米国でインターネット選挙の危険性に警告がでた

 
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投稿者 佐藤雅彦 日時 2000 年 7 月 13 日 21:25:43:

   インターネット選挙は民主主義を自殺に導くか

●韓国で流行した“サイバー・オストラシズム”――パソコンで行なう追放投票――を真似て、日本でも今回の選挙では、選挙運動にパソコンを使う試みが登場しましたが、韓国や日本で行なわれたような人気投票の次元にとどまらず、米国では大統領予備選挙で正式にインターネット投票を採用する州が現われました。 
●大統領などの予備選挙は、各政党――米国では事実上共和党と民主党の二大政党といってもよいわけだが――ごとに行なうもので、秋の本選挙に向けて候補者を絞り込むための、文字どおりの予備選考にすぎません。 しかしそこでの得票に勢いがあればメディアが勝ち馬に乗って煽るので、結果的に公的選挙の結果を決めていくことにもなり、一政党内の私事だと済ませるわけには到底いかないのです。
●アリゾナ州の民主党は若者の政治的関心を煽るために、名も知らぬ一民間企業に、インターネット投票の事務作業いっさいを任せ、それなりの成果があったと浮かれる始末。 しかし、この企業は監査を拒否している様子で、たとえば特定候補者からの依頼や圧力で得票操作をしても公的には分からないわけなので、八百長選挙が容易に行なえてしまう。 とっても危険なわけです。
●「IT」って俗語では「オ××コ」をさす言葉なんだけど、そういうものにうつつを抜かして「国民にパソコンをひとり一台配ります」とか公約しているようなバカ政党ばかりなんだから――モデルチェンジごとに配布すんのかよ(でもどこのメーカーのを?)――次の選挙あたりから米国の猿真似を試みるところが出て来るかも知れませんな。 アリゾナ州の予備選でさえ、アクセスが集中して一時的に機能麻痺に陥ったそうだから、ハッカーなんぞには、さぞや楽しい“遊び場”を提供することになると思うけどね。
●米国の選挙がらみの陰謀話としては、1960年の大統領選(本選)で民主党ジョン・F・ケネディが共和党のニクソンを僅差で打ち負かしたときに、民主党の“集票マシーン”――組織票を固めている(日本で言う)選挙後援会のこと――が隠然と支配していたシカゴで、有権者登録を上回る“謎の投票”がケネディを支えていたという有名なスキャンダルがあるけれども、そうした明白な事実とは別に、真偽の怪しい八百長選挙の告発本としては『VOTE SCAM』(得票詐欺)という隠れた名作(?)があります。 これはジャーナリストの兄弟が米国でシステマティックに行なわれてきたという不正選挙の実態を追いかけた一読の価値があるルポです。 米国の選挙は有権者が投票ボックスに入って投票レジスターに登録し、開票段階でその登録データを集計するという手続きがとられるのですが、同書によれば、投票レジスターの製造段階で機械に細工が加えられていて、選挙の際には密かにそれを利用して、あらかじめ大統領などになるべき人物が、つつがなく大統領に決まるという告発が行なわれています。 じゃあ誰が、全米の投票結果を操作しているのか? 同書にそこまで書いていたかどうかは忘れましたが――なにせもう十年近く前に読んで某出版社に貸したまま度重ねて返本催促をしたのに返ってきていないので――CFR(外交問題評議会)のような“NGO”なら(いや、すでにCFRは「SGO[Super Governmental Organization]と呼んでいい)――そういう陰謀も可能かも知れない……。
●以下は、WIRED NEWSが報じたインターネット選挙についての主要記事の数々。


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●●「オンライン投票は危険」との報告書
        Lynn Burke
    http://www.hotwired.co.jp/news/news/20000713204.html

2000年7月11日 12:35am PDT  「遠隔投票は危険だ」――バージニア州アーリントンに本拠を置く無党派の団体『誠実な選挙プロジェクト』(VIP: http://www.voting-integrity.org/ )が発表した最新報告にはこう書かれている。同団体は、3月に行なわれたアリゾナ州民主党( http://www.azdem.org/ )のインターネットを使った予備選挙を公然と非難した。

 「……敵対的な政府の支援を受けた政治的な動機を持つ外資系企業が、拘束力のある公的選挙を管理する立場に立つことも大いに考えられる」と報告には書かれている。

 この報告は、VIPのデボラ・フィリップス会長とカリフォルニア州州務長官のインターネット投票諮問委員会( http://www.ss.ca.gov/executive/ivote/ )のデビッド・ジェファーソン委員長の2人が作成したもの。ここでは、コンピューターを置いた投票所でのインターネット投票と、遠隔地からのインターネット投票とが区別されている。

 投票所でのインターネット利用の場合、郡もしくは州当局が投票の全過程を監視し、有権者は安全なコンピューターで投票する。一方、遠隔投票では、有権者はインターネット接続が可能ならどんなコンピューターからでも投票できる。

 報告書は、拘束力のない投票所でのインターネット投票については暫定的に認めているものの、遠隔インターネット投票については根本的に危険だとしてきっぱりと否定している。

 安全でないコンピューターから投票することについては、サービス拒否攻撃に対する不安というわかりやすいものから、敵対的な外国政府によって密かに選挙を乗っ取られるのではないかという複雑な危惧にいたるまで、さまざまな懸念がある。

 これまでのところ、アリゾナ州のオンライン選挙を運営した米エレクション・コム社を、州と共謀して不正を働いたと非難する人はいない。

 だが、同社のセキュリティーに関する秘密主義を非難するとともに、公正な選挙には独立した機関による評価が必要だと言う人もいる。エレクション・コム社はそのような評価を受けることに同意していない。

 同社は、セキュリティーに関する問題はまったく起こらなかったのだから選挙は成功であり、さらなる調査は必要ないと反論している。

 「われわれは、アリゾナ州の選挙で非常に困難な仕事を成し遂げた。実際に選挙を行なえたこと、そしてセキュリティー問題が起きなかったことがそれを証明している」とエレクション・コム社のメル・シュリーバーグ社長は語った。

 だが、この回答は、VIPの報告書に書かれている「もし、こういうことが起きたら」といういくつものシナリオに答えるものではない。

 「われわれはこうした非常に重大なセキュリティー問題を 不問にしたくはない」とフィリップス会長は述べている。ちなみに、フィリップス会長はインターネット選挙に反対ではないと主張している。「(インターネット選挙の)潜在的なメリットのためだけに、企業に苦労なしに儲けさせることはできない」


[日本語版:矢倉美登里/柳沢圭子]

日本語版関連記事

・アリゾナ州大統領予備選の勝者は「オンライン投票」
      (以下に紹介)

・大成功のアリゾナ州オンライン投票
      (以下に紹介)

・実現に近づくオンライン選挙
      (以下に紹介)

WIRED NEWS原文(English)
       ttp://www.wired.com/news/politics/0,1283,37504,00.html

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●●アリゾナ州大統領予備選の勝者は「オンライン投票」
        Lynn Burke
    http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/3863.html

2000年3月12日 12:00pm PST  アリゾナ州スコッツデール発――アリゾナ州の民主党員は11日夜(米国時間)、同州の大統領予備選挙の打ち上げパーティーを行なったが、このパーティーでは、大勝したアル・ゴア候補はほとんど脇役のようなものだった。

 パーティーの主役は、米エレクション・コム社( http://www.election.com/ )という新進の会社だった。先週まではほとんど無名に近かった同社は、米国で初めて行なわれた公式なインターネット投票の舞台を整えたことで、アリゾナ州のみならず米国中の有権者の記憶に刻まれることになった。

 同社のジョー・モヘン最高経営責任者(CEO)が壇上に上がると、会場からどよめきと歓声が湧き起こった。知らない人はモヘンCEOを政治家と勘違いしたかもしれない。

 「アリゾナ州の人々に感謝したい」。モヘンCEOは、赤、白、青の風船が飾り付けられた演壇から、大声で挨拶した。

 「インターネット投票の結果は明白だ。これはアリゾナ州民に支持されている」

 事実、同州の投票者の多くが、インターネット投票が本当に気に入ったようだった。7万7000を少し上回る投票数のうち、インターネットで投票した人は7万1952人にも達した。

 先週、ビル・ブラッドリー候補が大統領選から離脱したために、有権者は基本的にゴア候補に票を投じるより他はなくなった。アリゾナ州での選挙も、この先の民主党の予備選挙も、無意味になったわけだ。しかしそんなことは意に介さず、彼らはともかく投票したのだ。

 「選挙が簡単でてっとり早く、しかも楽しければ、人々は投票するのだ」とアリゾナ州民主党(( http://www.azdem.org/ )トップのマーク・フライシャー氏は語った。

 その通りかもしれない。インターネットに関する調査を行なっている米フォレスター社( http://www.forrester.com/ )によれば、米国では、今後4年間のうちに州や地方レベルでより多くのインターネット投票が試みられることになるという。しかし、電子投票が全米規模で実施されるまでにはまだ時間がかかる見込みで、少なくともあと2回の大統領選挙は、現行の投票方法によるものだろうとのことだ。

 全米で電子投票が実施されるようになれば、アリゾナは「電子投票を最初に導入した州」だと誇れるようになるだろう。

 「歴史において人々の記憶にとどめられる瞬間がいくつかある」とフライシャー氏は語った。「例えば、婦人参政権が確立されたとき、35年前に人頭税が廃止されたとき、そして初めてのインターネット選挙が実施された2000年3月11日だ」


[日本語版:多々良和臣/岩坂 彰]

日本語版関連記事

 ・大成功のアリゾナ州オンライン投票
      (以下に紹介)

 ・実現に近づくオンライン選挙
      (以下に紹介)

WIRED NEWS原文(English)
  http://www.wired.com/news/politics/0,1283,34911,00.html


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●●大成功のアリゾナ州オンライン投票
           Lynn Burke
     http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/3839.html

2000年3月8日 12:30pm PST  アリゾナ州で試験的に実施されているオンライン投票は、滑り出しはスムーズだったものの、ここへきてトラブルが出はじめている。

 問題が発生し始めたのは7日(米国時間)遅く。同州の民主党予備選挙のオンライン投票をホストしている民間企業、米エレクション・コム社( http://www.election.com/ )のサイトにログオンして投票を行なおうとする人々が増えてきたときに起こった。

 サイトの読み込みに時間がかかりすぎて「タイムアウト」となってしまうケースもあった。そこで、しびれを切らした投票者たちが、トラブル時用の問い合わせ番号に電話してみると、話し中でつながらない。

 民主党によれば、この問題はサーバーの過負荷が原因で、現在は修復されているという。こうしたトラブルにもかかわらず、記録的な数の人々がオンライン投票を行なっている。8日の正午時点で、80万人を超すアリゾナ州の民主党員のうち、1万7947人がオンラインで投票を済ませている。試験的に実施されているこの投票方法では、11日の予備選挙日より前に投票を済ませることができる。

 「すべては完璧にうまく行っている。われわれは非常にわくわくしている」と、エレクション・コム社の広報担当、ビル・テイラー氏は語る。

 テイラー氏がそう言うのには、もっともな理由がある――今回のオンライン投票による投票者数は、1996年の民主党予備選挙における総投票者数1万2800人を早くも上回っているのだ。

 「1996年の数字は、最終的な結果だ。こちらの数字はまだ始まったばかりの遠隔投票のみのものだ。党員たちは大挙して押し寄せてきている」とテイラー氏。

 ビル・ブラッドリー候補の敗退が明らかとなった今となっては、この予備選挙の結果は ほとんど意味を持たない。それでも、アリゾナ州におけるオンライン投票の盛り上がりは、この投票方法の採用を検討している他州の関心を集めている。

 「この件に関しては、私のデスクの上に、新聞記事の切り抜きがいくつか置いてある」と、アイオワ州のチェット・カルバー州務長官( http://www.sos.state.ia.us/ )は語る。「私はつぶさに成り行きを見守っている。国中の他の選挙担当者たちもきっと同じだろう」

 カルバー長官自身、拘束力のない試験的インターネット投票をアイオワ州ですでに2度行なっており、いつかはオンライン投票を、新たな選択肢として同州の投票者に提供したいと考えている。

 カルバー長官は、アリゾナ州の今回の試みを、大胆にして必然的なものだと評する。

 「誰かがインターネット投票を試してみて、国全体で実行が可能かどうかを確かめてみなければならない」

 「これは、正しい方向への一歩だ」とカルバー長官は語った。


[日本語版:高橋朋子/合原弘子]

日本語版関連記事

・大学生、米大統領選のウェブ選挙運動で活躍
     (URL省略。興味がある人は自分でアクセスしてね、)

・実現に近づくオンライン選挙
    (以下に紹介。上下2回シリーズ))

WIRED NEWS原文(English)
    http://www.wired.com/news/politics/0,1283,34830,00.html


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●●実現に近づくオンライン選挙(上)
       Lindsey Arent
    http://www.hotwired.co.jp/news/news/Culture/story/3480.html

1999年12月9日 3:00am PST  マウスのクリックで投票する選挙。それは君が思っているより早く実現するかもしれない。

 投票率を高めるだろうという期待によって、アラスカ州からフロリダ州にいたるまでのいくつかの州で、インターネット投票への関心が急速に高まっている。

 アリゾナ州民主党( http://www.azdem.org/ )は最近、3月11日(米国時間)の予備選挙で、従来の紙による投票と並んで、オンライン投票を選べるようにする計画を発表した。

 有権者は、あらかじめ登録しておけば、暗号化されたパスワードを使って、自宅または投票所のパソコンから投票を行なうことができるのだ。

 「これによって、若者や年配の有権者をわが党に引き入れ、また、よりたくさんの人々を初めてオンラインに乗せることになるだろう」とアリゾナ州民主党の政治部門責任者、コートランド・コールマン氏は言う。「オンライン投票の実施は、投票率を高め、政治参加を進め、より多くの人々が民主的プロセスに加わるのを助長するだろう」

 アラスカ州共和党は、1月24日の大統領予備選挙のために、オンライン非公式世論調査を行なうかどうか検討している。人口がまばらに散らばっている同州では、長年にわたりより簡単な投票方法を探していたと米ボートヒア・ネット社(本社ワシントン州カークラン; http://www.votehere.net/ )のウェンディー・アビール氏は言う。同社は、これまで数箇所でオンライン選挙テストを行なっている。

 「アラスカ州は、テキサス州ほどの広さを持つ。3000人の共和党員がいるが、道路がない」とアビール氏は言う。「これで、遠隔地に住む有権者も投票サイトで投票できるのだ」

 カリフォルニア州では、あるプロジェクトチームが、インターネット投票を漸次採用していくよう推奨する予定だ。

 「インターネットは銀行から病院まで、あらゆる場所で使われている。選挙でも使われてしかるべきだ」とカリフォルニア州民主党顧問のボブ・マルホランド氏は言う。

 フロリダ州、アイオワ州、ワシントン州では、オンライン投票に関するプロジェクトチームが組織され、テストプログラムや、学校での疑似選挙が行なわれてきた。

 米軍までもがこの流れに加わっている。軍では、2000年11月の大統領選で、海外にいる350名の兵士に試験的にオンラインで投票させる予定だ。

 軍関係者はこのテストが、海外在住の米国市民の投票参加につながると期待しているという。「われわれは、より多くの人々が投票するようにしたいのだ」と米国防総省( http://www.defenselink.mil/ )の報道担当、グレン・フラッド氏は言う。「われわれは、現在の投票方法をオンライン投票に替えてしまいたいのではない。(オンライン投票を)実現可能なオプションにしたいのだ」

 確かにいくつか障害はあるとフラッド氏は言う。「適切な設備を準備したり、投票の安全性やプライバシーを必ず保障できるようにするなど」だ。「今回のテストがどうなるのか、注目を集めるだろう」

 しかし、インターネット投票が良いアイディアだと皆が考えているわけではない。
                                      (12/15に続く)

[日本語版:中嶋瑞穂/合原弘子]
日本語版関連記事
・オンライン投票が誕生?
    (以下に紹介)
WIRED NEWS原文(English)
  http://www.wired.com/news/politics/0,1283,32973,00.html


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●●実現に近づくオンライン選挙(下)
            Lindsey Arent
       http://www.hotwired.co.jp/news/news/Culture/story/3488.html

1999年12月9日 3:00am PST  (12/14から続く)

 『誠実な選挙プロジェクト』( http://www.voting-integrity.org/ )のデボラ・フィリップス会長は、オンライン投票を行なうと、現在のインターネット人口の中心である、「平均以上の教育を受け、平均以上の収入を持つ若い白人男性」以外の有権者が投票から除外されてしまう事態が生じるのではないかと危惧している。

 「ネット人口は、アメリカの有権者層を正確には反映してはいない。インターネットを快適に感じるような、ある特定の有権者層の投票だけが増える結果になる可能性がある――これは、投票結果の操作というものだ」

 フィリップス会長は、インターネット投票に関わるセキュリティー侵害の恐れにも懸念を抱いていると言う。「インターネットは安全な環境として設計されたものではない。ネットはグローバルな環境だ。現段階では、(クラッカーからの)力ずくの攻撃から守ることができない。われわれの選挙をめちゃくちゃにするかもしれない相手を世界中に抱えるというリスクを負うことになる」

 一方、インターネット投票の支持者たちは、あらかじめ割り当てられたパスワードと認証確認を用いれば、インターネット投票は紙による投票よりも安全だと反論する。

 ボートヒア・ネット社のマーケティング主任、クリスティー・アドキンソン氏は、同社が最も重要視しているのは、安全性と有権者のプライバシー保護だと述べる。

 「わが社のシステムは、ある人が、本当にその人が名乗っている人なのかどうかを確認するようになっている。今日の多くの投票システムは、簡単にだまされてしまう。自分の身元を偽って、選挙をゆがめてしまうことができるのだ。認証プロセスこそ、わが社が非常に重視しているものだ」

 ボートヒア・ネット社のシステムは、有権者のサインを必要とし、1024ビットの暗号技術を用いてあらゆる通信を保護し、クラッシュを防ぐためのバックアップサーバーを備えている。「われわれはできる限りの安全性を追求している。われわれ自身も投票を解読できないのだ」とアドキンソン氏は付け加えた。

 ウェブ投票が政治に無関心な若い有権者層を惹きつけるという可能性は否定できないものの、多くの有権者団体は立場を留保している。

 カリフォルニア有権者財団( http://www.calvoter.org/ )の創設者で、カリフォルニア州のインターネット投票プロジェクトチーム顧問を務めるキム・アレクサンダー氏は、現在「投票は、投票所というプライバシーの中で、または不在者投票の場合は自宅というプライバシーの中で行なわれている」と述べ、オンライン選挙はそのプライバシーを危険にさらす可能性があると指摘する。

 「インターネット投票は、職場から行なわれるかもしれない。そこでは、コンピューターはかなり公共的なものだ……(他人の)投票を目にする偶然の機会もあるし、意図的に見るチャンスもある。投票が送信されている間に、誰かがそれを見るかもしれない。何らかの原因で投票のコピーが雇用主のサーバーに残るかもしれない。このように、考えなければならないことはいくつもある」

 マルホランド氏のようなオンライン選挙支持派は、選挙プロセスは時間と共に進化していくべきものだと考えている。

 「ビジネスのやり方に関して、社会は根本的に変化した。選挙もそれに追いつかねばならない」と同氏は言う。「人々は自動車や本をウェブで購入しているのだ。投票にもインターネットを使えないはずがない」

 しかしアレクサンダー氏は、何かに決定的な変更が加えられる前には、充分綿密な検討が行なわれることが望ましいと言う。

 「インターネット投票というのは、2、3分考える分には、本当に素晴らしいアイディアのように思えるものだ。しかし、2、2時間考えてみると、それほど素晴らしくは思えなくなってくるのだ」

[日本語版:中嶋瑞穂/岩坂 彰]

日本語版関連記事

・オンライン投票が誕生?
     (以下に紹介)
WIRED NEWS原文(English)
  http://www.wired.com/news/politics/0,1283,32973,00.html

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●●オンライン投票が誕生?
         ワイアード・ニュース・レポート
      http://www.hotwired.co.jp/news/news/Technology/story/1738.html

1998年12月3日 4:50pm PST 米コロラド州に本拠を置くワールドワイド・エレクションズ・システムズ社は3日(米国時間)、パソコンで通信ができる人なら誰でも、インターネット上で全米規模の投票ができるシステムを発表した。

 この『エレクター(Elector)』システムは、電子投票用紙を作成するソフトに、安全な電子投票ができる「投票者用間仕切り」機能を備えさせている。これを開発したワールドワイド・エレクションズ・システムズ社( http://www.internetvoting.com/ )は、このシステムが来年の総選挙で採用されることを期待している。

 『エレクター』システムを使えば、パソコンで通信ができる人なら誰でも、コンピューターから離れることなく投票できる。

 「パソコンを持っていない人に関しても、あらゆる図書館や商店街に設置されたインターネット端末を投票所にすることができる」とワールドワイド・エレクションズ・システムズ社のニール・マクルア社長は声明で述べた。

 マクルア社長は、インターネット投票はコストを節減し、投票率を上昇させると主張する。例えば現在使われている不在者投票の方法は、1票処理するのに5ドル以上かかる。同社は、オンライン投票にすれば間接費をかなり減らせると主張する。

 同社は、2000年に行なわれる次期総選挙の際に『エレクター』が初めて現実の世界で使われることを期待している。同社に取材を申し込んだが、すぐには応じられなかった。

 マインドシェア・インターネット・キャンペーンズ社( http://www.mindshare.net/ )のシャビル・J・サフダー社長は、オンライン投票にはセキュリティの問題があって、ワールドワイド・エレクションズ・システムズ社も今後この障壁に直面することになると指摘する。

 「インターネット・ベースの投票に、誰もが抱いている最大の懸念は安全面についてだ。かってセキュリティの専門家だった経験から、私はこのような懸念がいささかでも軽減されているとは思わない」と、サフダー氏は語った。

 サフダー氏によると、オンライン投票の事例がまだ十分にないため、安全面について起こりうるリスクを確認することさえもできないという。

 ワールドワイド・エレクションズ・システムズ社は、『エレクター』のセキュリティ・アーキテクチャーが、各金融機関が重大な取引で用いるものと同様のものだと発表したが、詳細は公表しなかった。

 同社は、インターネット投票は、現在の投票システムよりも安全に行なえると約束し、現在の投票システムを「時代遅れ」と表現している。

 しかしサフダー氏は、オンライン投票が確立されるかどうかは、選挙方法の改善をめざす民主主義を推進しようとする人々にとって中心的関心事ではない、と指摘した。

 「立候補者を徹底的に調べ、お互いに議論するためにネットを利用する方 がもっと面白い……。電子的に投票するという行動は、ネットの使い方として興味深い実践かもしれないが、最も有益な利用というわけではない」

 「インターネットの民主主義への貢献のうち、オンライン投票は最も興味がそそられないものだろう」と、サフダー氏は語った。


WIRED NEWS原文(English)
       http://www.wired.com/news/news/technology/story/16611.html

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