迫りくる宇宙戦争の危機(『ムー』96年1月号総力特集)

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投稿者 SP' 日時 2001 年 9 月 15 日 08:07:30:

回答先: 植民地をつくるため異星人が大挙地球に襲来する!!(『ムー』93年11月号) 投稿者 SP' 日時 2001 年 8 月 31 日 06:19:49:

文=並木伸一郎
協力=礒部剛喜/TBS・那須田淳


非殺戮性兵器を開発し、UFO隠蔽に暗躍する謎の集団“エイビアリィ”──。
アメリカは、ついに異星人との戦いを決意した!


◎プロローグ◎
究極のハイテク兵器と謎の秘密組織の最新情報がアメリカからもたらされた

ロサンゼルスで活躍中のUFO問題研究家・早川氏からかかってきた電話──、その内容は驚愕の極秘情報であり、すべてはこの電話から始まったのである。そして、来日した早川氏が携えていたレポートに記されていたのは……?

     米軍が開発している新兵器が暴露された!

 ちょっと古い話になるが、事の発端は、今から3年前の1993年にまで遡る。
 ロサンゼルス在住の早川弼生氏から、突然の電話が入ったのである。
「もしもし、ナミキさん、早川です。ものすごいニュースです」
「いったい何事ですか?」
 受話器を握る手に自然と力が入る。
 早川氏については、いまさら述べるまでもないかもしれないが、筆者が主宰する「日本宇宙現象研究会」のロサンゼルス支部長であり、現地で「CIN」(市民情報ネットワーク)の代表としても活躍している、世界的に著名なUFO問題研究家である。
 ロサンゼルスには、メジャーからマイナーまで、さらにはアンダーグラウンド的な活動をしている者まで、数多くのUFO研究家が在住している。ことUFO問題に関しては、常に最新かつ重要な情報が数多く結集する場なのである。
 そんななかで、資料のみを収集する机の上だけの研究ではなく、あくまでフィールドワークを重視して活動する早川氏から伝えられる情報は、正確かつ迅速をきわめていた。
 その人柄ゆえか人望も厚く、多くの研究者たちから支持され、次々と最新の情報が提供されるのであった。
 そんな彼からの突然の電話である。いやがうえにも期待せざるをえない。いくぶん緊張しつつ、筆者は次の言葉を待った。
「実は、先日発行された『ウォールストリート・ジャーナル』という新聞に、米軍の最新兵器の記事が載ったんです。
 あとで新聞のコピーを送りますが、マイクロウェーブ発信器やレーザー光線兵器について書かれています。
 これらの兵器が湾岸戦争で実際に使用されたのです」
 まさしく仰天するニュースだった。これまで噂の域を出ていなかった電磁波やレーザーを利用した米軍のハイテク兵器が、開発・テストされていたことがついに明らかにされたのだ。
 かねがね早川氏は、湾岸戦争の終了後、死亡した兵士の数が正確に公表されていないことに疑問を呈していた。
 戦争といえば死がつきものだし、残虐で非人道的行為が当然のように行われるのだが、こと湾岸戦争に関しては、そうした報道はなされなかった。
 早川氏は、この戦争は従来のものとは異なり、無益な殺生をすることなく相手を降伏させるべく、新時代の兵器が使用されたと主張してきた。その主張が裏づけられたのだ。
「実は、湾岸戦争は、ハイテク兵器の実験場だったという情報があるんです。詳しいことは日本に行ったとき、お話ししましょう」
 そういって、彼は電話を切った。
 早川氏の来日……。
 そして、その年の10月31日に開催される「日本宇宙現象研究会創立20周年記念講演会」の講演者として、早川氏は来日したのである。

     驚くべき事実を明かした衝撃のレポート!

 1993年10月29日午後5時すぎ、早川氏を乗せたシンガポール航空11便は、予定どおり成田空港に到着した。
 正体不明の発光体が目撃される米国の極秘施設「エリア51」、電磁波を利用して大衆を意のままに操ろうというマス・マインドコントロール技術、そして世界の統一・管理を画策する「影の政府」による新世界秩序……。
 早川氏は、UFO問題をこうした陰謀論的世界観の一要素として位置づけつつ活動をしていることは、本誌でもすでにお伝えしているとおりだ。
 いったい彼は、いかなる最新情報を携えて姿を見せるのか。筆者は当会のスタッフである礒部剛喜氏とともに空港で早川氏を出迎えた。
 午後5時30分すぎ、カートに荷物を積んだ早川氏が姿を見せた。力強い握手を交わしながら、われわれは空港内の喫茶店へと向かった。
「ナミキさん。ものすごいことが書かれたレポートがあるんです。これを見てください」
 ソファーに座るなり、早川氏はコピーされた数枚の資料をアタッシュケースから取りだした。
「これはアーメン・ビクトリアンというジャーナリストが、公表したものなんです」
「いったいそれには何が書かれているのですか?」
 コピーを受け取りながら、期待を込めて筆者は聞き返した。
「ノン・リーサル・ウエポンと、ある謎の組織の関係についてです」
“ノン・リーサル・ウエポン=非殺戮性兵器”については、彼から事前に送られてきた「ウォールストリート・ジャーナル」に簡記されていたので、おおよその知識は持ちあわせていた。
 しかし、謎の組織とはいったい何のことだろう。
「今、ロサンゼルスの研究者たちの間で、謎めいた秘密組織の存在が話題になっているんです。
 ハワード・ブラムが書いた『アウトゼア』という本をご存じですよね。このアーメン・ビクトリアンが書いたレポートは、その『アウトゼア』の続報といってもいいでしょう」
 ジャーナリストでもあるハワード・ブラムの著書『アウトゼア』は、米国防総省=ペンタゴン内に設置された、UFO現象に対する秘密調査作戦が存在した事実を暴露した本である。
 1969年に、UFO調査機関を閉鎖し事件の調査の打ち切りを宣言した米政府が、1980年代後半に、実は新たにUFO調査組織を設置していた事実を知り、UFO関係者は驚きと強い衝撃を受けていた。
 その続報が、このレポートには書かれているというのだ。
 レポートのタイトルは「超心理戦争と非殺戮性兵器」とあった。
 いよいよ超能力が戦争に利用されはじめたのだろうか。そして、ノン・リーサル・ウエポンとの関連は? さらに謎の秘密組織とは、いったいどのような存在なのか──?
 あれから3年、筆者が入手したさまざまな情報は、このレポートの内容が事実であることを裏づけ、あるいは補足してきた。そして浮かび上がってきた事態の全貌は、まさに驚くべきものであった。ついにそれを発表するときがきたのである!


◎第1章◎
特定の目標だけを破壊する非殺戮性兵器の特性とUFO現象の不思議な類似

米ソの冷戦構造が終焉し、核兵器に代わる新たな超兵器の開発が進んでいる。“ノン・リーサル・ウエポン=非殺戮性兵器”と呼ばれるこの超兵器には、開発をめぐって不可解なUFO現象が深く関連していた。その真相は……?

     血を流さずに戦闘能力を奪取する超兵器!

 早川氏が持参したアーメン・ビクトリアンのレポート。そこには“ノン・リーサル・ウエポン”と、ある秘密組織に関する衝撃的なレポートが載っていた。
 正直いって当時の筆者には、にわかには信じがたい部分もあった。しかし初めてレポートに目を通してから3年、その後の世界の動きは、ビクトリアンのレポートがまぎれもない真実を記していたことを証明していくのである。
 まずは、レポートにあるノン・リーサル・ウエポン=非殺戮性兵器の全容と、その背後に隠された極秘実験、そしてUFO現象との関連に言及していくことにしよう。
 ノン・リーサル・ウエポン=非殺戮性兵器は、これまで使用されてきた大量破壊兵器に代わる、新時代の兵器として開発が進められてきたとされる。
 その目標は、無差別な破壊や殺戮などの副次的被害を発生させることなく、戦闘機、戦車、各種機器、兵員など、限定された目的のみを無力化し、戦闘不能にすることにあるとされる。
 このような兵器の開発が、かなり古くから行われてきたことは想像にかたくない。非殺戮性兵器の実戦配備については、米国防総省=ペンタゴンは固く口を閉ざしているが、すでに1989年のパナマ進攻や、1991年の湾岸戦争で使用されたことは本誌でも何度か取り上げている。
 これを裏づける最新の情報があるので紹介しよう。
 中東統合軍の空軍幕僚ジョン・A・ウォーデン空軍中佐は、湾岸戦争において米軍は、爆薬の代わりに炭素フィラメントを弾頭とした巡航ミサイルをバクダッドの発電施設に撃ち込んだ、と証言している。
 この特殊弾頭ミサイルは、発電所の機能を停止させるが、施設そのものは破壊しないものだという。文字どおりの非殺戮性兵器である。
 筆者が別ルートで日本の防衛機関の関係者から得た情報でも、電子通信機器や各種の電子装備のみを使用不能にする約3メガジュール(落雷の約3倍)のエネルギーを発生させる、マイクロウェーブ弾頭を装着した巡航ミサイルが、湾岸戦争で実戦使用されたことが確認されている。
 またこの関係者は、偶発事故でこの弾頭が誤作動した際に、約300メートル離れた駐車場にあった車数台の交流発電機などの電子部品が破壊されてしまったことも報告してくれた。

     非殺戮性兵器にはさまざまな種類がある

 このように非殺戮性兵器は、特定の目標だけを選択して破壊することができ、きわめて有効な兵器といえる。
 では、現在、開発されている非殺戮性兵器には、いったいどのようなものがあるのだろうか。
「合衆国世界戦略会議」の元研究部長であり、「ロスアラモス国立研究所」で非殺戮性兵器の研究に従事していたジャネット・モリスが、1991年に『非殺戮性兵器白書』を著している。
 白書によれば、非殺戮性兵器に用いられるのは、放射線(γ線)やマイクロウェーブ、レーザー、強酸・強アルカリ物質、ポリマー剤、煙、電磁パルスなどさまざまである。
 またその対象も、敵国の空港や発電所などの施設、さらには各種兵器・兵員などはもちろん、通信能力、国民の士気にいたるまで多岐にわたり、方法も多様である。
 そのすべてを紹介することは不可能なので、ここでは最近、注目されている音響ビーム兵器と電磁波兵器について、仕組みと効力を簡記しておこう。
●音響ビーム兵器=ピストンもしくは爆薬の力で圧搾空気をチューブに送り込み、それによって低周波音波を発生させる兵器。
 施設や車両ないしは遮蔽壕内の兵員に対して照射し、方向感覚欠如、吐き気などの耐えがたい不快感を起こす。
●超低周波発生兵器=20・35キロヘルツの「超低周波(VLF)」、あるいはRF変調の低周波を発生させる。
 この波長の電磁波は、建物や車両壁を容易に透過し、兵員などの平衡感覚を狂わせ、嘔吐、腹痛、脱力感などをもたらし、戦意を喪失させる。
●非核電磁パルス兵器=一般に電磁パルス(EMP)と呼ばれるパルス電波を、兵器の電子装置や電子部品に照射する。
 その強力な電磁パルスによって、機器の半導体などを破壊、誤作動させる。
●高出力マイクロウェーブ兵器=非核電磁パルス兵器は広範囲の周波数帯で照射されるが、その一部であるマイクロウェーブと呼ばれる高周波帯域(数百メガヘルツから数百ギガヘルツ)でパルスを集中照射する。
 電子部品の内部に高熱が発生し、部品が溶解、回路が破壊される。
 特に、現在、開発されている高出力マイクロウェーブ兵器は、「陸軍兵器調査開発設計センター(ARDEC)」やロスアラモス国立研究所が共同で、より広範囲かつ強力なものとするべく改良が重ねられているという。同様の研究は「海軍特殊作戦司令部」でも行われているのである。
 こうしてみると、非殺戮性兵器は限定した目標にきわめて有効に作用するようである。また、治安部隊が人質の救出や暴徒の鎮圧、さらには群衆を統制するなどにも格好の武器といえる。
 確かに、ソ連の崩壊にともない米ソの冷戦構造も崩壊した。もはや核兵器などの大量殺戮兵器の時代は終焉したとさえいえるかもしれない。
 それに代わって、現在、ボスニアなどで見られるような限定的地域紛争解決のために、これらの非殺戮性兵器の開発が急がれているのだ、との説明には納得できる部分もある。
 しかし本当にそうなのだろうか?

     UFO現象と共通する非殺戮性兵器の効果

 これらの非殺戮性兵器のメカニズムや効果を概観したとき、何か思いあたるふしがないだろうか。
 突如として人体を襲う不快感や吐き気、あるいは電気系統の突然のトラブル──。
 これらの現象はUFOが接近した際に発生する、車両のエンジン停止、テレビやラジオにノイズが入る、といった「物理的影響」や、嘔吐感、頭痛、目の充血、ヤケド、放射線被曝症状など、目撃者への「生理的影響」と酷似しているといえまいか。
 特にUFOが出現したときに見られる電磁気現象、俗に「EM効果」と総称される現象と、先に紹介した炭素フィラメントを弾頭としたミサイルが及ぼす効果は瓜二つともいえる。
 湾岸戦争やパナマ進攻の実戦の場でこれらの兵器が使用されたことは、すでに紹介してきた。しかし常識的に考えるならば、それより前の兵器の開発段階で、実験的にこれらの兵器が使用された可能性は高い。
 そのような報告はないのか?
 当然、軍の極秘の兵器開発が、オープンな形で外部に漏れることはない。しかし、ここに気になる報告がある。1950年代から、中南米で異常なUFO事件が多数報告されているのだ。
 報告では、UFOによって人体が生理的な影響を被り、ときには、UFOが直接の原因だと推測される不可解な死亡事件も発生しているという。
 これらの事件を私が疑問視する理由は、被害者がみな怪光線をあび、被曝症や電磁波障害の症状を見せていることだ。それは、今まで紹介してきた非殺戮性兵器の被害とまるで同じなのだ。
 たとえば、1967年8月13日、ブラジルのゴヤス州で、着陸したUFOを銃撃しようとしたイナシオ・デ・スーザが、UFOから発射された怪光線を受けて昏倒。その後、放射線被曝症状を示し、最終的に白血病で死亡したという事件がある。
 その後、1977年から1981年にかけて、ブラジル北部で円筒形や箱形をしたUFOが出現し、村人たちにビーム光線を照射するという事件が多発した。
 さらには、アマゾン流域のサン・ルイス、マランホオ地区では、ハンモックでくつろいでいた人たちが、突然、頭上から、狙いすましたように強烈なビーム光線をあびるという事件が相次いだ。
 被害者たちの話では、ビーム光線は白色で高熱を帯びており、太さは約7・5センチくらいだった、と共通している。しかも、ビームがターゲットとしたのは首か胸に決まっていたのだ。

     UFO襲撃に見せかけた極秘の人体実験!?

 サンフランシスコ在住のUFO研究家ジャック・バレー博士は、医学者ウェレデ・セシム・カルヴァルフォ博士の協力をあおいで南米各地を巡り、この一連の事件の調査を行っている。
 その結果、ビームを照射された被害者たちは、次のような共通する症状を呈していたのである。
●歩行困難を含む体調不良
●めまいと頭痛
●方向感覚の欠如
●血液中のヘモグロビンの低下
●原因不明の日焼け
●抜け毛、嘔吐
 バレー博士は、こうした症状が、放射線被曝症状、あるいは強力な電磁波を照射された際に現れる障害に酷似していることに気づいた。
 また1977年、ブラジルのコアレスで起きたケースでは、ビームをあびた女性が胸に刺し傷のようなものを残し、12時間後に死亡している。
 当時の地元新聞は“宇宙から侵入してきたヴァンパイアが、村人を襲撃した!”とおもしろおかしく事件を取り上げていた。
 この調査のため現地入りし、事件の事後調査も行ったバレー博士は、一連の事件をUFOの仕業とは決めつけずに、非殺戮性兵器による可能性も併せて改めて考えてみたという。
 もし、これがUFOの仕業だとしたら、明らかに人間に対する攻撃であり、相手は明確な敵意を示していることになる。
 しかし、高度なテクノロジーを使用している犯人の正体が不明だからといって、それが異星人の仕業と即断はできない。
 当時、すでに高出力マイクロウェーブ兵器は実験段階に達していた。
 ビームを放つタイプの高出力マイクロウェーブ兵器には“ギロトロン”と“バーケイター”と名づけられた2種類があり、両者とも最大20ギガワットのエネルギーを放射することが可能だったというのである。
 バレー博士は、高出力マイクロウェーブ兵器が人体に与える影響が、一連の事件での被害者たちの症状と酷似している点に注目し、UFO事件に見せかけた極秘実験が実施されていた可能性が高い、と結論づけるにいたったのである。
 確かに、非殺戮性兵器、それも電磁波兵器の存在が明らかになった今、南米ブラジルでの事件は、地球外から飛来したUFOの仕業というよりも“電磁波兵器”による極秘の人体実験だった可能性を強く暗示している。
 そして、1993年1月「ウォールストリート・ジャーナル」紙、さらには同年4月「国際防衛レビュー」誌に、相次いで非殺戮性兵器の存在が公表され、この可能性は確信にまで高まってきたのである。
 これは、アメリカ政府がこれまで秘匿してきた電磁波兵器の存在を公にしようとする第一段階に入ったと見ていいだろう。
 では、この非殺戮性兵器は、たんに冷戦構造崩壊後の世界秩序安定のためだけに開発されているのだろうか?
 また、兵器のテクノロジーや、その効果など、UFO現象との深い類似性は何を物語るのだろうか?
 そして、UFOを隠れ蓑にして極秘実験を重ねる、開発者の真の目的とは何なのか?
 ひとつの疑問が解けたあとには、また新たな疑問が次から次に浮かび上がってくる。
 すべては、米政府内でこの非殺戮性兵器の開発を主導している人間が、謎を解く鍵を握っているはずだ。
 そうした観点で、非殺戮性兵器の開発問題、そしてその背後に見え隠れするUFO問題を探っていく過程で、突然、ひとりの人物の存在が浮かび上がってきた。
 その人物の名は、ジョン・B・アレキサンダー……。
 彼こそが、現在、ロスアラモス国立研究所における、非殺戮性兵器開発の中心人物なのである。
 そればかりか、実は今、アメリカのUFO関係者の間で、もっとも注目を集めている人物なのである。


◎第2章◎
ハイテク兵器開発に従事しUFO問題にも深く関わる謎の人物アレキサンダー

陸軍を退役し、現在は非殺戮性兵器の開発に従事しているアレキサンダーは、その過去にUFO事件と深い関わりを持っていた。そして、もうひとり、謎の人物が登場する。彼らの背後を探っていくと、意外な事実が……!

     退役軍人アレキサンダーの秘められた過去

 現在、ロスアラモス国立研究所で、非殺戮性兵器開発の中心的役割をはたしているジョン・B・アレキサンダーとは、いったいいかなる人物なのだろうか?
 また、彼はどのような形で、UFO問題と関わりを持つようになったのか。そして、その真の目的とは……?
 アレキサンダーは1937年にニューヨークに生まれた。1956年に合衆国陸軍に入隊し、陸軍の特殊部隊であるグリーン・ベレーの指揮官としての任務を遂行してきたという。
 こうした軍隊での経歴には、特筆すべき目立った活躍などはない。その彼は、1980年11月に、合衆国陸軍の機関誌「ミリタリー・レビュー」に、「新たなる精神の戦場」と題する論文を発表したことにより、一躍、注目を集めるようになるのである。
 アレキサンダーはこの論文の中で、“サイコトロニクス”の軍事利用について論じている。サイコトロニクスというのは、超能力を研究する学問である。
 アレキサンダーは、テレパシーやサイコキネシス(念力)など、人間の精神=思念の活動に機械を介在させ、そのパワーを集積して実戦に応用すれば絶大な効果を発揮できる、と論文の中で主張したのだ。
 そして、1988年、陸軍大佐だったアレキサンダーは退役してロスアラモス国立研究所に移籍。非殺戮性兵器の計画担当部長としての地位を得て、同兵器および“超心理兵器”の実戦開発をめざし、中心的な役割をはたすようになったというわけである。
 アレキサンダーが元陸軍大佐であり、退役後も軍の秘密兵器開発に従事しているだけであれば、ごくありふれた人物ということになるかもしれない。
 ところが、このアレキサンダーの足跡を追っていくと、なぜかUFO現象との深い関わりが見えてくるのである。
 たとえば1980年12月、テキサス州ハフマンで軍用ヘリに囲まれたダイヤモンド形UFOとの接近遭遇事件が起こった。このときUFOと遭遇した3人はヤケドや髪の毛が抜けるなど、放射線被曝症状を起こしている。
 この事件は「テキサスのランドラム事件」として有名だが、当時、軍の担当者として調査を行ったのが、ほかならぬアレキサンダーであった。
 しかもこれと同時期、イギリスのサフォーク州ウッドブリッジ米空軍基地近くの森で起こった、UFO不時着事件(物体は放射能漏れを起こしていたことが判明)の調査も、アレキサンダーが行っていたのである。
 かねてより筆者は、この2つの事件に登場した正体不明の物体は、米軍の秘密兵器だと主張してきた。というのも、放射能や軍用ヘリ、軍基地など、ありふれたUFO事件とはかけ離れた特徴を持っていたからだ。
 そして、非殺戮性兵器の存在と、裏で動きまわるアレキサンダーの活動を知るにおよび、この飛行物体は非殺戮性兵器が装備されていた実験機だった可能性が大きいことを、改めて指摘しておきたい。
 しかし、アレキサンダーとUFOの関連はこれにとどまらない。というより、彼こそがアメリカのUFO隠蔽問題の初期からの中心的人物だった可能性があるのだ。

     レーダーから消えた7088個目の物体!

 話は1986年に遡る。
 アメリカ、コロラド州シャイアンマウンテンの地下には、「統合宇宙監視センター」が設置されている。同センターは、北米宇宙航空防空司令部(NORAD)の指揮下にあり、大気圏外を見張るレーダー網を管理している。
 1986年12月17日夕刻のことである。地下にある司令部は騒然としていた。レーダースクリーンが、既知の飛行物体とは明らかに異なる機動性を示すUFOをとらえたからである。
 当時、衛星軌道上には7087個の人工物体が飛行していた。しかし、今、監視レーダー上に映っているのは7088個目の怪物体であったのだ。
「あっ、消えた!」
 全員が注目するなか、しばらくするとUFOは、一瞬、不可解な動きを示した直後に消滅してしまったのである。
 当夜の当直であったシーラ・モンドラン中佐は、当初、UFOの正体が合衆国の防衛網を探る目的でソ連が発射したスパイ衛星ではないか、と考えた。しかし、その動きからして彼女はスパイ衛星説を却下した。
「レーダーが捕捉した物体は、UFOと断定せざるをえない」
 モンドラン中佐は“怪物体はUFOである”とした報告書を、ペンタゴン(米国防総省)に提出したのである。
 国防総省は、首都ワシントンとポトマック河をはさんだ対岸、すなわちバージニア州にある。5階建ての建物は、俯瞰すると五角形(ペンタゴン)の形をしており、それが名称の由来であった。
 この国防総省の一角に、「国防情報局」(DIA)の本部が設置されている。DIAは、CIA(中央情報局)に対抗すべく、1961年に発足した国防総省の情報局である。
 そしてこのDIAの内部で、先のモンドラン中佐による報告書に深く関心を寄せた人物がいた。
 その人物とは、DIA管理作戦部のハロルド・E・フィリップス陸軍大佐であるとされる。大佐は、この報告書に記された謎の飛行物体の正体を探るべく活動を開始したのである。

     遠隔視を使ったUFO探査が実施された!

 さて、これからしばらくは、このフィリップス大佐の動きを追っていかなくてはならない。というのも、アレキサンダーの活動は、フィリップス大佐の存在抜きでは語ることができないからである。
 ともあれ、正体不明の飛行物体の解明に取り組んだフィリップス大佐は、極秘プロジェクトを発足させ、ある実験を開始する。その極秘実験こそが、のちに暴露されて大きな話題となった「アクエリアス計画」なのである。
 アクエリアス計画とは、国防総省とカリフォルニア州メンローパークにあるスタンフォード研究所(SRI)とが協力して進めていた超心理実験を利用した実験である。
 この超心理実験とは、与えられた情報(たとえば写真など)を介して、それに関係のある事象を探りあてる、今日では遠隔視(リモート・ビューイング)と呼ばれるものであった。
 当初、ペンタゴンが立案したアクエリアス計画では、遠隔視能力者(リモート・ビューアー)を使ってソ連の潜水艦の動向を探ろうとしていた。
 ところがあるときから、実験は思わぬ方向へと進展しはじめる。実験中にトランス状態にあったひとりのビューアーが、潜水艦の上空に奇妙な物が見えるといいだしたのだ。
 そして、覚醒したビューアーが上空に見えた物体をスケッチに描いたとき、それは間違いなく“空飛ぶ円盤”だったのである。
 ソビエトの潜水艦の上空に、UFOが滞空していた……!
 アクエリアス計画中に生じたこの出来事に興味を持ったフィリップス大佐は、ビューアーを使えば、モンドラン中佐の報告書にある衛星軌道上に出現したUFOの正体を突き止めることができるのではないかと考える。
 ペンタゴン上層部はフィリップス大佐の提案を承認し、アクエリアス計画に起用された3人のリモート・ビューアーが派遣されることになった。そして驚くべきことに、DIA本部に派遣されたビューアーたちは、なんと衛星軌道上にUFOを見たのである!
 1987年2月、この不思議な事件をきっかけにして、DIAはUFO探索に本格的に取り組んでいく。そしてついに、フィリップス大佐をリーダーとする「UFO調査機関」が設立される運びとなった。この調査機関は、「UFO調査班(UFO WORKING GROUP)」と名づけられ、活動がスタートした──。

     ついに明かされたアレキサンダーの目的!

 ここまでの経緯は、ジャーナリストのハワード・ブラムが、UFO調査班の存在を暴露した著書『アウトゼア』でご存じの方も多いであろう。
 同書では、UFO調査班のメンバーの名はほとんど伏せられているが、ふたりの人物の名だけがはっきりと記されている。
 ひとりは、もちろんこの調査班のリーダーで、DIA管理作戦部のハロルド・E・フィリップス陸軍大佐。そしてもうひとりは、元空軍情報部長ジェームズ・C・ファウッズ退役空軍少将である。
 しかし、ここで奇妙な事態が起こるのだ。国防総省は、『アウトゼア』の内容を全面否定したばかりか、ハロルド・フィリップス大佐なる人物は存在しないといいきったのである。
 確かに、どのような軍の公式記録にも、ハロルド・フィリップス大佐なる人物の名前は存在していない。
 では、アクエリアス計画もフィリップス大佐の存在も、ひいては『アウトゼア』に書かれた内容もまったくのデッチあげなのだろうか。
 もちろんそんなはずはない。
 事実、もうひとりの人物、ファウッズ少将は実在している。
 1983年、当時、空軍情報部長だったファウッズ少将は、同年夏にサハリン沖で発生した「大韓航空機撃墜事件」の調査報道の中心人物でもあった。
 余談ではあるが、この撃墜事件は著名なジャーナリスト、セイモア・ハーシュによって単行本化(『目標は撃墜された』)されている。
 実は、ペンタゴンがUFO問題に関与しているとハワード・ブラムに示唆し、『アウトゼア』執筆に向かわせたのは、このセイモア・ハーシュなのである。そして、ハーシュにUFO調査班の情報をもたらしたのは、彼と親しかったファウッズ少将ではなかったか、と推測されているのである。
 では、この国防総省のUFO問題の鍵を握るもうひとりの人物、フィリップス大佐とは何者なのであろうか?
 その答えは、本稿の冒頭で紹介した衝撃的なレポート、そうアーメン・ビクトリアンのレポートで暴露されている。レポートはフィリップス大佐こそが、何を隠そうジョン・アレキサンダーその人だと指摘しているのである!
 アレキサンダーは自らの名を秘匿し、フィリップス大佐という架空の人物になりすまし、UFO問題の影で暗躍していたというのである。はたしてそのようなことが可能なのだろうか。
 筆者はこの疑問を解決すべく、真実を知っている人物とのコンタクトに成功した。その人物とは、かつてDIAに所属し、現在は「サイテック社」(本誌にも何回か登場し、ご存じかとも思うが、“超能力を商業化”した世界初の企業。謎も多い)の社長であるエド・デームズである。
 1994年8月、筆者とロサンゼルスで会見したエド・デームズは、インタビューの中で、当時、フィリップス大佐の依頼で、軌道上のUFOを遠隔視したビューアーのひとりであったことを明かしてくれたのだ。
 そればかりではない。さらにUFO調査班のリーダーとされるハロルド・フィリップス大佐はやはり実在せず、当人に該当する人物こそ、ビクトリアンの指摘どおりジョン・アレキサンダーだと述べたのである。
 そして、UFO調査班に課せられた目的は、UFOが持つ最新のテクノロジーを獲得し、実戦に使用することだとまでいいきった。
 ここで初めて、アレキサンダーの役割と行動の謎のすべてが氷解していく。アレキサンダーの目的はただひとつ、UFOの進んだテクノロジーを取り入れて、非殺戮性兵器などの最新兵器を開発することにあったのだ!
 もちろんこのような活動は、アレキサンダーひとりでなしえるものではない。米政府内には、彼を中心とした秘密の実行グループが存在しているのだ。
 その秘密組織の名を初めて明かしたのも、前出のビクトリアンである。彼は、UFO調査班の中に、「エイビアリィ」という秘密組織が暗躍している事実をつかんだのだ。
 エイビアリィ──“鳥の檻”もしくは“飼育された鳥たち”を意味する奇妙な名前を持った謎の組織。この組織こそ、ペンタゴンのUFO戦略、さらには米政府の重大なある決断に関与しているのである!


◎第3章◎
鳥のコードネームを持ちUFO情報を操作する謎の集団「エイビアリィ」

怪文書や怪情報が乱れ飛ぶUFO界。そのなかにあって、UFO情報を操作する謎の謀略集団「エイビアリィ」の存在が明らかにされた! 彼らの情報攪乱によって、犠牲者まで出ている。その目的とは何か……?

     怪文書「MJ─12」とムーアの爆弾発言!

 今やアメリカのUFO界は、政府の秘密機関と異星人の“陰謀説”が主流をなしている。純粋に科学的なUFO研究などは、どこか片隅に追いやられてしまっている感さえある。
 その流れのきっかけとなったのが、国立公文書館から発見されたという一通の極秘文書だった。
 のちに「MJ─12文書」と呼ばれることになるこの文書にまつわる騒動にも、実はかのアレキサンダーおよび彼を中心とした秘密組織「エイビアリィ」が深く関与していたのである。
 もう一度この事件の経緯を追いながら、アレキサンダーが謀略をどう画策していったのかを報告しよう。
 1987年にUFO研究家のウイリアム・ムーアが公開した「MJ─12文書」には、1947年7月、アメリカ、ニューメキシコ州ロズウェルで発生したUFO墜落・回収事件のあらましが記されていた。
 当初のムーアの説明によると、文書はある日、自分宛に送られてきたものであり、その後、類似の文書の存在が国立公文書館で確認されたという。内容は、墜落した機体と複数の乗員の死体を米政府が入手し、それを調査するための秘密機関MJ─12が組織されたことが記されていた。
 この文書が本物なら、ロズウェル事件は異星人が乗った宇宙船が墜落した決定的証拠になる。しかし、同文書の出所が曖昧模糊としていたため、UFO研究者たちを含めた大論争になったことは記憶に新しいところだ。
 結局は、この怪文書自体は“偽物”ということで決着がついている。
 しかし、ではこの「MJ─12文書」は、だれが何のために偽造したものなのかという問題には、まだ回答は出ていない。
 と同時に、当時のトップレベルの軍人、政治家、科学者たちからなる、UFO問題を扱うグループの存在自体が完全に否定されてしまったわけではないのである。
 公表時から、文書を公開したムーア自身が偽造したのではないか、という疑念を抱いた研究者は少なくなかった。かくいう筆者もそのひとりである。
 ところが、1989年7月、ラスベガスで民間UFO研究団体の大手である「MUFON」が開催した「UFOシンポジウム」において、衝撃的な事実が暴露された。
 なんとムーアは、この文書を公開するにあたり、空軍の対敵情報組織である「空軍特別調査局(OSI)」と接触があり、そこから情報を得ていたことを認めたのである。
 さらにムーアは、彼に接触してきた空軍特別調査局の捜査官が“鳥のコードネーム”を持っていたことも明らかにしている。
 ムーアは、極秘情報を得ることを条件に、彼らから与えられた偽情報の宣伝と普及のために協力していたというのだ。
 ということは、ムーア自身は「MJ─12文書」を直接的に偽造したわけではないが、文書の偽造に深く関わっていたわけである。また空軍内部に、UFOに関するディスインフォメーション(偽情報)を流す一団が存在することも判明したのである。

     正体を現した「エイビアリィ」のメンバー!

 軍内部に、偽情報を流す謎の集団が存在する……。
 やはり当時いわれたMJ─12のような組織なのだろうか。
 それがどういう組織なのか、研究者の間でも意見が分かれるところであった。唯一の手がかりは、メンバー全員が“鳥のコードネーム”で呼ばれていることくらいである。
 ところで、第1章、第2章で紹介してきたアレキサンダーおよび非殺戮性兵器の開発で浮かび上がった集団の名を覚えているだろうか。そう「エイビアリィ」。意味は“鳥の檻”とか“飼育された鳥たち”だ!! そしてそのメンバーはすべて“鳥の名”を持つ──!
 アレキサンダーが非殺戮性兵器の開発に加え、UFO問題にも深く関与していたことは前述した。
 その彼を中心とした集団も、ムーアに偽情報を流してUFO研究を混乱に陥れた組織も、メンバーを“鳥のコードネーム”で呼びあっているという。
 偶然の一致なのだろうか?
 むしろこのふたつの組織が同一グループであるとするほうが、はるかに納得がいく説明ではないだろうか。
 では、最近その存在が白日の下にさらされた「エイビアリィ」とはどのような組織なのかを、アーメン・ビクトリアンのレポートから明らかにしよう。
 ビクトリアンが「エイビアリィ」に関する最初の記事を掲載したのは、イギリスのUFO雑誌「UFOマガジン」(1992年7・8月号)である。
 実はビクトリアンは、同雑誌が発行される直前に「エイビアリィ」からの使者という人物の訪問を受けている。
“モーニング・ダブ(ハト)”と“ホーク(タカ)”と名乗ったふたりは、「エイビアリィ」からのメッセージを携えて、わざわざ彼が住むイギリスへとやってきたというのである。
 しかもそのメッセージとは、「エイビアリィの問題に、これ以上深入りは無用」という警告だったというのだ。
 もちろんビクトリアンはこの警告を無視し、雑誌もそのまま発行された。
 さて、そのメンバー12人(MJ─12と人数が同じなのも、偶然とは思えない)の略歴は、左のコラムを参照してほしい。メンバーのほとんどが、先の「国防情報局(DIA)UFO調査班」の構成員でもあったという。
 アレキサンダーはともかく、あの著名なUFO研究家ブルース・マカビー博士がこの秘密組織に属しているとは、まったく驚きを禁じえない。
 さらには、セシル・スコット・ジョーンズ博士のように、民間最大のUFO研究団体「MUFON」の顧問をしている人物もいる。同団体が入手した情報は、すべて「エイビアリィ」に筒抜けになっていたというわけである。
 しかも、この顔ぶれと経歴を見れば、メンバーの大半が非殺戮性兵器および超心理兵器の開発に関与していることも間違いない。
 彼ら「エイビアリィ」は、一方で非殺戮性兵器の開発に邁進し、逆の手でUFO問題を調査し、また研究家を混乱させる偽情報を流していたのである。
 この無関係とも思えるふたつの問題に、深く関与するアレキサンダーたちの目的とはいったい何か?
 実は、「エイビアリィ」の活動目的を端的に物語る一大謀略事件が、前出のウイリアム・ムーアによって暴露されているのである。


エイビアリィ」の構成メンバー
●ジョン・B・アレキサンダー=ペンギン(コードネーム。次下同)。秘密組織「エイビアリィ」のドンと目されている。
●ブルース・マカビー博士=カモメ。米海軍海洋兵器研究センター研究員。UFO研究基金(FUFOR)執行委員会議長。UFOの写真および映像分析家として知られている。
●ハロルド・E・パソフ博士=ミミズク。元NSA局員。スタンフォード研究所で超心理学研究に参加。フリーエネルギーの研究と遠隔視実験で有名な物理学者。
●ダール・グラフ=カラス。元DIA国防特別技術部長。
●ジャネット・ヴェローナ=コードネーム不明。電磁効果兵器開発の「眠れる森の美女計画」に参加。現在、失踪中。
●リチャード・ドウティ=ハヤブサ。空軍2等曹長。OSI特別捜査官。「MJ-12」事件に深く関与した。
●ロバート・コリンズ空軍大尉=コンドル。カートランド空軍基地の情報将校。ドウティとともに「MJ-12」事件に関与。
●クリストファ・キット・グリーン博士=カケス。ゼネラルモータース社の生化学部長を務めた科学者。国外でのUFO墜落事件に関与。
●エリン・ケラーストラウス=タカ。ライトパターソン空軍基地職員。「MJ-12」事件に関与。
●セシル・スコット・ジョーンズ博士=シジュウカラ。元DIA幹部。人間潜在能力開発財団会長。MUFON顧問。現在、遠隔視を生業とするサイテック社の中心人物のひとり。
●ロン・パンドルフィ=ペリカン。CIA科学技術総局のロケット・ミサイル・セクションに属している物理学者。
●ほかに、アーメン・ビクトリアンを訪問した際に「モーニング・ダブ(ハト)」と名乗った人物を加えると、合計12名となる。

     謀略の標的となったポール・ベネウィッツ

「エイビアリィ」が関与したとされる謀略事件。それは、UFO事件に関わったひとりの人物が、最終的には精神に破綻をきたし、社会から葬り去られるという、悲劇的な結末をたどった事件である。
 その事件とは、今日の“大陰謀”ブームの原点であり発端となった“ポール・ベネウィッツ”事件なのである。
 事件の舞台となったのは、ニューメキシコ州アルバカーキにある、カートランド空軍基地およびその周辺地域。もともとカートランド基地は、墜落して回収されたUFOの機体が複数保管されているなど、とかくUFOに関しての噂が絶えない基地である。
 しかも同基地には、マンザノ核兵器貯蔵区域が隣接している。また核兵器の実験場、コヨーテ・キャニオン一帯も近くにある、といった具合に、軍事上の最重要地域のひとつである。
 事件の主人公ポール・ベネウィッツは、物理学者であると同時に、「サンダー・サイエンティフィック・コーポレーション社」の社長を務めていた。ベネウィッツの自宅からは、このマンザノ地区が一望できたのである。
 1979年も終わりごろのことだ。ベネウィッツは、このマンザノ核兵器貯蔵庫施設付近に出現するUFOをしばしば目撃するようになる。その後、ムービーフィルムやスチール写真にとらえることにも成功したのである。
 ところが、なぜかベネウィッツの報告はどんどんエスカレートしていく。翌年に入り、ベネウィッツは、今度は所有する電子監視装置が、UFOから発せられている電磁パルスをキャッチしたと発表する。
 そして、長期にわたって傍受したこの通信を分析・解析した結果、彼はダルシィから約2・5キロ付近に位置する山岳地帯アルチェリータ・メサの地下に大地下基地が存在していることを突き止めたと宣言したのだ。しかもこの地下基地は、エイリアンと米政府が共謀して作った遺伝子実験を目的とする巨大研究施設だというのである!
 ベネウィッツは、この驚くべき情報をカートランド空軍基地に再三報告した。しかし、何の返答もないばかりか、証拠として提出した複数のUFO撮影フィルムも、ついに返却されることはなかったのである。

     偽情報に踊らされエスカレートする報告

 1981年になって、ベネウィッツは直接ペンタゴンにある情報サービス室に話を持ち込んでいる。その一方で、アリゾナ州ツーソンにある民間UFO研究団体「APRO」にも、報告書を送っている。
 彼は、ニューメキシコ州で多発するキャトル・ミューティレーション、そして全米に波及しつつあるアブダクション(UFO誘拐)事件が、米政府と密約を結んだエイリアンの仕業だ、と主張したのだ。
 このように、数々の政府の陰謀を暴く報告書を送ると同時に、ベネウィッツはAPROに送った報告書の中で、自分が監視されたり、電話が盗聴されたりするなど、何者かの影響下にあることにひどく脅えていた。
 このベネウィッツの心配は、決して杞憂ではなかったのである。かなり早期の段階から「エイビアリィ」はベネウィッツの行動に注目していた。
 実はウイリアム・ムーア自身がベネウィッツを監視し、彼の行動の情報を逐一伝えるように「エイビアリィ」の指令を受けていたのである。
 当然ながら、ベネウィッツには「エイビアリィ」からの偽情報が意図的に流されていった。それがどの段階からなのかは判明していないが、そのためにベネウィッツ情報は、内容が次第にエスカレートしていく。
 ベネウィッツは、エイリアンの音声通信どころか、地下基地から大気圏外の母船に発せられた画像情報までをも傍受したと主張。
 しかも画像には、エイリアンが地下基地内部で、誘拐してきた人間を切り刻むなど、背筋が凍るような実験の様子が映されていたと報告したのだ。
 さらに、1985年8月5日には、アルチェリータ・メサの一角に、エイリアンのテクノロジーの供与を受けて建造された、プルトニウムを燃料にする原子力宇宙船が墜落したとも記している。
 しかし、そんな大事故はいっさい報じられていない。それをベネウィッツは、米政府が事件を闇に葬ったのだ、といいはった。
 こうしたベネウィッツの報告は、驚異の一語に尽きる。完全に「エイビアリィ」の情報操作の網にかかってしまい、入手した情報に対する正常な判断力を失っていたようだ。
 実際、このころに接触を始めたムーアは、ベネウィッツの精神状態がかなり不安定だったと述べている。
「エイリアンが夜ごと侵入してきて、薬物を注入する」
 と彼は訴え、妄想とも現実ともつかないさまざまな体験をムーアに告げたのである。その後ベネウィッツは、食事も満足にとれず、おまけに健忘症もひどくなる。そして、意識を失うという状態にしばしば陥った。
 1988年、精神に破綻をきたしたベネウィッツは、ついに治療を受けるために入院を余儀なくされ、以後、二度と社会復帰できなかったのである。

     ベネウィッツ報告には真実が含まれていた

 このようにベネウィッツ事件では、「エイビアリィ」が偽情報を流し、UFO問題を攪乱する“謀略集団”である一面をのぞかせている。
 では、彼らはなぜこのようなことをしたのだろうか?
 ベネウィッツ事件を別の角度から見ると、彼らの真の目的がかいま見えるのである。
 おそらく多くの人々は、最終的にベネウィッツが精神に破綻をきたした、という一面をもって、彼の流した情報が“すべて”偽りだったと考えるのではないだろうか。
 この章の冒頭で述べた「MJ─12文書」についても同様のことがいえる。文書自体が偽物だからといって、イコール文書に記されていたことが嘘だとはいえない。
 ところが人間の心理とはおもしろいもので、ひとつが嘘だとすると、それに関わるものすべてがそうだと頭から信じ込んでしまう傾向があるのだ。
 ベネウィッツ事件はどうか。彼が流した情報はすべて偽情報だったのか。
 実はそうではなかったのである!
 当時、マンザノ地域周辺に、ベネウィッツの主張どおり、UFOが出現していた証拠が存在するのだ。
 その証拠とは「情報の自由化法」によって公開された「空軍特別調査局」の公式文書である。そこには、なんとカートランド空軍基地周辺で発生した、UFO着陸事件が記載されている。
 同文書によれば、1980年8月8日から9日にかけて、マンザノ地区でUFO着陸事件が発生。その後も8月末までに、3度にわたりUFOの着陸事件が発生したことが明記されているのである。
 しかも驚くべきことに、この事件の情報として、なんとベネウィッツの報告書も空軍特別調査局に正式文書としてファイルされていたのである。
 答えはひとつしかない。
 米政府が必死で隠蔽しようとしている“UFOの真実”の一端を知ってしまったベネウィッツは、「エイビアリィ」の罠にはまり、その真実とともに葬り去られてしまったのである。
 では米政府が、一介の物理学者を精神病にしてまで隠蔽しなければならない“UFOの真実”とは、いったい何なのか。次章で詳述したい。


◎第4章◎
UFOの存在を隠蔽しつつアメリカが極秘で進める恐るべきハイテク機の開発

UFOの存在を否定し、隠蔽しつづけてきたアメリカ政府──。その裏には核兵器さえ無力化するUFOの「EM効果」に対する脅威があった。と同時に、墜落UFOのハイテクノロジー独占という目的も。はたしてその野望は……?

     アメリカ政府のUFO隠蔽の裏事情とは?

 前章で紹介したベネウィッツ事件を見るまでもなく、アメリカ政府は今までUFOの存在をひたすら隠蔽しつづけてきた。
 それは「ロズウェル事件」(詳細は本誌171号総力特集を参照)でも明らかだし、「情報の自由化法」によって公開されたCIAやFBI、さらには国家安全保障局や国防情報局など、国家の情報機関が秘匿してきた機密文書によっても明白だ。UFOが存在するかどうかというような議論は、もはやここでは必要ない。
 だが、いったいなぜ、アメリカ政府は“UFO隠し”を続けているのだろうか?
 アメリカ政府が最初にUFOを認識したのはいつだったのか、判然とはしていない。しかし、大空を自在に飛びまわる、当時の飛行テクノロジーをはるかに超えた飛行物体の存在に気づいたのは、かなり以前だったのではないだろうか。
 それは、われわれが“UFO元年”と呼んだ「アーノルド事件」(1947年6月、ケネス・アーノルドが円盤形の飛行物体に遭遇、「空飛ぶ円盤」の名が初めて世に出た事件)より前であったことは確かである。
 たとえば、第2次世界大戦や太平洋戦争末期に“フー・ファイター(お化け戦闘機)”と呼称され、パイロットたちを震えあがらせた小型の球形UFOがある。連合軍もドイツ軍も、その謎の飛行物体が、お互いに相手の秘密兵器ではないかと疑っていたことは有名な話である。
 しかし、その後、ロズウェル事件が起きたとき、アメリカ政府は異星人の存在を確信したはずだ。そして、墜落した機体に使用されていた革新的なテクノロジーに驚嘆し、脅威の念に駆られたのである。
 では、アメリカ政府はなぜ、そのとき異星人の存在を明らかにしなかったのだろうか。そう簡単に隠しおおせる問題ではないはずだ。
 考えられる理由は2つ。
 まず、生きた異星人が回収されたという報告があることから、その異星人が敵対的な意志を示した可能性があること。その状況でアメリカが恐れたのは、異星人がソ連や中国と結託している可能性だ。
 このとき、すでにアメリカとソ連との冷戦構造は確立しつつあった。UFOおよび異星人が、ソ連あるいは中国の味方であったなら、アメリカは窮地に立たされる──。
 もうひとつ考えられるのは、墜落UFOを手に入れたことにより、地球を支配(ソ連、中国に勝利)するテクノロジーを手中に収めたと確信した可能性だ。
 アメリカ政府は、世界に先駆けて、UFOと異星人に関する情報の独占をはかった。そのためには、存在を否定することから始めなくてはならなかったのである。
 ロズウェル事件以後、開始されたアメリカ政府の隠蔽工作。それは「エイビアリィ」の手口を見るまでもなく、さまざま手段を講じつつ、現在まで連綿と続けられてきているのである。

     UFOの「EM効果」が引き起こした事件!

 一方、異星人側の対応はどうだったのか。
 ロズウェル事件以後、UFOはときおり敵対的な行動をとってきたが、しだいにそれは明確な意志を持った行動となって表れてきた。
 1965年11月9日の夜、アメリカ、ニュージャージー州以北の8つの州と、カナダの2つの州で発生した原因不明の大停電がそれだ。この東部諸州の広範囲を覆った停電の最中、停電地帯の中心でUFO活動が観測され、かつ写真も撮影されたのである。
 元アメリカ空軍UFO調査機関「プロジェクト・ブルーブック」の顧問で、「UFO研究センター」の創設者であるアレン・ハイネック博士は、この大停電が“UFOに起因した”ものだと推測している。
 この事件は、UFO現象に伴う「EM効果」が、広範囲にわたる電力の停止現象を現実に発生させた典型的なケースであった。
 当然、ペンタゴンは事件を黙殺するわけにはいかなかった。なぜなら、軍事施設や航空機、戦闘艦に装備された兵器類にも、多種多様な電子部品が装備されており、UFOに起因した電力やエネルギーの停止現象が引き起こされる事態は、十二分に考えられたからである。
 さらには、原子力発電所、原子力空母、原子力潜水艦といった核エネルギーを動力源とした施設や艦船、そして、おそらくは核爆弾なども、同様に作動不能に陥る可能性を、ペンタゴンは危惧したにちがいない。
 UFOの「EM効果」が、核爆弾の精緻な起爆装置を使用不能にし、存在意義を消滅させる……!
 第2次世界大戦後のアメリカ軍にとって、これは決して看過できない問題、まさに脅威であったのだ。
 そして1975年、その脅威が現実となった。UFOが、戦略空軍基地の核兵器貯蔵施設の領空を侵犯する、という事件が集中的に発生したのである。これは、「情報の自由化法」によって公開された、機密文書類に記されていた衝撃の事実である。
 事件は、同年10月下旬から11月上旬にかけて発生し、「北米宇宙航空防空司令部(NORAD)」の戦闘作戦センターに、挙動不審の物体に関する報告が相次いだ。
 報告元は、メイン州ローリング空軍基地、ミシガン州ワートスミス基地、マルムストロム空軍基地、マイノット空軍基地、そして、カナダ・オンタリオ州ファルコンブリッジのカナダ空軍駐屯地と広範囲にわたっていた。
 報告書によれば、いずれもUFOが、空軍の核兵器供給貯蔵所の上空を侵犯していたのである。しかもUFOは、空軍迎撃機の機動性をはるかにしのぐ行動をとった。旋回、滞空、急上昇、急下降、鋭角ターンなどで、迎撃機の追撃を苦もなくかわしたのである。
 しかし、12月を待たずして、UFOによる核兵器供給貯蔵庫領空侵犯事件は、ピタリとおさまってしまった。
 それにしても、こうした戦略空軍基地の核兵器貯蔵庫エリアに続発するUFOの侵入事件、つまり異星人の“核エネルギー”に対する異常な関心の意味は何だったのか?
 真意をはかりかねつつ、米軍当局者はこの事件に恐怖し、公表を差し控え、隠蔽せざるをえなかったのである。




第2回「エリア51」観測ツアー並木伸一郎氏
早川弼生氏
がサポート!!

今年2月催行された、アメリカの一大UFOスポット「エリア51」観測ツアーを、来年も実施いたします。今回も並木伸一郎、早川弼生両氏が強力サポート。ピラミッドを模したルクソールでの宿泊も魅力です。ぜひご参加ください。

日   程
1 2月4日(日)──成田発〔午後〕────ロサンゼルス着・発────ラスベガス着〔午前〕  ラスベガス泊
2 2月5日(月)──専用バスでエリア51へ 車内などで並木伸一郎氏の解説 19:00〜夜間観測  ラスベガス泊
3 2月6日(火)──ラスベガス発〔午前〕───ロサンゼルス着〔午後〕 ホテル到着後早川弼生氏の最新アメリカ事情講演  ロサンゼルス泊
4 2月7日(水)──講演(予定)────夕食会  ロサンゼルス泊
5 2月8日(木)──空港へ ロサンゼルス発〔午前〕  機内泊
6 2月9日(金)──成田着〔午後〕 通関後解散

●日 程  平成8年2月4日(日)より2月9日(金)までの6日間
●出発地  新東京国際空港
●旅行代金 198,000円
●募集人員 40名(最少催行人員20名)
●添乗員  東京より全行程同行
●利用予定ホテル(または同等クラス)
 ラスベガス=ルクソール
 ロサンゼルス=シェラトン・ユニバーサル
●利用予定航空会社 大韓航空
●食事条件 朝食4回 昼食2回
      夕食1回(機内食を含まず)
●企 画  学研「ムー」編集部
●旅行主催 近畿日本ツーリスト(株)日比谷支店
      〒105 東京都港区西新橋1-6-11 西新橋光和ビル
      運輸大臣登録20号(社)日本旅行業協会会員
       03-3595-1177
●お問い合わせ・お申し込み先
      近畿日本ツーリスト(株)日比谷支店
      「ムー」エリア51ツアー係 担当 菊地まで
●募集締切り 平成7年12月20日(水)
       (定員になり次第締切ります)
日程・旅行条件などは、資料をご請求のうえご確認ください。

     極秘に開発が進められてきたハイテク機!

 一連の事件で、アメリカ政府やペンタゴンが危惧したのは、UFOの持つ「EM効果」だった。UFO出現に伴って核実験が不可能になったり、核爆弾が作動しなくなったり、あるいは逆に誤作動させられてしまったら……。
 すなわち、核兵器の無力化と誤作動の恐怖! あるいはすでに、そうした事態が発生していたのかもしれない。
 再度、指摘するが、UFOがもたらす「EM効果」は、核兵器さえも無力化してしまう看過できない脅威だったのである。
 この問題は、当然、UFO隠蔽の目的に変化を起こす。核の傘による新世界秩序の構築をめざしていたアメリカ政府にとって、このような“核の無力化”という衝撃の事実は、何がなんでも隠さなくてはならない重大問題だったのだ。
 情報の自由化法によって、UFOに関連した重要機密文書の存在が次々と明らかにされてきたが、国防上の問題という理由で公開を拒否されている機密文書が、今もって多数存在していることを忘れてはならない。
 その数は、CIAに57通、国家安全保障局には135通もあるといわれている。これらの文書には、いったい何が記されているというのだろう。UFOの脅威が明白になってきたこの時点でなら、その内容はある程度、推測可能である。
 たとえば、
@UFOとの空中戦もしくは襲撃事件
Aロズウェル事件を含む、墜落したUFOの機体とその乗員である異星人の回収事件
B生きて回収された異星人とのコンタクト、およびUFOのテクノロジーの秘密
C「宇宙防衛機構」の存在と、関与する委員会およびその組織のメンバー
 などではないか。
 特に、UFOのテクノロジーに関しては、それまで喉から手が出るほどほしかったものであるはずだ。もし、このテクノロジーを獲得できれば、アメリカは戦略的にも世界の冠たる国家としての地位が手に入ることは必然であるからだ。
 こうした観点に立てば、アメリカ政府は、防御面も含め、必死になってそのテクノロジーを利用した新兵器開発に邁進していることがうかがわれるのである。
 たとえば、その一端と思われるのが、戦後間もなく姿を見せたブーメラン形の全翼機「YB─49」(ノースロップ社製)であった。このブーメラン形の全翼機には、元ジェット機のメカニックで、パイロットをしていた経歴を持つトニー・コンサルベスのように「UFOのテクノロジーが使われていた」と主張する者もいる。
 しかし、1948年から1952年にかけてテストフライトが繰り返されたYB─49は、結局、廃棄処分になってしまったという。残念ながら当時の技術では、UFOのハイテクノロジーを再現し、利用することは不可能であった。
 ところが、1970年代に入り、コンピューター技術を含めたメカニカルなテクノロジーは急速に進歩した。複雑なUFOのテクノロジーをひとつひとつ解き明かしながら、ハイテク機の開発はひそかに、しかし着実に進められていたのである。
 その結果、誕生したのが「ステルス戦闘機」である。たとえば「B─II型爆撃機」は、1970年中ごろには開発段階を終え、飛行を開始していた。
「ワシントンポスト」紙(1989年10月13日)の記事で、航空産業の老舗「ノースロップ社」の創始者ジャック・K・ノースロップ(当時85歳)が、1981年1月に、米空軍のトップシークレット扱いの開発計画の一端をかいま見た話が暴露されている。
 彼は、防衛施設内の会議室で数人の役人と会い、すぐに“機密保持”の誓約書にサインさせられた。そして、ブーメラン形をした機体の模型を見せられたのである。
 模型は、尾部がなく、胴体がかろうじて識別できる程度の“全翼機”だったが、なんとそれは、かつてノースロップも設計・開発に参加していたYB─49型機を格段にグレードアップした代物だったのである。
 ノースロップは、かつて技術的に困難とされていた多くの問題が解決されていることに驚いた。さらには、当時の知識とはあまりにかけ離れた、革新的な全翼機の最新データを聞かされ、愕然となったのである。
 これこそが、ペンタゴンのブラックバジェット(機密費)を使い、「DARPA(国防高度研究計画局)」の援助を受けてロッキード社が開発したステルス戦闘機だったのである。

     アメリカはUFOのテクノロジーを獲得!

 さらにコンサルベスは、すでに公開されている「B─IIステルス」とは同形だが、機能がまったく異なる「UFO・シークレットヴァージョン」も開発され、すでに配備が進められているという。
 その根拠のひとつとして、1980年代中ごろ、ニューヨーク州近郊のハドソンバレー一帯に集中出現した、ブーメラン形UFOの目撃騒動をあげている。当時、「ウィンチェスター・ウイング」と呼ばれたこのUFOこそ、その“シークレット・ヴァージョン”にほかならないというのである。
 ステルスといえば、性能の大半が機密とされている「F117戦闘機」についても、言及しておきたいことがある。それは、ペンタゴンが徹底して秘密にしている、同機の核攻撃に対する防衛能力である。
 核爆発で発生する電磁波効果=EM効果は広範囲にわたり、各種の電子装置に多大な影響を及ぼす。そのため、電子装備に頼る近代兵器は、通常、すべて使用不可能になる。つまり、この対電磁波効果装備の研究こそ、UFOのEM効果に対する防御能力につながっているのだ。
 当然、ペンタゴンは、非殺戮性兵器の開発と同時に、EM効果に対する防御装備も開発しているはずだ。そしてそれは、すでにステルス戦闘機に完全装備されていると考えられる。
 そして今やアメリカの極秘施設として知られる「エリア51」およびその近辺では、最先端の技術を擁した三角形機体の超高性能機が、機体全体を発光させながら猛スピードで飛翔している。その様子は、まさしく“UFO”そのものである!
 ステルス戦闘機を筆頭に、これらの機体は、いずれもUFOから得たテクノロジーによって開発されたものなのである。さらに現在、技術開発は進歩を続け、その結果、円盤型の“地球製UFO”のテストフライトさえ実施されているという。
 アメリカ空軍は、世界に先駆けて、UFOのテクノロジーをほぼマスターし、それを駆使できる段階にまで達しているのだ。
 しかし、冷戦構造の一方の雄であるソ連が崩壊し、世界で唯一の超大国となったアメリカは、UFO問題を隠しておく必要もなくなったはずだ。もはやすべてを公にしてもいい時期にきているのではないだろうか。
 ところが、隠蔽はいまだに続いている。なぜいっさいを公開しないのだろう。まだ何か、隠蔽しなくてはならない理由があるのだろうか。
 気になるのは、1988年5月、「国防戦略フォーラム」の席上でのレーガン大統領の発言だ。このときレーガン大統領は、なんとわれわれ人類が“ほかの惑星からの脅威”にさらされている、と公言したのである。
“ほかの惑星からの脅威”──!
 実はレーガン自身、UFOの目撃体験者であり、また、1986年12月に、「北米宇宙航空防空司令部」が、衛星軌道上でUFOをキャッチした事件の報告書を目にしている。
 そのレーガンが“ほかの惑星からの脅威”を説いた。彼の発言の真意は何だったのだろうか。おそらくレーガンは、UFOに関する極秘情報のすべてに熟知しており、そのうえでの発言であったはずだ。
 だとすれば、それは具体的にどのような“脅威”なのだろうか……。


◎第5章◎
地球を破滅に導きかねない恐怖のスター・ウォーズが人類の目前に迫っている!

ソ連の崩壊で世界の大国の地位を独占したアメリカが、ついに決断を下した。スター・ウォーズ! 驚くべき推測だが、UFOをめぐるさまざまな疑問は“宇宙からの侵略”というキーワードで氷解する。となれば結論は明白だ……!

     すでに開発されていたUFO迎撃システム

 これまでひとつひとつ検証してきた事柄が、ここですべて一本の鎖でつながった!
「非殺戮性兵器」の開発も、「UFO隠蔽問題」も、「アレキサンダーと謎の集団エイビアリィ」の活動の目的も、そして今も続けられている隠蔽工作と極秘兵器の開発の理由も、これらすべてがレーガンのいう“宇宙からの脅威”という言葉によって、見事につながり、方向性を持って並ぶのだ。
 その方向とは──戦争! それも宇宙からの侵略に対する、スター・ウォーズ!!
「何をバカな。SF映画の見すぎ!」
 といわれるかもしれない。だが、現実に、戦争は始まっている可能性が高いのである!
 ここに1992年9月15日から16日にかけて、スペース・シャトル「ディスカバリー」が衛星軌道上で撮影したモノクロ映像がある。それは、アメリカNBCテレビの番組「ハードコピー」で放映され、大反響を呼んだものだ。
 これについては、本誌でも何度か取り上げているのでここでは略記するにとどめるが、画面上では、左方向に移動する光体(UFO)が写っており、それがさらに移動したとき、突然、90度ほどターンする。すると、その直後、画面左下から流星のような“光体”が高速で直進してくる。
 NBCテレビは、このターンする光体をUFO、そして直進する光体を、UFO迎撃のために発射された「SDI」用ミサイルあるいはレーザーではないか、と推測したのだ。
 そもそも「SDI(戦略防衛構想)」は、1983年3月、時の大統領レーガンが「21世紀に向かって宇宙に戦略防衛システムを構築する」と発表したのがすべての始まりだった。
 表向きには対ソ連用といわれたが、そのときのレーガンの頭にあった仮想敵国は、ソ連ではなく、宇宙から飛来するUFOだったのかもしれない。
 この映像でとらえられたレーザービームらしき光線は、SDI兵器として公表されている「ブリリアント・ペブル=軌道上配備型迎撃ミサイル」だと考えられた。UFOに対するこうした迎撃システムが、すでに開発・配備されていたということはまぎれもない事実であり、そのことは非常に重要な意味を持つのだ。
 ともあれ結果的には、この迎撃は失敗している。UFO(あるいはUFOを模した機動標的)の飛行性能に、ミサイルの能力が追いつかなかったのだ。
 もしUFOが本物であるなら、まだテスト中と思われるSDI兵器を実戦投入しなければならないほど、スター・ウォーズが進行していることを映像は物語っているのだ。
 もちろん、ビームを回避した謎の光体が、本物のUFOなのか、模擬UFOによる実験なのかは大きな問題ではある。しかし、それに関しては、現時点では判断する材料がない。
 それはともかく、本来なら極秘であるはずのこうした映像が、なぜ、テレビで一般に公開されたのだろうか。いったいだれが、何のために表に出した映像だったのだろうか。
 現時点で考えられることはひとつしかない。それは、アメリカ政府がUFOを敵として断定し、少なくとも臨戦態勢に入っている(あるいは入ろうとしている)という事実である。
 さらにいわせてもらえば、この映像は“UFOという地球外からの敵が存在する”という現実的な脅威を見せつけるために、わざとリークされた映像だった、と考えるしかないのである。
 元米空軍のUFO調査機関「プロジェクト・ブルーブック」の調査主任エドワード・ルッペルト大尉やハイネック博士(前出)は、UFO現象を地球外からの脅威であると認識した少数の政府高官、軍幹部、そして科学者たちによって構成された集団=勢力が存在する、と述べている。
 彼らはUFO問題に関して強大な権力を握っており、政府は彼らの指示にしたがって、隠蔽工作を続けてきたと思われる。そうした方針がとられてきたことは間違いのない事実である。
 その方針が今、変わろうとしているのではないだろうか!?
 これまでのように、すべてを隠蔽するのではなく、「異星人の存在」「切迫する宇宙戦争への危機」を少しずつ公にする方向に……。

     異星人の脅威に対抗する防衛組織の創設!

 アメリカは、ロズウェル事件で、初めて異星人が人類に対して敵対していることをはっきりと認識し、侵略の恐怖を肌で感じはじめたことはすでに述べた。それは、1955年10月9日付けの「ニューヨーク・タイムズ」紙におけるダグラス・マッカーサー元帥の発言にも如実に表れている。
 第3次世界大戦の可能性を問われた同元帥は、次のように答えた。
「世界中の国々は統一を余儀なくさせられるであろう……けだし、次の戦争は、宇宙戦争であるからだ」
 当時、ペンタゴン上層部にも、すでに異星人に対する脅威が浸透していたことが一目瞭然ではないか。さらに1962年5月、マッカーサー元帥は、ウエスト・ポイント陸軍士官学校の卒業式でも重大な発言をしている。
「……究極には人類が一体となり、宇宙のどこからかやってくる邪悪な勢力と戦うようになる……」
 この発言でマッカーサー元帥は、すでに異星人を“邪悪な勢力”と決めつけているのである。
 事実、ペンタゴンはこのころ、つまり1960年代に、墜落したUFOの回収および迎撃部隊である「ムーンダスト」と「ブルーフライ」という2つの秘密特殊部隊を組織し、行動させていたことが明らかになっている。
 異星人の脅威に対抗すべく、防衛組織が創設されていたのである。同時に、ペンタゴンでは、異星人と軍事的に対抗できるだけのテクノロジーの獲得が急務になっていたのだ。
 冷戦後の新しい世界秩序の構築は、アメリカが現在、直面している最大の課題であるとされる。しかし、実はアメリカは、冷戦に勝ち抜いたというわけではないのかもしれない。時代はすでに、地球という狭い枠組みの中で、井の中の蛙のように内部抗争を繰り返すことを、もはや許さなかったのではないだろうか。
 当然、当時のソ連も異星人の存在は知っていたはずだ。もちろんその目的さえも。
 そう考えたとき、人類が異星人に対抗しうる唯一の方法は……そう、地球全体が、ひとつの目的意識のもとに結集しなくてはならないのである。
 地球をひとつにすべく、大国はアメリカひとつになった。残されたのは、人類がすべての真実を知ることだけなのだ。
 では、われわれ人類は、実際問題として異星人に対抗できるのであろうか。
 もし、スター・ウォーズが勃発すれば、戦場は必然的にこの地球になる。しかし、「EM効果」のために、核兵器の使用は不可能に近いだろう。万が一、使えたとしても、核兵器などを使用すれば地球自体が破滅してしまう。
 では、UFOに対する防御兵器はあるのか、あるとしたらそれは何か?
 そう、それこそがほぼ実用化されたと見られる、電磁波を用いた非殺戮性兵器ではないだろうか。
 そしてまだある。UFOの「EM効果」対策も十分に装備されたステルス戦闘機、さらには三角形UFO=ブラック・マンタは、対異星人用のバトルに使用される兵器なのである。

     人類が存亡を賭けて戦いを開始する日!!

 地球に迫りくるスター・ウォーズの脅威……! 人類に未曾有の危機が襲いかかろうとしている。
 そのためにあらゆる面で暗躍しているのが、「影の政府」といわれている存在からの指令塔と目されるアレキサンダーなのではないか。
 そして、防衛という面で関与しているのが、遠隔視を生業としたエド・デームズが率いる「サイテック社」だ。同社社長のエド・デームズは、おそらくすべてを知ったうえで筆者のインタビューに応じたのだろう。
 彼らは「アクエリアス計画」の時点で、UFOの存在を認識していた。その後も、軍とは距離を置いたといいながら、湾岸戦争や火星探査計画で、リモート・ビューイングの能力を米政府や軍のために使用してきたことまでは、筆者に明かしてくれた。
 そして1994年8月の筆者とのインタビューで、サイテック社のリモート・ビューイングによって、アリゾナ、ユタ、ニューメキシコ、コロラドの4つの州が対峙する「フォーコーナーズ・エリア」にあるチャコ・キャニオンで、異星人の一団とのコンタクトが発生するとも話してくれたのだ。
 しかし、その後の経過はいっさい知らされていない。何も起こらなかったのか、あるいは何かが起きたのか、今の筆者には知ることはかなわないのである。
 もしかしたら、異星人と米政府のコンタクトは、実際に行われていたのではないだろうか。そしてその事実さえもが、米政府によって隠蔽されてしまったのかもしれない。もしそうなら、当然、このコンタクトに深く関与していたはずのサイテックも、米政府のために口をつぐまざるをえなかったのだろう。
 サイテックの予見もそうだが、アメリカ政府に対する異星人からのコンタクト事件は、過去に何度も発生していたのは明らかである。公開された多くの機密文書が、何よりも雄弁にその事実を物語っている。
 異星人はこれまでに何度も、アメリカ政府にコンタクトを求めているのだ。いや米政府ばかりではない。多くの人が異星人とコンタクトしている。
 しかし、おそらく異星人はその圧倒的な軍事力を背景に、米政府に圧力をかけ、キャトル・ミューティレーションやアブダクション事件を黙認させ、あまつさえその事実を米政府に否定・隠蔽させてきたのだろう。そう考えなければ、米政府の動きには納得できない点が多すぎるのである。
 それに対抗する術をもたなかった人類は、否応なく従ってきた。それがこれまでの実情なのである。
 しかし、今や情勢は大きく変わろうとしている。アーメン・ビクトリアンのレポートにもあるように、非殺戮性兵器などの防御手段を手に入れ、「EM効果」などに十分対抗できる兵器の開発を終えたのである。
 そして、サイテック社は遠隔視によってUFOにアクセスし、UFOの飛来ルートはもとより、異星人にもアクセスして地球での拠点を感知しているという。さらに、地球の大気圏上では、実験という名目で打ち上げられたスペース・シャトルが、地球の周囲を監視しているのだ。
 ペンタゴンはハイテク機と超能力の両面から、UFOの侵入に対して厳重な監視体制を敷いている。今やすべての用意は完了したのである。人類がその存亡を賭けて戦いを開始する日は近い。
 こうしてスター・ウォーズがわれわれ人類の目前に迫ったとき、その幕開けを告げるのが、非常に危険な敵対勢力としての異星人の存在の公開なのである──!

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