量子コンピュータの未来に向けた夢の検索アルゴリズム(ZDNN)ベル研究所が開発を進める『量子コンピューター検索ソフト』

 
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投稿者 FP親衛隊国家保安本部 日時 2000 年 5 月 27 日 21:42:48:

【米国発】 2000.5.25 5:47 AM PT――

記憶力に自信がない? そんなあなたを,いずれ量子コンピュータが助けてくれるかもしれない。
科学者の間では何年も前から,非常に特殊な条件下で,電子をスーパーマイクロプロセッサとして使うことが可能だということが知られていた。
この種のコンピュータの製造は,まだ実用段階には至っていない。
しかし,そのことが量子コンピュータ用の“ソフトウェア”を開発しようというLuv Grover氏の試みを遮ることはなかった。ベル研究所(現在Lucent Technologiesが所有)の研究員である同氏は,5月23日,「検索する対象物について漠然とした知識しか持っていなくても,量子コンピュータを使ってデータベースの中から検索対象を見つけ出すことができるプログラム」の設計に成功したと発表した。
“自然”には,人間よりはるかに効率良く問題を解決する能力がある。物理学者たちは,この驚異的問題解決能力を活かしたコンピュータの構築に心血を注いでいる。そして23日は,その試みがまた一歩,大きな前進を遂げた日となった。

◎これまでの限界

コンピュータのロジックを構成する「0」と「1」の切り替えに,今日のマイクロチップが小さなスイッチを用いるのとほぼ同じように,量子コンピュータでは,電子などの原子構成要素――これを「キュービット(qubit)」と呼ぶ――を用いる。そして量子コンピュータ内部の原子は,通常のコンピュータの「ビット」よりもはるかに高い知恵を持ち,「0」と「1」に加えてその間の考え得るあらゆる数を表すことができる。これにより,計算速度は指数関数的に高まる。通常のコンピュータで100万ステップかかる問題を,量子コンピュータは1000ステップ程度で処理できるとされている。
しかし,ここに問題がある。量子コンピュータが作業中は,この作業の「邪魔」をすることができないのだ。ちょっとでも介入すると計算は崩壊する。写真のフィルム現像中に結果を眺めようとして,現像作業を台無しにしてしまうのと若干似ている。
したがって量子コンピュータは黙々と独りで作業をし,ほとんど魔術のような能力を使い,思考が終わると回答を吐き出す。だがそれは,「回答がたった1つしか知られていない問題への,たった1つの回答」だ。
このことは,簡単な数学の問題のように,回答が1つしか存在しない問いの場合ならいい。しかし,もっと大規模で,不確実性をはらんだ問いにとっては,この点が,非常に深刻な限界だった。
「通常のコンピュータよりうまく機能するアルゴリズムはほとんど存在しない」と説明するのは,ベル研究所の光物理学研究責任者Richard Slusher氏。「だが,この研究はまだ初期の段階だ。“そうだ,もっとうまく機能する別のやり方があるぞ”と思い当たることがしばしばだ」
量子コンピュータのこの状況はつまり,対応する優れたソフトがほとんどないコンピュータと同じだと考えればいい。
これまで,量子コンピュータの利用例として示されてきたものの中で,最も興味深い例は,大きな整数を因数分解するのに使える,というものだった。
そして,「問いは既知の1つの回答を求めるものでなければならない」という制限から,実生活上の問題の解決,あるいは統計上の問題の解決などの利用例は,ほとんど示されていなかった。こうした分野では,複数の正解が存在することもしばしばだからだ。――そう,インターネット上のWebページの検索で,複数の検索結果が表示されるように。

◎不確実性を扱う

Grover氏が今回の研究に取り組むまで,科学者たちは,量子コンピュータが不確実性を扱えるとは考えていなかった。
同氏はこの状況を次のように説明する。「例えば,探している人物が“ジョン・スミス”というありきたりな名前の人物だったとしよう。ジョン・スミスが1人しかいないのなら,正しい回答を求めることができる。しかし複数いたら,量子コンピュータはクラッシュする」
そして,この状況が変わったのが5月23日だった。この日,オレゴン州ポートランドで開かれた会議でGrover氏が発表した新検索アルゴリズムは,未来の量子コンピュータが「曖昧な問い合わせをもとに,複数の回答を引き出せる」ということを証明するものだったのだ。このアルゴリズムに,驚くほど高速な検索能力とを合体させた量子コンピュータが登場すれば,まさに強力なツールとなる。
このアルゴリズムは例えば,名前の一部しか憶えていない人物の正確な氏名と電話番号を高速に見つけだすといった用途に使うことができる。
つまりこういうことだ,とGrover氏は説明する。「名前が“ジョン”だということは憶えている。だが名字がよく思い出せない。“スミス”とか“ジョーンズ”とか“ミラー”とか,そんなよくある名字だったことだけは確かだが。また,その人物の名刺を眺めたとき,電話番号の下4桁に目が留まったのも憶えている。それが,かかりつけの医者と同じ番号だったからだ」――こんな条件での検索だ。

◎テストはいつできる?

手当たりしだい力任せで対象物を探していくこれまでの検索手法だと,こうした条件からその人物を探し当てるのは,良く言っても時間のかかる作業,悪く言えば現実的に不可能だ。
「しかし,私が設計した新しいアルゴリズムに量子コンピュータの力が合体すれば,この種の検索を瞬時に実行できるはずだ」とGrover氏。「これにより量子検索の範囲が広がる。いまや,求めている回答について曖昧な情報しかなくても,それを探し当てることができるのだ」
もっとも,Grover氏の“ソフトウェア”を実際に動く量子デバイスでテストできるようになるまでには,まだしばらく時間がかかる。
同氏が最初に設計した検索アルゴリズム(これは1つの結果だけを探すタイプのものだった)は1996年に発表されたが,これを実際にテストする機会が得られたのはそれから2年後,科学者たちが4キュービットの初の量子コンピュータ構築に成功した時だった。
科学者たちは今日,7キュービットまでの量子コンピュータを構築ずみだが,これらのマシンを利用可能なレベルにスケールアップするには,まだ数年かかるという。有用な検索を実行しようと思えば,最低でも20キュービットから30キュービットの量子コンピュータが必要になるが,その実現がいつか,Grover氏は自身の推測を語ることさえ控えている。
「だが世の中には,この分野に興味を持つ極めて優秀な頭脳を持った人たちがいる。エキサイティングな仕事だし,きっと近いうちに登場すると思う」と期待を寄せるGrover氏だ。

[Bob Sullivan, ZDNet/USA]

★これがどんなに『凄いこと』かという事は、ハイゼンベルク(Heisenberg,Werner Karl)の不確定性原理についておさらいしておきましょう。

http://ibuki.ha.shotoku.ac.jp/school/science/physics/ phys86.html

★シュレディンガー(Schrodinger,Erwin)も忘れないでね。

http://ibuki.ha.shotoku.ac.jp/school/science/physics/phys83.html

★不確定性原理とは?シュレティンガーの猫の例え話は有名。

http://www.asahi-net.or.jp/~NG3H-YSD/book_3.html

★月はあんたが見ていないときは「存在しない」。

要はなぜそうなるのかは理解不能でありながら、集積回路の開発などに応用されている『哲学』といえるかもしらん。




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