SCIP JAPAN発足にあたり

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投稿者 SMAPかと思ったよ 日時 2001 年 9 月 04 日 17:32:40:

回答先: 前田前警視総監が始めた「SCIP JAPAN」って何? 投稿者 ぺいどぱぶ? 日時 2001 年 9 月 04 日 17:31:20:

SCIP JAPAN発足にあたり

インテリジェンスを制する者はビジネスを制す!

 
                                 SCIP JAPAN 代表
前警視総監   前田健治

 今、なぜ日本で SCIP JAPAN が設立に至り、また、私が関わることになったか、自分の
志を語る意味合いで、申し上げます。
 現代の益々グローバル化し、複雑で熾烈なビジネス社会において、企業間競争に打ち勝つ
ためには、インテリジェンス(有益情報)が必要であることは、申し上げるまでもございません。
 ピーター・ドラッカーは、近著『21世紀のマネジメントチャレンジ』で「21世紀の基本的な資源
は情報であり、情報こそが管理者の主たる武器である」と述べています。また、競争戦略の大
家、マイケル・ポーターも、企業の成長のキーはイノベーションであり、そしてこのイノベーション
を果たす上で、「情報」が何より重要だと述べております。
 企業が成功するか否かは、情報戦略に大きく関わっております。そして情報戦略としてのビ
ジネス・インテリジェンスの中で、最も実践的で強力なツールが、CI(コンペティティブ・インテリ
ジェンス)であります。
 今日のグローバルな社会で、競争に打ち勝つためには、経営トップの判断が益々重要にな
っております。そして、トップの情報戦略に不可欠な、行動化のために加工された情報がインテ
リジェンスでありますし、そうしたものを生み出す過程全体も我々はインテリジェンスと認識して
おります。
 かつて、競争というと冷酷な印象がありましたが、今や公正な競争こそが、社会の活力を生
み国益増進のキーとなっております。そうした意味でも、CIの重要性は高まりつつあると考えて
おります。


 情報戦略の専門家を育成

 情報戦略はアメリカを中心に発達し、1986年にその専門家が SCIP を創立致しました。
今や会員は7,000人を超え、「フォーチュン500社」の過半数の企業が、メンバーのベースと
なっております。これにつきましては、2つの面を強調したいと思います。
 まず、アメリカは、バブル期に入る前の日本の爛熟した経済をみて、世界における経済上の
制圧力をもう一度確立しようと、この時期に経済力の再生強化の一環として、情報力の強化に
真剣に取り組んでおりました。そして、果たせるかな90年代にその経済的覇権を復活させる
わけであり、いわばアメリカの成功の大きな要因が、この情報戦略にあると考えられます。
 もう一つのポイントは、丁度この時期が、ポスト冷戦で各国政府のインテリジェンス・サービス
に従事していた人達が、一気に経済情報の世界に流れ込んだということです。そして、彼らの
戦略的思考や高度な情報分析力が、民間に持ち込まれました。その結果、ビジネス・インテリ
ジェンス、或いはCIが格段の進歩を遂げたということです。それと同時に、経済情報が国益の
ためにも極めて重要であるとの認識が強まってきました。
 こうした流れにおきまして、アメリカからは当然アジアの主要国である日本におきましてもCI
の組織化を促す動きがありました。我が国でも心ある人々の間に、何とか「組織を作り上げた
い」という声が高まってきたところであり、ようやく2001年の4月1日、SCIP JAPAN として
アメリカ本部と協約を締結し、発足いたしました。
 SCIP の主な活動は、企業等の情報戦略の専門家を育成することと、専門家同士の交流、
ネットワークを構築することです。SCIP JAPAN もこれを日本において実践してまいりたいと
考えております。


 CIOの配置が必要

 平成13年度の通商白書は、「アジアは、かつての日本を先頭とした時代から、中国のめまぐ
るしい台頭により、同地域全体が大競争を行う時代に入った」という認識を示しています。我が
国はこのように外部環境が劇的に変化しているのにもかかわらず、かつての成長神話にとら
われて、自己革新能力を欠いてしまったといわざるを得ないところにあります。その結果とし
て、潜在成長力ランキングでも、90年代初頭の3位から90年代末の16位にまで後退したと
いうな現在の状況があり、日本は国を挙げて構造改革を成し遂げる必要がある。と同白書も
強調しています。また、構造改革を進める上で、IT戦略の活用を強調し、特にCIO(チーフ・イ
ンフォメーション・オフィサー)を確立すべきだと指摘しています。日本では、まだ大企業の1
3%しか、こうしたCIOを設けている企業が無く、これはアメリカの5分の1にも満たない数で
す。私共は、単なるインフォメーションではなく、戦略的な観点を持ったインテリジェンスを扱う
役員たるCIOの配置を達成することが SCIP JAPAN の重要な任務であると考えておりま
す。


 真に有益な情報はごく僅か

 現在は、ある意味情報過多の時代と言われております。しかしながら、CI専門家のギラード
氏が言うように「データ(インフォメーション)は洪水のように溢れているが、かえってそれだけに
真に有益な情報、つまり企業戦略に役立つインテリジェンスは、砂漠の中の水のように希少な
もの」であります。そういった意味では、膨大なインフォメーションの中から、いかにインテリジェ
ンスを抽出するかが、死活的に重要な課題となっております。そのためには、企業内において
インテリジェンスを生み出すシステムを構築する必要性が極めて大きいのであります。そのた
めにこそ、戦略判断ができる真のインテリジェンス・プロフェッショナルを養い、各企業に配置
することが、大切であると考えます。SCIP JAPAN はそのシステムを作り、専門家育成にお
いてお役に立てるものと考えております。

 
 CIのマスターが不可欠

 アメリカのネットワーク機器メーカー、シスコシステムズの経営方針の一つに「ノー・サプライ
ズ」というものがあります。これは「不意打ちを食らうな」「悪い情報ほど早くトップに上げなさい」
ということで、企業における早期警戒システムの確立を説いているものです。また、かつてのプ
ロシアに、フリードリッヒ大王がいましたが、彼の格言として、次のようなものがあります。「戦い
は、時には負けることがあるかもしれないが、奇襲に遭遇することだけは、絶対に避けなけれ
ばならない( It's pardonable to be defeated, but never to be surprised )」これは先に進むこ
と、すなわち情報の先取りがいかに大事か、ということを述べているものです。全ての情報関
係者にとっての格言となる言葉で、我々が進む上での礎にしていきたい言葉です。
 21世紀に入り、我々はまさに情報戦争の真っ只中におります。インテリジェンスを制するも
のは、企業であればビジネスを制し、国家であれば世界を制するといっても過言ではない考え
ます。このようにグローバルな競争社会において、各企業が優位を確実にするためには、CIを
マスターすることが、不可欠です。

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