「守旧派」のイジメと「叛乱派」次の爆弾 田中真紀子・石原伸晃vs.森・野中「自民新旧戦争」の全内幕

 
★阿修羅♪

[ フォローアップ ] [ フォローアップを投稿 ] [ ★阿修羅♪ Ψ空耳の丘Ψ8 ] [ FAQ ]

投稿者 7/20 週刊現代Online 日時 2000 年 7 月 20 日 15:57:53:

 政策は官僚まかせ、自分のブレーンも全然いない。勉強会よりも料亭が好き。派閥のバランスを何より優先、国民の声など二の次三の次。順送りで回ってくるポストを口を開けて待っているだけ。自慢できるのは当選回数のみ。そんな守旧派と若手改革派(=叛乱派)の大戦争が始まった。勝敗の行方は――。


世代間の大戦争が勃発した

「われわれはいままで、バラバラに発言してきた。真紀子さんにせよ、石原さん、塩崎さん、河野さんにせよ、一人一人は、これまでも山のように発言してきている。そこで、理念・政策は後回しにしても、一つの固まりになって行動すれば、大きなパワーが発揮できると考えたのです」
 熱を込めて語るのは、「自民党の明日を創る会」世話人の渡辺喜美代議士だ。
 本誌7月15日号で「これはクーデターだッ 野中=森へ叛乱! 自民若手が決死の秘密集会」と題してスクープしたとお
り、自民党若手議員たちがついに決起した。「創る会」の立ち上げには42人の若手議員が名を連ねた。
 中心になっているのは、石原伸晃、田中真紀子、平沢勝栄、
河野太郎、渡辺喜美、山口俊一、塩崎恭久の各代議士ら。いず
れも、歯に衣着せぬ舌鋒で鳴らす論客ぞろいだ。
 これは明らかな世代間戦争だ。森喜朗首相、野中広務幹事長はむろん、YKK(山崎拓元政調会長・加藤紘一元幹事長・小泉純一郎元厚相)、さらに、次代のホープといわれる町村信孝元文相、谷垣禎一前金融再生委員長、額賀福志郎元防衛庁長官らも一気に飛ばして、若手叛乱派が権力を握ろうという革命だ。
 渡辺氏が続ける。
「自民党はこの数年間、改革を続けてきたはずです。選挙制度改革、選挙資金や候補者の選定を政党中心に変えていく改革、そして中央省庁の再編……。しかし、クルマのモデルチェンジをしたはいいが、肝心のエンジンがポンコツのままだ。エンジン、つまり、人材を新しく替えなければならない。
 では、YKKに期待するか。小渕前首相が倒れたとき、加藤さんは見送り三振だった。さらに、ボロ負けの総選挙に対しても、加藤さんは何も言おうとしなかった。これでは頼れない。いっぽう、町村さん、谷垣さん、額賀さんは電気自動車のようなものです。クリーンで排気ガスは出ませんが、パワーがない。これでは改革はできません。だから、われわれが起ち上がったのです」
 この革命が成功すると、当選回数以外に、国会議員としてなんの実績もない森首相をはじめとするベテラン議員たちは一掃される。また、将来の日本について語る構想力もなく、単に権力闘争の技術に優れているだけの野中氏や鈴木宗男総務局長など実務派も、みずからの政治生命を奪われかねない。
「それだけに野中、鈴木宗男らは必死でつぶしにかかっています。情報網をフルに使って、『創る会』の一挙手一投足を探っているのです」(自民党若手代議士)
 逆に、ここで執行部に押さえられたら、石原氏ら決起組は国民から見捨てられてしまう。また、党内でも鈴木宗男氏らにどんな冷や飯を食わされるかわからない。
 新旧両勢力にとって、まさに血で血を洗う戦争が勃発したのだ。


スパイが暗躍し脅しが横行

 勃発した自民党新旧戦争の内幕はこうだ。
 総選挙後、石原伸晃氏は父親である石原慎太郎東京都知事に、「このままでは自民党はダメになる。やるなら全面的にバックアップする」と、ハッパをかけられて、やる気になった。石原氏が他の若手に声をかけると、もともと個別に自民党改革を話し合っていた「叛乱派」が、まとまるのに時間はかからなかった。
「実は、若手叛乱派は1回目の首班指名で白票を投じ、決選投票に持ち込もうとまで話し合っていた。対執行部との戦いを先鋭化させるクーデターを計画していたのです。だが、この動きを執行部が察知して、鈴木宗男がつぶしに動いた」(自民党中堅代議士)
 その結果、7月4日の両院議員総会では、まるで悪評高い株主総会を見るような光景が展開された。これが新旧戦争の第1ラウンドだ。
 終了直前に河野氏が発言を求めると、「あとで言え」とヤジが飛び、一方的に閉会が宣言されてしまった。この言論封殺のシャンシャン大会が、若手に火を付けた。結局、石原氏らは両院議員総会の翌日、「創る会」を結成、新旧大戦争が始まった。
 この戦争では、スパイが暗躍し、裏では脅しやエサで釣ることも行われている。
 野中幹事長はオフレコで、
「若手連中はテレビでワーワーやりたいんだろう。平沢なんか自民党の世話にはなっていないといっているようだが、公認料をもらってオレに頭を下げたじゃないか。メンバーの考えも一貫していない」
と、痛烈に批判を浴びせる一方で、水面下で着々と手を打っている。
「旧小渕派、森派から『創る会』に入っている議員には、執行部が送り込んだスパイが含まれている。会での発言、誰と誰が会っているか、かなりの部分が執行部に筒抜けです」(自民党閣僚経験者)
 こんな話もある。
「野中氏は、衆参同日選挙を言いだしている。党公認を脅しに使おうという魂胆です」(自民党若手代議士)
 野中氏らの頭にあるのは、明らかな恐怖心だという。
「野中、鈴木宗男らは世代間戦争という位置づけをもっともいやがっています。そうなれば、改革派(=叛乱派)と守旧派という色分けになる。守旧派というレッテルを貼られただけで、国民から総スカンを食らって、自民党が下野に追い込まれた7年前の悪夢が蘇るのです」(全国紙政治部記者)
 執行部が最も恐れる事態は、若手とYKKが手を握ることだ。そこで、青木幹雄前官房長官は、選挙の翌日すぐさま小泉氏を呼び出し、「もうあんたもYKKなんていってる時代じゃないだろう」と、揺さぶりをかけた。
 また、加藤紘一氏に対しても、「(ポスト森を)考えておいた方がいい。ウチ(旧小渕派)としてはあんた次第だ」と、クギを刺した。おかげでYKKはすっかりおとなしくなってしまった。
 さらに、個別撃破も試みている。廊下で田中真紀子氏とハチ合わせした守旧派幹部の亀井静香政調会長は、
「あんた、もう少し静かにしないと、角さんがあの世で泣いてるよ」
と、脅しをかけた。もっとも、田中氏は、
「人相の悪い人たちは早くあっちに行ってください」
と、取り合わなかった。
「亀井氏は許永中被告との関係を報じられるなど、みずからの逆風を強く感じている。そごう問題で、いち早く国の救済を撤回したのは、その恐怖のあらわれだ」(自民党若手代議士)

自民党はサラリーマン集団だ

「創る会」のメンバーには、ジョージタウン大学を卒業した河野氏、ハーバード大学大学院を修了した塩崎氏など国際派も多い。また、金融国会で独自の政策を提示した渡辺氏ら政策通も数多く名を連ねている。海外の要人とロクに話もできず、政策の立案もできない守旧派は、それだけでゴミ箱行きなのだ。では、彼ら改革派は何を訴え、何を実行しようとしているのか。主要メンバーの発言に耳を傾けてみよう。
「自民党の政策はすべてうさん臭い、と国民は思っている。介護保険料の徴収を延期したり、ペイオフを1年延期したり、すべてその場しのぎのごまかしだと国民は知っているのです。次代を担うといわれるYKKの皆さんは、国民のために何をするのか、明確に語る責任があるのに、何も口にしなくなってしまった。ならば、われわれがやるしかない。旧態依然とした年功序列では猛スピードで動く現代の流れから、取り残されてしまう」(石原伸晃氏)
 日銀出身で政策マンとしても評価の高い塩崎氏は、自民党は都市部だけで負けたのではないと語る。
「僕の選挙区である愛媛では、小選挙区は全勝だったものの、比例区では大幅に票を減らしている。選挙区の11万弱に比べ、比例区で自民党が得た票は6万ちょっと。これは全国で起きた現象です。つまり、民意は自民党的なものに対するノーだった。議論もなく、官僚が作った政策を上から強引に押しつける政党が自由民主党とは言えない」
 河野太郎氏は、河野洋平外相の息子という毛並みの良さに似合わぬ熱い口調だ。
「自民党は一から出直さなければならないのに、執行部は連立の信任をいただいたと言い、加藤さん、山崎さんまで森政権の続投支持を表明した。いまの自民党は、改革を望まないサラリーマン集団と化してしまった。野中幹事長、亀井政調会長など党三役は明らかに戦犯です。森首相はじめ、あの世代全員が自民党の悪しき体質を引きずっている。
 まず世代交代を促し、実力本位の人事を行い、党議拘束を外せ、と訴えていきたい」
 さきごろ旧小渕派を脱会した平沢氏が吠える。
「自民党はいま、自由にものが言えない政党になってしまっている。自民党を変えるには、どんどん発言していくしかない。『創る会』は今後50人を超え、さらに大きくなっていきます。そうならなきゃウソだ。ものが言えない政治家なんて、政治家ではない」
 当選4回でグループ長老格の山口氏は、目的を絞る重要性を強調する。
「反省も総括もない執行部のもとでは何も変わらない。それなら、しかるべきグループを作ろうと、声をかけた。石原さんにも、『一緒にやろうよ』と、互いに声を掛け合った。まずは人数を広げて、力をつけることだ。ターゲットを党改革一本に絞れば、大きな力になる」

 
野党も巻き込んだ新党へ

 この戦争はどちらが勝つのか。改革派はなによりも強力な独自の総裁候補を擁立しようとしている。来年9月には、自民党総裁選が行われる。むろん、その前に行われる参院選を森首相で戦うことは、自殺行為に等しいから、参院選前に森首相が、クビを切られる可能性も大きい。それどころか、九州・沖縄サミットで首相が何か大失敗をやらかすのではないかと、自民党全体がヒヤヒヤしているのが実情だ。
 改革派は即刻森首相退陣を求めているが、最終決戦は総裁選と見切っている。
 河野太郎氏は、
「私なんかより適任者はいると思うが、もし総裁選までに準備が間に合わなければ、私が出る。(立候補に必要な)30名の署名だけしてください。前線で、とりあえずケンカしてきますから」
 と、勇ましい。平沢氏も、
「当選1回でも10回でも、同じ自民党議員だ。当選1回だから大臣になれない、総裁になれないなんてことがあるか。問題は実力だ。能力だ。何をやるかだ」
 と、言い切る。また、渡辺氏はこう胸を張る。
「永田町のプロは、田中真紀子さんについて、破壊するだけで創造的能力がないと批判するが、国民的人気はナンバーワンだ。塩崎さんは、インターネットで試みた総裁選でトップ当選している。河野さん、石原さんを含め、わが集団には人材が豊富だ」
 全国紙政治部デスクは、
「人気からいえば、石原伸晃か田中真紀子だろうが、現実に真紀子が名乗りをあげたとして、推薦人になるのは10人いないと言われている。結局、代表世話人でもある石原を擁立することになるのではないか。どちらにしても現在の自民党内の力学で考えれば当選はムリだが、国民の支持が強力に盛り上がれば状況は変わってくるかもしれない」
 と、予想する。
 圧倒的な国民の人気を受けて、メンバーの一人が田中氏に、「あんたがトップに立て」とエールを送った。田中
氏は、
「私はそんなことやる気はないわよ。おじいさんたちに頭を下げて、お行儀よくしてなきゃならないじゃない」
 と、まくしたてたが、ふと冷静な顔になって、
「次あたりから一本釣り(入閣)の嫌がらせがありそうね」
 と、つぶやいた。
「真紀子さんはしっかり先を見据えているよ。どこかの首相や幹事長と違って場当たりじゃないよ、彼女は」
 こういって、この若手代議士は田中氏に期待する。
 いっぽう、野中氏が徹底して進めようとしているのが「一本釣り」による分断策だ。ポストのエサをぶら下げて、一人ずつ取り込もうというのだ。内閣官房副長官に、若手の中心的存在の安倍晋三氏を起用したのも、その一環だ。こうした執行部の圧力をはねのけられるかどうかが、革命の成否を分ける。
 実は、若手叛乱派の一部は、次の爆弾を用意している。自民党以外を巻き込んだ新党構想だ。今回の選挙で自民党公認を得られず、無所属で当選した議員10人で作った院内会派「21世紀クラブ」の幹事長に就いた森田健作氏がいう。
「われわれは、自民党執行部のやり方はおかしい、現執行部を早く替えろ、という認識で一致している。今年いっぱい執行部批判を続け、新党結成も視野に入れている。そうなれば、保守党よりも大きな勢力になる。石原氏らのグループとも、反執行部という点で共通性があるので、いい関係が生まれるだろう」
 民主党若手代議士も「創る会」に期待を寄せる。
「自民・民主・保守系無所属の若手が政党横断的に結びつけば60〜70人に勢力が拡がる。そこまでいけば一気に100人規模まではずみがつく」
 森首相と、腐った野中自民党執行部の退場を求める国民の期待に答えることができるかどうか、これからが若手叛乱派の正念場だ。




フォローアップ:



  拍手はせず、拍手一覧を見る


★登録無しでコメント可能。今すぐ反映 通常 |動画・ツイッター等 |htmltag可(熟練者向)
タグCheck |タグに'だけを使っている場合のcheck |checkしない)(各説明

←ペンネーム新規登録ならチェック)
↓ペンネーム(2023/11/26から必須)

↓パスワード(ペンネームに必須)

(ペンネームとパスワードは初回使用で記録、次回以降にチェック。パスワードはメモすべし。)
↓画像認証
( 上画像文字を入力)
ルール確認&失敗対策
画像の URL (任意):
投稿コメント全ログ  コメント即時配信  スレ建て依頼  削除コメント確認方法
★阿修羅♪ http://www.asyura2.com/  since 1995
 題名には必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
掲示板,MLを含むこのサイトすべての
一切の引用、転載、リンクを許可いたします。確認メールは不要です。
引用元リンクを表示してください。