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『雪印牛肉詐欺事件』報道で見えた未検査牛肉補助金支払いの“からくり”とハム・ソーセージ原材料への流用の可能性/《なぜ『雪印』が狙い撃ちにされたのか》

投稿者 あっしら 日時 2002 年 1 月 28 日 18:26:53:

雪印食品の「豪州産牛肉の国産牛肉化詐欺事件」での詐欺牛肉売り渡しは「買い戻し特約」付きであることを、1・28朝のテレビ朝日「スーパーモーニング」が報道し、「雪印」詐欺牛肉1.4tが水増し請求であったことを「スポーツニッポン」(1・28)はじめ各報道機関が一斉に報道した。

これは、狂牛病発覚直前から狂牛病全頭検査までの間に滞留した牛肉の処分方法に重大な疑念を抱かせるものである。


[報道内容]

1・28午前テレビ朝日で放送された「スーパーモーニング」(今朝はアメフト中継(深夜は時々見るけど、楽しみにしている海外ニュース放送を潰したのは許せん)のためNHK衛星1の海外ニュースはすべてキャンセルされてしまった!)は、雪印食品「牛肉詐欺事件」の解説のなかで、雪印食品が騙して売った牛肉は、「買い戻し特約」がついた契約で売られ、12月中に焼却処分されたと伝えた。
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1・28発行の「スポーツニッポン」(25面)は、《「雪印」偽装牛肉1.4tは水増し請求》という見出しで、次のような記事を掲載した。

『雪印食品の関西ミートセンター(兵庫県伊丹市)が輸入牛肉を国産牛肉に偽装した問題で、狂牛病対策事業を悪用して業界団体に買い取らせた偽装牛肉13.8トンのうち、1.4トンは実物が存在しない水増し請求だったことが27日分かった。
センター側は不足分の穴埋めのため、買い取り契約後、牛肉を保管していた倉庫会社「西宮冷蔵」(兵庫県西宮市)から別のオーストラリア産牛肉1.4トンをセンター内に運び込み、国産牛肉の箱に詰め替えた後、戻していた。また、こうした偽装をごまかすため。在庫証明書も偽造していたといい、農水省近畿農政局と兵庫県警は詳しく事実関係を調べている。
同センターで記者会見した同社関西統括支店の宮坂賢二企画課長は涙を浮かべ「重ね重ね、大変申し訳ありません」と唇をかみしめた。
また、営業担当の社員が休日返上で各小売店に事情を説明して回るなど対応に追われた。』

※ この水増し請求の報道は、NHK衛星1「NHKBSニュース50」・フジテレビ「FNNニュース」・テレビ朝日「ANNニュース」でも報道された。

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★ この二つの報道は、今回の「牛肉詐欺事件」で隠されている重要な事実を示唆している。


● 詐欺牛肉は、伝票上の処理だけで実物は動いていない

まず、雪印食品が“水増し”請求できたということは、業界団体「日本ハム・ソーセージ工業協同組合」(最終的には農水省関連団体「畜産振興事業団」の管理で原資は税金)は、倉庫会社が発行する在庫証明書さえあれば、伝票だけで補助金を支払っていたということを意味する。


※ 業界団体を「日本ハム・ソーセージ工業協同組合」と特定したのは、「日経新聞」1・23付夕刊1面の雪印食品「牛肉詐欺事件」に関する記事の中にあったからである。

[関連箇所のみ抜粋]

『問題の牛肉は既に業界団体「日本ハム・ソーセージ工業協同組合」に所有者の名義が移っている。雪印食品によると、買い取り価格は計千四百六十万円で、雪印食品には、このうち約九百万円が業界団体から支払われているという』


もし、13.8tすべてが売り渡し契約実行時にきちんとあれば、「全量詐欺」ではあっても、“水増し詐欺”とはならない。
“水増し”という表現が使われたということは、契約実行時点で「偽装牛肉」は12.4tしか西宮冷蔵の倉庫になかったことを意味する。だから、西宮冷蔵は、在庫証明書を偽造したのである。

これは、未検査牛肉各所有者が「焼却処分」する義務を負っていることを意味するのかも知れないが(そのような説明はなされておらず、(業界団体もしくは)国が焼却処分することになっているはず)、農水省が“未検査牛肉の最終処分=焼却を確認しない”体制になっていることを意味する。

テレビ朝日「スーパーモーニング」は、雪印食品が騙して売った牛肉は、「買い戻し特約」がついた売買契約で売られ12月中に“焼却処分”されたと伝えたが、本当に焼却したのなら、雪印食品に、誰がどこで焼却したのかその証明を求めるべきであろう。


● 未検査未流通牛肉が「ハム・ソーセージ」に流用されている可能性

上記のことから、農水省に悪意がないとしても、雪印食品など平気で“詐欺”を働く企業であれば、自分の管理下にある補助金付きの「未検査牛肉(今回は偽国産牛肉)」を別の用途に使ってしまうという可能性を排除することはできないだろう。

「未検査牛肉」を原材料としたハム・ソーセージの原価は、補助金のおかげで極端に安くなる。

武部農水大臣が「狂牛病の牛でも危ないのは脳などの特定部位だけで、肉は狂牛病の牛のものであっても食べて安全」と公言しているほどだから、農水省が「いいんだ、いいんだ、肉は安全なんだから、裏でハムやソーセージにして流通してしまえば」と放置している可能性も排除できないだろう。


● 補助金は利鞘のかたちで支払われている

それを補強するのが、「スーパーモーニング」の「買い戻し特約」付きの販売契約であったという報道である。
これは、端的に言えば、所有権を瞬間的に往復移動させ、現物をまったく移動させないで差益の支払いだけで済ます手法である。

簡単に説明すると、

雪印食品  ←→  日本ハム・ソーセージ工業協同組合

  雪印は、13.8tを売り渡す契約をすると同時に即時に買い戻す契約を行う。
  内容は、kg当たり1,058円で売り渡し、kg当たり406円で買い戻すといったものを同時に実行したことが想定できる。(前述「日経新聞」記事より)
  これにより、現物をまったく移動させないまま買い戻し金も支払うことなく、キロ当たり652円の差益が雪印食品に転がり込む。(お金がただ「組合」から雪印食品に支払われるだけ)
  13.8tだから、雪印に転がり込んだ“利益”は900万円である。


雪印食品は、「日本ハム・ソーセージ工業協同組合」に現物を引き渡すことなく自分のものにしたまま、900万円の補助金を詐取したのである。

「日経新聞」1・23付夕刊1面の雪印食品「牛肉詐欺事件」に関する記事で、『問題の牛肉は既に業界団体「日本ハム・ソーセージ工業協同組合」に所有者の名義が移っている。雪印食品によると、買い取り価格は計千四百六十万円で、雪印食品には、このうち約九百万円が業界団体から支払われているという』と書いた「日本経済新聞社」は、「スーパーモーニング」とは異なる事実関係を書いたことになるのだから、正確な事実を追及して欲しいと言いたいところだが、

>雪印食品によると、買い取り価格は計千四百六十万円で、雪印食品には、このうち
>約九百万円が業界団体から支払われている

記事のこのような記述から、問題の牛肉は、「日本ハム・ソーセージ工業協同組合」に所有権が移っているというのはウソだと判断できる。

なぜなら、「日本ハム・ソーセージ工業協同組合」に所有権が移っているのなら、「日本ハム・ソーセージ工業協同組合」は、雪印食品に、差額の約900万円ではなく、全額である1,460万円を支払わなければならないからである。

約900万円しか支払っていないということは、「スーパーモーニング」が伝えた「買い戻し特約」付きの売り渡しであったことを意味する。

違いますか、日経さん?
でも、この記事を書いた記者の“上層部への抵抗”と“わずかな良心”は認めます。

上層部の人がこれを読んだからといって、締め付けを強化しないように!そんなことをしたら、犯罪者として裁かれますよ。


● 未検査未流通牛肉は同じような方法で補助金が支払われている

豪州産の牛肉を未検査国産牛肉と詐称して補助金をだまし取ったいうことが問題視されているが、それ以外は詐欺だといった非難はされていないのだから、狂牛病発覚直前から狂牛病全頭検査体制確立までのあいだに滞留した牛肉は、今回の雪印食品が売り渡し買い戻したのと同じ手法で補助金が支払われているだろうと推測する。

すべての未検査牛肉が、所有権と保管場所が移動しないまま補助金が支払われ、なんらかの“処分”が行われたのではないかと考えられる。


● 妄想:「雪印」単独の犯行とは思えない

雪印食品の「牛肉詐欺事件」は、雪印食品そのものの犯罪ではなく関西ミートセンターのセンター長の単独犯行であるとの構図で語られてきた。

しかし、たかだかある流通拠点の責任者が、補助金詐取の計画立案及び実行者だとは思えない。しかるべき経営者(雪印乳業から派遣されている役員クラス)は最低限絡んでいるだろう。

じゃあ、雪印食品の会社としての詐欺事件だと結論づけることにも賛同できない。
2000年6月に牛乳食中毒事件を引き起こした雪印グループが、900万円ごときの補助金を詐取するために、そのような大胆な詐欺犯罪に踏み切るとは思えない。

西宮冷蔵の社長が「雪印食品側から、発覚しても大した問題にならないから心配しなくても大丈夫」と言われたと報じられているように、雪印食品も、露呈したような大騒ぎの詐欺事件になるとは思っていなかったと想像できる、

それは、「雪印食品牛肉詐欺事件」は、農水省も黙認の詐欺事件だったことを窺わせる。
狂牛病発覚後は、国産・輸入を問わず牛肉の販売が落ち込んだ。
このような苦境を補助金(=税金)を使って少しでも緩和したいと考えたとしても、業界寄りの姿勢を貫いている農水省であれば不思議ではない。


● 妄想:なぜ「雪印」が狙われたか

さらに気になるのは、様々な企業が同じ手口を行使して補助金を詐取した可能性が考えられるのに、なぜ、雪印食品のみが「牛肉詐欺事件」として取り上げられることになったのかということである。

まず、私は、そうとう長期に渡って「雪印」ブランド商品を購入していない。(「味の素」ブランドもそうだし、「サントリー」ブランドも、のどが渇いて他に代替物がない場合はウーロン茶などを買ったことがある程度だ)
バター(マーガリンは嫌い)は「アルプスバター」というものだし、牛乳はほとんど飲まないから、雪印ブランドの商品を買う必要はない。
それらをなぜ買わないかというと、ここではただ嫌いだからということにしておく。

だから、私は、「雪印」がどうなろうとしったこっちゃないという立場である。

しかし、「雪印」ブランドが、「雪印」よりもあくどい資本に買収されるような事態は憂慮せざるを得ない。
なにせ、乳製品分野での「雪印」ブランドは、森永や明治などとは比較できないほどのブランド力を持ち続けてきたのだ。

ちなみに、雪印グループの本体である「雪印乳業」は、01年3月で売上1兆1千4百億円(今期予定1兆2千億円)の超巨大食品メーカーである。(上場子会社の雪印食品は921億円、雪印種苗370億円)

巨大食品メーカーである味の素は9,080億円であり、雪印乳業に匹敵する売り上げが1兆円を超えるメガ食品メーカーは、アサヒビール(1兆4千5百億円)やキリンビール(1兆5千5百億円)の2社のみである。

日本進出を考えている米国などの外資が、このような「雪印」を標的にしていないと考えるのはウブだと思う。
2年前に起こした「牛乳食中毒事件」で、「雪印」は苦境に陥り、株価も200〜300円台で推移し、今回の「牛肉詐欺事件」により150円台まで下落した。
経常利益も、01年で530億円、02年予定(事件発覚前)で240億円と、3年連続で赤字を計上している。

今回の「牛肉詐欺事件」により、「雪印乳業」が身動きできなくなり、外資などに買収されざるを得なくなる事態に陥ることも予想できる。

そう遠くないうちに、「雪印」のブランドが別の資本によって経営される会社のものになり、「これまでの経営を一新する。これからは、安心して雪印商品をご愛用いただきたい」と宣言し、もっと“えげつない”経営を巧妙なCM・PR作戦で覆い隠してしまう状況が生まれるのではと妄想している。

妄想部分は別として、狂牛病問題にまったく無能な対応しかしていない農水省の実態を明らかにするためにも、今回の「牛肉詐欺事件」を雪印食品の単独犯行として終結させることなく、全貌を明らかにしていく必要があると考える。

農水省になにを言って無駄だし、メディアもあてにならないから、最終的には、家畜が家畜らしい取り扱いをされまっとうな飼育環境に置かれるまで、輸入品を含め、「牛乳」と「牛肉」、そして「牛肉加工食品(ハム・ソーセージなど)」を一切買わない(家畜らしい取り扱いとまっとうな飼育を行っているメーカーのものだけは購入)という動きを消費者が長期的に行うしかないと思う。
そうすれば、事業を継続したいと願う畜産農家は、そのような消費者の思いに応えるしかないだろう。
(大問題ありの豚や鶏など他の問題はとりあえず脇に置いて)


最後に、日本の主要メディアは、今回の「雪印牛肉詐欺事件」の大まかな全貌を知っていながら、きちんと報道していない疑いが濃厚である。
日本のメディアは、そうとう昔からそうだが、把握している真実さえ報道しなくなっていると断じる。







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