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【世界は激変!】 「米朝和解」と「中台和解」の日 投稿者 あっしら 日時 2002 年 2 月 13 日 00:18:23:

ブッシュ大統領の一般教書演説で「悪の枢軸」が持ち出され北朝鮮がその一つを占めたことで、日本の「反北朝鮮派」は、いよいよ北朝鮮攻撃が始まり、日本もそれに参戦するのではとてぐすねを引いているようである。

しかし、前にも書き込みを行ったが、ブッシュ政権は、北朝鮮に対して、イランなどのイスラム国家にミサイルを売らないよう圧力をかけているだけであり、危険なだけでまったく無益な北朝鮮攻撃を仕掛ける気なんかないのである。(北朝鮮がイランなどにミサイル輸出を続ければ、海上臨検を行使してでもそれを押しとどめるだろうが)

そして、北朝鮮を攻撃する国家があるとしたら、自分(米国)ではなく日本だと考えている。日本が愚かにもそのような愚挙に踏み切れば、ブッシュ政権は手を叩いて喜ぶだろう。(12・22不審船撃沈事件も、米軍情報が発端らしいことから、このような構図で見たほうがわかりやすいと思っている。もちろん、日本は、単独で北朝鮮を攻撃するほどバカではないと思っている)


■ 米国の戦後アジア政策

簡単に戦後の歴史を振り返ると、「北朝鮮問題」は、アジア世界の分断を意図して維持されてきたものである。
「朝鮮内戦」も、米国が南北分断を固定化する政策を採ったことで統一を志向する北朝鮮が軍事行動に走ったもの(「ベトナム戦争」と同じである)だし、「休戦協定」も、究極的には“北朝鮮を残す”ために、戦線を38度線で膠着させた状態にして取り交したものである。(韓国は休戦協定に不参加)

アジア世界には71年まで「中国問題」もあったが、これはニクソン政権でとりあえず解消され、アジア世界に残る“トゲ”は「北朝鮮(朝鮮半島)問題」と「台湾問題」になった。
米国歴代政権は、これらの問題を一貫として脅威と煽り、その尻馬にのっかってきたのが歴史問題をほおかぶりし世界情勢をまともに考察しなかった日本の歴代政権である。日本の歴代政権は、「北朝鮮問題」や「台湾問題」を軍備強化キャンペーンの格好の材料として利用してきただけである。

米国歴代政権がアジア世界に“楔”を打ち続けてきたのは、“異質”なアジア世界が欧州と同じような統合に向かうことを恐れたからである。
日本を「世界の工場」として位置づけたことから、経済力を飛躍的に高めていく日本とその他のアジア諸国が手を結ぶことをなんとしても排除しようとしたのである。
だからこそ、自国が先鞭を付けていながら、田中元首相が対中自主外交に踏み出したことは許せなかったのである。

戦後アジア諸国の経済成長は、第一に米国、第二に日本という規定を受けてきた。その意味で、日本を「対米追随国家」とすることでアジア世界の統合を阻害するという米国の政策は理に叶っている。日本がアジア世界のなかで“浮き上がった”存在であり続けることで、分断されたアジア世界を維持してきたのである。

日本が、高度成長を終えた1970年頃から、主導権を発揮してアジアの経済的統合を進め、それとともにソ連との経済関係を強化する政策を採っていれば、日本も世界も大きく変わったものになっていたと思う。
もちろん、米国がそのような動きを軍事力を行使しないまま座視したかという問題はつきまとう。そのような動きを防止するためにこそ、「日米安保条約」を締結し日本に米軍を駐留させたのである。さらに、このような政策を日本が推し進めるためには、歴史問題を根底から反省し、それをアジア諸国が快く受け止めるという過程が必要だっただろう。

このような対アジア政策は、実体のない単なるかけ声でしかなかった「大東亜共栄圏」を、拡張したかたちでよりまともなものとして実現する政策だったとも言えるだろう。


■ 「米朝和解」の兆し

北朝鮮政権は、ブッシュ大統領のあれほどの侮辱演説を受けて非難声明まで出したにも関わらず、パクギジョン国連大使を通じて、「前提条件さえつけなければ、対話を再開する用意がある」とブッシュ政権に申し入れた。

ブッシュ政権も、「北朝鮮が一方的に武装解除することを期待してはいない」と、核・ミサイル・在来兵器の包括的な交渉を行っていく意向を示した。

このような米朝対話の素地を作るために、韓国の金大統領も大きな役割を果たした。金大統領は、米国の北朝鮮挑発言動が韓国の安全を大きく脅かすものとして、米韓関係に亀裂が入ることもいとわずに固い決意を持って「米朝対話」再開を根回ししたのである。

そして、ブッシュ政権は、これまでの米国政権が持ち続けてきた朝鮮半島政策から大きく転換し、「朝鮮半島の問題は、米朝関係が中心ではなく、南北間の和解と協力がその解決の鍵となる」と南北間の交渉に任せる方向を打ち出した。

この問題については、2月24日のブッシュ大統領訪韓で再確認されることが決まっており、韓国のヤンソンチョル駐米大使が、ホワイトハウスや国防総省と最終調整を行っている。

このような動きを整理すると、北朝鮮の武器輸出問題は米国自身が主導権を握って解決を図るが、南北朝鮮問題は、南北の間で解決を図ってくれということである。
「対イスラム戦争」にかまけているブッシュ政権は、それを阻害する要因の一つと考えている北朝鮮の「ミサイル輸出」は許さないが、韓国と北朝鮮が話し合いを通じて、連邦制であれなんであれ、統合に向かうことは構わないというシグナルである。

このような米・朝・韓の動きが現実化していけば、日本の外交政策にも否応なく大きな影響を与えることになる。

北朝鮮に「ミサイル輸出」を止めさせるためには、それに見合う資金の提供が必要である。そうなったときに狙われる最大の標的は、「戦後処理」をこれまで怠ってきた日本である。
ブッシュ政権が、北朝鮮の対イスラム国家ミサイル輸出を止めさせるために、日本に対して、「北朝鮮との国交樹立」・「北朝鮮への賠償金支払い」を“強要”する可能性すらあると考えている。(もちろん、米国も、食糧援助+資金援助を行うだろうが)

日本は、ニクソン政権の「対中和解」のときと同じように、頭越しの「対朝和解」という歴史的ショックに見舞われることになるのではないかと恐れている。


日本は、このまま“北朝鮮敵視政策”を続けていけば、対ロシアに続き対北朝鮮でも、まったく自主性のない外交を強いられる可能性が高いのである。

(ソ連崩壊後のロシア経済危機に際しては、「北方領土問題」がなんら解決していないのに、米国の強要で対ロシア経済支援を行った。「北方領土問題」も、昭和30年頃から浮かび上がったきた“ソ連敵視政策”の決め技である。このような問題は、単独講和といえ、サンフランシスコ講和条件締結以前に連合国内で解決するよう強く申し入れることが外交の常道である。「北方領土問題」に縛られた日本は、「北方領土問題」さえ解決できないまま現在にまで至っている)

これは、日本という国家の“品性”が問われる問題でもある。
1910年に合法的とはいえ武力を背景に李氏朝鮮を併合し、対中国戦争と対米英蘭戦争に朝鮮半島の人々も動員したのである。そのような歴史的問題を自主的に解決できない国家に品性があるとは、まともな国家であればどこも思わないだろう。

日本という国家がこれからも生き延びたいと思うのなら、遅きに失したとはいえ、米国よりも一日でも先んじて北朝鮮と国交を取り結ばなければならない。

■ 「中台和解」への道

中国と台湾の関係も、今年から来年にかけて飛躍的に改善されると考えている。

既に、中国政府が、台湾民進党党員の訪中を歓迎するメッセージを送ったり、中国人の台湾観光を解禁したり、中国本土から台湾への貨物船を使った直接物流をテストしたりと、その兆しが明白に見えている。

中台関係は、雑ぱくに言えば、台湾政府が「中国は一つである」と宣言するだけで解決する問題である。中国政府は、香港返還問題以上にルーズな統合策を台湾政権に提示するだろう。(英国相手ではなく同じ中国人相手である。台湾の政治体制・軍備・外交関係も、ある年限でこれまで通りのものが認められる可能性すらあるだろう)

「中台和解」は、ここ10年で急速に進んだ経済の相互依存関係を考えれば、台湾が“自国”の経済的な利益を重視する限り避けられないものである。

中台の経済関係は、1995年から2001年にかけて、貿易額累計で1,635.5億ドル、対中投資を認められた台湾企業が2万4千社で実際に投資した額が211.1億ドルとなっている。
中国にとって、台湾は、第5位の貿易相手“国”で、輸入先としては第2位である。
台湾にとって、中国は、第2位の輸出市場であり、外貨を稼ぐ(輸出超過)相手として第1位である。
上海だけで、30万の台湾人が住んでいる。

台湾が、昨年から明白となってきた「世界同時不況」のなかで経済成長を続けていこうと考えたら、世界で最も高い経済成長を誇る中国との関係をより強化せざるを得ない。
そして、それを確かなものにするためには、「直接三交」という“直接の通商”・“直接の交通”・“直接の通信”を実現しなければらない。
そのためには、「中国は一つである」という宣言が必要になる。

台湾の経済利益のためであれば、“独立意欲”が高い陳総統及び民進党独立派も、妥協せざるを得ないだろう。そして、陳総統に対して「中国は一つである」という声明を出すようにとの圧力が経済界を中心にますます強まっていき、陳総統がそれに抵抗し続けることは困難だろう。

中国の江沢民政権にしても、WTO加盟を実現した今、立ち遅れているエレクトロニクス分野や金融分野を強化するために、エレクトロニクスや金融分野に精通した台湾人の力がのどから手が出るほど欲しいのである。
中国政権は、陳総統がもたもたして「中国は一つである」となかなか言わなければ、しびれを切らして、「同胞として陳総統を招待する」と言いかねないとも思っている。
それは、早くても、中国が胡錦涛政権になったとき(今年秋以降)だと思うが。

中国共産党は、日本敗戦後、香港を武力奪還するチャンスがありながら、香港を利用するため、香港で自由な活動が認められることを条件に英国に再支配を許すという“高い政治性”を発揮した経歴の持ち主である。


■ 日本がアジアと世界のなかで生き残る道

 このようなアジアの変化をまじめに受け止めるのなら、日本政府は“北朝鮮敵視政策”を止め、国交回復交渉を進めるべきである。
また、“愛国者”を自負している主要メディアの一部(産経新聞社系や読売新聞社系など)も、“中国危険視”扇動を止めるべきである。

近代国家は“自国の経済的利益”を第一義的に追求して外交を展開しているのであり、その意味では、どの国家も交渉相手としては手強いものであり恐いものである。
しかし、現実を見てもわかるように、中国や北朝鮮よりも恐いのは米国である。
日本は、「対米追随外交」を続けてきたことで、外交の荒波にもまれることなく怖さも実感しないでここまでやってきたのである。

“平和ボケ”という寝言は、歴代日本政権と外務省官僚、そして、その言葉の発信源でもある愛国者を気取る一部メディアや外交(政治)評論家にこそふさわしい言葉である。

細かい説明は後日アップするとして、米国などは、今まさに日本経済を最終的に破壊しようとしているのである。そして、自分たちが日本経済を破壊してきたにも関わらず、今後起こるであろう世界の様々な経済問題を“日本の責任”に転嫁するであろう。

この間顕著に報じられている「日本経済の末日論」もその一環であるし、先日開催されたオタワのG7でも「日本が世界経済の回復阻害要因」として打ち出されている。

今後の世界では、日本のみならず、他の主要国でも大破局が起きる可能性があると考えている。そして、その大破局も、当然のように日本の責任に転嫁されると思っている。
そして、このまま行けば、そのために“不当な処置”を構じられても、「それもご無理ごもっとも」と頭を垂れてマル呑みするハメになるだろう。

今こそ、解散総選挙を実施して、日本がどうなるにしても多くの人がとりあえず納得できる政治的条件を整えなければならない。
そのためには、あほらしい「景気回復策」論議ではなく、ほとんどの国民が最低限の尊厳をもちながら生活していける政策とはどういうものなのかを論議しなければならない。

日本経済の景気をかつてのように回復させることは無理であり、将来のかたちに移行するために、破局を防ぎつつ現状を少しずつ改善していくしかないのである。
誤った経済政策で破壊されてきたので、それなりに景気は回復するだろう。

このままずるずると「小泉改革」(もっと悪質な「鳩山改革」)を続けて経済的破局を迎えれば、それこそ“第二の敗戦”である。
残された時間は少ないし、手当が早ければ早いほど痛手は少なくて済む。

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