蒼き冬に吼える第35回 論争について(その1) 噂の真相1998年1月号

 
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投稿者 やました 日時 1999 年 12 月 19 日 17:04:47:

回答先: “本多勝一氏は「左のサビオ」か” 噂の真相1998年2月号投書欄 投稿者 やました 日時 1999 年 12 月 19 日 17:03:22:

※《》内は原文傍点

噂の真相1998年2月号
蒼き冬に吼える第35回 論争について(その1)
本多勝一

先月号の本誌投書ページに、ナチ・ドイツの《ガス室による》虐殺を全否定する
西岡昌紀という人物の一文「本多勝一氏は『左のサビオ』か」が掲載されていま
す。この投書をめぐっていくつかの感想を抱きましたので、以下に述ぺてみたい
と思います。これは同時に、本誌の岡留編果長が同号の「編集長目誌」の終りに
書かれていたこととも関連してくるかもしれません。
第一点。本来であればこれは投書ページで書きたかったのですが、以前そのよう
にしたら読者から「連載の場を持ちながら『読者の場』をも侵して……迷惑この
うえない」と指摘されたことでもあり、それはやめてここで書くことにします
(本誌一九九五年七月号の本欄「つきあいきれぬ人々」参照)。第二点。私は右
の西岡氏と「論争」する気は全くありません。対等に論争するに値しないのと、
ナチのホロコースト問題について論争する立場には私はないからです。もし西岡
氏レベルの人々と論争しはじめたら量的に際限のないものになり、もはや日没の
せまった限りある人生を全く無駄に浪費することになります。失礼になるかもし
れませんが、どうぞご理解下さい。
第三点。しかしながら、事実に反すること、つまり虚偽については否定しておか
なければ、私が被害をこうむることになります。すなわち、『週刊金曜日』の編
集長を私がしていたころ、西岡氏が『マルコポーロ』に発表した記事を、その前
に『週刊金曜日』に掲載しようとした事実はありません。さらに、この問題をと
りあげるかどうかの決定は、『マルゴポーロ』廃刊の前後と何の関係もありませ
ん。
第四点。これは投書論のようなことになり、尊敬する名編集長・岡留氏の見解も
承りたいところなのですが、たとえば右の西岡氏の投書を、『週刊金曜日』でも
何回か掲載したことがあります。すると読者から猛反発する反論があり、批判・
反批判がくりかえされました。しかしながら、ここが岡留編集長の教えを乞いた
いところですが、こういうときは何年間でも双方の意見を掲載しづつけるので
しょうか。ナチのホロコースト間題は、日本の南京大虐殺問題と似て、いやそれ
以上に、人類史上特筆すべき大事件です。私は南京については自分で現地調査を
四回やり、証人たち数百人を取材しました(注1)。その私に対して、文春を主
舞台に南京大虐殺を否定する人々が“活躍”し、雑誌『諸君!』『文藝春秋』な
どで八〇回ちかく私を攻撃し、単行本もたくさん出しました。一人の記者の仕事
を「大手出版社」が二〇年にもわたってここまで攻撃しつづけた例は、世界でも
稀有のことではないかと思います。
しかしながら、周知のように、この「大論争」は否定派の敗北に終り、いま彼ら
がしがみついているのは「中国でいわれるほど多数の虐殺ではない」とする
「数」の問題だけです。そのために彼らは、あらゆる手段をつくして数を少なく
する涙ぐましい努力をつづけています。
大虐殺否定派は、なぜ敗れたのでしょうか。それは、事実が違っていたからです
(注2)。いかなる論争も、最後の勝負は事実が結着をつけるでしょう。もし
「南京」について、現地調査も証言取材もせずに文献や憶測で「論争」をつづけ
たら、何十年でも決着はつきますまい。ナチのホロコーストも同様です。(この
項つづく)
〈注1〉結果は最近刊行された『南京大虐殺』(朝日新聞社)に集大成されてい
る。
〈注2〉事実についての考察は、共同討議の記録『事実をつかむ』(新井章・松
村高夫・渡辺春巳・本多勝一=こうち書房)参照。





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