東京歯科大学市川総合病院眼科病棟入院体験記 主治医は手術後を新米に任せてアルバイトに専念(2)

 
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投稿者 全文 日時 2000 年 5 月 07 日 00:23:28:

回答先: 東京歯科大学市川総合病院眼科病棟入院体験記 主治医は手術後を新米に任せてアルバイトに専念 投稿者 全文 日時 2000 年 5 月 07 日 00:22:22:

 豚丸子の手術が終わった.然し,角膜移植の手術よりも痛みが激しかったと言う.
術後の痛みで痛み止めを飲んだ.夕食後,唐突に激しい痛みが襲って看護婦を呼ぶ.
然し,服用間隔が短いので服用は中止….                   

 然し,激しい痛みは間もなく治まり,俺様が帰る頃には,一時,いびきをかいての
眠りにも就いた.一週間経たないと術後の経過が分からないという.経過が悪ければ
この単位で入院期間は延びる理屈なのか?                   

 手術の内容は,白目に穴を開けて,中の液を外に流す通り道を作ることにあった.
穴が塞がってしまえば効果はなくなる.逆に,大き過ぎれば眼圧が下がって危ない.
最悪の場合,それで片目は見えなくなる.                   

 何しろ,俺様に面倒を看られ慣れている豚丸子である.保険の利かない個室利用で
出費も嵩む.術後は,しぼんだボールのような状態なので衝撃に弱く,ぶつけたりは
厳禁である.暫くは一日中付き添う予定.                   

 完全看護体制ということだが,ずっと以前,この病院の内科に豚丸子が入院の際,
断続的に意識不明の状態が続いて,俺様は二ヶ月,付き添って寝泊りしたが,夜中に
点滴が外れて血が噴出す事故を3度体験.                   

 その2度は俺様が発見し,一度は豚丸子が点滴が外れていると訴えて気がついた.
看護婦の夜中の見回りは,入口でちょっと中を懐中電灯で照らすだけで素通りする.
同じ事故で死んだと思える患者もいた….                   

 夜中にあまりに隣室が騒がしいので,そっとドアを開けて見た,廊下に血のついた
シーツが投げ出されてあった.豚丸子と同じことをやったな….そんな痕跡が歴然.
その患者は,翌日に死亡したのである….                   

 こうした過去の体験もあって,点滴など,当人の目が見えないだけに不安があり,
事故を恐れて付き添うことにしている.男が女性の部屋に長く居る訳にも行かない.
無理して個室利用となってしまう現状だ.                   

 今しがた豚丸子から電話があり,痛みがぶり返して痛み止めを飲んだが,一時間位
効果がなくて,今ようやく効いて来たとの話だった.手術前,緊急の連絡先を執拗に
聞かれたが,危ないことでもあるのか…?                   

 他の患者の経過を観察するに,最悪の場合は,別の病院へ移動して治療するという
手段が取られる.それだけ今の病院の技術が低いのだろうかとの疑いも持たれる…?
座して死を待たず,討って出た結果は…?                   

 何となく前途多難な予感がしている….いかに努力しても,ごく僅かな視力確保が
精一杯な手術と入院である.元々,労多くして実りの少ない手術でもあった.病院と
縁が切れず,訳も分からない入院である?                   

 何しろ,うまく行けば二週間の入院で出来る筈だった角膜移植が三ヶ月に延びた.
中には,同じ予定が半年になったケースもあった.過去の事例を考えれば,十日とは
夢のまた夢の入院期間だったかも知れぬ.                   


2000-03-31


 診察の際に,エレべータを使ったりする際に,不安を感じるようである.看護婦に
言えば,連れて行ってくれるのだが,盲人を扱い慣れていない不安を感じていた….
手術後は,歩くにも緊張する傾向がある.                   

 病棟の診察室の前にズラリと座った患者を見て驚いた.皆,豚丸子と同じように,
片目に大きく厚いガーゼをテープで止めてある.同じように手術した患者がこんなに
多かったのか? まるで化物屋敷である?                   

 俺様も数ヶ月豚丸子に付き添ってここに来ているのだが,こんな光景は初めてだ.
何しろガーゼは手術の翌日には取ってしまう.今までは居てもせいぜい一人二人だ.
全体に看護婦が若返って雰囲気も変った.                   

 かつては中年の看護婦が多かった.あちらこちらの病院を渡り歩いて来た流れ者的
看護婦の姿も目立っていた.手抜き仕事が巧妙な印象を受けたが今はそれも消えた?
この病院も変って来たのは確かなようだ.                   

 以前,豚丸子が生死の境をさ迷う病状の中で,内科に入院していた頃など看護婦の
質がかなり悪かった印象もあって,前回の角膜移植での入院時も親切な看護婦より,
どうしても悪い印象の看護婦が目立った.                   

 テレビモニターに映し出される手術した部分を見たのだが,白目のまぶたの裏側に
きれいな穴が見えた.周囲を縫ってあるようだ.手術自体は,うまく行っているが,
一週間後に,それがどうなるかが問題….                   

 穴が塞がってしまうこともあり,逆に中の液が流れ過ぎることもある.調整作業が
あるかも知れない.映像を見た雰囲気では,もしかしたら順調に回復して短い期間で
退院出来るかも知れない予感もあった….                   


2000-04-01


 どうも様子がおかしい.手術した左目は,以前は色の識別が出来たり光が見えた.
だが,本日は,色は全く見えないという.閉じた目を観察するに,以前に比較すれば
窪んでいる.これは萎んだボール状態か?                   

 本日は,担当の医師がいない.診察は別の医師が行った.豚丸子が,色や光がよく
見えなくなったんですが,時間が経てば見えるようになりますか? と質問したら,
「緑内障が悪化したのでしょう」と来た.                   

 どんな手術を受けたのか分かっていないのか? 「手術前は見えていたんですよ」
豚丸子が言えば「そうですか….でも眼圧は安定していますから…」という返事….
眼圧を下げる手術は成功したと言うワケ?                   

 もしかしたら大変な失敗をしたのかも知れない….目の手術は,視力の維持こそが
最優先なのかと思ったら,眼圧を下げることが重要で,結果的に見えなくなろうとも
仕方がないという大胆な発想があるのか?                   

 豚丸子は,手術の後,一時的に見えなくなることがあっても,すぐに回復するとの
答を期待していたのだが,それはなさそうだ.あるいは初めから見えなくなることが分かっての手術だったのかとも疑える….                   

 全く見えなくなることもある…という説明の裏には,視力が維持出来る可能性は,
ほとんどないという意味でもあったのか? 眼圧が高くなればいずれ見えなくなる.
早いか遅いかの違いだけとの判断なのか?                   

 病院内を歩行する際,本日は,俺様の腕につかまる豚丸子の動きが重い….右目の
見え方を聞けば,何だかこっちも落ちているのかなぁ…と言い出す始末.一週間後の
結果というヤツも眼圧の維持が基準かも?                   

 下手をすると見えなくなった目の緑内障のケアだけが延々と続く入院生活もある.
全盲の人でも,中には眼圧が高くなって気分が悪くなって手術するケースもある….
あるいは,そういうレベルの展開なのか?                   

 豚丸子にしてみれば,幾分でも見えるので,当然,視力の維持を期待する訳だが,
医師にしてみれば,その程度の視力は,全盲として扱って,残された視力の温存など
考えなくてもいいとする発想なのかも….                   


 2000-04-03


 看護婦の様子が少し改善されたかに思えた病院だが,肝心の医者が手薄のようだ.
入院患者を診るのは,ヤブにもなれないタケノコ医者である.外来には出られずに,
仕方なしに入院患者を診ているようだ…?                   

 以前は,そういう医者も診たが,しっかり中堅の先生が診ていた.お偉い先生は,
他の病院でアルバイトに忙しいらしい….診察に呼ばれたらカルテを見ている時間が
やたら長く一目で新米と分かってしまう.                   

「今並んでもくたびれるだけだよ.先に点滴やってしまおう」看護婦にそう言われて
病室に戻ってしまった患者がいた….ヤレヤレ….看護婦にまでバカにされている.
とても患者の質問に応えるゆとりはない.                   

 豚丸子の主治医も,やたら他の病院へ出ていることが多くなっている.手術以来,
全く姿を見ていない.急な容態の変化にどれだけの対応が取れるのか疑問を感じる.
4月の移動から中堅が手薄になっている.                   

 豚丸子は,もう帰りたい…などと言い出している.診察自体に何か意味があるとは
とても思えない状況である.次に主治医が診るのは,果たしていつの日か? 入院も
これでは意味がなさそうな気がして来る.                   


2000-04-04


 豚丸子は,診察する医者が宛にならないので,同じ手術をした患者さんに連絡して
手術後の視力低下について聞いたら,同じことがあったけど,その後,大分戻ったと
言われて,一縷の望みはあることを知る.                   

 医者ならば当然,そういう経過を知っていなければならないのに,そうした応答が
出来ない新米が入院患者を診ている.上に立っている先生方が自分が手術した患者を
診ずにアルバイトに浮足立っている始末?                   

 案外,病院自体の経営が危ないので,先生方は,そんな事態に備えて身の振り方を
考えるのに忙しいのかと思える.こんな現状の中で,患者の容体が急変した場合に,
果して適切な対応が出来るのだろうか…?                   

 手術した当日の夕刻,目が急に痛み出したが,医師に連絡して指示を受けた形跡は
全く無く,単純に看護婦が豚丸子に,痛み止めを飲んだ時間を聞いて,もう少し間を
置いてから飲むことを勧めた程度である.                   

「テレビに出て有名な先生に手術して貰ったけれど,それっきり診て貰ってない…」
そう言っていた老人がいた.他で白内障の手術した経過が悪くてここに来たところ,
すぐに手術….止せばよかったと嘆く….                   

 月曜日,火曜日と二日間とも,こんな新米の医者で本日の医者は,眼圧を測定する
機器の使い方が分からず,別の医師に聞いている始末.時間が掛かっている様子に,
仲間が「苦戦してますね…」と冷やかす.                   

 豚丸子が,鈍痛があるなどの症状を訴えても返事もしない.自分のすることだけで
精一杯,とても患者を診るゆとりがないのか,自分の世界に入り込んだままなのか,
患者との対話が全く出来ない医師である.                   

 様々な症状があって,それが手術に伴った予測される症状なのか,それとも何かの
異常が起きてのことなのか医者の答がないので分からない.巡回する看護婦にそれを
何度も訴えたという豚丸子ではあった….                   

 手術以後,間に土日が入ったとは言え,それでも5日間も主治医が姿をみせない.
本日の若い看護婦は「主治医はいますので,それとなく言っておきます」と言った.
よく話を聞いてくれる看護婦さんだとか.                   

 今後ここで手術を受けるのはやめようと決意.角膜移植を受けてから5〜6年….
これと言った苦痛もないままに視力は落ちてきた.病院にもずっと通い続けたのだ.
計測で高い眼圧も当人に自覚はなかった.                   

 本当に手術の必要があったのか? ずっと高い状態が続いていた機器上のデータで
手術が決められた.自覚症状もなく視力が落ちた経緯から,ここで手術を受ければ,
それが救えるかも知れぬと期待したが….                   

 入院後に感じてきた様々な不満を巡回してきた看護婦に訴えたという豚丸子だが,
主治医が外来にいても診てくれる気配すらない.後で主治医の診察になりますという
連絡が来たが,何故か取り止めになった.                   

 その後,再び診察があるとの連絡が入って,主治医による眼科診察が開始された.
他の患者に的確に答える様子が聞こえる.待っている患者は,そこに安心感を得る.
無言で順番が進むのは不気味ですらある.                   

 豚丸子の診察では,質問や疑問にもきちんと説明していた.経過は順調で,特別に
異常が起きなければ,今週末にも退院出来るが,一週間に一度は診察に来て貰うとの
診断になった.退院が間近になったのだ.                   

 豚丸子が一番気になっていたのは,瞼も開け難い痛みであった.傷を縫てある糸が
痛みの原因にも思えた.先生は,糸を抜くのはずっと先の事で,痛みは今の段階では
当然起こることで我慢するしかないとか.                   

 夕食が終わった頃「主治医の先生に診て貰えましたか?」と,先の看護婦が来た.
「ああ…良かった.今日も診てくれなかったらどうしよう…と思っていた」という.
患者の訴えに行動で応える看護婦もいる.                   


2000-04-05


 豚丸子の本日の診察は,一応会話が出来る医者で,まあ…この程度ならばいいかと
納得出来たとか….試みに主治医にした質問をしたら,全く同じ答が返って来た….
豚丸子め,ここで医者の知識を試したな?                   

 ところが,この先生,先の主治医の診察の折に同席していた先生であるから,その
言葉をそっくり受け売りしたとも取れるのだが….豚丸子は,見えぬ為に,そこまで
気づかなかったが,症状は変わらない….                   

 順番待ちの時,隣の患者と話をしていた豚丸子である.「物を知らない医者がいて
我々は,完全にモルモットですよねぇ….大きな声では言えませんけど…」などと,
しっかり周囲に聞こえる声で話していた.                   

「皆,病室でもそう言っているんですよ『高い金出して,学生上がりを育てる義理は
何処にもない』ってね」やはり不満を感じていたのは豚丸子だけではなかったのだ.
実は,入院した時期も悪かったのである.                   

 中堅で慣れてきた先生の大半が転勤や退職でいなくなった.代わりに,ロクに話も
通じない変な学校出たての医者がやって来て,患者を診る時間よりカルテを見ている
時間が長く,質問は読書の邪魔になる…?                   

 大体,目の前の患者がどういう理由で,入院しているのか全く分かっていない….
然し,手術で目の中を縫ってある糸が触って痛い部分もあり,歩くと響いて不快….
ハンカチで目を抑えて歩くと楽になる….                   

 こんな状態で今週末に退院なんか出来るのか? 目を観察すれば,手術前より少し
窪んでいる.目玉が縮んで,中でカタカタ動いているんじゃないのかと冷やかせば,
そうかも知れない…とテキもめげてない.                   


2000-04-06




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