ナベツネにボツにされた臼杵氏の原稿(『Flash』)

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投稿者 YM 日時 2001 年 10 月 20 日 22:07:57:

『Flash』10/30号より

〃米国同時多発テロ事件報道洪水〃のなかで、最大手マスコミか度量の狭い〃トンデモ〃行為!
言論統制!?読売新間が米批判原稿を直前ボツ

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米同時テロとイスラム
米は聖地犯す「新十字軍」
ビンラーディン 湾岸戦争 無差別空爆に怒り
事件から偏見の増幅懸念

臼杵 陽

全世界に衝磐を与えたニューヨーク・ワシントン同時テロ事件の容疑者はウサ
マ・ビンラーディンに特定された。ビンラーディンは犯行を否定しているが、仮
に犯人だとすれば、何故無差別段載を平然と行うまでアメリカを憎むのかが疑問
として残る。ハイジャックした旅客機の乗客を道連れに自爆するという常軌を逸
した発想はどこから来るのか。むろん、一般の人々を巻き込む無差別テロはイス
ラムのジハードからだけでは説明できない。なぜなら、イスラムの教えでは、婦
女子を含む無辜の民の民を殺害することは許されていないからである。
ビンラーディンがアメリカを憎悪する理由の一端は「新十字軍」という考え方の
なかに現れている。一一世紀から一三世紀にかけて十字軍が聖地エルサレム奪還
の名目でイスラム世界に派遣され、エルサレムは一二世紀に一世紀近くにわたっ
て占領された。エルサレムをムスリム(イスラム教徒)の手に取り戻したのはサ
ラディンであった。ところが、現在もエルサレムはイスラエルの占領下にあるた
めに、アメリカとアメリカに軍事的に支えられているイスラエルは「新十字軍」
とその同盟者と見なされ、ジハードの対象となっている。こんな呼びかけはアラ
ブ・ムスリム民衆の琴線に触れるといえる。
イスラムの聖地はメッカとメディナ、そしてエルサレムである。メッカ、メディ
ナの聖地に関してビンラーディンが怒りを露わにしたのが湾岸戦争の時だった。
本来は聖地の守護者でなければならないサウジアラビアがあろうことか同胞イラ
クからの攻撃に備えるために米軍の駐留を許可し、米軍基地から米軍機がイラク
を攻撃することを容認したからであった。ビンラーディンはサウード王家に対し
て意見書を提出したが、結局サウジ国籍を剥奪され、まずスーダンヘ、そしてア
フガニスタンヘの亡命を余儀なくされた。ビンラーディンは一九九八年に「ユダ
ヤ教徒および十字軍に対するイスラム世界戦線」を結成し、ファトワ(宗教裁
定)でアメリカに対するジハードを呼びかけた。ファトワの根拠となったのが、
第一に米軍がイスラムの聖地メッカ、メディナを擁するサウジアラビアに駐留し
ている、第二に米軍はサウジアラビアを拠点として同胞イラクを攻撃している、
第三にアメリカはユダヤ人国家イスラエルを支援しているために、エルサレム占
領を直視していない、という三つの事実だった。その上で、軍人、民間人を問わ
ずアメリカ人とその同盟者を殺害することがイスラム教徒個々人の義務であると
宣言したのである。
何よりもビンラーディンにとって許し難かったことは、米軍やイスラエル軍の空
爆によってイラク、ボスニア、パレスチナ、レバノンなどの無実のムスリムが無
差別に殺されても、国際社会は一部を除いて米軍の殺戮行為を黙認していたこと
にあった。ムスリムは米軍から見れば虫けら同然だという怒りを「アメリカヘの
ジハード」の中で記している。ビンラーディンにとって今回の無差別テロは米軍
の殺戮への復讐ということになる。
ジハードで殉教したものはジャンナ(天国)に行くことができる、とコーランに
は記されている。しかし、この場合、ジハードとは「聖戦」の意味ではなく、
「アッラーのために努力する」という意味である。もちろん、ジハードにおける
戦闘は最終的手段として認められてはいるが、まずはムスリム個人ができること
をやるという解釈が一般的である。「聖戦」という訳語は「片手にコーラン、片
手に剣」というヨーロッパ・キリスト教社会のイスラムヘの偏見をあらわしたも
のだというのが多くのイスラム研究者が指摘するところである。むろん、テロは
復讐であっても決して許されるものではない。だが、アメリカ人にとってムスリ
ムは虫けらだという彼の叫びには耳を傾ける必要がある。日本を含む欧米のイス
ラムヘの偏見がこの事件を機に増幅されるなど決してあってはならない。
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米国同時多発テロ事件から1ヵ月余、米英軍の空爆も開始されて新聞各紙は連
日、大きくスペースを割いて〃戦況〃を報じている。中東問題、イスラム問題の
専門家も健筆をふるうなかで、本誌は、中東問題専門家に依頼した原稿を、「社
の編集方針に合わない」との理由でボツにした新聞社があることをキャッチし
た。日本一の発行部数を誇る読売新聞である。「10月1日の『今、中東とイス
ラムを考える』という研究会で、国立民族学博物館地域研究企画交流センターの
臼杵陽助教授が『依頼されて書いた原稿が読売新聞にボツにされた』と発言した
んです。大阪本社が依頼した文化面のコラムで、9月18日夕刊の掲載予定だっ
たそうですが、見本刷りまで出ていながら東京本社から「テロを擁護するような
原稿はけしからん」と横槍が入り、印刷直前でボツになったということです。臼
杵助教授は激怒という感じではありませんでしたが、憤りは十分感じられました
ね」(同研究会の出席者)。
本誌は見本刷りのコピーを入手したが、「米は聖地犯す『新十字軍』」と題され
た原稿は、ウサマ・ビンラディンがキリスト教社会を代表する米国と対立するに
至った、歴史的経緯を解説するもの。「むろん、テロは復讐であっても許される
ものではない」という記述もあり、〃テロ擁護〃の論調ではない。臼杵助教授の
同じような内容の依頼原稿は翌日の産経新聞には掲載されている。
このボツの一件を読売新聞大阪社会部OBで〃黒田軍団〃の一員でもあった
ジャーナリストの大谷明宏氏か怒りをこめて糾弾する。「外部の人に依頼した署
名原稿を勝手にボツにするなんて、失礼極まりないこと。これじゃ言論統制もい
いところですよ」。その背景として大谷氏は〃あの人〃の存在を指摘するのだ。
「読売はいまやナベツネ(渡辺恒雄社長)の独裁体制なんです。ナベツネがゲラ
を見て自分でストップをかけるなんてことはありえませんから、編集局長や次長
あたりがナベツネの顔色をうかがって、自主規制したに違いありません。これが
今の読売の体質。今の大阪の編集局長は3代続いた東京組でなく大阪生え抜きの
人間なのに、抵抗できなかったのが情けない」。
大阪本社広報宣伝部のコメントは「寄稿を紙面に使用しなかったのは事実で、編
集上の判断によるものです。寄稿者の了承も得ております」というもの。しか
し、トップのご機嫌を見ながら掲戦記事を選別するというんじゃ、公器の名が泣
かないか。


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