エイズによるアフリカ人口激減説をどう読むか

 
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投稿者 佐藤雅彦 日時 2000 年 7 月 12 日 02:07:43:

   エイズはやはり第三世界人口“間引き”の
     “生物兵器”なのかなぁ……と勘ぐりたくもなる


●「陰謀王子☆アルカイックスマイル(^^)」様、横レス(7SR1190)いただき感謝します。
  私が地方紙の記者をしていたのは20年ほど昔のことで、しかも実質的に1年ほどで、ブンヤを辞めたんで、そんなに地方のスキャンダルを詳しく覗いたわけではありません。 でもわずか一年の間にエグい現実をイヤというほど見せてもらいました。 たとえば選挙絡みでは、日共の議員が地元の議員にクルマで撥ね飛ばされるとか、対立候補派側の飼い犬の首を日本刀でちょんぎるとかね……。 現在のアフリカのシェラレオーネ内戦を他人事とは思えないほどの“民度”を見せつけられました。 
  今はすでに、もうそこには住んでいません。 そういう場所に適応(同化)すれば、自分もケダモノなみに劣悪化すると思ったし、近所にいろいろとバイテクや放射能や化学関係の危険な研究施設が集中していましたしね。 そういう場所に住んでいれば、あやしげな環境汚染や感染症をこうむる確率は確実に高まるわけだけど、オイラ研究者じゃないんで、そういうリスクを引き受けるだけのメリットはないんでね。 (化学工場であれ原子力関連施設であれ、そういう危険性を知らずに――チェルノブィリ周辺で被災しながら呑気に暮らし続けて死んでいった農民たちみたいに――寿命を縮めている人たちは、それはそれで救いようがないと思うんだけど、かなりヤバいと思ったら、安全な土地に移動すべきだというのが、私の考え方。東海村をはじめとして、近所に原子力施設が集中しており、自分がそこに勤務しているわけでない人は、安全な場所に住み替えるべきだと思っています。 江戸時代とか旧共産圏みたいに、移動が制限されているわけじゃないのですから。)

●私が翻訳した本は、
 @『メディア仕掛けの選挙――大統領達のCM戦略』(技術と人間、1988)、
 A『代理母――ベビーM事件の教訓』(平凡社、1993)、
 B『メディア仕掛けの政治――現代アメリカ流選挙とプロパガンダの解剖』
                            (現代書館、1996)、
 C『比較「優生学」史――独仏露伯における“良き血筋を作る術”の展開』
                            (現代書館、1998)、
 D『突発出現ウイルス』(海鳴社、1999)、
    (参考:空耳の丘6;6SR279:
     :『エイズ患者のための栄養療法』についての紹介資料再録)
 E『米国の経営者がしでかした、とんでもないヘマ101連発』(毎日新聞社、1999)、
 F『エイズ患者のための栄養療法――実践的レシピつき全ガイド』
                                    (現代書館、1999)、
   (参考:空耳の丘6;6SR279:
     『エイズ患者のための栄養療法』についての紹介資料再録)
 ほかに、『サイバーX』用の原稿(未発表)を発展させて『現代医学の大逆説』(工学社、2000)という書き下ろしを発表させていただきました。 
  すでに述べたことですが、現在、『遺伝子万能神話をぶっとばせ』(仮題)と『尿療法革命』(仮題)という二冊の翻訳書の準備を進めており、これは秋までに出版できる見通しです。 それからまだ出版の時期はわかりませんが、臓器移植についての倫理論争を総ざらいした本と、“おとなのオモチャ”(あのウィ〜ンウィ〜ンって動くやつね)についての真面目な歴史研究書の翻訳を進めています。

●「陰謀王子」様の投稿はいつも興味深く拝見させていただいています。 実は私は10年以上前から、あまり熱心ではないけど尿療法を行なっていて、その経験に照らしながら、ヨーガや断食や塩水療法について読ませていただいております。 
  尿療法は、やった人ならわかるでしょうが、身体の不調を快復させるのには速効で効くんですよ。 第一、タダだしね【笑】。 興味のある方は、既刊の入門書を頼りに、試みる価値はあると思います。 私は80年代半ばに、アレルギー性のいろいろな不調(喘息やじんましんなど)が出てきて、当時読んでいた『ペンギン・クエスチョン』(現代企画室)という雑誌に紹介されていた、あるカメラマンの飲尿療法実践体験――これはのちに『朝一杯のおしっこから』という単行本になって現在入手可能――を知って試したのが最初でした。 
  尿はウンコと違って、キタナイものでは全くないので、「オシッコはばっちい」という幼少時から刷り込まれてきた“通念”を克服することができれば、驚異的な治癒力を簡単に実体験することができます。
  (尿は血液なみの“栄養”を含んでいるんで、外部環境に放置すれば腐敗しやすいのは確かです。 ヨーロッパの都市では近代までクソ小便を家から街路に捨てるという、とんでもなく野蛮な生活をしていたので、伝染病が蔓延し、それが契機で、下水システムや都市計画が誕生したのでした。 インドのモヘンジョダロ遺跡からでさえ、下水システムの整備が確認されているのに、西洋文明は何か基本的な欠陥があるような気がしますけどね……。そうした経験から、西洋版の近代衛生学はクソ小便を“キタナイ”と決めつけて嫌悪してきたわけですが、明治維新以来の日本の官製“翻訳学問”が、この迷信を頭ごなしに信じてきたのでした。)
  20世紀にはいって西洋医学のエスタブリッシュメントは、尿の内科的・外科的効用を真剣に研究し続けました。 ノーベル賞学者のセントジョルジなんかも、尿の医学的効果の研究に携わっています。 京都大学の結核研究所では尿の抗「結核」成分を発見し、防衛医大でも抗癌作用の研究をしています。 しかし、なにせオシッコはタダだから、患者が自分のオシッコを飲みだしたら製薬産業は甚大なダメージをこうむることになる。 そんなわけで、抗生物質が実用化されると、先進国の医学研究機関は尿の薬理作用についての研究をぴたりとやめてしまったのです。  (このあたりの詳細は『尿療法革命』で展開していますので、こうご期待。)
   マウスを使った研究では、大豆を食べさせたマウスの尿から女性ホルモン類似物質が見つかっています。 この物質は最近、更年期障害に効果があると宣伝されています。 ここから推測すれば、たとえば納豆や豆腐などのダイズ食品を食べて、飲尿を実践すれば、更年期障害が軽減できるのではないかとも考えることは可能ですが、ヒトでのデータを私は持っていないので、安易に他人に勧めるつもりはありません。 (だから先日、更年期障害についての話題が出てきたときには、この件を紹介しなかったわけです。)
  私自身は昨年は首にできた腫瘍を尿湿布で一ヶ月ほどで治しましたし、現在も、あまり熱心ではないですが、耳の付け根にできた腫瘍を尿湿布で退縮させつつあります。
  もしも尿療法に興味を持って試そうと思うなら、外出 する予定のない休日に、朝、最初のオシッコを飲んでみることから始めるといいでしょう。 私の場合がそうでしたが、入門者の場合は、30分ほどで猛烈な便意が起こり、おなかは痛くないのですが、腸内を洗浄するみたいに水様状の便が出ます。 そして身体が軽くなった感じがして、身体がほてってくると思います。  こうした便通は「好転反応」と呼ばれていますが、出勤前とかに飲尿して電車の中で下痢を催すと悲惨なことになるので、休日に家で試みたほうがいい、というわけです。 経験上、飲尿には副作用はないようです。 あとは自分の身体の調子を見ながら、飲むなり、肌にぬるなり、湿布するなりするといいでしょう。 ただし外用につかうと当然臭いますから、やはり外出は控えたほうが無難ですけどね。

●さて、本題です。
  いずれも、エイズをめぐる最新動向の、断片的な記事ですが、冷静に眺めていくと、いろいろと不穏な側面が見えてきます。
  エイズの病原ウイルスとされるHIV――ただし「エイズ=HIV単一病原説」には科学的に見て疑問が多い――やその他もろもろの新顔のウイルスをどう捉えるかについては、『突発出現ウイルス』をぜひとも読んでいただきたいと思います。 「突発出現ウイルス」は「emerging virus」の訳語ですが、そもそも「emerging virus」――日本では「エマージングウイルス」というワケのわかんない音訳がまかり通っている――という言葉なり概念は、ロックフェラー大学の学者たちが発明したものです。 石油王ロックフェラーは、ロックフェラー研究所とシカゴ大学を創設しました。 前者は野口英世を迎えたことで有名ですが、これが医学とバイテク研究のメッカであるロックフェラー大学へと発展しました。 後者はいわゆる「金融工学」発祥の地として有名ですよね。 現在のヘッジ・ファンディングの手法は、いわばロックフェラーの遺産です。 『突発出現ウイルス』は米国のエスタブリッシュメントが、新型ウイルスをどう捉えるかが窺[うかが]える、きわめて興味深い資料です。 実際には、ウイルスのゲノムのどこをどういじれば大量殺戮ウイルスが作製できるか、すでに概略は判明しているわけですが、この20年ほどの間に続々と出現し続けている各種の突発出現ウイルスの強引に自然発生説で片づけようとしている姿勢は、笑止千万なものです。 同書には米軍の生物兵器関係者の(疫病対策についての)発言も収録されています。 ロックフェラー財団を賞賛する言葉があちこちに出てくるのも見物です。 それから、ジョージ・ブッシュその他のCIA管理者たちの草刈り場であり、知る人ぞしる秘密結社「骸骨団」(Scull & Bones)を有するイェール大学と、ロックフェラーがどのような関係を持ってきたかは、調べてないのでわからないのですが、この大学にはロックフェラー財団の支援による熱病ウイルスの全世界コレクションと研究施設があり、数年前には南米産の新型出血熱ウイルスが漏出して大騒ぎになりました。 もちろんそうした不祥事については言及されてませんが、イェール大学の関与も、『突発出現ウイルス』に書かれています。
  エイズがHIVで起きているのかどうかは、今もって――というか今やますますもって――大きな疑問だというのが、正確なところです。 かつてはHIVがエイズのあらゆる症状をもたらす、みたいな宣伝がさかんでした。 「カポジ肉腫もHIVのせいだ」というのがテーセツ【笑】でしたが、これはすでに新型のヘルペスウイルスで誘発されることが判明しています。 HIVが免疫細胞や神経細胞に感染するのは確かでしょう。 しかしだからといって、それだけで免疫不全やや痴呆症にまで進行するのかは、いまだ疑問です。 米国(の国立癌研究所のロバート・ギャロ)よりも先にエイズ患者から「病原体らしいウイルス」(HIV)を発見していたパスツール研究所のリュク・モンタニエは、HIVが他の病原体(マイコプラズマ)と協働して症状を発現させるという「多因子説」を説いており、これが一因となってか、パス研を追われました。 (どうやらHIVを唯一の“悪魔”扱いにするのが好都合らしいのです。)
  すでに米国では80年代の終わりに「エイズによる死亡者の8割はHIVのせいでなく栄養失調が原因だ」というショッキングな研究成果が現われており、これをきっかけにエイズ患者のケアが、猛毒医薬品だけに依存した危険なものから、栄養療法も含めて生活全体・心身の健康を確保するというホリスティックなものへと――病院の正規の医療もですよ!――根本的な転換が実際に進められてきました。  私が訳した『エイズ栄養療法』の原書は、そうした流れを作った革命的な本の一つです。 結局、エイズの実体は免疫不全なわけで――臓器移植を成功させるために薬によって人工的に生み出している「免疫抑制」も実はエイズと似た免疫不全に他ならないのですが――清潔な環境と栄養補給で感染症を抑止すれば、「死病」などと言えるものではないのです。 
  ただし、栄養と衛生が絶望的に不備の環境では「免疫不全」は「死病」になります。 その免疫不全を起こすには、免疫系に感染する病原体でなくとも、栄養失調や有毒化学物質や放射能でもOKなわけですが……。
  その意味で、「免疫不全」を起こす病原体なり病原物質は、「人種兵器」になりうるでしょう。 南アではアパルトヘイト時代に「人種兵器」を開発していたことが、最近暴露されました。狭い意味での「人種兵器」は、自然人類学的な「人種的形質差」を利用して、特定の人種の形質的“弱点”を狙った病気を仕掛けるという兵器です。 英国医師会は、バイテクを使った「人種兵器」の開発を憂慮する声明を最近発表しましたが、80年代に米国で出版された『Gene Wars』というバイオ生物兵器の脅威を警告する本には、「アジア人向けの人種兵器」の例として、「乳糖不耐症」(lactose intolerance)の誘発が記されていました。 「乳糖不耐症」とは、すでに皆さんご存じの――雪印幹部の“人種差別的(?)”失言で有名になった――「乳製品を摂取すると下痢する傾向」のことです。  ついでだからステッドマン英和医学辞典では、「乳糖を含む食物――例えばミルクやアイスクリーム――を摂取するとけいれん性の下痢や腹痛が起こるのを特徴とする疾患で、小腸ラクターゼ――ラクターゼとは「乳糖分解酵素」のこと――の欠損によって起こり、乳幼児期にはミルクに耐性があった成人に初発することもある」病気だと解説されています。
  病気や、病気の罹[かか]りやすさが、人種によって違う場合があることは事実です。 ついでに言うと、酒の強さにも――大雑把に比較すれば――“人種差”があります。 アルコールの分解によって生じるアセトアルデヒドは有害物質で、これが悪酔いを引き起こしているのですが、遺伝的に白人はアセトアルデヒドの分解酵素が多く、黄色人種は欠損傾向があるのだそうです。 それゆえアジア人は白人に比べて概して酒が弱い、ということなのですが、もちろん個人差があります。 この人種差を講釈するひとつの仮説とし ては、「氷河期に白人の先祖は洞穴に住み続け、果実などの稀少な食物は室内保存されたものを食べねばならなかったのだが、そうした状態では食物は発酵しやすい。 発酵した(むろんアルコール発酵も含まれる)食物に耐えられなかった個体は淘汰され、結果的にアルコールに強い子孫が繁栄した」……というシナリオが考えられているようです。 本当のところは、誰にも判らないわけですが。
  しかし、「人種」という言葉は、とても指示内容が広くて曖昧です。 これを文化的な比重が大きい「民族」という意味にまで拡張すれば、生活環境や食習慣の違いを狙った「人種兵器」を作ることは比較的簡単でしょう。 アフリカのエイズによるジェノサイド状況は、そうした意味での「人種兵器」と言えるのではないか、と思えてきます。  アフリカにだって、南アのように白人移民の子孫も住んでいるし、先進諸国の人々も沢山住んでいるが、黒人と異質の生活習慣や衛生水準のなかで暮らしていれば、「黒人だけを襲う病気」にかからずに済む……。 アフリカの黒人にとってエイズが「死病」なのは、HIVの特性よりも、黒人をとりまく環境が、免疫不全を招きやすく、ひとたび免疫不全になったら感染症で命を落とす、という状況が依然として続いているからで、栄養状態や都市の衛生状況からこれは明らかだ。
  ……民族性というか、社会制度上の“弱点”を利用して病気を蔓延させるという形の“見えざる戦争手段”を「人種兵器」と呼びうるのならば、厚生省というカルト官庁が性懲りもなく繰り返している薬害蔓延や、今回の雪印の食中毒大規模蔓延なども、一種の「人種兵器」だと言えないこともない。 兵器を仕掛けたのは厚生省なり雪印だということになるわけですけどね……。  (それにしても雪印の大規模食中毒は、日米財界人会議やサミット開催との絶妙のタイミングのなかで起きたんで、なんだか乳製品輸入促進のために仕掛けられた陰謀みたいですね。 結果的には、もしも雪印が倒産すれば、酪農農家から牛乳販売店まで、国内の――民族系の――酪農関連の産業インフラは死活的なダメージを受けることになるでしょうから、外国産乳製品への“門戸開放”――この言葉だって元来は百年前にワシントンで作られたものですよね――にとって、これほど好都合なことはないわけで……。  だが、今回の雪印事件が政治的に利用されるとしても、利用されるようなスキを抱えながら漫然と商売をしていた雪印が阿呆だったことは、いうまでもないのですけどね。)

●以下は、WIRED NEWSが報じたエイズの最新情報です。 それぞれ、「第三世界の間引き用の人種兵器」という仮説に沿って読むと、興味深い側面が見えてくると思います.


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その1.エイズでアフリカの平均寿命が急落 
 
注目点: どうしてアフリカで疫学的ジェノサイド(大量殺戮)が
        起きているのか?
      エイズの本質は「免疫不全」だが、「免疫不全」患者を
        殺しているのは、栄養と衛生環境の不備である。
      米国を筆頭とする経済先進国は危険な抗ウイルス剤の
        使用をアフリカに押しつけようとしているが、
        これは医薬による“ホロコースト”の制度化と
        見ることも可能だろう。


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●●エイズでアフリカの平均寿命が急落
              ロイター
      http://www.hotwired.co.jp/news/news/20000711205.html

2000年7月10日 1:35pm PDT  南アフリカ共和国、ダーバン発――エイズ(AIDS)の流行がかつてないほど深刻化している。もっとも状況のひどい国では、人口減少すら引き起こしているほどだ――米政府は10日(現地時間)、このように発表した。

 米国の国勢調査局と国際開発庁(USAID; http://www.usaid.gov/ )は、『第13回国際エイズ会議』(http://196.33.164.114/ )において、かつてないほど厳しい数字を報告した。地域によっては平均寿命が30歳を割り込むほどだという。

 両機関は、同会議の記者会見において、エイズは、最も悲観的な予測をも上回るスピードで広まっていると述べた。

 「エイズが、都市部から農村地帯へ広まることに対するわれわれの見通しは甘かった」と、USAIDのポール・ディレー博士は語った。

 「とりわけ見通しが甘かったのは、蔓延の深刻さだ。誰も予測していなかった……感染者率が30%を超える国が出てこようとは」と同博士は付け加えた。

 この会議は2年に1度開かれているが、アフリカで行なわれるのは今回が初めて。問題の深刻さを、アフリカ、ことに世界でもっともエイズが流行しているアフリカ南部の人々に知らせたいという主催者側の意図によるものだ。

 アフリカ大陸でエイズウイルスに感染している3400万人以上のうち、2450万人はサハラ砂漠以南の地域に住む人々だ。エイズはアフリカの死亡原因の第1位、世界全体でも4番目だとUSAIDは述べている。

 USAIDによれば、サハラ以南に住む全成人の8.6%以上がHIV陽性だという(米国では0.6%)。現在、HIV陽性の人の割合が20%もしくはそれ以上と見られる国は、ボツワナ共和国、レソト王国、ナミビア共和国、南アフリカ共和国、スワジランド王国、ザンビア共和国、ジンバブエ共和国の計7ヵ国。

 国勢調査局( http://www.census.gov/ )のカレン・スタネッキ氏は、このことは人口に多大な影響をおよぼしていると述べた。エイズの犠牲者には幼い子供や若者が多いためだ。

 「2003年までに、ボツワナ、南アフリカ、ジンバブエの3ヵ国では人口増加率がマイナスに転じるだろう」とスタネッキ氏。

 この3ヵ国の人口は今後、年間0.1〜0.3%の割合で減少していくだろうと国勢調査局では予測している。「エイズの影響がなければ、これらの国の人口は年間2%もしくはそれ以上の割合で増加していたはずだ」とスタネッキ氏は述べた。

 専門家は以前から、エイズはアフリカ諸国の平均寿命の伸びる余地をことごとく奪っていると指摘しているが、今回USAIDと国勢調査局が発表した調査報告では、さらに深刻な数字が明らかになった。

 「ボツワナは、史上最大級の爆発的な流行に見舞われている」とスタネッキ氏は言う。

 報告によれば、ボツワナの人々の現在の平均寿命は39歳だという。このままいくと201 0年までに、ボツワナ、ナミビア、スワジランド、ジンバブエを含む多くのアフリカ南部の国々で、平均寿命は30歳近くまで落ち込むものと見られる。

 エイズによる死亡率は、ラテンアメリカ、カリブ海地域、アジアの諸国でも平均寿命を下げ続けているとUSAIDはつけ加えた。

 同報告はまた、若い女性が異性との性交渉によって感染するケースがもっとも多いとする先の調査結果をあらためて確認した。

 一方、南アフリカ共和国のタボ・ムベキ大統領は10日、新たな批判の矢面に立たされた。同大統領がエイズの原因を巡る有害な論争に終止符を打つことを避けたため、エイズ対策活動家らが非難の声を上げたのだ。

 ムベキ大統領は以前にも、エイズの原因はHIVウイルスではないと主張する、いわゆる『エイズ異論派』を支持するかのような態度をとって、エイズ活動家や医療専門家の怒りを買ったが、9日に行なった会議のオープニング・スピーチによって再び非難の集中砲火を浴びることとなった。

 昨年ネルソン・マンデラ前大統領の後を継いだムベキ大統領だが、スピーチでは、人々の期待に反し、HIVウイルスがエイズの発症原因であると大統領が考えていることを示すような発言は聞かれなかった。

 ムベキ大統領はまた、妊娠女性やレイプ被害者に対する国家の公衆衛生システムに、エイズ治療薬である抗レトロウイルス剤『AZT』(アジドチミジン)を導入することを、予算不足を理由に見送ったことでも論争を呼んでいるが、この決定についてもやはり何ら直接的な言及はなかった。

 ムベキ大統領は逆に、彼がいわゆる『異論派』を同政権のエイズ諮問委員会に加えたことについて、そのような権限が許されてよいのかと疑問を呈した人々への批判を展開し、話の焦点をエイズがアフリカ大陸の貧困問題にもたらす壊滅的な影響にあてた。

 同大統領は、政府はHIV対策に取り組むと繰り返し述べた。南アフリカでは、現在すでに420万人がHIVに感染し、10年後には感染者総数が800万人近くにのぼると見られている。

[日本語版:高橋朋子/合原弘子]

日本語版関連記事

・遺伝子工学利用の新薬でエイズと血友病に新たな希望
   http://www.hotwired.co.jp/news/news/Technology/story/20000607306.html

・免疫効果を高める遺伝子入りエイズワクチン
        (以下に紹介)
・スパコンでエイズウイルスの発生時期を推定
        (以下に紹介)

WIRED NEWS原文(English)
   http://www.wired.com/news/politics/0,1283,37488,00.html

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その2.免疫効果を高める遺伝子入りエイズワクチン

注目点: ヒトの蛋白質を化学的に若干改変して
        体内に投与すると、免疫系はそれを異物と認識して
        投与蛋白質を攻撃しはじめる。
      自分の生体組織の蛋白質を自分の免疫系が攻撃する
        のが「自己免疫疾患」であるが、昨今の「難病」の
        多くは、こうした自己免疫疾患に他ならない。
      エイズは免疫細胞が破壊されて「免疫不全」になる病気だが
        その「ワクチン」に人体由来の成分を加えれば、
        免疫系は、これと似た人体の構成要素を攻撃するように
        なる恐れがある。 
      自己免疫疾患のなかには、免疫系が自分のDNAを
        破壊する病気もあるので、「免疫系遺伝子を加えた
        エイズワクチン」が、期せずして「免疫系遺伝子を
        破壊する自己免疫疾患」を誘発する可能性もある。

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●●免疫効果を高める遺伝子入りエイズワクチン
        ロイター
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/Technology/story/20000414306.html


2000年4月13日 9:00am PDT  エイズワクチンに免疫系遺伝子を加えることによって、ワクチンがより良く働くようになるという研究が発表された。エイズの蔓延を抑える第一歩になるかもしれないという。

 発表を行なった研究者たちは、完全にHIVウイルスから身を守るワクチンを開発できるのはまだまだ先のことだと話している。だがもしウイルスに感染したとしても、この治療法が患者の健康を維持し、他人にウイルスをうつしにくくする助けにはなると考えている。

 「この方法は、感染者のクオリティ・オブ・ライフや寿命に劇的な影響を与えることになるだろう。そして病気の感染も大きく抑えるかもしれない」と、ボストンのベス・イスラエル・ディーコネス病院およびハーバード大学医学部のエイズワクチン専門家、ノーマン・レトビン氏は語った。

 レトビン氏およびハーバード大学、デューク大学、マーク調査研究所、そしてメリーランド州ロックビルにあるヘンリー・ジャクソン財団の研究チームは、DNAワクチンと呼ばれるタイプのワクチンの働きを高める方法を研究していた。

 病気の感染を防ぐために免疫力を高める方法はいくつかある。たとえばポリオワクチンの場合、殺したウイルスを丸ごと使う方法もあれば、毒性を弱めた生きたウイルスを使う方法もある。

 HIVの場合、生きたウイルスを使うのはあまりに危険だ。HIVウイルスは体内で自らを復元できるようなのだ。しかし死んだHIVウイルスを使うとあまりうまく働かない。そこで多くの研究者たちは、HIVの遺伝物質のカギとなる一部分を使う研究を進めている。

 だが、レトビン氏のチームが『米国科学アカデミー紀要』の最新号に報告しているとおり、この方法も充分ではないかもしれないという研究がいくつか出されている。そこで、レトビン氏らは、天然の免疫系を構成する物質を加えて、効果を高めることにした。ウイルスと戦う免疫系細胞の補充を強化できる物質だ。

 「われわれは、免疫反応を高める能力をもつ天然のタンパク質を加えることにした」というレトビン氏らが試してみたのは、インターロイキン2(IL-2)。これはサイトカイン(免疫系に信号を出す化学物質)の一種で、キラーT細胞(CD8細胞)を呼びだすのに働く。

 HIVウイルスから免疫系が認識できるDN A断片を取り出して使ったDNAワクチンはすでに存在する。そこでレトビン氏のチームは、16匹のサルを使い、偽の注射をする対照群と、HIV DNAワクチンのみを注射する群、HIV DNAワクチンとIL-2タンパク質を注射する群、HIV DNAワクチンと、IL-2の生産暗号を持つ人工遺伝子を注射する群に分けて試験を行なった。

 ワクチンプラスIL-2遺伝子――『プラスミド』と呼ばれる形に作られている――を打たれたサルには、DNAワクチンだけを打たれたサルの30倍の抗体反応が見られたと、レトビン氏らは報告している。

 「(IL-2を)遺伝子の形で与えると、タンパク質のまま与えるよりさらに良い結果が得られる。これには驚いた」とレトビン氏。

 免疫系の抗体は侵入者に印を付け、他の細胞にそれを殺させる。だが時には抗体反応が充分でないときもある。たとえばHIVの場合がそうだ。

 だがDNAワクチンとIL-2遺伝子の組み合わせは、免疫系の他の部分からも反応を引き出し、何も加えないワクチンよりも5倍多いCD8キラーT細胞を生みだした。

 レトビン氏の研究チームは現在、この方法によってサルの実際の感染をより良く防げるかどうかについて、報告をまとめている。

 このようなワクチンはエイズを治療することはできないだろうが、実際に感染してしまった人がこれまでより軽い症状ですむようにすることはできるかもしれない、とレトビン氏は話す。「もし、効果的なワクチンとは何かという定義を変えられるなら、われわれはもうそれを手に入れているのかもしれない」

 HIVに感染している人の95%は発展途上国に住み、豊かな国の多くの患者の健康と命を保っているような薬を手に入れることは決してないだろうと、レトビン氏は指摘した。だが、ワクチンならもっと簡単に手に入ると、同氏は考えている。

 「世界には65億の人々に予防接種を受けさせるだけの余力がある」とレトビン氏。「そして、そうしようという政治的な意志が世界にはあると思う」


[日本語版:大津哲子/岩坂 彰]

日本語版関連記事

・ガンの原因は遺伝子の突然変異ばかりではない
      http://www.hotwired.co.jp/news/news/Technology/story/3916.html

・遺伝子治療臨床試験で血友病患者に朗報
     http://www.hotwired.co.jp/news/news/Technology/story/3813.html


WIRED NEWS原文(English)
    http://www.wired.com/news/technology/0,1282,35651,00.html

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その3.スパコンでエイズウイルスの発生時期を推定

注目点: HIVのゲノムの分析と発生学的系統樹づくりには
        ロスアラモス国立研究所が一貫して関与してきたが、
        戦略兵器の開発を身上としてきた同研究所が
        なぜHIVの遺伝学研究に関与しつづけているのか?
      この記事に出てくるエドワード・フーパー氏の
        「ポリオワクチンによるヒト・エイズ発生説」は
        目下英国の科学界で大問題となっており、
        この秋には大論争になる兆しがあるので要注目。
      フーパー氏の指摘が当たっているとすれば 
        アフリカのエイズ禍は、米国のウィスター研が開発し
        WHOがプロモートしたことになる。
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●●スパコンでエイズウイルスの発生時期を推定
          ロイター
    http://www.hotwired.co.jp/news/news/Technology/story/3676.html

2000年2月1日 11:30am PST  世界最強クラスのコンピューターを使用している研究者たちは1日(米国時間)、エイズウイルスの発生時期が1930年頃だったことを突き止めたと語った。

 ニューメキシコにあるロスアラモス国立研究所のベティ・コーバー氏らの研究グループは、コンピューターモデルを使ってエイズウイルス(ヒト免疫不全ウイルス:HIV)に見られる突然変異を計算し、もととなったウイルスがチンパンジーからヒトに感染した時期を推定した。

 『第7回レトロウイルスと日和見感染に関する会議』で、コーバー氏のグループは、「われわれは、HIVのうち最も一般的なHIV-1型がはじめてヒトの体内で発生した時期を1930年頃と推定した」との声明を発表した。

 1930年頃というのは、従来推定されてきた発生期間の幅のなかに収まる。

 「エイズの動物原性感染(動物からヒトへの感染)が起きたと考えられるルートと環境を解明し、そしてHIV-1型が人間の中でいかに急速に進化していったかをさらに解明するために、エイズという病気の始まりを確定することは重要だ」とコーバー氏のグループは述べた。

 これまで世界中で約4000万人が感染しているHIVは、アフリカ中西部で、サルのエイズウイルス(SIV)が、チンパンジーからヒトに感染して発生したと科学者たちは考えている。

 米疾病管理予防センター(CDC)は、この感染はおそらく、1930年代からすでに行なわれていたチンパンジー狩りの間に起こったのではないかと述べている。

 アフリカの一部地域ではしばしばチンパンジー狩りが行なわれる。チンパンジーを殺して解体するとき、ウイルスは血液から容易に広がりうる。

 HIV-2型と呼ばれる、ヒトに感染するHIVの第2のグループもある。これはスーティ・マンガベイという種のサルから発生したと考えられている。

 アラバマ州バーミングハムにあるアラバマ大学のベアトリス・ハーン博士が昨年の同じ会議で語ったところによれば、博士のチームは、マリリンという名の研究用チンパンジーが26歳で死んだ後、このチンパンジーが感染していたウイルスを分析し、チンパンジーからヒトへのウイルスの感染を確認したという。

 最も古いHIVの標本は1959年に、現在のコンゴ民主共和国に居住するバンツー族の成人男性から収集された血液の中に見つかった。

 今年の会議ではイギリスのジャーナリスト、エドワード・フーパー氏の著書に多くの注目が集まった。同氏はこの本の中で、一部のポリオワク チンがチンパンジーの腎臓から作られ、その際にSIVに汚染された可能性があると示唆している。

 このポリオワクチンは米国で試験が行なわれ、1950年代に当時のベルギー領コンゴ(現コンゴ民主共和国)で試験的に数十万人の子どもたちに経口投与された。

 フィラデルフィアのウィスター研究所でポリオワクチンを開発した科学者たちは、ワクチンを製造するのにチンパンジーの腎臓を使ったことを否定している。


[日本語版:酒井成美/岩坂 彰]

日本語版関連記事

・AIDSの謎が解明される
    (以下に紹介)

・IBMが最速スパコン『ブルー・ジーン』を開発
     http://www.hotwired.co.jp/news/news/Technology/story/3445.html

・安くて速い、寄せ集めスーパーコンピューター
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/Technology/story/3405.html

WIRED NEWS原文(English)  
  http://www.wired.com/news/technology/0,1282,34028,00.html

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その4. AIDSの謎が解明される

注目点: 欧米人は「アダムとイヴ」のおとぎ話を
        刷り込まれているせいか、単一のルーツを求めたがるが
        DNA解析による系統図づくりでは、DNAの変質が
        あるので、断定は要注意だ。
         (ちょっと違うけど、分析用試料への混入汚染[コンタミ]
          による、埼玉県のハムの「大腸菌汚染」誤判定も
          これと似た“勇み足”であった。)
      たとえばミトコンドリアDNAの分析から、「人類のルーツは
        アフリカの“イヴ”という女性に行き着く」という断定が出て
        科学風の俗説としてこの話が広まったが、推論の前提
        だった「ミトコンドリアDNAの不変性」神話が実験的研究
        で破綻し、この“イヴ”神話がデマだという疑いが高まって
        いるのが現状だ。
      HIVの発見者を自称するロバート・ギャロは、80年代に、ヒトの
        レトロウイルス第一号として発見された「成人T細胞白血病」
        ウイルス(ATLV)について、このウイルスの感染症が西日本
        に多いという事実を説明する仮説として、「オランダ渡来人
        がペットで連れてきたサルがウイルスを有していたが、その
        サルと獣姦した日本人がいて、その日本人から性交によって
        ATLVが西日本に広まった」というトンデモ理論を開陳した
        ことがあった。 人間だって家系調査はたいへんなのに、
        ウイルス相手に強引にルーツ探しをすると、旧約聖書
        の世界みたいに、ファンタジック【笑】になってしまうのが
        関の山なのです。
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AIDSの謎が解明される
ロイター
    http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/1955.html

1999年2月1日 3:00am PST 研究者たちは1月31日(米国時間)、マリリンという名前のチンパンジーのおかげで、エイズウイルスは最初にチンパンジーから人間にうつされたことが確認ができたと発表した。

 遺伝子の分析によって、HIVウイルスが、チンパンジーが感染するが病気にはならないあるウイルスと密接に関係していることが示されている。アフリカでは人間がチンパンジーを殺して食べることがよく行なわれているのだが、この際に、このウイルスが初めて人間に移ったらしい。

 アラバマ大学のベアトリス・ハーン博士が率いるグループが、マリリンという名前の実験用チンパンジーが26歳で死亡した後に残された、その血液と組織のサンプルを分析していた際に、このことを発見した。

 「マリリンはエイズの研究に使われたことはなかったし、1969年以降に人間の血液を使った製品を摂取したこともない。彼女は1985年、未熟児の双子を出産した後死亡した」とハーン博士は、科学雑誌『ネイチャー』に掲載された報告書の中で書いている。

 HIVの起源については、様々な競合する理論が存在する。なかには、同性愛者の男性が故意に感染させられたのではないかと疑う研究者グループまであるが、ほとんどの科学者は、類人猿かサルから感染したと考えていた。

 人間はHIVに感染する唯一の生物で、HIVとはヒト免疫不全ウイルス(human immunodeficiency virus)の略。

 類人猿やサルは、SIVという、彼ら独特の免疫不全ウイルスに感染する。しかしながら、SIVに感染したチンパンジーは、たった3例しか記録されていなかった。

 ハーン博士のチームはマリリンにこのウイルスを発見し、それを他のSIVウイルスやHIVの複数の系統と比較した。

 ある例では、問題のウイルスはHIVと遺伝子的にそれほど似通っていなかった。しかしこのウイルスは、パン・トログロディテス・シュウェインフルティ(Pan troglodytes schweinfurthii)というチンパンジーの一種から発見されたものだった。

 マリリンもパン・トログロディテスに属していたが、彼女を含むこれらの西アフリカのチンパンジーから採取されたSIV3種は、HIVの3つの種類に酷似していた。

 「これは、かなりの可能性をもった重要な発見だ」と、この研究を資金的に援助した全米アレルギー・伝染病研究所(NIAID)のアンソニー・フォーシ博士は声明の中で述べた。

 「このウイルスは人間と98%の関連性を持つ霊長類に感染する。霊長類学者との協力のもとに、この絶滅の危機に瀕した種を保護しつつ、慎重に研究を行なえば、チンパンジーが発病しない理由を解明するために、ウイルスに感染した野性のチンパンジーを研究できるかも知れない。この情報は、人間をエイズの発症から守るために有益となる可能性がある」とフォーシ博士は述べた。

 多くのウイル スは動物に由来している。例えば、インフルエンザはアヒルやブタから来る。ウイルスは病原体保有者を発病させないことがしばしばある。そのウイルスが人間など他の種にうつって発病するには、発病に結びつく遺伝子の変化が生じたはずだ。

 ハーン博士のチームは、特に『SIVcpz』と呼ばれるチンパンジーのSIVの一種に、そのような遺伝子の変化が生じた証拠を発見した。

 ハーン博士は、チームの研究で、問題のチンパンジーのSIVが遺伝子を頻繁に入れ換えているという、かなり確実性のある証拠も発見できたと述べている。このことは、ウイルスがかなり広まっている場合にのみ生じる現象だ。

 「捕獲されたチンパンジーではSIVcpz感染があまり観察されないのは、彼らが檻の中で生まれたか、もしくは、成長してSIVcpzに感染する危険が高まる前である、子供のころに捕獲されたから、という平凡な説明ができる」とハーン博士のチームは書いている。

 昨年には、知られている限り最初のエイズの症例が確認されたという発表があった。ベルギー領コンゴ(現コンゴ民主共和国)で1959年に死亡したバンツー族の男性の症例だ。

 同地域はまさに、問題のチンパンジーの種類が生息している場所だ。

 このウイルスは、感染している類人猿かサルの肉を介して人間に広まったと多くの科学者が考えている。アフリカには、人々がしばしばチンパンジーを狩猟し殺している地域があり、と殺の際に血液からウイルスが簡単に伝染する可能性がある。


WIRED NEWS原文(English)
    http://www.wired.com/news/news/technology/story/17643.html



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