タリバンの背後に「ならず者国家」が潜む (週刊文春10/18日号)

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投稿者 ドメル将軍 日時 2001 年 10 月 12 日 23:07:44:

テロ根絶を旗印にした戦争は果たしてビンラディンの捕縛だけが目的なのか―。元CIA長官としてテロと戦った経験を持つジェームス・ウールジー氏が、想像を絶するスパイ戦の中で浮上した疑惑を撃つ。
クリントン政権の下で、私がCIA長官の任にあったのは93年から95年までの約2年間。当時、米国中枢テロの首謀者とされるオサマ・ビンラディンの名がCIAのレーダースクリーンに映ったことは、記憶している限り一度もなかったはずだ。つまり、信じられん愛ことかもしれないが、アメリカの諜報機関は彼をほとんどマークしていなかったのだ。私は、95年1月半ばにCIA長官を辞任し現場を離れているが、少なくとも95年の末時点でさえ、西側情報機関の誰一人として当事スーダンにいたビンラディンに関心を寄せていた者はなかったといえるだろう。これは、米国の諜報機関に致命的な欠陥があったことを意味しているのだろうか。そうではない。問題はビンラディンという人間を重視するのか、それとも彼の背後にある勢力に警戒の力点を置くかである。
結論から言えば、私は今回の米国中枢テロと在任中に扱った93年の世界貿易センタービル爆破事件の2つのテロ事件に、イラクが、サダム・フセインが絡んでいるのではないか、という疑念を拭うことができない。もちろん私は、イラクが国家としてテロに関与した確証を得ているわけではない。だが、93年2月、千人以上の被害者を出した世界貿易センタービル爆破事件に発するテロリスト達の一連の行動と9月11日のテロには、奇妙なほど符合する傾向が見つけられるのだ。
家族は消息不明
実は、前者の爆破事件で逮捕された犯人については大きな謎が残っている。事件の主犯は、ラムジ・アフメド・ユセフという偽名を持つ27歳のパキスタン人アブドゥル・バシトであると断定された。
しかし、この結論への疑問が昨年末から浮上してきた。主犯と断定されたバシトはイラクの諜報員ではなかったかという説が公表されたのだ。
主犯バシトの使った偽名は、アフガンのキャンプで爆弾専門家として訓練を受けていた有名テロリストの名前だった。当局は爆破事件の主犯を有名テロリストの「ユセフ」だと思って95年、逮捕してみたところ、ユセフは偽名に過ぎず、バシトという全然別のテロリストが主犯だったことが判明した。
だが、最近になって、このバシトという人物についても疑問が生じてきたのだ。
逮捕された人間が主犯であることは間違いない。問題は、逮捕された人間が本当にバシトというパキスタン人なのか、という疑問である。
確かに、アブドゥル・バシトというパキスタン人は実在するし、当事の連邦検察官の資料によれば、バシトは20代で急に過激になった学生だとある。しかし、問題は<犯人>が実在したバシトその人であると、断定した根拠だ。
実は、その確認は主にクウェートの警察資料に拠っている。有力な証拠は、<犯人>とバシトの指紋がクウェート警察の資料では一致していることなのだ。
だが、<犯人>がクウェートに暮らした時代はイラクの占領下でもある。イラク諜報部がその気になれば資料の改竄など難しいことではない。
爆破事件前年の92年に、<犯人>はニューヨークでバシトの名前でパスポートを入手しようと試みているが、その時申請された彼の写真と昔の写真とは、一目で判るほど違っていた。偶然の事故かもしれないが、バシトの家族がイラク占領下で行方不明となり、その後消息がプッツリ絶えてしまっていることもわれわれの興味を引いた。
犯人=バシトが実は本物のバシトでさえないとの考えは、当初、FBI主任捜査官としてテロ事件の容疑者逮捕に尽くしたジェームス・フォックス(94年に職務交替・97年死亡)のアイデアだった。
そして、この理論を補足したのが、AEI(アメリカン・エンタープライズ研究所)のローリー・ミルロイ研究員だ。
民間航空機自爆計画があった
フォックスの理論を引き継いだミルロイの「イラク諜報部がバシトの身分を盗んだ」との主張には、幾つかの論拠がある。
彼女が執筆した”Study of Revenge:Saddam Hussein's Unfinished War against America”(報復の研究 サダム・フセインのアメリカに対する未完の戦争)の中に、それは示されている。
例えば、89年夏にイギリス留学を終えて帰国するバシトの特徴と、92年9月ニューヨークに到着したバシトを比べると、とても同じ人間とは思われない様々な違いが浮き彫りになる。
具体的に指摘しよう。まず、成人男子であるバシトが5フィート8インチ(約173センチ)の身長から6フィート(約183センチ)に成長し、体重が40ポンド(約18キロ)も増えていること。そして、目の片一方が不自由になったり、
耳や口が小さくなって、外見も少なくとも3歳は老けて見えるようになったこと。有能なコンピュータ・プログラマーだったはずなのに、コンピュータに不慣れになってしまったり・・・・・といくつもの疑問点が浮かび上がる。
<犯人>のコンピュータに残されたサウンド・ファイルんは、「ファック」という言葉や「シャラップ、ユー・ビッチ!」という表現が頻発する。それは、イギリスに留学していた穏やかな青年、バシトの印象とは明らかに異なる。
私が疑問を抱いているように、<バシト>もイラク諜報部の産物なのか。アメリカはこの問いに関し、いまだ何の答えも出していない。
9月11日。米国中枢への悲惨なテロ事件が起きてしまった。93年の爆破事件で主犯と目される<バシト>は、すでに拘束されている。
だが、世界貿易センタービルとペンタゴンに乗っ取った民間機で突っ込むというテロの手法は、どうしても私に<バシト>を思い出させるのだ。
世界貿易センタービル爆破事件のほか、<バシト>が関係したテロ事件はというと、ほとんどがハイジャック事件なのである。
そう、彼の当初の計画では世界貿易センタービルを爆破した後、11機の民間航空機をハイジャックして太平洋に沈め、残った最後の12機目をCIA本部に衝突させようとしていたのだった。
私にしてみれば、9月11日のテロ事件が、まるでイラク諜報部員の疑惑をもたれる<バシト>が計画した二つのテロ行為を、一つにまとめたように見えてしかたがないのだ。
ビンラディンをサダム・フセインが支援した可能性は否定できない。フセインがバート派で無信仰だからといってイスラム原理主義のテロリストたちを支援しないと考えるのは早計だ。
世界はもう十年前とは大きく様変わりしてしまっている。
いまアメリカの法の執行者たちがしなければならないのは、93年に遡って、この問題を片付けることだ。少なくとも、スコットランドヤードが入手した、バシトがイギリスにいた88,89年に所有した書類を調査すべきだ。
そこに残された指紋を調べるだけで白黒はハッキリするのだから。


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