神戸事件の告発状(後藤昌次郎弁護士)


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投稿者 やました 日時 1999 年 7 月 13 日 15:51:23:

・後藤弁護士の告発状(補充書)

       申  入  書
                      告発人代表 後藤昌次郎
                      
 被告発人山下征士外五名の特別公務員職権濫用被疑事件(平成一〇年検
第一号〜第六号事件)につき、厳正かつ迅速な捜査をされるよう要望し、
次のとおり申し入れます。
                       一九九八年一一月九日
神戸地方検察庁
検察官 玉岡尚志 殿

(はじめに)
 A少年に対する逮捕・勾留は、刑法上の特別公務員職権濫用罪に当たる
犯罪であり、社会的正義の上からこれを不問にすることは出来ない。
 犯罪的取調による自白強要を始めとする証拠蒐集の結果は、それ自体被
疑者に対する重大な人権侵害であるとともに、裁判官の認定を誤らせ、社
会的に司法の存在理由をなみするものである。
 本件告発状の第四項「告発理由」中の三・3の記載は、その意味におい
て、本件告発事実の情状として例示的に掲載したものである。
 貴職におかれて右趣旨を十分理解され、本件告発事実について公正かつ
迅速に捜査を進められることを要望するとともに、特に重要と思われる以
下の点について捜査をされ、明らかにされるよう申し入れる次第である。

                 記
  
一 一九九七年(以下、同年)六月二八日午前八時頃、A少年は、兵庫県
 警の警察官らによって、神戸市須磨区の自宅から、兵庫県警本部に「任
 意同行」され、同本部取調室で、被告発人警察官A、同警察官Bほかの
 警察官らによって、被疑者として取調べられた。また、同日、逮捕前に
 警察の取調室で、被告発人検察官Dによって、被疑者として取調べられ
 た。そして、右警察官・検察官らは、A少年の「自白調書」を作成した。
1 右「自白調書」を作成した警察官・検察官の氏名
2 右各取調べの時間(何時何分から何時何分までか)及び場所
3 検察官Dが、警察官ABらによる「自白調書」作成の直後、A少年
 を取調べして「自白調書」を作成した経緯。検察官送致前に、検察官
 Dが、同夜警察の取調室でA少年を取調べたのはなぜか。

二 六月二八日、A少年は、右「自白調書」に基づき令状逮捕された。
1 逮捕状を請求した警察官の氏名、請求時刻、添付した証拠資料
2 逮捕状を発付した裁判官の氏名、発付時刻
3 逮捕した警察官の氏名・逮捕時刻

三 家裁決定要旨がいうように、「当時、警察で集めた証拠の中で、筆跡
 鑑定は最も証拠価値が高い位置にあったところ、科学捜査研究所が上記
 声明文の筆跡と(A)少年の筆跡とが同一人の筆跡か否か判断すること
 は困難であると判定したため、逮捕状も請求でき(ない)」状況であっ
 た。
1 兵庫県警は、右のような筆跡鑑定を、六月二七目に提出されていた
 にもかかわらず、何故その翌目早朝からA少年を連行し、同警察の取
 調室で、同少年の両親の立会いを求めず、長時間の取調べを行なった
 のか。
2 右家裁決定要旨がいうように、A少年を逮捕する証拠はなかったが、
 どの程度、内容の証拠があったのか。A少年の取調べ以外、適切な証
 拠調の方法はなかったのか。

四 六月二八目にA少年が逮捕されるまで、目撃情報によるなどとして 
 「黒ポリ袋を持った三〇〜四〇歳代の中年の男性」「黒いブルーバード
 に乗った複数の男」などというのが本件の犯人像として報道され、流布
 されていた。また、前記家裁決定要旨のとおり、「当時、警察で集めた
 証拠の中で、筆跡鑑定は最も証拠価値が高い位置にあったところ、科学
 捜査研究所が上記声明文の筆跡と(A)少年の筆跡とが同一人の筆跡か
 否か判断することは困難であると判定したため、逮捕状も請求でき(な
 い)」状況であった。
1 このような場合、捜査官は疑われるあらゆる可能性を追求するのが
 当然であるが、その頃、捜査官は、A少年以外、いかなる人物を捜査
 の対象としていたのか。その取調の状況、結果はどのようなものであ
 ったか。

五 二つの「犯行声明文」(五月二七目被害者であるJ君の頭部の口にく
 わえされられていた「犯行声明文」、及び六月四目に神戸新聞杜に送付
 されてきた「犯行声明文」)の文章力と文体について
1 捜査担当の検察官・警察官は、次の諸点からして、右二つの「犯行
 声明文」が当時一四歳の少年の書けるものと考えていたか。
 (一)国語力
 (二)使われている用字・用語
 (三)修辞(レトリック)
 (四)文章の長短・切り方・続け方
 (五)文章の論理的構成力
 (六)文章の思想性ど構想力
2 特に、A少年については、右二つの「犯行声明文」の文章の癖、リ
 ズム・文体が、A少年の学校での作文等の特徴と合致すると考えてい
 たか。
3 捜査担当の検察官・警察官は、右の諸点について問題意識を持って
 いたか。また、鑑定を求めていたか。

六 六月二八目のA少年逮捕の記者会見において、兵庫県警察本部刑事部
 捜査第一課長山下征士は、記者からの「凶器はなんですか?」との質問
 に対して「凶器はナイフなど」と答え、さらに「ナイフは刃渡り何セン
 チ?」との質問に「わかりません」と答えた。
1 A少年の自宅を捜索したのはいつか。
2 右ナイフに血痕が付着していたか。
3 付着していたとして、J君の血液型と一致していたか。
4 捜査官は発見された遺体の状況から「殺害の凶器」を「ナイフ」と
 考えていたのか。
5 その他、発見された遺体の状況は前記A少年の「自白」と合致して
 いたか。
6 同日A少年の自宅から押収した物件は他に何があるか。それらにつ
 いて押収に立会ったA少年の両親に具体的押収物件と押収場所をそれ
 ぞれ具体的に示し、それらを押収調書に具体的に記載したか。
7 それらの物件をそれぞれいつA少年に示して説明を求めたか。

七 六月二九目のA少年の勾留について。
1 勾留状を請求した検察官の氏名、請求時刻、添付した証拠資料
2 勾留状を発行した裁判官の氏名、発付時刻、発行の理由と必要性
3 付添人らが求めた拘禁場所、裁判官が指定した拘禁場所
4 右勾留に対する付添人らの準抗告の理由

八 付添人らによるA少年の「自白調書」の証拠排除請求書の内容

(以上)


後藤弁護士の昨年11月の講演会をテキストに起こしたもの
があるそうです。
50KBほど。
http://ww w.jca.ax.apc.org/aml/9907/13091.html
を御覧ください。
こちらに連絡先があります。




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