“反響続々・現役信者から噴出 上祐史浩は警察のスパイだ”(週刊現代2/18号)

 
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投稿者 一刀斎 日時 2000 年 2 月 06 日 18:57:41:

週刊現代2/18号
“反響続々・現役信者から噴出
上祐史浩は警察のスパイだ”

本誌先週号(2月12日号)の「爆弾証言!『上祐が警察にアーチャリーを売っ
た!』」が、オウム関係者の間で大きな反響を呼んでいる。
記事の骨子は「上祐=公安スパイ説」。1月下旬にあいついで起こった、麻原彰
晃被告の三女アーチャリー(16歳)らによる長男(7歳)拉致事件と、反上祐
派で知られる野田成人幹部(33歳)の逮捕事件は、いずれも上祐史浩幹部
(37歳)が警察に仲間を〃売った〃疑いが濃いこと。なぜなら、上祐幹部は
'95年ごろから自分の罪の減刑と引き換えに警視庁公安部のスパイになっていた
からだ、とするオウムウオッチャーのジャーナリストと、元公安警察官の証言を
紹介した。
また同記事では、上祐幹部と公安警察との利害が、いまも一致しているはずだと
指摘した。公安は、根強い「公安不要論」を抑え、予算を獲得し続けるために
も、旧オウムに準じる監視対象の団体が必要であり、〃上祐アレフ教〃をその団
体にしようと考えている。一方、上祐幹部は、自分が支配できる教団の設立に動
いており、その際、邪魔になる〃麻原ファミリー派〃の追い落としに、公安の力
を利用しているのではないか、との疑惑である。
この記事が出た直後の1月31日、公安審査委員会は、オウムに対する3年の観
察処分を決めた。適用年限をめぐり、委員会内は一時対立したものの、最終的に
公安調査庁が請求していた「最長の3年」に決定した理由は、まさに今回の「長
男拉致事件」だった。公安当局も得をし、上祐幹部も得をする──両者の〃連携
疑惑〃を傍証するような形で、現実が推移しているのである。
先週号発売直後から、編集部には「オウム信者」と名乗る人物からの電話や手紙
があいついだ。その多くは、「上祐は本当に警察のS(スパイ)なんですか」
「上祐を信じてはいけないのでしょうか」「もっと詳しい記事を読みたい」
といった、不安と疑惑のいりまじった感情を訴えるものだったが、中には驚くべ
き内部告発もまじっていた。そのひとつに、現役の在家信者A氏(42歳)のも
とに届いた、出家信者B氏(30代後半)からの手紙がある。
都内に住む信仰歴12年の男性信者A氏のもとに、長老部に近い中堅幹部信者で
A氏の友人でもあるB氏からの手紙が届いたのは、本誌先週号の発売直前のこ
と。B氏からの手紙を読んだ翌日、たまたま本誌記事を読んだA氏は、両者の内
容があまりに酷似していることに驚き、「偶然の一致とは思えない」ということ
で、B氏の手紙を編集部に送ってくれたのである。さっそく中身を紹介しよう。
この手紙が本誌先週号の〃発売前〃に書かれたものだということを念頭において
読んでいただきたい(以下、一部抜粋。カッコ内は編集部注)。
《教団名の変更、拉致事件などはすべて上祐の筋書き。上祐の狙いの第一は自分
の身の安全、次に(麻原の)子どもたちからの権力奪取。いずれも、上祐教への
布石にほかなヅません。一連のことは上祐のそうした意図のもとに行われたので
す。上祐は教団に戻るなり、麻原長女・次女・三女たちの様子、互いの親密度・
関係について事細かに情報を聴取していました。もともと姉妹は仲がよくない。
上祐はそこにつけこもうと、出所早々に情報収集をしたということです。
子供たちをもっと仲たがいさせると、子供たちは子供たち同士で争います。上祐
はそれを承知で拉致事件を仕掛けたのです》
手紙の主であるB氏は、トランクに隠れるなど滑稽なカムフラージュをして、出
所後の上祐幹部の住む横浜支部に頻繁に出入りしていたアーチャリーが、「仕掛
け」のターゲットになったと指摘する。続きを読もう。
《三女は上祐が落ちついた横浜支部によく出入りし、何か吹き込まれていたよう
です。三女の様子はその後、にわかに変化しました。(そして)上祐の狙いどお
りに(拉致事件に)なったのです。長女はその性格の弱さから、次女・三女が長
男拉致のために押しかけたら、まさかの警察への110番通報。これによって、
長女はサマナ(出家信者)たちからの信頼を一気に失い、また、もともとしっく
りいっていなかった長老部面々とはさらに関係が悪化。深い溝ができ、長女は孤
立しました。
一方、次女・三女は逮捕状が出されたので逮捕勾留へ。未成年であることを考え
ると、少年鑑別所送致ということになる可能性が大きい。長女の発言権は弱ま
り、三女・次女が(鑑別所から)戻るころには盤石となった上祐教が出来上がっ
ており、たとえ三女・次女が戻ったとしても発言権ナシとなるのです。上祐は裏
で糸を引き、こうなるように仕向けたのです。それ故、幕引きも責任はあくまで
姉妹にある、となったわけです。上祐の意を受けた長老部、そして荒木広報部長
は事件について「姉妹けんか」と苦笑まじりに語り、それで片づけようとしてい
ます。
真相をしってもらうためにこれを書きました》
この内容は、上祐幹部のスパイ説が言及されていない点を除けば、本誌先週号記
事を裏づけたものとなっている。ところが、その上祐スパイ説を「まちがいな
い」と断言する現役信者まで現れたのである。

「世間知らずでハメられた」野田幹部
その信者は、ホーリーネームも持つ、入信歴10年以上の40代後半の女性出家
信者Cさん。記者が、本当の信者かどうかを確認するために、一般にはあまり知
られていない信者たちのホーリーネームを尋ねたところ、スラスラとすべて正確
に答えたうえ、教団内部の事情にも非常に詳しい。その彼女が、こう語る。
「先週の記事はとても正確なものでした。新聞・テレビがほとんど的外れなこと
ばかり流しているのに、よくここまで取材されたと感心しています。上祐は公安
のSでまちがいありません。長男拉致事件も、上祐がアーチャリーをけしかけて
起こさせたのです。あれで上祐と公安の両方がトクをしたことをみても、両者が
何らかの取引をして事件を画策したことは、もはや疑いようがありません」
こう一気にまくしたててから、彼女は野田幹部逮捕の裏事情と、上祐派の現在の
動きを順に話し始めた。
「野田は足立区の第一勧銀千住支店にアレフの口座を開きに行き、そこで行員を
脅迫したとされています。でも、よく考えていただきたいのですが、野田ほどの
幹部が、わざわざ口座開設などのために出向くことは、普通はありえないんで
す。通常は、もっと下の信者がやる仕事です。にもかかわらず野田が出向いたの
は、実は上祐が『行け』と野田に命じたからです。
野田は東大出(中退)で頭はいいが、世間知らずの面 もある。法人名義の新規口
座開設には、会社の謄本が必要だということも知らず、また知らされず、上祐に
命ぜられるがままに手ぶらで出掛け、当然のように開設を断られた。そこで、つ
い強い口調で抗議したところ、逮捕となったのです。そもそも野田は、『右翼の
街宣車を回すぞ』などとはいっていないと聞いています。ただし行員が『脅迫さ
れた』と主張すれば、逮捕など簡単ですから。上祐と公安にまんまとハメられた
ということです」

脱会信者の再勧誘をしていた
続いてCさんは、三女アーチャリーに話を移した。
アーチャリーには逮捕状が出ており、2月3日現在、茨城県警がその行方を捜し
ている。ところで、先月26日、同県警が上祐幹部の住む横浜支部に家宅捜索を
かけた際、「本当に逮捕状が出ているなら、三女を差し出してもいい」と上祐幹
部自らが発言していたことが明らかになっている。つまり上祐幹部に、アーチャ
リーを中核とする〃麻原ファミリー〃切り捨ての意思があることが、この一言で
明らかになっているのである。
「上祐は、まだアーチャリーの正確な居場所を知りません。知っていれば、当
然、公安に連絡して、すでに彼女は逮捕されていたでしょう。上祐が『逮捕状が
出ているなら差し出してもいい』などと、あいまいな言い方をしたのは、自分が
アーチャリーの居場所を突き止めるまでの時間稼ぎです。逮捕状が出ていること
など、とっくに知っているんですから。いま、アーチヤリーは反上祐派の信者に
匿われています。それを上祐派が血眼になって捜している。見つかるのは時間の
問題でしょう。数の点では、上祐派は圧倒的に多数ですから…」
上祐幹部による教団私物化は、着々と進んでいる。Cさんはこうもいった。
「完全に教団の実権を握った上祐は、いま、脱会信者を再勧誘すべく動いていま
す。ターゲットは『カナリアの会』です」
『カナリアの会』というのは、オウム脱会信者の社会復帰を助け、支援するた
めに弁護士の滝本太郎氏が組織した団体で、現在約80人の会員がいる。その元
オウムメンバーに、上祐幹部らは、「アレフはオウムとは違う純粋な信仰団体
だ」
といって、さかんに接触を試みているというのである。滝本弁護士もこう語る。
「上祐が脱会信者の引き戻し工作を行っているのは承知しています。実際、カナ
リアの会会員の知人のところにも上祐本人が電話をしてきたと聞いている。非常
に憤りを覚えます」
マスコミを前にした発言と、実際に裏でやっていることが百八十度違うというの
は、上祐幹部の昔からの特徴だった。そうした特徴は、いまも少しも変わってい
ない。現役信者からまでスパイと名指しされた上祐幹部だが、得意の二枚舌で言
い逃れできるのだろうか。

■取材協力 時任兼作(ジャーナリスト)




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