種子に迫る危機


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投稿者 ★阿修羅♪ 日時 1999 年 7 月 20 日 08:57:00:

回答先: 遺伝子組み換え食品はWindows95/98 のバグのように 投稿者 ★阿修羅♪ 日時 1999 年 7 月 20 日 08:52:59:

http://plaza22.mbn.or.jp/~SOS/japanese/topics/jseedstop.html
SOS Reports No.1

 「種子に迫る危機」

「オーガニックに遺伝子操作は認めない」米農務省の方向転換

 5月8日、米農務省は、遺伝子操作等のバイオテクノロジーを利用
したものは、オーガニック食品と認めない、という見解を発表した。同
省は昨年12月に「オーガニック食品生産法」の施行規則案を公示
し、それが遺伝子操作種子・資材の使用を容認するものであったた
め、論議を呼んでいた。しかし、同様に批判の多かった放射線照射
や下水汚泥と共に、今後の修正案ではオーガニックから除外される
こととなったのである。
 今回、全米、全世界から米農務省に寄せられた規則案に対する批
判のコメントは20万通以上にのぼった。日本からも、「SOS(Save
Organic Safe)遺伝子操作を認める有機基準に反対するアピール」
の賛同団体を通じ、多数の反対コメントが送られ、米農務省を方向
転換に追い込んだといえる。
 また、5月末にカナダのオタワで開かれたコーデックス委員会(FAO
/WHO合同食品規格委員会)表示部会で審議された国際基準で
も、遺伝子操作食品にはオーガニック表示を認めないことで合意さ
れた。遺伝子操作食品が増加する中、当面はオーガニックという聖
域が守られることとなったのである。


アグリビジネスの統合化

 しかし、一方では、モンサント社が米農務省に対して、オーガニック
に遺伝子操作を認めることを3年先延ばしにするよう要請し、その猶
予期間のうちに、バイオテクノロジーに対する肯定的な理解を得た
い、としていたことが明らかになっている。
 モンサント社の不穏な動きはこれだけではない。同社は、5月11
日、種子大手のデカルブ社とデルタ&パイン・ランド社を買収するこ
とを発表した。さらに、米国医薬大手のアメリカン・ホーム・プロダク
ツ社との間で、モンサント社が買収される形での合併が合意され、世
界最大級の農薬会社が誕生することになったのである。
 また、6月29日の発表によれば、モンサト社はカーギル(米国最大
の穀物メジャー)の海外種子事業を買収し、24カ国での種子の研
究、生産、試験施設と、51カ国にある販売・流通部門を手に入れるこ
とになった。


「ターミネーター」で企業が種子を支配する

 今年3月3日、アメリカで、通称「ターミネーター・テクノロジー」という
遺伝子操作技術の特許が認められた。(世界知的所有権機関等を
通じ、日本を含む約80カ国でも特許取得を申請中。)これは、遺伝子
操作によって二世代目の種子の発芽能力を失わせ、種子の自家採
取を不可能にするという技術だ。これを米農務省と共同開発し、ライ
センス認可権を持っていたのが、モンサント社が買収したデルタ&
パイン・ランド社に他ならない。
 「ターミネーター・テクノロジー」は米、小麦、大豆など、これまでハイ
ブリッド化の難しかった主要穀物をはじめ、今後、広範な作物への
適用が計画されている。種子の採取と選択が不可能になれば、品種
の単一化や脆弱化が進むだけでなく、種苗会社による種子の独占
は避けられない。
 戦後、米国は余剰穀物のハケ口を海外に求め、洋食化・肉食化を
梃子に穀物輸出を推し進めてきた。今日の日本やアジア諸国の穀
物輸入依存体質はその産物だ。最近でも、通貨危機にあえぐアジア
諸国に対し、輸出保証制度や輸出補助金などの措置をとって、輸出
攻勢を強めている。
 「ターミネーター・テクノロジー」は、穀物の支配に加え、その元とな
る種子の完全な支配を可能にする。そうなれば、世界中の農民が種
子を買い続けることになるばかりか、我々の「食と生命の安全」その
ものも、種苗会社、ひいては巨大化したアグリビジネスに委ねられる
ことになってしまう。


「種子の安全保障」---種子の認証と自給を

 農水省によるシミュレーションでは、食糧輸入がストップすれば、た
だちに国民は飢えに直面するという結果が出されている。ところが、
同省のまとめには、自給のために「農地・担い手の確保」や「食糧の
備蓄」とはあっても、その食糧生産の根本を担う「種子の確保」や「種
子の備蓄」という視点は全く見られない。しかし、“Xデー”が急に来れ
ば、土地はともかく、肝心のタネが調達できないというのが現状だ。
 さらに、意外な盲点となっているのが、種子の素性である。産地に
よっては、種子の流通がブラックボックスの中に隠されていることも
多い。加工用として輸入された遺伝子操作大豆が、種子用として出
回ることも100パーセント否定できない。せっかくの国産大豆も、種子
の保証がなく、万が一遺伝子操作種が混ざっていたとなれば、その
結果栽培されたもの自体の保証も危うくなる。
 遺伝子操作されていない種子や在来種の保存、種子からの自給、
つまり、「種子の安全保障」が何よりも急務なのは明らかだ。現在、
農水省や公正取引委員会では、有機を含む食品表示についての検
討が進められている。認証制度は、栽培や製造の方法だけではな
く、種子そのものも視野に入れたものにすべきであると同時に、生活
者一人ひとりが種子からの「食の安全保障」を求めていく必要があ
る。





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