露朝会談:ミサイル開発断念も 金総書記が露大統領に示唆

 
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投稿者 7/20 日経 日時 2000 年 7 月 20 日 12:59:42:

露朝会談:ミサイル開発断念も 金総書記が露大統領に示唆

 【モスクワ19日石郷岡建】ロシアのプーチン大統領は19日午後、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪問し、金正日(キムジョンイル)労働党総書記と初会談した。ソ連時代を含めロシア最高指導者の北朝鮮訪問は初めてで、ソ連崩壊後、冷却化した両国関係を修復する歴史的な会談となった。プーチン大統領によると、金総書記は条件付きで自国のミサイル開発を断念する用意があることを示唆した。また、両首脳は東アジアの平和と安全の達成と朝鮮半島の平和統一を支持する共同声明に調印した。さらに、米国が進める米本土ミサイル防衛(NMD)構想に一致して反対する姿勢を表明した。

 平壌郊外の順安空港に到着したプーチン大統領は金総書記ら北朝鮮幹部の出迎えを受け、朝鮮人民軍を閲兵した。その後、両首脳は平壌市内の百花園迎賓館での会談に臨んだ。沿道には数十万の市民がロシアと北朝鮮の歌が流れる中、国旗や花を手に詰めかけ熱烈に歓迎した。

 プーチン大統領は故金日成(キムイルソン)主席の遺体が安置されている錦繍山記念宮殿を訪れ、花輪を捧げた。

 両首脳は予定の倍の約2時間2人だけで会談し、さらに拡大会談に入った。

 会談後、プーチン大統領は金総書記が北朝鮮のミサイル開発計画を平和利用目的であると強調、「宇宙平和利用のため北朝鮮にロケット技術を供与する国があるなら、その技術だけを利用する用意がある」と発言したと明らかにし、他国のミサイル技術供与受け入れを条件に自力開発の放棄を示唆したと説明した。

 金総書記の発言の真意は不明だが、プーチン大統領はこの発言をもとに、米政府の北朝鮮への対応の変更を迫るのではないかと観測されている。

 また、大統領は朝鮮半島問題解決のため、ロシアが参加する用意があると述べながらも、「ロシアの力だけでは不十分であり、北朝鮮、韓国、米国、中国、日本の支援が必要だ」と6カ国の交渉の枠組みを提唱した。さらに会談で、大統領は金総書記に対し、都合のいい時期にロシアを訪問するよう招待した。両首脳は経済協力問題でも意見を交換。金総書記が旧ソ連時代の対露債務の一部約30億ドルの帳消しを求めたが、大統領は応じる余裕がないとして拒否したという。

 共同声明では、両国は露朝間の新しい関係の発展をうたい、北東アジア地域の安定と朝鮮半島の平和統一への努力を支持。その一方で、NMDおよびアジア地域の戦域ミサイル防衛(TMD)システムの展開に反対する立場を強く打ち出した。




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