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通信傍受法の改正も? サイバー犯罪条約批准の課題(30日・毎日デジタルクリップ)

投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2002 年 1 月 31 日 12:51:41:

国境を超えて広がるインターネット犯罪に対応するため、欧州評議会が策定作業を進めてきた「サイバー犯罪条約(Convention of Cybercrime)」。同条約は、2001年11月以降、日本を含む世界32ヶ国によって署名され、各国が批准のための手続きに入った。しかし、条約が対象とするサイバー犯罪の範囲が広いうえ、捜査手法や国際協力方法にも課題があるため、日本国内の法整備も大掛かりになりそうだ。通信傍受法や児童ポルノ法との関連でも問題を含んでいる。同条約はどういったものなのか、問題点はどこにあるのか、を探ってみた。(太田阿利佐)

■対象犯罪、捜査手続き、国際協力が3本柱

サイバー犯罪条約は、43ヵ国でつくる欧州評議会が1997年から検討をすすめてきた。国境を超えるコンピュータ犯罪を取り締まり、処罰するため、犯罪となる行為をはっきりさせ、捜査手続きを効率的なものにして、国際協力もしやすくするのが狙いだ。条約を策定したのは欧州評議会だが、作業を推し進めてきたのは、イギリスとアメリカ、カナダなど「エシュロン(大規模通信傍聴システム)」の構成国であることは周知の事実。急増するコンピュータ犯罪に悩まされる欧州各国や、ハイテク犯罪対策でG8で足並みをそろえてきた日本も、その条約に乗った、という構図だ。アメリカ、カナダもすでに署名済みだ。
条約は、48条で構成される。2条から13条は犯罪の類型を示し、各国が取り締まりのための国内法を整備するよう求めている。具体的には、不正アクセス、不法傍受、データの破壊などのデータ妨害、非権限者によるデータの入力・改ざんなどのシステム妨害、装置の不正使用。さらに「関連犯罪」として、電子証明書偽造などコンピュータ関連偽造、同関連詐欺、児童ポルノ関連犯罪、著作権侵害についても、法整備が求められる。
第14条から23条は、捜査の手続きに関するもの。捜査が迅速に行われるよう、捜査当局が、システムに内蔵されているデータの「応急保全」、プロバイダーへのデータの提出命令、システムに内蔵されているデータの捜索・差し押さえ、電子データの「傍受」などをできるようにする。
24条から35条は捜査の国際協力に関するもの。条約加盟国の要請に応じて、データの応急保全、トラフィックデータのリアルタイム収集、電子データの傍受共助などに応じることが求められている。ネット犯罪に対して、非常に強い協力体制を築き上げることが目的だ。

■■課題は通信傍受法

サイバー法に詳しい明治大学法学部の夏井高人教授(法情報学)は「しっかりしたサイバー刑法を持とうという点では、異論はないのではないか」としたうえで、国際協力や捜査手続き面で、課題もあると指摘する。条約は、トラフィックデータのリアルタイム収集(第20条)や、通信内容の傍受(第21条)が行えるよう法の整備を求めている。傍受対象は、「自国で定める重大犯罪について」となっているが、現在の通信傍受法では、傍受対象は、重大犯罪(組織的殺人、薬物犯罪、銃器犯罪、集団密航犯罪)に限られる。「傍受対象を広げるなら、通信傍受法を改正しなければならず、大きな議論になるだろう。逆に、現行の刑事訴訟法の検証令状で、傍受ができるという判断なら、何のために重大犯罪に限定した通信傍受法を作ったのか、という議論になる」と指摘する。
夏井教授は、「条約では電子メールをヘッダーと本文に分けているが、そもそも二つは切り分けられるのか。ログで全てを記録することは可能なのだから、トラフィック(へッダー)データの収集というのは、イコール通信内容の傍受になる」と話す。また、裁判では罪体(犯罪事実と関連ある証拠)しか、証拠として認められないことからも「仮にトラフィックの記録だけが取れたとしても、記録が罪体であるという証明は、中身を見なければできないのだから、結局全部見ることになる」と指摘する。

■■人権と犯罪抑止のバランスが課題

一方、メディア論や人権問題に詳しい山田健太・青山学院大学法学部講師(言論法)は、条約の批准について問題点を3つ上げる。1点目は、条約の対象となる犯罪の範囲が広く、日本では違法とはされていない有害コンテンツや不正行為まで含まれていること。山田さんは「条約を利用して、政府は犯罪の範囲をうまく広げようとしているな、という感じを受ける。表現の自由とわいせつ物の関係については国内で議論されてきた歴史があるが、そうした議論を無にしてしまう潜在的な危険がある」と話す。
また、2点目は、刑事手続き上の問題だ。捜査当局による盗聴の問題はもちろん、不正アクセスなどでは、個人にまでログを常時保存し、緊急提出するように命ずることが可能だ。「このような捜査手続き強化が、表現行為に与える影響ははかり知れない」と指摘する。
3点目は、「通信の秘密」と「表現の自由」に関連する問題。山田さんは「この条約そのものの問題ではなく、条約批准のため国内法の変更が行われ、それが定着するのではないか」と、警鐘を鳴らす。例えば、通信傍受法は施行後ほとんど利用されていない。山田さんは「サイバー犯罪条約を口実に、捜査側に使い勝手のいいように通信傍受法が改正される恐れは十分ある」とする。
山田さんは「国際ハイテク犯罪の多発で、法律一国主義が破たんしつつあるのは目に見えている。私たちは安全のために、どこまで監視を認めるか、という選択を迫られている。欧州には、欧州人権規約や欧州人権裁判所があり、人権に対する強力な救済機関があるが、日本にはそうしたものがなく、人権についての意識も低い。こうした中で、監視のための法律だけが先行していくことに問題がある」と指摘する。この条約だけについて議論するのではなく、国連の包括的テロ防止条約や、テロ資金供与防止条約など、全体的な流れを見る必要がある、という指摘は重い。

■■外務省の「仮訳」 微妙なニュアンスの違いも

現在、外務省、経済産業省、総務省、文化庁など関連各省庁が、条約の内容について検討を行っている。法務省刑事局刑事法制課では、「条約への参加が、通信傍受法改正を必要とするのかどうかについては、現在条約の内容やその解釈について、検討中のためなんともいえない」としている。しかし、「まずは条約の担保法が必要なのかどうか、あるいは条約で担保法が義務付けされていなくとも、この機会に作ったほうがいいのか、大枠での判断が必要だ」ともしており、通信傍受法の拡大に含みを持たせている。
サイバー犯罪条約の原文は英語。条約署名を決めた閣議には、参考資料として外務省が翻訳した「仮訳」が添えられた。正式な日本語訳は、条約が批准された後でなければ発表されない。しかし、過去の外交交渉などでも、英語では強い意味を持つ言葉のニュアンスが、日本語訳では微妙に弱められているケースもあり注意が必要だ。
例えば、サイバー条約犯罪条約では、通信記録を収集、記録することや、捜査当局による収集に協力するよう、「サービス・プロバイダー」に強制することができる(第20条)。日本ではサービス・プロバイダーというと、商用プロバイダーをイメージするが、条約ではLANを提供する者であれば、有料、無料に関わらず、企業はもちろん大学も含んでいる。さらに、プロバイダーの定義について、外務省の訳文には「公的または私的な団体」とあるが、英文の表現は「entity」(すべて)。団体、事業体よりむしろ、存在、存在者、実在者という訳を先にあげる辞書も多く、協力強制に個人を含むのであれば、影響は一段と大きくなる。毎日新聞では、仮訳の全文を入手、近くネットで公開する。
「国内法との関係で問題がある条項は留保すればよい」という声もあるが、留保できる条項は、第42条によって一部に制限されている。ネット上での「通信の秘密」「表現の自由」などが制限される内容を含んでいるだけに、批准手続きについての市民の監視が必要だ。




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