日本へと目を向けてきたのではないか。
 警察の捜査によると、重信の家宅捜索では、新たな組織の構想を記した文書が押収されている。文書は「人民革命党綱領」と「綱領解説」と題されていた。
 人民革命党とは日本国内で革命を実現し権力を奪取するための組織で、平成三年(一九九一年)八月、シリア・ダマスカスで結党された。重信は相次ぐメンバーの逮捕で弱体化した組織を立て直すため、国内で人民革命党の旗揚げを目指し、党綱領をまとめ、来春から活動する計画だったとみられる。同党は運動方針などで対立している国内組織や支援者を一本化して、革命で政権を奪うことを目標にしている。
 東京地裁で先に開かれた拘置理由開示の手続きで、重信容疑者は「来春、いつ司法に身をゆだねてもよい準備を完了する予定だった」と述べた。その旗揚げの準備が完了する前に、最高幹部・重信房子を逮捕したことは、日本警察の功績だろう。
 これまでの報道を通じて、重信に関して二つの疑惑が浮かび上がってくる。よど号グループとの関係、さらに北朝鮮及び中国政府との関係である。この疑惑はオウム真理教と北朝鮮・よど号犯グループの関係に関する疑惑へとつながっていく。

 つづく (出典は最後に m(_ _)m)



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