MACPOWERに2ちゃんねる称賛の記事…この時期になかなかの英断

 
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投稿者 一刀斎 日時 2000 年 5 月 21 日 13:24:26:

MACPOWER2000年6月号
Topic Drift007
コミュニティー系サイトの時代
川崎和哉


大手ポータルが続々コミュニティー・サービス開始

3月27日に「goo」が、4月11日に「LycosJapan」が、相次い
で掲示板サービスを開始した。「Yahoo!Japan」や
「infoseekJapan」に続くもので、掲示板はポータルサイトの一要
素として外せないものになっているようだ(とりあえずいまのところは)。覗い
てみたところ、「goo」も「Lycos」もまだ寒い状況の掲示板が多かった
が、これはまあ始まったばかりだからしょうがないか。
で、そもそもなぜ、大手ポータルがこぞって掲示板を中心にしたコミュニ
ティー・サービスに乗り出したがっているのか?解答はいくつかあるだろう。
【中略】

ダメなポータルのコミュニティーがダメな理由

僕が知らないだけで、ほかにももっとおいしいことがあるのかも知れないが、と
にかくまあ、いろいろといいことがありそうかも一ということで、大手ポータル
は掲示板をデフォルトのサービスにしようとしているのだろう。当たり前だが、
上記のようなおいしいことが本当に実現するのかどうかは別問題。とりあえずそ
ういう絵が描けるということ。そして、もちろんこういった運営側の思惑と、
ユーザーの利益とは必ずしも一致しないこともある。
あまりに公衆的で雑多な人々が集まっているので、S/N比が劣悪でゴミの割合
が高い。初心者やイチゲンさんが多いために、カルチャーや連帯感が形成されず
コミュニティーが成立しない。ただの群集になってしまう。
個人運営の小さくて専門的な掲示板のように話題を転がしていく中心になる存在
(キャラクター)がいないので、規模のわりに書き込む人が少ないことがある。
あるテーマに関する知識レベル、スキルなどがバラバラなので、上級者にとって
は得るものの少ない場所になってしまう。
ユーザーデータを取られていて、匿名の書き込みができないので、本音が書けな
い。これはまあ、良しあしがあるし、ユーザー登録のときにデタラメを書くこと
だってできるわけですが。
大きな企業が運営者である場合が多いた一め、運営方針が窮屈(な印象)。実際
は問題のない範囲の発言でも、管理者の顔が見えないことで、発言内容になんと
なく「縛り」が生じる。掲示板にバナーが表示されたり、高機能だったりで、重
い。ぺ一ジビューを稼ぐため(?)、ぺ一ジをたくさんめくらせる作りになって
いる。と、悪いところは目に付きやすいのでいくらでも出てくる。こうしたポー
タル付設の大型掲示板サイトと対照的なのは、腐るほど多量に繁殖している個人
運営の掲示板だ。無料のオンライン・ソフトを自分のウェブ・スペースに設置し
たり、「teacup.」のようなレンタル掲示板を利用したりしているこれら
の掲示板は、ものによってはマニアックではあるが良質なコミュニティーを形成
しているものもいくつもある。
ただ、一般的にはどうしてもタコツボ的になってしまい、クローズドな小さな
サークルを形成するものが中心になるというところはある。ところが、完全な独
立系の個人運営でありながら、前述の大手ポータルをしのぐほどの規模と活況と
を呈している掲示板サイトがひとつ存在する。「2ちゃんねる」である。

「2ちゃんねる」盛況の理由は何か?

去る4月1日、インターネットの出来事をフォローする独立系のメール・ニュー
ス「Radica」誌に、この「2ちゃんねる」が光通信(携帯電話販売の
HitShopを経営する)に売却されるという記事が掲載されていた。もちろ
んエイプリル・フールネタだが、現在の「2ちゃんねる」の規模と元気の良さを
考えると、大企業が買いたいと思っても、ちっとも不思議ではないと思う。なん
となく、アンダーグラウンドなニオイのあったこのサイトだが、現在では、政
治、経済、社会から文化、アート、エンターテインメント、グルメ、コンピュー
ター、ビジネス、学問、そしてアンダーグラウンド・カルチャー……とあらゆる
ジャンルを網羅した200を超える掲示板を抱えるに至り、アディチユードとし
てのアンダーグラウンド性は保ちながら、いわば「半地下」とでも言うべき独特
のポジションを確立している。
このサイトは原則的には投稿者のIPを開示も記録もせず、完全に匿名で参加で
きる特徴を持っている。いわゆる「荒らし」や他者のプライバシーを侵害するよ
うな問題のある投稿の削除などの作業は、「削除屋」と呼ばれるボランティアの
手によって行われ、ユーザーの削除依頼から削除に至る全過程が公開されてい
る。
「2ちゃんねる」に対しては賛否両論あるようだが、ユーザー・ベネフィットの
最大化だけを純粋に追求していること、つまり「ユーザーによるユーザーのため
のコミュニティー・サイト」を実現していること、それから、ユーザーの自己責
任を徹底することでトラブルに対処している手法などは、大いに評価されていい
はずだ。
内容面では匿名ゆえのエゲツない表現が幅を利かせているが、そうしたガラの悪
さ、の一方で、どのジャンルに関しても、ある一定水準以上の知識やスキルを持
ちあわせたユーザーが集まっているという印象もある。これは僕の意見ではなく
他人の受け売りなのだが、かつて、ネットワークにおけるコミュニティーの「セ
ンター」的存在だった「ニフティサーブ」や「PCVAN」が担っていた役割
を、「2ちゃんねる」が結果的に背負い始めていると言うことができるのかも知
れない。あるいは、いまや、海外からのうさんくさいセールスの投稿が正常な投
稿よりも目に付くまでになっている日本のニューズグループの果たすべき役割の
一部も、すでにこちらに移譲されているように思う。
実は僕自身、仕事でコミュニティー・サイトの構築に取り組んでいるのだが、ほ
んと、コミュニティーは難しいと思う。何億もの資本を投入していてもさむ一い
状況のサイトも実際あるし、かと思うと(だぶん)レンタルサーバー代しかか
かっていないのに大成功しているサイトもある。しかし、では「2ちゃんねる」
のようなシステムを真似ればいいのかというと、それだけではおそらくなく、コ
ミュニティーにはその管理者の人望や人格、知識、采配能力などの個人的なキャ
ラクターを核にしてそこに人が集まるという要素もかなり大きなものとしてある
ように思う。
人を集めるのはやはり人ということだろう、ってのはまとめ過ぎですねきっと。




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