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投稿者 F.P.宣伝省@親衛隊国家保安本部 日時 2000 年 1 月 20 日 22:48:17:

回答先: ビックブラザーとタボス会議〜企業が国民監視する 投稿者 F.P.宣伝省@親衛隊国家保安本部 日時 2000 年 1 月 20 日 22:41:04:

第3部 欧米最強への挑戦「日本経済新聞1面企画」

(3)ABB連邦、あくなき欲求

今年2月、スイスの高級スキーリゾート、ダボスで開かれた世界経済フォーラム年次総会。重電・エンジニアリングの多国籍企業、アセア・ブラウン・ボベリ(ABB)のパーシー・バーネビック会長は、1人の日本人経営者から矢継ぎ早の質問を受けた。

◎標準化で先進

ソニーの出井伸之社長だ。バーネビック氏は苦笑して言った。「ミスター・イデイ。それほどABBの経営に興味があるなら、わがグループに実際に入って勉強しませんか」
バーネビック氏はABBを含むスウェーデンの企業集団、ウォレンバーグ・グループの総帥でもある。傘下の家電メーカー、エレクトロラックスが出井氏の社外重役入りを発表したのは、ダボス会談のわずかひと月後のことだった。
出井氏が謙虚に学ぼうとするのは、世界140カ国に広がるABBグループの「経営標準化」のやり方だ。
ABBはもともとスウェーデンとスイスの企業が合併してできた会社。88年の合併当時、社長兼最高経営責任者(CEO)だったバーネビック氏が作成した「ABBの使命、価値観、政策」と呼ぶ30ヘ゜ージ余の冊子は、いまも「ABB連邦」で働く世界21万社員の教本となっている。

◎「企業言語は英語、企業通貨は米ドル」

「素早く行動して後悔することはめったにない。後悔するのは遅すぎた時だ」
「組織は可能な限りフラットに。サンドイッチマネジャーはいらない」
異文化融合の新しい企業文化を創(つく)るため、バーネビック氏は役員室の多国籍化にも突き進んだ。
ABBの取締役会の構成はいま8カ国11人。執行役員は4カ国8人。「1人、2人の外国人を入れるのであればやめたほうがいい。トイレに行った途端、母国語を話し始めるからね」とバーネビック氏。昨年、同氏から社長兼CEOの職を引き継いだヨーラン・リンダール氏も「国籍や文化のミックスが企業のグローバル化を助けている」と添える。

◎「社外」から学ぶ

外国人社外重役――。日本企業の多くが「日本には日本のやり方がある」と抵抗を示すテーマだが、欧米企業には企業統治という目的のほかに実利の計算がある。トップの交流を通じて、世界の一流企業の「ベストプラクティス」(最も良い経営手法)を吸収しようという、あくなき欲求だ。
出井氏もバーネビック氏をソニーの社外重役に招こうと動いた。しかしバーネビック氏はすでに米デュポン、米ゼネラル・モーターズ(GM)の社外役員に就いている。結局、社外重役の“持ち合い”は実現しなかったが、「将来は外国企業のトップをソニーの社外役員に迎えたい」と、出井氏の意欲は衰えない。
国の事情にこだわっていれば淘汰(とうた)される。そんな危機感が欧米経営者を国境を超えた「ベストプラクティス」の獲得に走らせる。
世界最大の化学メーカー、米デュポン。同社は96年9月、三井物産副社長で化学部門出身の渡辺五郎氏を社外重役に迎え入れた。渡辺氏は「話題は事業より、むしろ経営をどう革新するか」と、商社経営のノウハウを得ようとするデュポンのどん欲さに舌を巻く。米IBMは昨年7月、槙原稔三菱商事会長(当時社長)を社外重役に招いた。日米の競争力逆転で日本脅威論が消え去った後も、日本に学び続ける姿勢は変わらない。

◎瞬時に伝わる

5月4日、ロンドン郊外で開かれた東芝の「国際アドバイザー会議」。西室泰三社長はペール・ジレンハマー元ボルボ会長ら5人の海外経済人から終日、欧州通貨統合、アジア通貨危機についての意見を聴いた後、「これからはもっと東芝の経営戦略について踏み込んだ話をおうかがいしたい」と依頼した。ボルボ時代、欧州を代表する経営者の1人といわれながら、仏ルノーとの合併破談の苦い経験を持つジレンハマー氏は、「戦略を策定する過程で役に立てることもある」と応じた。
日本の産業界で西室氏や出井氏のように進んで世界に範を求めようとする経営者はまだ少ない。
国際的な投資家ジョージ・ソロス氏は言う。「経済のグローバリゼーションの最大の衝撃はマネーが瞬時に国境を超えることではない。ひとつのアイデアが世界中を伝播(でんぱ)することだ」。日本の経営者が欧米の企業経営を国情が違うと拒み、旧態依然の「日本モデル」の殻にこもり続ければ、失うものは余りにも大きい。




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