ベールを脱いだ日本のフリーメーソンたち(『宝島30 95年9月号』より)


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投稿者 SP' 日時 1999 年 7 月 04 日 07:54:33:

 日本国憲法はフリーメーソンによって作られた!?
 占領軍総司令官ダグラス・マッカーサーはメーソンであり、憲法草案を起草したGHQメンバーの中にも、メーソンが数多く含まれていた。
 この秘密結社の理念が戦後日本に与えた影響を、なぜ誰も指摘しないのか?

 岩上安身(いわかみ・やすみ '59年東京生まれ。早稲田大学卒業。ノンフィクション作家。小誌の他『VIEWS』『現代』などの雑誌、テレビ解説などで活躍中。)


 先日、オウムについてのあるシンポジウムにパネラーとして参加した時のこと。思想家・吉本隆明氏の講演を聴いていて、肩すかしをくわされたような気分を味わった。吉本氏は、かねてよりヨガの行者としての麻原彰晃を高く評価してきた。その「評価」が妥当かどうかは別にして、少なくともそうした、大勢におもねらない特異な視点をもつ氏が、陰謀史観に彩られたオウムの世界観については、ただ「バカらしい、くだらない」とあっさり片づけてしまったからだ。それですむのかなと、つい首をひねりたくなった。
「ユダヤ=フリーメーソンが世界の征服を企んでいる」という、ナチスのプロパガンダそのままの陰謀史観は、確かに「バカらしい」。同感である。しかし今重要なことは、オウムがその「バカらしい」歴史観、世界観に衝き動かされ(あるいは利用して)、サリンをバラまくまでに至った“事実”(吉本氏に言わせれば法的に未確定の容疑)を真正面から受けとめることだろう。
 知識人達が「バカらしい」と切り捨て、サブカルチャーの薄暗がりへ追いやってきた超能力や終末予言などのオカルト、あるいはユダヤ=フリーメーソン陰謀史観などの「トンデモ本」的ジャンク情報が、いつのまにかある臨界点を超えるまでに無批判に積み上げられ、ついに爆発した。その結果がサリン事件ではなかったか。
「もともとこの世の中を動かしているものは、『石工』と呼ばれるフリーメーソンである」
 九三年三月二十五日の説法で、麻原彰晃はそう断言している(『ヴァジラヤーナコース 教学システム教本』所収)。
 麻原に言わせるとフリーメーソンは「人間を完全に無智化させ、動物化させ、そして国家そのものが成立しないような状態をあちこちにつくり、それを一部の者がコントロールし、そして、この地上が完全に動物的自由、あるいは動物的な平等というものを与えることを目的として動いている」ということになる。
 さらに、九五年一月発行のオウム真理教の機関誌『ヴァジラヤーナ・サッチャ』No.6では、特集「恐怖のマニュアル」の冒頭で、こう宣言している。
「人類五十五億人を代表し、ここに正式に宣戦布告する。美辞麗句の影に隠れて、人類を大量虐殺し、洗脳支配することを計画している、『闇の世界政府』に対して!」
「闇の世界政府」とは何か? 「自分たちだけが世界に君臨し、全世界を統一し、人々を大量虐殺し、洗脳支配しようとしている奴ら」それが即ち「闇の世界政府」であり、その正体はフリーメーソンであり、ユダヤ系財閥であり、国際連合なのだという。
 作家の高橋克彦氏が、『夕刊フジ』(七月四日発行)紙上で、フリーメーソンの存在は「オカルト雑誌を通じて多くの若者の間に浸透」しており、オウム信者達は「仮想敵であるフリーメーソン」に「本気で立ち向かっている」。だからこそマスメディアはこの問題に踏み込むべきなのに、避けているのはおかしいと述べている。
 この主張に私は共感を覚える。こうしたパラノイアックな妄想じみた言説は、決して麻原彰晃ひとりの独創ではない。独創はゼロと言ってもいい。だからこそ、「バカらしい」とただ排除するだけでは、もはやすまないはずだ。事実をきちんと検証し、妄想や誇張されたデマからはっきり峻別すべき時が来ている。


 フリーメーソンは「闇の世界政府」なのか?

 フリーメーソンとは、一体何者か。
 正式な名称はフリー・アンド・アクセプテッド・メーソン。「メーソン」とは、「集団としてのフリーメーソンリーに属する構成員」を指す。その存在は秘密でも何でもない。日本グランド・ロッジは、東京・港区の、東京タワーのすぐ隣にビルを構えており、NTTの電話番号案内に問い合わせれば、ちゃんと電話番号を教えてくれる。今年の四月のある日、私はそうやってフリーメーソンの日本グランド・ロッジの電話番号を調べ、連絡をとってみた。電話はあっさりと通じ、片桐三郎氏という広報責任者の方に、拍子抜けするほど簡単にアポイントがとれた。
 四月十四日、第三十八森ビルに隣接している、日本グランド・ロッジを訪ねた。大正十五年生まれの片桐氏は、今年七十歳になるというが、とてもそうは見えない。この世代には珍しい、ダンディーで気さくな人物だった。
 メーソンについては様々なフォークロアがある。まずはその話から切り出した。
 例えば、ケンタッキー・フライドチキンの店頭に立っているカーネル・サンダース人形の左胸についているバッジは、メーソンの高位階を表すバッジだという「風説」。どうでもよい噂話に思えるのだが、この話が陰謀マニアにかかると、一挙に飛躍して、「ファースト・フードの蔓延は、日本人の食文化を破壊しようとするフリーメーソンの陰謀である」という妄想にまでふくらんでゆくのである。
 あるいは、アメリカはフリーメーソン国家であるという「神話」。アメリカの歴代大統領の多くは、メーソンのメンバーだった。また、アメリカの一ドル札にはピラミッドと、その頂上に輝く不気味な一つ目の絵柄が描かれているが、これこそはメーソンのシンボルマークである……。
 そして、日本はメーソンによって支配されているという妄想。マッカーサーはメーソンのメンバーであり、戦後の日本国憲法を起草したGHQのメンバーも多くはメーソンだった。戦後憲法の理念の多くは、メーソンの理念である。戦後、皇族や、有力な大物政治家もメーソンのメンバーになった等々……。
 こうした話は、信頼のおけそうな体裁の研究書にも、安っぽくいかがわしい「ユダヤ・フリーメーソン陰謀論」の本の中にも書かれていて、信じていいのかどうなのか、確認された事実なのかどうなのか、さっぱりわからない。まずはそうしたフォークロアの数々の確認を求めたのだが一一。
「ああ、カーネル・サンダースさんですか。私、彼が来日した時、ロッジの集会で会ったことがありますよ。ええ、彼もメンバーです。彼はメーソンであることを非常に誇りにしていましたね」
 片桐氏はあっさりと、「ケンタッキー・フライドチキンの創業者=フリーメーソン説」を肯定したのだった。
「皇族では戦後の一時期、首相をつとめた東久邇宮さんが会員でしたね。自民党初代総裁の鳩山一郎元首相も会員でした。もう昔の人ですから秘密にすることはないでしょう。ただ、鳩山さんが入った時は最晩年でしたよ。病気がちで動けないというので、当時のメーソンのグランド・マスターが彼の自宅まで出向いて行って入会の儀式を行なったのです。
 一ドル札のマークですか? ああ、あれも確かに『万物を見通す目』と いうメーソンのマークの一つです。このマークは、アメリカの国璽にも用いるそうです。
 初代のジョージ・ワシントンをはじめ、米国大統領にはメーソンのメンバーは確かに少なくない。リンカーンもセオドア・ルーズベルトもフランクリン・ルーズベルトもトルーマンも、最近ではフォードもそうでした。確認されているだけで、歴代の米国大統領のうち、十五人がメーソンです。アメリカ独立と建国の歴史そのものが、フリーメーソンリーにサポートされているのですから、これは当然でしょう」
 正直、驚かないわけにはいかなかった。フリーメーソン「伝説」の多くが事実であり、それをフリーメーソンリーの広報責任者が実にあっさりと認めてしまったのだから一一。
 片桐氏に案内されて、地下にある、儀式を執り行なうホールにも足を踏み入れた。丸い天井に星があしらわれ、床には市松模様、中央には宣誓のための祭壇、そして正面には<G>という文字が高く掲げられている。確かに壮麗な空間ではある。しかし、そうはいってもやはり、何ということはない、ただのホールにすぎない。とてつもない秘密がこのホール自体に備わっているとはとても思えない。なぜ、ごく最近まで、徹底的に非公開を貫いてきたのか、その理由がかえってわからなくなる。
「昔は何でもかんでも秘密にしていたものです。ロッジの内部も非メーソンには見せませんでしたし、ジャーナリストの方に、私のような人間がこうして率直にしゃべるということもありえなかった。最近になって少しずつ変わってきているんです」と片桐氏は語る。
「私に言わせると、メーソンは非常に頑固で保守的なんです。会員も高齢者が多く、四十歳以下は二五%くらい。皆ひどく頑固です。僕個人は、伝統は守りつつも不必要に世間の誤解を受けるような秘密主義は変えていった方がいいと思っていますが、そういう考えの持ち主は、まだまだ少数ですね。この流れを変えるには、ひょっとしたら百年かかるかな、とも思います。そのくらいの保守性はメーソンにはありますよ」
 片桐氏は、「自分個人の話ならば話しやすいから」と言って、自身の体験を語り始めた。

[[[入会金四万円の「秘密結社」 ]]]

「今から三十年以上前のことです。メーソンリーに加入している友人がいて、最初は好奇心から入会を希望したわけです。当時、私は外国船のパーサー(事務長)の仕事をしていましたから、欧米人とのつきあいも多く、欧米の一流のビジネスマンにはメーソン会員が多いということを知っていましたから、興味もありましたし、入会すれば顔も広くなって仕事にも役立つのではないかとも考えました。実際にはそんな思惑ははずれてしまいましたけどね。ロッジの中では宗教の話、政治の話、そしてビジネスの話はしてはいけないんです。俗っぽい動機だけでは続きませんよ。なにしろ繁雑な儀式のために、覚えることがすごく多いですから。入会したのはいいけれども、面倒くさくなってやめてしまう人も多いんです。お金も時間もロスしますからね。ビジネス的にはマイナスの方が大きいでしょう」
 片桐氏が入会した当時、入会金は四万円で年会費が四〜五千円。三十年以上も前のことだから、安いとはいえない。しかし、この金額は三十年間ほぼすえ置かれているという。
「今では、その辺のスポーツクラブに入るより、ずっと安いんじゃないですか。以前はともかく、現在は金持ちのクラブじゃありません。僕らのような役員は、選挙で選ばれて就任するんですが、完全に手弁当で、報酬はありません。書記役だけ例外で実費が支払われますが、でも月に二万円くらいのものですよ。皆完全に持ち出しです。
 入会に際しては、二人以上の会員の推薦が必要で、条件としては、職種は問われませんが正業についている成人男性であること、それからどんな宗教でも構わないが、信仰心を持っていること、この二つです。無神論者はだめなんですよ。したがって共産主義者の入会は認められません。これはイングランド系の伝統的なフリーメーソンリーの入会条件です。入会を希望したら誰でも入れるというわけでもありません。そのロッジのメンバーが投票を行ない、全員が同意した時のみ、認められるのです。
 入会の時には儀式があります。世間から何か怪しげな秘儀をしているではないかというおどろおどろしいイメージを持たれがちなんですが、どうということはありません。マスターから兄弟愛とか隣人愛とか、ある意味では常識的な道徳観念を諭されるだけのことです。こうした儀式というのは形式的なもので、一種のお芝居のようなものですよ。オカルト的な興味で、入ってくる人も少なくないのですが、そういう人は決まって失望します(苦笑)」
 部外者に理解しがたいのは、なぜ、古めかしい儀式を後生大事に守らなければいけないのか、しかもそれをなぜ、秘密にしなくてはいけないのか、という疑問である。
 私の質問に、「実は私も不思議でした」と片桐氏は笑って答えた。
「一つには、ある程度秘密を保つことで会員同士の連帯感が生まれるということもあるでしょう。儀式を繰り返すことで、そこに込められた道徳律を染み込ませ、体得してゆくという建前もあります。しかし、現実的に必要なのは、会員相互の確認です。例えば私が外国を旅行したとします。見知らぬ土地で、知り合いがいないのは心細いですから、その土地にあるロッジを訪ねるとします。すると、簡単な証明書の提示を求められ、儀式の内容を尋ねられ、メーソン独自の握手の方法などで、訪問者である私が、本当に会員かどうか確認するわけです。会員であるとわかった時から、『ミスター片桐』ではなく『ブラザー片桐』となり、いわば身内の人間として扱ってくれるようになる。原始的と言えば原始的な方法ですよね。これだけ通信とコンピュータ・ネットワークの発達した時代に、口伝の儀式とか身振り手振りのサインに頼っているわけですから。これは起源に原因があるんだと思います。
 メーソンの起源については、諸説様々あります。人類最初のメーソンはアダムであるとか、ノアの箱船で有名なノアが初代のグランド・マスターであるとか。そうした話は山ほどメーソンの中に伝わっていますが、でも、あくまで伝説です。
 伝説はともかくとして、実在するフリーメーソンリーは一二世紀頃から記録があるのですが、その頃は世界各地の建築現場を移動しながら仕事をする石工の集団でした。当時は一部の上流階級をのぞき、文盲が普通の時代でしたから、口伝で建築の技術を伝え、仲間同士であることを確認するサインが生まれたわけです。その伝統が、近代に入って、石工の組合から一般の人達の友愛団体となり、そして現在に至っても続いているわけです。ちなみに、伝統的な石工を実務的(operative)メーソン、石工ではないが哲学的探究を志して入会してきた人を思索的(speculative)メーソンと呼んで区別しています。近代以降のメーソンリーは、完全に後者で占められています。
 現代では正直言って、秘密の儀式とかサインというのは、時代錯誤という感じはしますよ。儀式を全部暗記するのも、大変面倒です。でも、わざわ ざこういう面倒な手続きをふむのも、長い間続けていると、悪くはないものだなと思えてくるから不思議ですよ。大人のお遊びみたいなところがありますが、やはり、連帯感というものは生まれますからね」

[[[まるでロータリークラブ? ]]]

「秘密の儀式」という「大人のお遊び」を楽しむ「社交クラブ」。片桐氏の話を聞いているうちに自分が、どこへ取材にきたのか、ふとわからなくなってくる。フリーメーソンリーは「秘密結社」のはずである。こんな微温的な組織でいいのだろうか!? これではまるでロータリークラブではないか。
「ええ、そうです。フリーメーソンリーはロータリークラブの原形なんですよ」と、片桐氏はまた、事もなげに言う。
「ロータリークラブの創始者の方は、メーソンだったと言われています。おそらくこの方は、閉鎖性、秘密性をなくす必要を感じて、より開かれた社会団体であるロータリークラブを始められたんでしょう。私は、これはいい考え方だと思います。
 信仰・集会・結社の自由や、人種的・階級的平等のなかった時代にフリーメーソンリーは誕生したわけですから、その当時、秘密の厳守を誓わされ、組織全体としても閉鎖性の強いものにならざるを得なかったのは仕方のないことだろうと思います。しかし、現代では、自由や平等といったフリーメーソンリーの憲章に盛り込まれてきた価値観は、当たり前のことになりました。そういう時代に、昔からの伝統だからという理由だけで閉鎖的な姿勢をとり続けるのはどうか。実際、この二十年間に会員数はじりじりと減っているんです。と同時に、会員の老化も進んでいる。ひと頃は全世界で四百万人いたといわれていました。このうち半数はアメリカのロッジに所属しているのですが、これが現在、三百万人ぐらいにまで減ってきているのです」
 一度、ロッジを訪れて、幹部の一人に話を聞いたぐらいで、フリーメーソンリーの実態がわかった、などと言うつもりはない。だが、それにしても「風説」とあまりにも落差がある。高度情報化社会の現代において、これほど情報落差のある団体は、他にちょっと思いつかない。おそらくその理由の一つは、フリーメーソンリー自らが、自己を語ってこなかったためだろう。
「フリーメーソンには、中傷に対しては沈黙で応ずるという伝統があるんです。しかし、今後は、あまりにもひどい中傷に対しては法的手段に訴えることも考えようかと内部では話し合ったりしています。
 オウム真理教のデマ宣伝もひどい。でたらめもいいとこです。そもそも、彼らはフリーメーソンリーについて、何も知らない。一例をあげましょう。オウムの機関誌の「ヴァジラヤーナ・サッチヤ』No.6の中に、小和田雅子さんや、緒方貞子さんの写真が出ていて、色々と中傷されており、その下にメーソンのシンボルマークである『コンパスと直角定規』が印されている。僕らとすれば、これは大笑いです。女性はメーソンにはなれないんですよ。どこかの世界の片田舎にあるロッジが女性をメンバーに加えたとしますと、他のグランド・ロッジはそのロッジとの関係を切ってしまうんです。オウムが、実際にはごく基本的なレベルでも正確な知識を持ちあわせていないことがこれですぐわかる。
 もっともオウムに対しては、具体的な行動を起こすことを僕らも躊躇してしまいます。あれがオウム真理教でなければ、正面切って法的に訴えたいところですけど、正直言って怖いです。オウムに対して反論して、彼らを刺激したくないですよ。メーソンの会員は、皆普通の市民ですからね。家庭もあり、正業についている。一人ひとり、狙われたらひとたまりもありません。しかし中傷をすべて無視しておいていいというものではない。以前、コメ問題で日米関係がギクシャクした時に、何者かに空気銃でこのビルのガラスを撃たれたことがある。我々はコメ問題とは何の関係もないのに一一。警察に届けましたが、でたらめな陰謀論の本を読んで、そういう暴力的な行動に出てくる人間たちが現れると、沈黙してばかりもいられない。
 私が広報委員長に就任したのは今年なんですが、私自身の考えとしては、ある程度、メーソンとは何かという啓蒙活動や、中傷に対する反論に積極的に取り組みたいと思っています。メーソンが陰謀結社だなどと言うと、普通の先進国では笑われますよ。メーソンの実態が、社交のための友愛団体だということは世界の常識なんですから」
 片桐氏と会った後、改めてフリーメーソンリーに関する文献を読みあさってみた。わかったような気になっていたが、調べてみると驚くような話ばかりである。
 モーツァルトのオペラ「魔笛」は、フリーメーソンリーの参入儀礼にもとづいて生み出された作品である一一。
 ベートーベンの「第九」の一節、「喜びの歌」の詩を書いたのはドイツの代表的詩人シラーだが、それはもともとメーソンリーのあるロッジの賛歌として書かれたものだった一一。
 ゲーテの「ウィルヘルム・マイスター」の主人公は、「塔の結社」の導きによって人間的成長をとげてゆくが、この結社のモデルはフリーメーソンリーであり、ゲーテ自身もメーソンだった一一。
 一八世紀から一九世紀にかけての啓蒙主義の時代の知識人で、メーソンでない人間を探す方が難しい。主要な人物では哲学者のカントくらいのものである。そのカントも、非メーソンではあったが、反メーソンであったわけではない。メーソン側はカントを「最もメーソン的な哲学者」として称揚している。
 なぜ、こうした事実が大学の一般教養課程も含め、学校教育で一切ふれられないのか。なぜ、権威あるアカデミズムやジャーナリズムは、フリーメーソンリーに言及することを避けているのか。謎という他ない。フリーメーソンリーが「世界を支配する秘密結社」であるとは思わないが一一世界の複雑な動態を単一の要因に還元する強引な還元主義的思考法それ自体がおかしい一一しかし単なる社交クラブともやはり言い切れない。明確な像を結ぶことができるまで、取材と検証を重ねる他はない。
 現役のメーソン会員達への取材を重ねる一方、私は再び、片桐氏に連絡をとり、元グランド・マスターのリチャード・クライプ氏と会う約束をとりつけた。
 七月十五日、クライプ氏と片桐氏の待つ日本グランド・ロッジを再訪した一一。



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